【完結】殿下から逃げ出したい転生者と、転生者を手に入れたい殿下の攻防〜味方のはずの父と兄は殿下とグルでした〜

ウミ

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11おほほほほほ……あ“あ“!?

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「ふむ、そなたが息子の妻か?」

 うん、妻じゃないけどね。妻になる予定の婚約者だヨ。

「ルーナ」

 心の中で言い返していたら、ツンツンと殿下に脇を突かれた。あぁ、挨拶か。

「お初にお目にかかります。今はまだ婚約者・・・ですが、ゆくゆくは殿下の妻にと。おほほほほほ」

 ちょっと太い声で『おほほほほほ』言ってやったわ。殿下の目がまんまるになっている。あ、陛下の目もまんまるだわ。

「そなたの声は特徴的なのだな?」

「おほほほほほ、なにぶん元男だったもので……」

 あんたの息子に女にされたんだ。別に女になる分には不満はないけどな。

「そうか……儂も息子のことはいえんからな。おい、マクシミリムよ」

「はい」

 へぇ、殿下の名前ってマクシなんちゃらって言うんだ。ごめん、カタカナ俺苦手なの。だからこれまで通り殿下って呼ぶね。うん、いいよね? 

 授業でも、国王の名前しか取り扱わなかった。多分、城の人たちは殿下の婚約者なんだから名前ぐらい当たり前に知っていると思っていたのだろう。残念だったな。俺は1文字も知らなかったんだよ! 今日で3文字覚えた! 

「ふむ、この娘は元男というがその秘密は漏れていないのだろうな?」

「ええ、伯爵家の次男でしたがそれについては事故で死亡したことにしております。今はルーナとして、伯爵家の遠縁の娘ということで妻に迎えようかと」

「うむ、だが遠縁とは曖昧すぎる。公爵家にでも養子に取らせるがいい。その方が体裁も整うだろう」

 え? あのアーノルド様のご実家? 嫌だよ、俺。やだ!!!!

 虐められんじゃん! 公爵家と伯爵家は仲が悪いんだ。ぜっったいやだ!!!!

「マクシ~」

「ん? ルーナ? 初めて私の名を呼んでくれたな。独特な呼び方だが、どうした」

 うん、ごめん。3文字しか覚えてなかったからさ。

「ルーナは伯爵家のままがいいですわぁ」
 
 書類の手続きとか面倒そうだし。

 前世の知識も総動員して渾身のぶりっ子で訴えた。これで却下したらマジあり得んからな? 男の矜持をぶん投げたんだぞ? 聞くよな⁉︎  俺の願い、聞き入れないわけにはいかないよなぁ?

「父上、ルーナは女体化したとはいえ伯爵家の誇りを持っております。公爵家に養子になるのは嫌だと」

「む、そうか。ならば仕方がない。王妃の実家に後見人をさせよう」

「ありがとうございますわ」

 ちなみに王妃の実家とは隣国の王家。え、なんで農民の娘がそんなご立派な後見人を持ってるかって? そんなの国王が用意したに決まってんじゃん。まぁ、この国の王族は優秀だし? てなわけで誰も文句言えないんだよ。

 まぁ隣国も隣国でこの国と繋がりが持てるからラッキーってのもあったんだろうなぁ。俺は約2ヶ月後にはいなくなるから必要ないけど。

 にっこりと笑みを浮かべておいた。冷静沈着キャラを目指していた時によく浮かべていた笑みだけど。

 つーか、王様もイケメンだなぁおい。いわゆる醤油顔というやつ。おれ? 俺はあっさり系だったけど、女体化してからロシアのちょっと顔が薄い美少女みたいになった。

 あ? 殿下はどうなのかって?

 そんなの王様を若くした感じだよ。うん。無表情だけどね。怖いわマジで。俺、早く誕生日来てほしい。

「では、式はいつ挙げる?」

「私はもう成人しておりますので、ルーナの誕生日が来てからと予定しております」

「ふむ、ならばあと2ヶ月ほどか?」

「ええ、ルーナの誕生日の翌日に披露宴をしようと思いまして。誕生日の日に式を計画しております」

 待ってよ。そんなの聞いてない。今知った。

「え、殿下⁇」

「ん? どうしたルーナ」

「早すぎませんか? 私はもう少し先の方が……」

 言葉が尻すぼみになった理由はもうお分かりだろう。ええ、あのコワァイ顔面で見つめられたらそりゃあ黙るしかございませんよねぇ?

「早めに行う方がいいだろうな。儂の時も妃が逃げよったからな」

 え、マジ? 経験談? 王妃様そういえばここにいないけど、本当に相思相愛なんだよね? え? そうなんだよね? 俺、頭痛くなってきた。

「ええ、そうします」

 ルーナもそれでいいな? そう聞かれて、頷く以外の選択肢はこの場には用意されていなかった。子が子なら親も親と言う言葉は本当だったようだ。サイアク。

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