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第34話【斡旋ギルドからの治療依頼③】
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「本人と保護者の許可をとって眠っている時に治療すると言うのはどうだろうか?
寝ている女の子の身体に触れるのは絵面的にも倫理的にも少しばかり抵抗があるけど本人が嫌悪感から逃げまくるのを無理矢理に治療するのも辛いと思うからね」
「なるほど!それは良い提案……なんて言う訳ないでしょ!!!」
僕が良かれと思って言った提案はあっさりとリリスに破棄された。
「普通に考えてみなさいよ!男嫌いの彼女がいくら意識のない寝てる間と言っても身体に触らせるなんて話、絶対に許可する筈がないでしょうが!」
「やっぱりそうか……。
そうだ!いっそのこと治療方法を黙っておいてなら……」
「既に伝えてあるから無理です」
僕が何を言っても即座に却下されるこの状況で良い案も浮かばず時間ばかりが過ぎていった。
「ーーー時間切れですね。
仕方ないですから明日は臨時休業にして対応しましょう」
リリスが「お腹が空いたので今日は終わりです」と締めたので僕とユリナも同意した。
「では、明日。昼の鐘が鳴る頃に連れてきてください」
ユリナにそう伝えるとリリスは台所に入って行った。
「依頼を受けてくださりありがとうございます。
すみませんが明日は宜しくお願いします」
ユリナは深々と頭を下げるとギルドへ帰って行った。
「ーーーで、結局どうするのが最適解なんだろうね」
リリスが作ってくれた夕食を食べながら明日の対応の仕方を話し合う。
「まあ、私が先に患部の状態確認してから治療の方法についての説明をして、その後にナオキが面談する流れが良いと思うわ」
「まあ、やっぱりそれが一番無難だろうね。
男嫌いと言うのが本当ならばリリスが話の詳細を聞くしかないだろうし、あまりに難しいようなら治療を諦めてもらう手段も考えなくてはいけないだろうな」
結局のところ無難な選択しか出来ない事にもどかしさを感じながら休む事にした。
* * *
次の日の昼下りに診療所の前に馬車が止まり、ユリナに続いてふたりの女性が馬車から降りた。
一応、僕はリリスの聞き取りが終わるまでは顔を出さない方針で診察室へ籠っていた。
「ようこそお越しくださいました。
当診療所の受付兼助手をしておりますリリスといいます。
始めに診察内容の確認がございますので待合室の方へお入りください」
リリスが3人を待合室へと迎え入れるとユリナがふたりを紹介した。
「こちらが依頼人のアーリー様でお隣の方が娘さんのナナリー様になります。
今回、治療して頂きたいのはナナリー様の方で症状は首筋から胸元にかけてのアザの除去、若しくは軽減となります」
ユリナがギルドの依頼書に記載されている内容を読み上げる。
「いくつか確認したい事があるのですが宜しいですか?」
説明が終わるとリリスがふたりに対して質問を投げかけた。
「ええ、どうぞ」
応えたのは母親のアーリーで、娘のナナリーはふて腐れた表情で横を向いていた。
(あ、これは娘の方は納得して来て無いわね。母親に無理矢理連れて来られたって感じがみえみえだわ)
リリスは心の中で苦笑いをしながら質問を始めた。
「では、アザの方は生まれつきで間違いないですね?」
「ええ、昔はもう少し薄かったのだけど大きくなるにつれて濃くなった気がするのよ」
「見せて頂いても宜しいですか?」
その日のナナリーは黒のハイネックの大きめサイズの服で、出来るだけ肌を見せたくない意思が前面に出ているものだった。
「大変申し訳ないのですが、治療箇所の確認が出来なくては治療のしようがありませんのでこちらの診察着に着替えて頂けますでしょうか?」
時々ではあるがそういった患者が来ることもあったのでリリスはサイズ別に何着も診察着を準備していた。
「本当に治療を受けないといけないの?」
ここでようやくナナリーが母親に対して不満をあらわにした。
「先日も話したと思うけど、あなたは成人を迎えたのだからこれからは公の場に出る事が増えると言いましたよね。
そう言った会のほとんどが今着ているような服装では無くてドレスでの参加になるわ。
でも、そういった服装は必ず胸元が開いているデザインが多数になる。
だからあなたが気にしなくてもいいようにアザの除去をお願いに来たの。
あなたも理解して了承したと思ってたのだけど……違ったかしら?」
アーリーは娘の煮えきらない態度に丁寧な言葉遣いでありながらジワジワと圧力をかけていった。
「ママの言ってる事は頭では分かってるけれど治療をするのは男の人なんでしょ?
それに何?『胸を触って治療する』とかただの変態じゃないの。
それでなくても前にママが連れてきた魔術士の男に『傷を確認します』と言って私の胸をジロジロ舐め回すように見て『傷を触ってみても?』と胸も揉まれたし!
しかも結局『生まれつきのアザは回復魔法では治せません』と言って帰ったじゃない!」
母親の圧に耐えきれなくなったナナリーが思いを言葉にして反論した。
(ああ、これが男嫌いの根源か……。
確かにそんな男に当たったら男嫌いになってもおかしく無いか。
まだ成人したばかりと言ってたから15歳だろうし)
「では、確実に治る保証があればどうですか?
確かに当治癒士の治療方法は女性の胸元に触れますが『本当に治療に必要な行為』ならば許容出来ませんかね?
当診療所としましても女性が困っている、苦しんでいる状態を改善したいとの信念で開業しております。
その主旨を汲み取って頂けるならば治療をお受けしたいと思いますが、それでも拒絶されるならば仕方ありませんのでお引取りを願う事になります」
リリスの言葉巧みな説得にナナリーが反応する。
「確実に治るって保証はどう証明するのよ?」
その言葉を待っていたとばかりにリリスが奥の手を提案した。
寝ている女の子の身体に触れるのは絵面的にも倫理的にも少しばかり抵抗があるけど本人が嫌悪感から逃げまくるのを無理矢理に治療するのも辛いと思うからね」
「なるほど!それは良い提案……なんて言う訳ないでしょ!!!」
僕が良かれと思って言った提案はあっさりとリリスに破棄された。
「普通に考えてみなさいよ!男嫌いの彼女がいくら意識のない寝てる間と言っても身体に触らせるなんて話、絶対に許可する筈がないでしょうが!」
「やっぱりそうか……。
そうだ!いっそのこと治療方法を黙っておいてなら……」
「既に伝えてあるから無理です」
僕が何を言っても即座に却下されるこの状況で良い案も浮かばず時間ばかりが過ぎていった。
「ーーー時間切れですね。
仕方ないですから明日は臨時休業にして対応しましょう」
リリスが「お腹が空いたので今日は終わりです」と締めたので僕とユリナも同意した。
「では、明日。昼の鐘が鳴る頃に連れてきてください」
ユリナにそう伝えるとリリスは台所に入って行った。
「依頼を受けてくださりありがとうございます。
すみませんが明日は宜しくお願いします」
ユリナは深々と頭を下げるとギルドへ帰って行った。
「ーーーで、結局どうするのが最適解なんだろうね」
リリスが作ってくれた夕食を食べながら明日の対応の仕方を話し合う。
「まあ、私が先に患部の状態確認してから治療の方法についての説明をして、その後にナオキが面談する流れが良いと思うわ」
「まあ、やっぱりそれが一番無難だろうね。
男嫌いと言うのが本当ならばリリスが話の詳細を聞くしかないだろうし、あまりに難しいようなら治療を諦めてもらう手段も考えなくてはいけないだろうな」
結局のところ無難な選択しか出来ない事にもどかしさを感じながら休む事にした。
* * *
次の日の昼下りに診療所の前に馬車が止まり、ユリナに続いてふたりの女性が馬車から降りた。
一応、僕はリリスの聞き取りが終わるまでは顔を出さない方針で診察室へ籠っていた。
「ようこそお越しくださいました。
当診療所の受付兼助手をしておりますリリスといいます。
始めに診察内容の確認がございますので待合室の方へお入りください」
リリスが3人を待合室へと迎え入れるとユリナがふたりを紹介した。
「こちらが依頼人のアーリー様でお隣の方が娘さんのナナリー様になります。
今回、治療して頂きたいのはナナリー様の方で症状は首筋から胸元にかけてのアザの除去、若しくは軽減となります」
ユリナがギルドの依頼書に記載されている内容を読み上げる。
「いくつか確認したい事があるのですが宜しいですか?」
説明が終わるとリリスがふたりに対して質問を投げかけた。
「ええ、どうぞ」
応えたのは母親のアーリーで、娘のナナリーはふて腐れた表情で横を向いていた。
(あ、これは娘の方は納得して来て無いわね。母親に無理矢理連れて来られたって感じがみえみえだわ)
リリスは心の中で苦笑いをしながら質問を始めた。
「では、アザの方は生まれつきで間違いないですね?」
「ええ、昔はもう少し薄かったのだけど大きくなるにつれて濃くなった気がするのよ」
「見せて頂いても宜しいですか?」
その日のナナリーは黒のハイネックの大きめサイズの服で、出来るだけ肌を見せたくない意思が前面に出ているものだった。
「大変申し訳ないのですが、治療箇所の確認が出来なくては治療のしようがありませんのでこちらの診察着に着替えて頂けますでしょうか?」
時々ではあるがそういった患者が来ることもあったのでリリスはサイズ別に何着も診察着を準備していた。
「本当に治療を受けないといけないの?」
ここでようやくナナリーが母親に対して不満をあらわにした。
「先日も話したと思うけど、あなたは成人を迎えたのだからこれからは公の場に出る事が増えると言いましたよね。
そう言った会のほとんどが今着ているような服装では無くてドレスでの参加になるわ。
でも、そういった服装は必ず胸元が開いているデザインが多数になる。
だからあなたが気にしなくてもいいようにアザの除去をお願いに来たの。
あなたも理解して了承したと思ってたのだけど……違ったかしら?」
アーリーは娘の煮えきらない態度に丁寧な言葉遣いでありながらジワジワと圧力をかけていった。
「ママの言ってる事は頭では分かってるけれど治療をするのは男の人なんでしょ?
それに何?『胸を触って治療する』とかただの変態じゃないの。
それでなくても前にママが連れてきた魔術士の男に『傷を確認します』と言って私の胸をジロジロ舐め回すように見て『傷を触ってみても?』と胸も揉まれたし!
しかも結局『生まれつきのアザは回復魔法では治せません』と言って帰ったじゃない!」
母親の圧に耐えきれなくなったナナリーが思いを言葉にして反論した。
(ああ、これが男嫌いの根源か……。
確かにそんな男に当たったら男嫌いになってもおかしく無いか。
まだ成人したばかりと言ってたから15歳だろうし)
「では、確実に治る保証があればどうですか?
確かに当治癒士の治療方法は女性の胸元に触れますが『本当に治療に必要な行為』ならば許容出来ませんかね?
当診療所としましても女性が困っている、苦しんでいる状態を改善したいとの信念で開業しております。
その主旨を汲み取って頂けるならば治療をお受けしたいと思いますが、それでも拒絶されるならば仕方ありませんのでお引取りを願う事になります」
リリスの言葉巧みな説得にナナリーが反応する。
「確実に治るって保証はどう証明するのよ?」
その言葉を待っていたとばかりにリリスが奥の手を提案した。
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