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ミツオとの出会い
しおりを挟むわたしは自転車です。
ネオといいます。
わたしはぼろぼろになり、廃棄されました。
そう、わたしは死んだのです。
しかし、いまのわたしは幸せです。
ネオはわたしの本当の名前ではありません。
わたしの一番の友達、ミツオがそう呼んでいたから、わたしはそう名乗っています。
ネオというのは、この自転車を造ったメーカーが付けた名称です。
ある型の新車に、このサブネームが与えられました。
そうとは知らないミツオは、わたしのことを最初からネオと呼んでいました。
これからミツオとの様々な想い出をお話しします。
ミツオが八歳になった時、わたしとミツオは出会いました。
それまでは、ほかの人から借りた自転車しか乗れなかったミツオですが、八歳の誕生日に、ミツオの祖父母から、わたしをプレゼントされました。
その時の光景は、いまでもはっきりと覚えています。
なぜなら、ミツオだけじゃなく、ミツオの祖父母、そしてわたしも幸せに包まれていたからです。
わたしは、この少年と出会って、本当に嬉しかったのです。
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