5 / 12
悪意のあるあだ名をつけると痛い目に遭う
しおりを挟む
「こんにちは」
「……ごきげんよう」
あぁ、ルベルト様の目がどことなく怖い。
「少し、彼方のほうでお話ししましょうか」
「……いえ、お嬢様がいらっしゃるので」
そうよ、サマンサはお嬢様に忠誠を誓った下僕! 勝手に離れるわけにはいかないわ!
「サマンサ、大丈夫よ‼︎」
おーじょーうーさーまーー
親指立てる動作とかどこで習ってきたんですか! いってらっしゃいじゃないですよ。
「さ、イリージェ嬢もそう言っていることですし。この婚約が貴女のせいで成立しなかった場合、どうなりますかね?」
別にいいよ。こっちは阻止したい派だから! なーんて、腹黒の前でイキることすらチキンな私にはできませんでした。
「……わかりました」
「聞き分けが良くて助かります」
にっこり笑顔のルベルト君。聞き分けがいいんじゃない、お前の脅しのせいじゃ!
「さて、先程イリージェ嬢がおっしゃっていた我が君に対する別称についてお伺いしても?」
「エット……?」
何言ってるか分からないし、心当たりはこのサマンサにはございません……
「えっととは? まさか、無かったことにしようとでも?」
いえ、ありますあります。もーーちろんありますとも!
「……どんな時でも冷静沈着で立派な方という意味でございます」
間違ってないもんね! まさに物は言いよう、ですよ。
「へぇ、ならば"ロボット"というのにはその様な意味が?」
「ええ、そうでございます」
私、サマンサの心臓はバクバクでございます。
「本当に?」
「ええ、もちろんです」
もういいじゃん! 嘘じゃないんだから! お嬢様にも、もう言わないようにお約束するから! そんな怖い目で見ないでくれませんか。チキンハートは私は死にますわ。秒で、はい。
「まぁ、いいでしょう。ですが、今後不思議な別称を皇太子様に付けないように」
「分かりました」
……今回は私が悪うございました。いくら、推しのためとてあだ名をつけるのは良くないね。お嬢様、変なことを教えてしまって申し訳ございません。
「あの、じゃあ戻っても……?」
「はぁ、あの2人を見てそんなことが言えるのですか?」
「え"?」
やだ! あの2人の雰囲気ってば出来たてほやほやの恋人同士じゃない! しかも、皇太子が一方的にお嬢様に恋してるように見えるんですけど⁉︎
「……なんですか、あれ」
「恋人のような関係になりかけているのでは?」
「そんなの見て分かります。ですが、お嬢様はそこまでではないようです。つまり、今すぐ引き離しに行かなければ!!!!」
「はぁ、なんでその結論になるのですか」
ヒロインが現れてお嬢様が傷ついてしまったらどうするんです!?
「お嬢様は純粋でピュアでとても賢くお優しく天然で天使な方です。そんなお嬢様がもし皇太子様に振られでもしたら……!」
いや、もしそうなったら皇太子をどんな手を使ってでも殺しに行く。いえ、冗談でなく。
「少し落ち着きなさい。貴女は人の話を聞かないタイプの方ですね?」
よくお分かりになられた! ん? 心なしかルベルト様が疲れているような……まぁ、まだ子供ですもんね?
「なんですか、その生暖かい目は? 俺は貴女みたいに単細胞ではありませんよ」
あれ? なんかディスられたんだけど?
「ほら、もう少し待っていてください。あと少しでこのお茶会は終わりますから」
「はぁ」
え、なんで私は小さい聞き分けのない子供みたいな扱いになってるのかね?
態度がガラリと変わったルベルト様に困惑し、皇太子のお嬢様を見つめる怪しい目つきにハラハラしながら、このお見合いは終了した。
「……ごきげんよう」
あぁ、ルベルト様の目がどことなく怖い。
「少し、彼方のほうでお話ししましょうか」
「……いえ、お嬢様がいらっしゃるので」
そうよ、サマンサはお嬢様に忠誠を誓った下僕! 勝手に離れるわけにはいかないわ!
「サマンサ、大丈夫よ‼︎」
おーじょーうーさーまーー
親指立てる動作とかどこで習ってきたんですか! いってらっしゃいじゃないですよ。
「さ、イリージェ嬢もそう言っていることですし。この婚約が貴女のせいで成立しなかった場合、どうなりますかね?」
別にいいよ。こっちは阻止したい派だから! なーんて、腹黒の前でイキることすらチキンな私にはできませんでした。
「……わかりました」
「聞き分けが良くて助かります」
にっこり笑顔のルベルト君。聞き分けがいいんじゃない、お前の脅しのせいじゃ!
「さて、先程イリージェ嬢がおっしゃっていた我が君に対する別称についてお伺いしても?」
「エット……?」
何言ってるか分からないし、心当たりはこのサマンサにはございません……
「えっととは? まさか、無かったことにしようとでも?」
いえ、ありますあります。もーーちろんありますとも!
「……どんな時でも冷静沈着で立派な方という意味でございます」
間違ってないもんね! まさに物は言いよう、ですよ。
「へぇ、ならば"ロボット"というのにはその様な意味が?」
「ええ、そうでございます」
私、サマンサの心臓はバクバクでございます。
「本当に?」
「ええ、もちろんです」
もういいじゃん! 嘘じゃないんだから! お嬢様にも、もう言わないようにお約束するから! そんな怖い目で見ないでくれませんか。チキンハートは私は死にますわ。秒で、はい。
「まぁ、いいでしょう。ですが、今後不思議な別称を皇太子様に付けないように」
「分かりました」
……今回は私が悪うございました。いくら、推しのためとてあだ名をつけるのは良くないね。お嬢様、変なことを教えてしまって申し訳ございません。
「あの、じゃあ戻っても……?」
「はぁ、あの2人を見てそんなことが言えるのですか?」
「え"?」
やだ! あの2人の雰囲気ってば出来たてほやほやの恋人同士じゃない! しかも、皇太子が一方的にお嬢様に恋してるように見えるんですけど⁉︎
「……なんですか、あれ」
「恋人のような関係になりかけているのでは?」
「そんなの見て分かります。ですが、お嬢様はそこまでではないようです。つまり、今すぐ引き離しに行かなければ!!!!」
「はぁ、なんでその結論になるのですか」
ヒロインが現れてお嬢様が傷ついてしまったらどうするんです!?
「お嬢様は純粋でピュアでとても賢くお優しく天然で天使な方です。そんなお嬢様がもし皇太子様に振られでもしたら……!」
いや、もしそうなったら皇太子をどんな手を使ってでも殺しに行く。いえ、冗談でなく。
「少し落ち着きなさい。貴女は人の話を聞かないタイプの方ですね?」
よくお分かりになられた! ん? 心なしかルベルト様が疲れているような……まぁ、まだ子供ですもんね?
「なんですか、その生暖かい目は? 俺は貴女みたいに単細胞ではありませんよ」
あれ? なんかディスられたんだけど?
「ほら、もう少し待っていてください。あと少しでこのお茶会は終わりますから」
「はぁ」
え、なんで私は小さい聞き分けのない子供みたいな扱いになってるのかね?
態度がガラリと変わったルベルト様に困惑し、皇太子のお嬢様を見つめる怪しい目つきにハラハラしながら、このお見合いは終了した。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる