荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼

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第32話【もうひとつのスキル検証】

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「おはようございます。
 サーシャさんにお願いしたい事があるんですが」

 ノエルに告白をした次の日、期限を一月としたスキルの検証期限を見据えて早速斡旋ギルドへ顔を出した僕はもうほぼ担当となっているサーシャのいるカウンターへとまっすぐに向かっていた。

「あ、ミナトさん。
 おはようございます。
 今日は早い時間からどうされましたか?」

 サーシャはいつもの笑顔で迎えてくれ、僕の用件を聞いてくれる。

「実は先日少しだけ話したスキルの件なんですけど、やっぱり僕ひとりでは検証が出来ないので誰かに手伝ってもらいたいと考えてまして、紹介をしてもらうならここしかないので来てみました」

「ああ、新しいスキルの調査ですね。
 ちなみにどんな人が必要なのでしょうか?
 それが明確にならないと紹介する事が出来ませんよ」

 サーシャはそう言いながら職業別の斡旋登録者リストの書かれた書類を準備する。

「えっと、とりあえず魔法が使える人がいいかな。
 あまり強いものでなくても良いですから攻撃魔法の使い手、そして回復魔法の使い手が居ると助かります。
 もちろん守秘義務を守れる人限定でお願いしたいです」

「攻撃魔法と回復魔法ですか……。
 何でもいいならそれこそサーラさんは初級の水魔法が使えますので協力してもらったら良いかと思いますし、回復魔法に関してはひとり心当たりがありますのでその方に話をしてみましょう。
 それでどうですか?」

「そうですね。
 とりあえず今回は僕の考えてる事が出来るかどうかの検証なので全属性の魔法は必要ないですからサーラさんにお願いしてみてください。
 回復魔法の方はサーシャさんにお任せしますので調整をしてみてください」

「はい、わかりました。
 ではこちらの書類にサインをして報酬のギルド預けをお願いします」

 サーシャはそう言うとテキパキと書類を完成させて「今から連絡をとりますので午後にまた顔を出してくださいね」と僕に告げた。

「――それじゃあ午後にまた来ます」と僕はサーシャにお礼を言ってから少し買い物のために町を歩いてみる。

「お、こんな所に魔道具の店が?
 前は興味もお金も無かったから気が付かなかったのかな?
 少し覗いてみるとするかな」

 今回のノエルの件で防犯用の魔道具がある事を知った僕は他にもどんなものが魔道具として売られているか気になっていた。

 ――イラッシャイマセ。

「うおっ!?」

 お店のドアを開けるとドア鐘の音の代わりに入口付近に置いてあった人形が挨拶をしてきた。

(へー、この世界にも喋る人形が作れるんだな。
 まあ、魔法が普通にある世界なんたからそれほど驚く事ではないのかもしれないけど……)

 お店に入るとそれなりの広さの売り場にいろいろな道具が置かれていた。

「凄いな。
 これ全部魔道具なんだろ?
 使い方が分からないものだらけだけど鑑定スキルで見たら分かるのかな?」

 僕はそう呟きながら魔道具をひとつ手にとって鑑定をしてみた。

【魔力のランプ:使用者の魔力を使用してあかりを灯すことが出来るランプ】

(なるほど、燃料が使用者の魔力って事なんだな。
 どのくらいの量を消費するか分からないけど結構便利そうだな。
 ひとつ買ってみるとするかな)

 僕はそう思って手にしたランプをカウンターに持って行く。

「すみません。
 これが欲しいのですがおいくらですか?」

「ん? 魔力のランプなんか欲しいのか?
 今は魔石のランプが主流だぞ。
 まあ、そんな骨董品こっとうひん欲しけりゃやるよと言いたいが仕入れにかかったコストがあるからな……そうだな銀貨2枚でいいぜ」

 魔道具屋のカウンターであくびをしながらそう応えるおっさんに「じゃあこれで」と銀貨を2枚取り出してカウンターへ置くと「ありがとよ」と礼を言ってきた。

「ついでに何か面白そうなものは無いですか?」

「面白そうなもの?
 役に立つものじゃなくてか?
 変な奴だな……そうだなコイツなんかどうだ?」

 おっさんはそう言いながら握りこぶし大の白い石をカウンターに置いた。

「これは何ですか?」

「魔重力石だ。
 コイツに魔力を押し込めば押し込むほど重さを増していく不思議な石だ。
 ただそれだけなんで、どういった使い方をするのか俺にはさっぱりわからんよ。
 昔、俺の親父の代で面白がって仕入れたものらしいが誰にも買われなかったそうだ。
 まあ、確かに使い方の分からん石を買おうなんて酔狂な奴はなかなかいるもんじゃないだろうしな。
 どうだ、おまえ買ってみるか?
 不良在庫だから銀貨3枚でいいぜ」

「面白そうなものですね。
 確かに使い方は不明ですけど何かに使えそうな気もするんですよね。
 良いですよ。せっかく出してこられたんですからそれも買いますね」

「おう、そうか。ありがとよ。
 また何か必要なものがあれば見に来いよ」

「そうですね。そうさせて貰いますね」

 僕はそう言って代金の銀貨3枚をカウンターに置いて店を出た。

「あ、そう言えばこの石も鑑定してみれば良かったんじゃないか?
 まあ、もう買ってしまったしカード化もしたから鑑定はまたでいいか」

 この時は特に思わなかった事が後になってとんでもない事態になる事はこの時は予測もしていなかった。

   *   *   *

 その後は軽く屋台で昼食を食べてから再度ギルドに顔を出した僕の前に見知った顔と初対面の顔が並んでいた。

「あ、ミナトさん。
 お待ちしてましたよ、こちらが回復魔法の使い手であるミーナさん。
 あとはもちろんご存知でしょうけど水魔法の使い手であるサーラさんになります。
 それで、検証を何処でやるのかを決めて無かったのですがどうしますか?」

 サーシャはふたりの紹介をすると場所の確認を始める。

「うーん。危険なところに行く必要はないけどあまり他人に見せられるものでもないからな。
 サーシャさん、ギルドの訓練場で貸し切りに出来る部屋とかってありますか?」

「訓練場の貸し切りですか……。
 部屋なら会議室とかになりますけどそうですね……あまり広さはないですけど魔法の動作確認用の結界がある部屋が借りれるかもしれないです。
 ただ、ちょっと借賃が高いですけど……」

「高いってどのくらいなの?」

「そうですね、1時間で小金貨1枚だったと思います」

(小金貨1枚……1万リアラか、確かに高いな。
 だが魔法結界があるのはありがたいし、そういった設備ならば魔法の試し打ちが出来るだろうから今回の検証にはうってつけかもしれないな)

「わかった。
 じゃあもし借りれるならば3時間程申請してみてくれるかな?
 もし、今日だけで確認が出来なかったらまた明日にでも借りるかもしれないけれどね」

「3時間ですね?
 すぐに確認して申請してみますね」

 サーシャはそう言うと確認するために奥の部屋へと小走りに入って行った。
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