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開戦前夜
しおりを挟む夜の帳が降りていた。
自動車企業が開催するパーティー会場から程近い、一流ホテルのスイートルーム。
ポリスのトップはガウン姿でワインを飲んでいた。
「明日は何時に迎えが来るんだった?」
と、横に控えて立っている女性秘書に話しかけた。
「はい。明日の朝は6時半に迎えが来る予定です」
と中年の美人秘書はメガネを外しながら答えた。
「そうか、よろしい」
と言って、ワイングラスをテーブルに置いた。
そして、
「まだ飲み足りんな。もう一本ワインを持ってきてくれないか?」
と言った。
秘書が新しいワインを持ってくると、
「今日の仕事はもう終わりだ。お前も疲れただろうから、シャワーを浴びてくるといい」
ポリスのトップは卑猥な笑みを秘書に投げかけて言った。
「承知しました」
美人秘書は表情を崩さずに答えた。
夜空には、綺麗な半月が浮かんでいた。
バーバラの家で料理の手伝いをしているマリーは、
「たくさん芋の皮を剥いたけど、これで何を作るの? バーバラ」
「さぁ、何にしようかしらね。芋料理はたくさんあるから迷うわね」
と言って、バーバラは微笑んだ。
「ええー? 何を作るか決める前に皮を剥かせるなんて、ひどいわバーバラ! もう手が疲れちゃった」
マリーは両手を広げてバーバラに抗議した。
「あはは、ごめんなさい、マリー。 大丈夫よ、全部使うから」
と笑うと、奥の部屋に向かって言った。
「ビリー! 晩御飯はシチューでいいかしら?」
すると、奥から、
「やったぁ。バーバラのシチューは最高さ!」
と大きなビリーの声が返ってきた。
ロンは部屋の隅で丸くなって寝ていた。
辺りに民家のないキャシーの家からは、夜空の星が綺麗に見られた。
キャシーは家の庭にいた。
赤い車の横で寝転がり、いくつもの星を眺めていた。
白く、赤く、星はきらきら光っていた。
目まぐるしく展開した、この数ヶ月。
いよいよ明日、決闘の日がやってくる。
キャシーの胸は昂っていた。
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さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
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「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
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またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
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