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12悪夢再び
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「へっぴり腰になっておりますわよ!」
「はっ、ふぅ、う、ぐ⁉︎」
ペシペシと扇を叩く先生に見てもらいながらステップをふむ。
"ゆったりと 踊るつもりが ロボットに"
ルーナ書
難易度が上がったのかな? 何故か、踊れないワルツに先生も額に脂汗を浮かせている。あぁ、レディにそんな顔をさせたいわけじゃないのに。俺のこの動かない体が悪いんだ。
今日も今日とて、練習するが一向に良くならない。習得した踊りは合計3個。内2個がお子ちゃま用の簡単な踊り。
「おい! 俺が稽古してやる!」
「あ、アーノルド様! そこには入ってはいけませんと!」
そして何故かやってくる様になった公爵家次男。ねぇ、お前はさ、殿下の補佐の仕事があるんじゃないの?
「先生、今日はもう終わりですわよね?」
「え?」
「お・わ・り、ですわよね?」
「え、ええ」
先生には申し訳ないが、圧をかけて強制終了させる。まぁ、この次男のお陰でレッスンも短くなるからありがたくはある。
「そういうわけで、私は用事があるので失礼しますわ」
そういっていつものように俺は疾風の如くやつの横を通り過ぎる。
ポカンと次男の顔、結構おもろいんだよなぁ。だが、コイツがここにくるのは俺に惚れたからじゃない。殿下がいつもいつもいつもいつも、俺の話をするからだ。このアーノルド様が殿下にふさわしいか見極めてやるって、最近ここに来るようになった。
本当に殿下のことが好きなんだろう。尊敬しているんだと思う。殿下はネジが数本抜けているとはいえ、完璧人間だからね。
「ご指導ありがとうございました」
最後に先生に一礼して、今日も今日とて早めの夕食にありつくために全速力で廊下を走った。
「ルーナ」
走っていた俺の足が宙に浮く。
「あら、殿下ではありませんか」
畜生、捕まった。
何が起こったって? 殿下に抱っこされたのだ。ゾワゾワと肌が粟立つのは仕方がないとして、早く降ろしてほしいのだが。
はっきり言って不快だ。
「なんだ、嫌そうだな?」
「は? 当たり前だr……おほほほほほ。そんなことございませんわ。ただ、世間体を考えた際に、令嬢をこのような公の場で抱き上げるのはよろしくないと」
あっぶねーー。思わず本音が漏れ出るところだったわ。
「そうか。最近忙しいと思って行為を辞めていたが、元気そうだな」
殿下の目が獣のようにゆっくりと細められた。なのに、瞳孔は開いている。
ゾワッと全身を寒気が襲った。
やめろ。嫌だ。勘弁してくれ!
「今日は特別じっくり可愛がってやろう。あぁ、明日の明後日の仕事は終えてきたから大丈夫だ。久々に休みが取れたからな」
身体が強張る俺を一瞥し、殿下はトラウマとなった恐怖の寝室へ向かう。
「っ! 嫌だ!!!! 離せよ!」
まるでデジャヴだが、叫ばずには、暴れずにはいられなかった。あの苦しいものの何が快楽だ。ふざけんな。
「黙れ。今日の私は機嫌が悪い。痛い目に遭いたくなければ、大人しくしろ」
前と同じように組み敷かれると、足の間に奴の膝が割って入る。それは俺にとって恐怖を呼び起こすもの以外の何者でもなかった。
ひゅっと息を飲めば、静かになった俺に満足したかのように目の前の男は普段は滅多に見せない柔らかな笑みを浮かべて唇を寄せてくる。
「本当にやめてくれ。俺を好きなら、やめてくれ」
「ハッ、無理な話だ。諦めろ」
その言葉と共に、息が詰まりそうなほどのキスが俺を襲った。
あと、少し。あと少し我慢すればこの悪魔から逃れることができる。
全身を這い回る手と舌を、ギュッと目をつぶって我慢する。
「ふっ、我慢比べか? まぁ、いい。お前の弱い場所は全て分かるからな。逃げるなよ、ルーナ。諦めて、私の愛を受け止めろ」
耳元でねっとりと囁かれた悪魔の言葉は、今日も俺を地獄の底へと突き落とす。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【日記スペースby作者】
猫の瞳孔は暗闇と、興奮した時にグワァっと開きます。飼っていた猫も、ご飯の時の瞳孔の開き具合がヤバかった。本当に別人でした。
夜の暗い時にいきなり電気をつけるとキュッと瞳孔が狭まっておりました。シパシパと眩しそうに瞬きする様子が可愛らしかったです。
私は猫派ですが、皆様は何派ですか?
鳥派、ハムスター派、兎派、蛇派、なんでもありです。ぜひ、感想欄にコメントしてください。お気に入り登録もお願い致します。
「はっ、ふぅ、う、ぐ⁉︎」
ペシペシと扇を叩く先生に見てもらいながらステップをふむ。
"ゆったりと 踊るつもりが ロボットに"
ルーナ書
難易度が上がったのかな? 何故か、踊れないワルツに先生も額に脂汗を浮かせている。あぁ、レディにそんな顔をさせたいわけじゃないのに。俺のこの動かない体が悪いんだ。
今日も今日とて、練習するが一向に良くならない。習得した踊りは合計3個。内2個がお子ちゃま用の簡単な踊り。
「おい! 俺が稽古してやる!」
「あ、アーノルド様! そこには入ってはいけませんと!」
そして何故かやってくる様になった公爵家次男。ねぇ、お前はさ、殿下の補佐の仕事があるんじゃないの?
「先生、今日はもう終わりですわよね?」
「え?」
「お・わ・り、ですわよね?」
「え、ええ」
先生には申し訳ないが、圧をかけて強制終了させる。まぁ、この次男のお陰でレッスンも短くなるからありがたくはある。
「そういうわけで、私は用事があるので失礼しますわ」
そういっていつものように俺は疾風の如くやつの横を通り過ぎる。
ポカンと次男の顔、結構おもろいんだよなぁ。だが、コイツがここにくるのは俺に惚れたからじゃない。殿下がいつもいつもいつもいつも、俺の話をするからだ。このアーノルド様が殿下にふさわしいか見極めてやるって、最近ここに来るようになった。
本当に殿下のことが好きなんだろう。尊敬しているんだと思う。殿下はネジが数本抜けているとはいえ、完璧人間だからね。
「ご指導ありがとうございました」
最後に先生に一礼して、今日も今日とて早めの夕食にありつくために全速力で廊下を走った。
「ルーナ」
走っていた俺の足が宙に浮く。
「あら、殿下ではありませんか」
畜生、捕まった。
何が起こったって? 殿下に抱っこされたのだ。ゾワゾワと肌が粟立つのは仕方がないとして、早く降ろしてほしいのだが。
はっきり言って不快だ。
「なんだ、嫌そうだな?」
「は? 当たり前だr……おほほほほほ。そんなことございませんわ。ただ、世間体を考えた際に、令嬢をこのような公の場で抱き上げるのはよろしくないと」
あっぶねーー。思わず本音が漏れ出るところだったわ。
「そうか。最近忙しいと思って行為を辞めていたが、元気そうだな」
殿下の目が獣のようにゆっくりと細められた。なのに、瞳孔は開いている。
ゾワッと全身を寒気が襲った。
やめろ。嫌だ。勘弁してくれ!
「今日は特別じっくり可愛がってやろう。あぁ、明日の明後日の仕事は終えてきたから大丈夫だ。久々に休みが取れたからな」
身体が強張る俺を一瞥し、殿下はトラウマとなった恐怖の寝室へ向かう。
「っ! 嫌だ!!!! 離せよ!」
まるでデジャヴだが、叫ばずには、暴れずにはいられなかった。あの苦しいものの何が快楽だ。ふざけんな。
「黙れ。今日の私は機嫌が悪い。痛い目に遭いたくなければ、大人しくしろ」
前と同じように組み敷かれると、足の間に奴の膝が割って入る。それは俺にとって恐怖を呼び起こすもの以外の何者でもなかった。
ひゅっと息を飲めば、静かになった俺に満足したかのように目の前の男は普段は滅多に見せない柔らかな笑みを浮かべて唇を寄せてくる。
「本当にやめてくれ。俺を好きなら、やめてくれ」
「ハッ、無理な話だ。諦めろ」
その言葉と共に、息が詰まりそうなほどのキスが俺を襲った。
あと、少し。あと少し我慢すればこの悪魔から逃れることができる。
全身を這い回る手と舌を、ギュッと目をつぶって我慢する。
「ふっ、我慢比べか? まぁ、いい。お前の弱い場所は全て分かるからな。逃げるなよ、ルーナ。諦めて、私の愛を受け止めろ」
耳元でねっとりと囁かれた悪魔の言葉は、今日も俺を地獄の底へと突き落とす。
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【日記スペースby作者】
猫の瞳孔は暗闇と、興奮した時にグワァっと開きます。飼っていた猫も、ご飯の時の瞳孔の開き具合がヤバかった。本当に別人でした。
夜の暗い時にいきなり電気をつけるとキュッと瞳孔が狭まっておりました。シパシパと眩しそうに瞬きする様子が可愛らしかったです。
私は猫派ですが、皆様は何派ですか?
鳥派、ハムスター派、兎派、蛇派、なんでもありです。ぜひ、感想欄にコメントしてください。お気に入り登録もお願い致します。
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