女性限定の『触れて治癒する』治療方法に批判が殺到して廃業を考えたが結果が凄すぎて思ったよりも受け入れて貰えた

夢幻の翼

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第76話【リリスの温泉での情報収集②】

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「えっ? なんで二人共そんなに興味津々なの?」

 リリスはふたりの様子に若干引きながらも詳細はぼかして話し始めた。

「受付嬢を辞めてから今は『ある人』のお手伝いをしているの。
 多分、これからこの町でも噂話くらいは広まると思うけど領都で主に重症患者の治療を引き受けてきた『治癒士』のお仕事のお手伝い。
 その人の側で患者さんが治ってお礼を言って帰るのを見てるとギルドの受付嬢では到底味わえない感動を受ける事が出来るの。
 まあ、私自身も助けて貰ったのだけどね」

 そう説明するリリスにナナリーが追説する。

「実は私も治療して貰った事があるんですよ。
 その時はまだ領都で診療所を開いておられたのでそこで治療をして貰ったのですけど、いろいろあって各地を巡る事になったみたいですね。
 ですよね?リリスさん」

「え、ええ。領都での治療対象の患者さんが減ったので各地に困っている患者さんが居ないかを旅をしながら聞いて行く事になっています」

 そこまで話すと、ニアとネアが「「ああ、なるほど」」と声を併せて言った。

「だから薬師の話をしてきたのね」

「リサーチってやつだね。
 温泉こんな所でもお仕事は大変だね。
 ところでその人はリリスさんの彼氏なの?」

『リリスの彼氏?』の言葉にナナリーの頬がぴくりと動く。

「えっ? ええ、そうよ」

 リリスの答えに更にぴくぴくと動くナナリーの頬。

「やっぱりそうなんだぁ。
 まあ、彼氏か夫でなければ旅をしながらの訪問治療なんてやってられないわよね」

「でも、いいなぁ。
 そこまで好きになれる人がいるなんて羨ましいわ」

「本当よね。
 あーあ、私も稼いでくれる彼か夫が欲しいなぁ。
 まあ、候補もいないけどね」

 ニアとネアはお互いにため息をついて慰めあった。

「今度、機会があったら彼氏を紹介してね」

 ふたりはそう言うと「のぼせてきたからお先に」と言って温泉から上がっていった。

 ナナリーとふたりきりになったリリスは何となく居心地が悪い気がして「私も……」と言おうとしたがナナリーが話しかけてきたので思いとどまった。

「リリスさん。
 少しお話があるのですが、この後時間がとれないですか?」

「話?」

「ええ、恋愛相談と言うかお願いと言うか……リリスさんにしか相談出来ないんです。
 お願いします!」

(恋愛相談? お願い? 私にしか相談出来ない?
 まさかこの娘、私にナオキと別れてくださいとか言い出すんじゃないわよね?)

 リリスは不安になりながら何とか断る流れにしようと努める。

「いやいや、私なんか恋愛相談を受けるほど恋多き人生を送ってないわよ。
 もっと、ほらあなたのお母様なんてその分野では経験豊富そうだし、いいアドバイスを貰える気がするわよ」

「いえ、母はああ見えて父以外の人とは付き合った事が無いと聞いてますので参考にはならないかと思います」

 ナナリーはそう言うとリリスが次の案を言う前に言葉を続けた。

「リリスさん、ナオキ様とわか……」

「駄目! 絶対に駄目! ナオキは絶対に渡さないから!」

 ナナリーが最後まで言い切る前にリリスは必死に別れないと繰り返す。

「……りあえるのにどれだけの時間がかかりましたか?」

「えっ?」

「だから、リリスさんとナオキ様は7才も歳が離れてますけど、お互いがわかり合えるのにどのくらい時間がかかったか教えて欲しいんですけどって、なにか私変な事言いましたか?」

 ナナリーは不思議そうな表情で顔を真っ赤にしたリリスに問いかけた。

(凄く恥ずかしい……何を早とちりして叫んでるの……私)

「実はある人から交際を申し込まれているんですが、その人7歳年上の22歳なんです。
 確かに同級生は成人したと言っても考え方が子供っぽい人ばかりだったから付き合うならば年上で包容力のある男性がいいとは思ってたのですが7歳は少しばかり離れ過ぎかと思って……」

「ああ、なるほど。
 私とナオキも7歳違いだもんね。
 それで私に相談をしたかったって訳なのね?
 驚かせないでよ、てっきりナオキと付き合いたいから私に別れてくれと言うのかと思ったじゃないの……」

「えっ? ええっ!?」

 リリスの言葉にナナリーが驚く。

「だってあなた、ナオキの事好きでしょ?
 それであんな前フリをすれば誰だってそう思うわよ」

 リリスの言葉にナナリーは慌てて弁明する。

「ごめんなさい。
 確かに私はナオキ様の事が大好きですし慕ってもいますが、リリスさんが常にべったりと横についておられるので、とても間に入って横取りなんて不可能な事はしないですよ」

 ナナリーは苦笑いをしながらそう答える。

「本当に?」

 リリスはまだ信用しきれていない様子でナナリーを問い詰める。

「……私だって本当はナオキ様の側に居たいですよ」

 ナナリーはぼそりと呟いた。

「でも、ナオキ様がリリスさんを選んだんだから諦めないと仕方ないじゃないですか」

 ナナリーはそう言うと温泉から立ち上がり「この続きは休憩室で話しましょう」と一方的に告げてからリリスより先に上がった。
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