お嬢様が尊すぎて辛いのですが!?〜悲劇の悪役令嬢なお嬢様をお救いしようと思います!〜

ウミ

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皇太子に変なあだ名を付けていたのがバレた

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 花々が美しく咲き乱れ、天上の美を体現したかのような庭におります。私の説明上手でしょ。……え? そうでもない? 

「サマンサ、緊張するわ」

「ご安心ください。手のひらに"人"と言う字を書いて飲み込めば緊張は解れるそうですよ」 

「ええ? そうなの? 初めて知ったわ」

「気を紛らわせるためのまじないです」

 今日のお嬢様は、化粧をしていてまた違った可愛さがある。いや、マジで可愛いの! いつもが無邪気な天使なら今日は愛くるしい天使みたいな? 

「サマンサ、わたくし頑張るわ! 皇太子様に恋しないように‼︎」

 よくぞおっしゃいました! 昨夜の私の泣き落としのおかげか、お嬢様は恋について真剣に考えてくれるらしいです。

「皇太子様はロボット人間なのよね? 私は何を話せばいいのかしら?」

「自然体でよろしいと思いますよ」

 結論、一目惚れを回避すれば後はどうとにもなる。お嬢様にはどれだけ皇太子は外面が厚いか、熱弁したからね。天使は、分かってくれたようだよ。はぁ、可愛い。

「サマンサ、顔が弛んでるわよ!」

「は、失礼いたしました」

「もう、しっかりしてちょうだい」

 あぁ、怒るお嬢様も天使っ‼︎

「サマンサ、サマンサ、来たわよ!」

 おっといけません。お嬢様を愛でていたらいつの間にか皇太子様が来ていたようです。遠目に見える2人の人影……お連れの方は……宰相候補のルベルト様ですね。ええ、皇太子の次に腹黒い奴です。

「サマンサ、隣の方はダイヤ侯爵家の嫡男のルベルト様よ。ちなみに、サマンサより一個上よ!」

「……そうでございますか」

「ええ!」

 何故お嬢様は目を輝かせているのでしょう。あの腹黒とお似合いね! とか思ってるのかな? いくらお嬢様のオススメでも、腹黒いのはごめんだよ!

「お嬢様、今日はお嬢様のお見合いでございます」

「……そうだけれど~」

 え、何この天使。可愛すぎる。上目遣いとかあざとすぎません?

「お嬢様、そのお話はまた今度いたしましょう」

「そうね」

 ちょうど皇太子達も私達が座っているテーブルの近くに来ている。

「サマンサ、かっこいいわ」

「目を見てはどうでしょう」

「笑っているのに笑ってないわ! これがサマンサの言うロボット人間ね!」

「「は?」」

  驚いた表情の男性2人と目が合う。

 嬉しそうに報告してくれてありがとうございます。この瞬間からサマンサは死にました。

「お嬢様、それは言わない約束……」

「あら……ごめんなさい」

 遅いです、お嬢様。そんなうっかりなお嬢様も可愛らしいですけれど‼︎  

「お嬢様挨拶を!」

「あ、そうだったわ」

 ポカンと立っている2人には申し訳ないが。このまま強行突破させてもらう! 謎の単語にはてなマークを浮かべていた2人はお嬢様のそれはもうお美しい完璧な挨拶を見て、目を見張っていた。

 そうでしょう、そうでしょう?

 お嬢様はすばらしいのよ!

「こんにちは、イリージェ嬢。私の名前はブレディグだ。よろしくね」

「ええ、よろしくお願いしますわ」

 うんうん、なんともいい感じ。お嬢様はいつも通りで、恋に落ちた様子もない。あれ? 待って、なんか皇太子通り越して別の何かを見てる?

「イリージェ嬢⁇」

 あ、皇太子も気づいた。

「お嬢様?」

「なぁに?」

 ぐっ可愛い……じゃなくて、しっかりするのよサマンサ!

「どちらをご覧になっているのですか?」

「いえ、あまりにも皇太子様がかっこいいからね? 恋に落ちないようにあそこの木を見ていたの」

 ~~っ、なるほど! とっってもお可愛らしいですが、今やっちゃダメやなつ!

「お嬢様、他の方と話す際に、相手の顔を見ないのは失礼に当たります」

 ちょっと困り顔のお嬢様に、こっそりアドバイス。

「口元を見て話すと良いですよ」

 彼方には聞こえないように話したのでセーフ、と思いたい。

「皇太子様、失礼致しました」

「あぁ、別に大丈夫だよ。ところで庭園の木に興味があるのかな?」

「えぇ、今は授業で植生について教わっているところなんですの! 気候によって生えてくる木が違うというのがまた面白くて……」

 お嬢様は、皇太子そっちのけで今習っている所のことを話し始めました。……これなら大丈夫そうです。さて、私は聞き役に徹することにいたします。え、なんでそんなことわざわざ言うのかって? 

 察してちょうだい?

 さっき、私は何をしたと思う? 皇太子の変なあだ名を付けたのがバレたでしょ? 皇太子の隣には誰がいた?

 そーう! 宰相候補の腹黒ルベルトダヨ!!!!

 じぃーと見つめられ、私の背中には汗がとめどなく流れております。

 お嬢様は木について語るのに忙しく、手綱を握るはずの皇太子もなぜか目を輝かせてお嬢様のお話に魅入っている。

 そうでしょう、お嬢様の聡明さが分かるでしょう? お嬢様は天使なのですから!

 あぁ、今はそうじゃない。あ、ルベルト様が近寄ってきましたよ。ーー目があったぁぁ……

 ダダーンッ

 サマンサぁ、アウトぉぉーーーーーー‼︎

 ……ふふっ、ガキ○カで流れるアウトを知らせる曲の幻聴が聞こえたんだけど、なんでだろう?
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