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マクシミリム
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「ルーナ」
やっとのことで東の国につき、ルーナと会えることになった。案内された部屋に入れば、すでにルーナはそこにいた。
逃げた時よりも長くなった銀の髪を高く括り、こちらの女性が着るような服ーー着物と言ったか?ーーを身に纏ったルーナは驚くほど美しい。
私の顔を見た瞬間、ルーナの顔が驚きと恐怖に歪んだのを私は見逃さなかった。
やはりまだトラウマは消えていないようだ。だが、その事に満足感を抱く自分がいる。早くルーナをこの腕の中に閉じ込めたい。
だが、ルーナの隣に当たり前のように座るいかにも優男風の見た目の男……たしかすおうだったか? が、私の心をざわめかせた。
ルーナはどうやらすおうにも怯えているらしい。他にも、いろいろな感情がルーナの瞳の中で渦巻いているのが見てとれる。会わないうちにどんどん知らない女になっているようで、胸の奥にうまれたドス黒いナニカが気に入らないと暴れていた。
「さて、皆さま。お集まりいただきありがとうございます。本日は、数年前に行方不明になった巫女の娘の今後について話し合いたいと思います。まず、彼女は華雪といいそこにいらっしゃるマクシミリム王子の国で暮らしておりました。今後、彼女がどうしたいのか希望をとって、そこから話し合いをしたいと思います」
すおうの口調はまるで、すでにルーナの答えが分かっていると言わんばかりのものだった。
ルーナは何も反応しない。帝国の時であれば、即座に意見を言っていたであろう。しかし、今回はすおうに問われてから恐る恐る口を開いている。
ーーーーいや、違うか?
自分のことは自分で決める主義だった。そんなルーナがこんなに大人しくしているとは……何かあったのか。あるいはすおうという男に脅されたか……どちらかだろう。
先程提示された中でルーナが選ぶだろうと言えるのは巫女の元へ身を寄せることだけだ。
ルーナは私によって男に対するトラウマがある。本人は自覚していないようだが、報告が来ていた。だから、ルーナが私やすおうを選ぶはずがない。
だがーー
「わ……た、しは…………すおう様と………結婚します」
ルーナはすおうとの婚姻を選んだ。私の顔を見て美しい顔を苦痛の表情に歪めるルーナを見て、確信する。
……脅しの相手は私か。
ルーナは私を憎んでいる。殺したいほどに。しかし、すおうという男との結婚を選んだということは多少なりとも私に情があったか、それとも伯爵の教えの賜物か。
ルーナが言葉を発した瞬間、密かに男の笑みが深まったのが距離が離れた私からも見てとれた。
そうか、お前も私と同類か。
「では華雪は退出してもらいましょう。お疲れ様でした」
言われるがままに退出するルーナは、やはり抜け殻のようだった。心が折れる寸前か。私も以前は従順なルーナを欲していたが、それをみて考えが変わった。
私はルーナのお人形が欲しかったんじゃない。私が王子だからといって臆せず憎まれ口を叩くルーナに魅力を感じていたのだ、と。
「ふふふ、マクシミリム様には随分とお世話になりましたので1つ私の秘密を教えて差し上げましょう。実はですね」
そう、一度言葉を切ったすおうは、にっこり笑ってこちらに顔を向けてきた。
「私は帝国の血をひいているんですよ。華雪はひと目見た時から私のいや、僕の運命なんです」
だから、あんなにルーナに執着していたのか。
「そうか。だが、ルーナは私のものだ」
「ふっ、そうですか。ですが、華雪は僕との結婚に同意した。皇族同士の約束事を破ることは不可能です」
柔和な笑みはルーナがルヴィルの時によく浮かべていたものと酷似している。コイツも誰かに心をへし折られたことがあるのだろうか?
私の予想ではルーナは抜け道を探すだろう。もしかすると、吹っ切れて逃げ出すかもしれないな。
「ククク、そうだといいがな? 言っておくがルーナは帝国で生まれ育った。お前たちの縛りは通用しないと思え」
「ここまで来るのはさぞ大変だったでしょう。どうか、旅の疲れで倒れてしまわないことを願いますよ」
男はそう一言、言い残して部屋から去っていった。
「ふむ、毒か……?」
ルーナを脅す材料として手っ取り早いのが毒を盛ると言うことだ。それも毒に身を慣らしている私でさえも敵わない稀少な抗体が出来にくい毒……
「リジか」
南国原産で、体を慣らすこともできない厄介な毒だ。その恐ろしさは計り知れない。毒と気が付かずに死んで行く者の方が多いのだから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(※殿下はチートです。頭を空っぽにしてお読みください)
感想とお気に入り登録、よろしくお願いいたします。
やっとのことで東の国につき、ルーナと会えることになった。案内された部屋に入れば、すでにルーナはそこにいた。
逃げた時よりも長くなった銀の髪を高く括り、こちらの女性が着るような服ーー着物と言ったか?ーーを身に纏ったルーナは驚くほど美しい。
私の顔を見た瞬間、ルーナの顔が驚きと恐怖に歪んだのを私は見逃さなかった。
やはりまだトラウマは消えていないようだ。だが、その事に満足感を抱く自分がいる。早くルーナをこの腕の中に閉じ込めたい。
だが、ルーナの隣に当たり前のように座るいかにも優男風の見た目の男……たしかすおうだったか? が、私の心をざわめかせた。
ルーナはどうやらすおうにも怯えているらしい。他にも、いろいろな感情がルーナの瞳の中で渦巻いているのが見てとれる。会わないうちにどんどん知らない女になっているようで、胸の奥にうまれたドス黒いナニカが気に入らないと暴れていた。
「さて、皆さま。お集まりいただきありがとうございます。本日は、数年前に行方不明になった巫女の娘の今後について話し合いたいと思います。まず、彼女は華雪といいそこにいらっしゃるマクシミリム王子の国で暮らしておりました。今後、彼女がどうしたいのか希望をとって、そこから話し合いをしたいと思います」
すおうの口調はまるで、すでにルーナの答えが分かっていると言わんばかりのものだった。
ルーナは何も反応しない。帝国の時であれば、即座に意見を言っていたであろう。しかし、今回はすおうに問われてから恐る恐る口を開いている。
ーーーーいや、違うか?
自分のことは自分で決める主義だった。そんなルーナがこんなに大人しくしているとは……何かあったのか。あるいはすおうという男に脅されたか……どちらかだろう。
先程提示された中でルーナが選ぶだろうと言えるのは巫女の元へ身を寄せることだけだ。
ルーナは私によって男に対するトラウマがある。本人は自覚していないようだが、報告が来ていた。だから、ルーナが私やすおうを選ぶはずがない。
だがーー
「わ……た、しは…………すおう様と………結婚します」
ルーナはすおうとの婚姻を選んだ。私の顔を見て美しい顔を苦痛の表情に歪めるルーナを見て、確信する。
……脅しの相手は私か。
ルーナは私を憎んでいる。殺したいほどに。しかし、すおうという男との結婚を選んだということは多少なりとも私に情があったか、それとも伯爵の教えの賜物か。
ルーナが言葉を発した瞬間、密かに男の笑みが深まったのが距離が離れた私からも見てとれた。
そうか、お前も私と同類か。
「では華雪は退出してもらいましょう。お疲れ様でした」
言われるがままに退出するルーナは、やはり抜け殻のようだった。心が折れる寸前か。私も以前は従順なルーナを欲していたが、それをみて考えが変わった。
私はルーナのお人形が欲しかったんじゃない。私が王子だからといって臆せず憎まれ口を叩くルーナに魅力を感じていたのだ、と。
「ふふふ、マクシミリム様には随分とお世話になりましたので1つ私の秘密を教えて差し上げましょう。実はですね」
そう、一度言葉を切ったすおうは、にっこり笑ってこちらに顔を向けてきた。
「私は帝国の血をひいているんですよ。華雪はひと目見た時から私のいや、僕の運命なんです」
だから、あんなにルーナに執着していたのか。
「そうか。だが、ルーナは私のものだ」
「ふっ、そうですか。ですが、華雪は僕との結婚に同意した。皇族同士の約束事を破ることは不可能です」
柔和な笑みはルーナがルヴィルの時によく浮かべていたものと酷似している。コイツも誰かに心をへし折られたことがあるのだろうか?
私の予想ではルーナは抜け道を探すだろう。もしかすると、吹っ切れて逃げ出すかもしれないな。
「ククク、そうだといいがな? 言っておくがルーナは帝国で生まれ育った。お前たちの縛りは通用しないと思え」
「ここまで来るのはさぞ大変だったでしょう。どうか、旅の疲れで倒れてしまわないことを願いますよ」
男はそう一言、言い残して部屋から去っていった。
「ふむ、毒か……?」
ルーナを脅す材料として手っ取り早いのが毒を盛ると言うことだ。それも毒に身を慣らしている私でさえも敵わない稀少な抗体が出来にくい毒……
「リジか」
南国原産で、体を慣らすこともできない厄介な毒だ。その恐ろしさは計り知れない。毒と気が付かずに死んで行く者の方が多いのだから。
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(※殿下はチートです。頭を空っぽにしてお読みください)
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