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13殿下はいっぺん地獄に行け‼︎
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「う、ふぅぅ腰が痛い……」
畜生。誕生日前日まで体を貪られた。マジで。あの男の前世は淫魔だったに違いない。
「ルーナは愛らしいな」
やめろマジ。多分、男のままだったらこんなにやられっぱなしじゃなかったはずだ。いや、男だったらこんなことにはなっていない。
「まだ私から逃げられると思っているのか?」
「いや、思ってない」
本当は思ってるけどな!
ほぼ年中顰めっ面というか無愛想な顔のこの男が、笑みを浮かべるとき、それは大抵俺にとって不幸な出来事が起こる前触れだ。
「ルーナ。どうして私が定期的にお前を抱き潰すのか分かるか?」
そんなの知らない。
「さあ?」
「実はな、女の体には妊娠しやすい時期と、妊娠しにくい時期があるらしい」
歌うように告げられた言葉に、俺はサッと血の気がひいた。
「は? でも、俺、元男だし」
呪具で女になっても、それは形を真似るだけではないのか。
「月のものが来ただろう?」
そう殿下に言われて固まる。
「き、ました」
「ということは、中身も構造も機能も全て女と同じになっているということだ」
え、じゃあ。
「俺、妊娠できるの?」
「ああ」
クラリと眩暈がした。この男はそれが分かっていながら、避妊をしていない。この世界の避妊は男がする。だが、行為中にそう言った様子は見られなかった。
それに、前世があるならどうして自分が妊娠しないなどと思ったのだろう? 今世が男のせいか?
だがこの男は俺のその認識をいいように利用していた事だけはハッキリとわかった。
「アンタ、最低だな」
「知っている」
無表情なのに、この男の瞳の奥には歪んだ暗い炎が揺れている。
ここで『部屋から出て行ってくれ』と言っても、この男は聞かないだろう。デリカシーがないどころじゃないけど、コイツはいっぺん地獄にご招待した方がいいんじゃない? って常々思う。
「ルーナ」
再びギュッと抱きしめてくる殿下に、俺の肌は粟立つ。体は心と繋がっているというが、本当らしい。
「離せ」
「無理だ」
低く唸るような声は俺にハジメテの時を思い起こさせ、恐怖心を抱かせる。多分、コイツはそれを分かって利用している。全くいい性格だ。
「腹が減ったんだ」
「口調を直せ」
「お腹が空きましたの」
「フッ、分かった。用意させよう」
何が『フッ』だ。明日の朝イチに逃げてやる。3ヶ月間大人しくしていたおかげで、もはや逃げる気は無いと思ったのか、殿下にも隙が生まれ始めている。
人間は油断する生き物なんだよ!
今はそれがとてもありがたい。
腰に回されている逞しい腕は、俺が男の時に望んでも手に入れられなかったもの。筋肉、欲しかった。
「ルーナ、何を見ている?」
「いや、なんでもないです」
「話し方はいつまで経っても変わらないな? 明日は結婚式だ。ボロが出ないように気をつけろ」
「分かりましたわ」
ヒクヒクと頬が引き攣る笑みを浮かべて殿下を見てやると、呆れたような顔で頭を撫でられた。意味わかんねぇ。
ま、いいさ。あと数時間でこんな生活ともおさらばなんだからな。
「あ、そうだ。殿下」
「なんだ」
「呪具って東の国から取り寄せたって聞いたんですけど、どうやって取り寄せたんですか? 東の国に行く手段でもあるんですか?」
そこが1番気になるところ。もし、逃げても追って来られる手段があるなら不味い。
「いや、彼方にはその手の商人がいる。呪具はそいつらから仕入れた」
ふーん、じゃあその商人とやらに気をつければいいのか。まぁ、殿下が直接行ったわけではない事を知れただけ、いいかな。
「ちなみに、その商人ってどんな格好しているんです? やっぱり、この国と同じような服装なんですか?」
「いや、違うな。割と地味だ」
じゃあ、地味めの人には近寄らんとこ。
「ルーナ、いきなりどうした?」
殿下が訝しむように見てきた。まぁ、いきなりそんな商売人の事なんか聞かれたら俺だって怪しむ。
だから本音で答えた。
「いえ、この状況を作り出したのはその商人でもあるので、1発殴ってやりたいなぁと」
もちろん仮定の話。でも割とガチめに、見つけたらタコ殴りにしてやりたい。
「そうか、お前らしい」
「ありがとうございます?」
なんだ。褒められたのか?
その後、ご飯が来るまで、俺は殿下の腕にガッチリと拘束されて、頭を撫でられ続けていた。
うん、よくさ、飼い主に撫で回されて逃げる猫ちゃんいるじゃない? 多分、今、その猫ちゃんの気持ちが分かったヨ。殿下、マジ鬱陶しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【日記スペースby作者】
小さい頃、おばあちゃんの大切に育てていたお花を引っこ抜いたことがあり、『悪いことしたら地獄の閻魔様がやってきて舌を引っこ抜くぞ~~』と言われました。
悪い事をした自覚があり、小心者の私は恐ろしくて恐ろしくて……その日はお母さんに引っ付いて寝ました。
今思えば、なんであんなに怖がったんだろう? と疑問に思いますが、大人になった今も閻魔様の目に止まらぬよう気をつけております。おばあちゃん、改めてごめんなさい。
閻魔様にまつわるエピソードがあれば是非、感想欄にコメントしてください。お気に入り登録お願いいたします。
畜生。誕生日前日まで体を貪られた。マジで。あの男の前世は淫魔だったに違いない。
「ルーナは愛らしいな」
やめろマジ。多分、男のままだったらこんなにやられっぱなしじゃなかったはずだ。いや、男だったらこんなことにはなっていない。
「まだ私から逃げられると思っているのか?」
「いや、思ってない」
本当は思ってるけどな!
ほぼ年中顰めっ面というか無愛想な顔のこの男が、笑みを浮かべるとき、それは大抵俺にとって不幸な出来事が起こる前触れだ。
「ルーナ。どうして私が定期的にお前を抱き潰すのか分かるか?」
そんなの知らない。
「さあ?」
「実はな、女の体には妊娠しやすい時期と、妊娠しにくい時期があるらしい」
歌うように告げられた言葉に、俺はサッと血の気がひいた。
「は? でも、俺、元男だし」
呪具で女になっても、それは形を真似るだけではないのか。
「月のものが来ただろう?」
そう殿下に言われて固まる。
「き、ました」
「ということは、中身も構造も機能も全て女と同じになっているということだ」
え、じゃあ。
「俺、妊娠できるの?」
「ああ」
クラリと眩暈がした。この男はそれが分かっていながら、避妊をしていない。この世界の避妊は男がする。だが、行為中にそう言った様子は見られなかった。
それに、前世があるならどうして自分が妊娠しないなどと思ったのだろう? 今世が男のせいか?
だがこの男は俺のその認識をいいように利用していた事だけはハッキリとわかった。
「アンタ、最低だな」
「知っている」
無表情なのに、この男の瞳の奥には歪んだ暗い炎が揺れている。
ここで『部屋から出て行ってくれ』と言っても、この男は聞かないだろう。デリカシーがないどころじゃないけど、コイツはいっぺん地獄にご招待した方がいいんじゃない? って常々思う。
「ルーナ」
再びギュッと抱きしめてくる殿下に、俺の肌は粟立つ。体は心と繋がっているというが、本当らしい。
「離せ」
「無理だ」
低く唸るような声は俺にハジメテの時を思い起こさせ、恐怖心を抱かせる。多分、コイツはそれを分かって利用している。全くいい性格だ。
「腹が減ったんだ」
「口調を直せ」
「お腹が空きましたの」
「フッ、分かった。用意させよう」
何が『フッ』だ。明日の朝イチに逃げてやる。3ヶ月間大人しくしていたおかげで、もはや逃げる気は無いと思ったのか、殿下にも隙が生まれ始めている。
人間は油断する生き物なんだよ!
今はそれがとてもありがたい。
腰に回されている逞しい腕は、俺が男の時に望んでも手に入れられなかったもの。筋肉、欲しかった。
「ルーナ、何を見ている?」
「いや、なんでもないです」
「話し方はいつまで経っても変わらないな? 明日は結婚式だ。ボロが出ないように気をつけろ」
「分かりましたわ」
ヒクヒクと頬が引き攣る笑みを浮かべて殿下を見てやると、呆れたような顔で頭を撫でられた。意味わかんねぇ。
ま、いいさ。あと数時間でこんな生活ともおさらばなんだからな。
「あ、そうだ。殿下」
「なんだ」
「呪具って東の国から取り寄せたって聞いたんですけど、どうやって取り寄せたんですか? 東の国に行く手段でもあるんですか?」
そこが1番気になるところ。もし、逃げても追って来られる手段があるなら不味い。
「いや、彼方にはその手の商人がいる。呪具はそいつらから仕入れた」
ふーん、じゃあその商人とやらに気をつければいいのか。まぁ、殿下が直接行ったわけではない事を知れただけ、いいかな。
「ちなみに、その商人ってどんな格好しているんです? やっぱり、この国と同じような服装なんですか?」
「いや、違うな。割と地味だ」
じゃあ、地味めの人には近寄らんとこ。
「ルーナ、いきなりどうした?」
殿下が訝しむように見てきた。まぁ、いきなりそんな商売人の事なんか聞かれたら俺だって怪しむ。
だから本音で答えた。
「いえ、この状況を作り出したのはその商人でもあるので、1発殴ってやりたいなぁと」
もちろん仮定の話。でも割とガチめに、見つけたらタコ殴りにしてやりたい。
「そうか、お前らしい」
「ありがとうございます?」
なんだ。褒められたのか?
その後、ご飯が来るまで、俺は殿下の腕にガッチリと拘束されて、頭を撫でられ続けていた。
うん、よくさ、飼い主に撫で回されて逃げる猫ちゃんいるじゃない? 多分、今、その猫ちゃんの気持ちが分かったヨ。殿下、マジ鬱陶しい。
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【日記スペースby作者】
小さい頃、おばあちゃんの大切に育てていたお花を引っこ抜いたことがあり、『悪いことしたら地獄の閻魔様がやってきて舌を引っこ抜くぞ~~』と言われました。
悪い事をした自覚があり、小心者の私は恐ろしくて恐ろしくて……その日はお母さんに引っ付いて寝ました。
今思えば、なんであんなに怖がったんだろう? と疑問に思いますが、大人になった今も閻魔様の目に止まらぬよう気をつけております。おばあちゃん、改めてごめんなさい。
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