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第77話【ナナリーの恋愛相談】
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(やっぱり行かないと駄目なのよね……)
先に温泉から上がり、休憩室で待ってると言われたからには気が乗らなくても行かざるをえないリリスだった。
(仕方ない……とりあえず話を聞くだけでも聞いてみよう)
リリスはそう決心して温泉から上がった。
身体を拭いて髪を乾かし、サラサラになったストレートの髪を軽く纏めてから休憩室へ向かった。
休憩室では髪をアップにしてタオルで巻いた状態のナナリーが冷たい飲み物を飲みながらリリスを待っていた。
「あっ、リリスさん。待ってましたよ。何か飲みますか?」
リリスに気がついたナナリーはリリスに飲み物をすすめる。
「じゃあロピカのジュースで」
リリスが飲み物を注文したのを確認したナナリーは声のトーンを1段下げてリリスに言った。
「で、さっきの話なんですがリリスさん的には年上の男性ってどうなんですか?」
「どう?と言われてもさっきも言った通り私だって男性と付き合ったのはナオキが初めてだからアドバイスは出来ないわよ」
リリスは顔を赤くしながら答える。
「ただ、現役受付嬢の時に好印象を与えてくるのは大体がそれなりに年上の男性だったわね。
ただし、全員が所帯持ちだったけど……。
だから、ギルド規則もあるからギルド内は当然だけど別の場所でも口説かれたりはしなかったけどね」
リリス達のような受付嬢はやはり仕事の依頼をするときや受ける時にナンパまがいに口説かれる事は日常茶飯事で表向き禁止されている事もあり大抵は警備に放り出されて警告、複数回やるとギルドを出禁になる規則があった。
「やっぱり年上の男性って頼りがいがあるように見えるから気にはなってるんです」
恋する乙女の邪魔をするのは気が引けるとばかりにリリスは聞き手にまわる。
「でも、その人は私に化粧品を何度もプレゼントしてきて『試してみて』と言うんです。
さっきも言ったかもしれないですけど、私こんな体型をしているせいか、化粧をするとよく大人のお店のママみたいに見えると言われるんです。
これってどうしたら良いんですかね?」
ナナリーには切実感な問題らしく、リリスの手を握って答えを求めた。
(そりゃあ、その顔にその身長でその胸をぶら下げていたらそうなるでしょうね。
だけど彼女は本気で困ってるみたいだし何かいいアドバイスが出来ないかな……)
リリスは必死に頭をフル回転させる。
「そうね。まずひとつは正直に『まだ化粧品は必要ないです』と断ることかな。
自分でもまだお化粧は早いと思ってるならば無理にする必要はないと思うわ。
実際、私もお化粧を始めたのはギルドの受付嬢に抜擢された17歳からだしね」
リリスは自分の経験からアドバイスを続ける。
「だいたい、本人が似合わないと言ってるのに化粧を奨めるのは何か他の意図があるのかもしれないわね。
それが、単に『あなたの気を引きたいから』なら仕方ないけど『その人の趣味』で幼く見えるあなたより大人な雰囲気のあなたが好きなだけの『特殊な感性』の持ち主かもしれないわ」
「えっ!? そんな人って居るんですか?」
「普通に居るわよ。
日頃から爽やかな雰囲気を出している人ほどそのギャップが激しく出るみたいね。
まあ、その人がそうだとは限らないけど日頃の態度だけで判断するのは危険かもしれないわよ」
リリスは自分の経験からナナリーに注意を促すがその言葉を聞いたナナリーの表情が曇った。
「彼の事をよく知らないのに憶測で悪く言うのは止めてください」
その言葉にリリスは『しまった』と思ったが事実なので冷静に受け答えをする事にした。
「ナナリー、落ち着いて。
私は別にあなたの知っている彼の事を名指しで言った訳ではないのよ。
ただ、私が今までに出会った人の中にそういった人がいたという事実があったと言ってるだけなのよ」
リリスの説明にまだ完全には納得していない表情のナナリーだったが渋々だが頷いた。
(これはあまりいい状態じゃないわね。
ナオキの事を諦めてくれたのは良かったけど、どうもその彼の行動が胡散臭いのよね)
「とりあえず、すぐに付き合うとかはしないで暫くは今のままか化粧品は断るかした方が良いと思うわ。
もし、よかったらだけど彼の名前を聞いても良いかしら。
私の方でも何か情報があったらすぐに連絡するから」
「彼の名前は『ゼアル』と言います。
今は薬師ギルドのギルドマスターの下で地区長をしているので知っている人は多く居ると思います」
「『ゼアル』さんね。
明日、薬師ギルドのギルドマスターや町長にあなたのお母様とも面会する予定があるからそれとなく聞いてみるわ」
「彼が疑われるのは正直言って気分の良いものでは無いですけど、相談したのは私の方なのでリリスさんの考えも受け止めようと思います。
暫くは様子を見るようにしますので、また相談に乗ってくれますか?」
「もちろんよ。
私だってナナリーさんには幸せになって欲しいから、出来る事の範囲でだけど力になりたいと思ってるから」
リリスは彼女の手を握って本心からそうナナリーに伝えた。
先に温泉から上がり、休憩室で待ってると言われたからには気が乗らなくても行かざるをえないリリスだった。
(仕方ない……とりあえず話を聞くだけでも聞いてみよう)
リリスはそう決心して温泉から上がった。
身体を拭いて髪を乾かし、サラサラになったストレートの髪を軽く纏めてから休憩室へ向かった。
休憩室では髪をアップにしてタオルで巻いた状態のナナリーが冷たい飲み物を飲みながらリリスを待っていた。
「あっ、リリスさん。待ってましたよ。何か飲みますか?」
リリスに気がついたナナリーはリリスに飲み物をすすめる。
「じゃあロピカのジュースで」
リリスが飲み物を注文したのを確認したナナリーは声のトーンを1段下げてリリスに言った。
「で、さっきの話なんですがリリスさん的には年上の男性ってどうなんですか?」
「どう?と言われてもさっきも言った通り私だって男性と付き合ったのはナオキが初めてだからアドバイスは出来ないわよ」
リリスは顔を赤くしながら答える。
「ただ、現役受付嬢の時に好印象を与えてくるのは大体がそれなりに年上の男性だったわね。
ただし、全員が所帯持ちだったけど……。
だから、ギルド規則もあるからギルド内は当然だけど別の場所でも口説かれたりはしなかったけどね」
リリス達のような受付嬢はやはり仕事の依頼をするときや受ける時にナンパまがいに口説かれる事は日常茶飯事で表向き禁止されている事もあり大抵は警備に放り出されて警告、複数回やるとギルドを出禁になる規則があった。
「やっぱり年上の男性って頼りがいがあるように見えるから気にはなってるんです」
恋する乙女の邪魔をするのは気が引けるとばかりにリリスは聞き手にまわる。
「でも、その人は私に化粧品を何度もプレゼントしてきて『試してみて』と言うんです。
さっきも言ったかもしれないですけど、私こんな体型をしているせいか、化粧をするとよく大人のお店のママみたいに見えると言われるんです。
これってどうしたら良いんですかね?」
ナナリーには切実感な問題らしく、リリスの手を握って答えを求めた。
(そりゃあ、その顔にその身長でその胸をぶら下げていたらそうなるでしょうね。
だけど彼女は本気で困ってるみたいだし何かいいアドバイスが出来ないかな……)
リリスは必死に頭をフル回転させる。
「そうね。まずひとつは正直に『まだ化粧品は必要ないです』と断ることかな。
自分でもまだお化粧は早いと思ってるならば無理にする必要はないと思うわ。
実際、私もお化粧を始めたのはギルドの受付嬢に抜擢された17歳からだしね」
リリスは自分の経験からアドバイスを続ける。
「だいたい、本人が似合わないと言ってるのに化粧を奨めるのは何か他の意図があるのかもしれないわね。
それが、単に『あなたの気を引きたいから』なら仕方ないけど『その人の趣味』で幼く見えるあなたより大人な雰囲気のあなたが好きなだけの『特殊な感性』の持ち主かもしれないわ」
「えっ!? そんな人って居るんですか?」
「普通に居るわよ。
日頃から爽やかな雰囲気を出している人ほどそのギャップが激しく出るみたいね。
まあ、その人がそうだとは限らないけど日頃の態度だけで判断するのは危険かもしれないわよ」
リリスは自分の経験からナナリーに注意を促すがその言葉を聞いたナナリーの表情が曇った。
「彼の事をよく知らないのに憶測で悪く言うのは止めてください」
その言葉にリリスは『しまった』と思ったが事実なので冷静に受け答えをする事にした。
「ナナリー、落ち着いて。
私は別にあなたの知っている彼の事を名指しで言った訳ではないのよ。
ただ、私が今までに出会った人の中にそういった人がいたという事実があったと言ってるだけなのよ」
リリスの説明にまだ完全には納得していない表情のナナリーだったが渋々だが頷いた。
(これはあまりいい状態じゃないわね。
ナオキの事を諦めてくれたのは良かったけど、どうもその彼の行動が胡散臭いのよね)
「とりあえず、すぐに付き合うとかはしないで暫くは今のままか化粧品は断るかした方が良いと思うわ。
もし、よかったらだけど彼の名前を聞いても良いかしら。
私の方でも何か情報があったらすぐに連絡するから」
「彼の名前は『ゼアル』と言います。
今は薬師ギルドのギルドマスターの下で地区長をしているので知っている人は多く居ると思います」
「『ゼアル』さんね。
明日、薬師ギルドのギルドマスターや町長にあなたのお母様とも面会する予定があるからそれとなく聞いてみるわ」
「彼が疑われるのは正直言って気分の良いものでは無いですけど、相談したのは私の方なのでリリスさんの考えも受け止めようと思います。
暫くは様子を見るようにしますので、また相談に乗ってくれますか?」
「もちろんよ。
私だってナナリーさんには幸せになって欲しいから、出来る事の範囲でだけど力になりたいと思ってるから」
リリスは彼女の手を握って本心からそうナナリーに伝えた。
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