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第84話【今後の打ち合わせと聞きたかった事】
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「では、全ての食に関わるものに感謝して食べるとしよう」
ロギスは食事の前に軽く祈るように手を併せ、食事に関するもの全てに対して感謝の意を述べた。
「ロギスさんは何か宗教的なものを信仰されているのでしょうか?」
ロギスの言葉にリリスが気がついて聞いてみた。
「信仰と言えば信仰だが、特定の神様を信仰している訳じゃあ無いんだ。
こいつは俺が子供の時から親父にそう言った事を繰り返し叩き込まれただけで、ある意味癖と言うか日常生活の一部になっているだけだ」
ロギスはそう言うとこちらを見る事も無く出された食事を黙々と食べ続ける。
「じゃあ僕達も食事を頂くとするか。
リリスもまずは食事を済ませてから次の準備をしようか」
「そうですね。そうさせて貰いますね」
僕達はそう言い合うと運ばれてきた食事に手を付けた。
「美味しいですね」
「そうだな」
僕達は運ばれてきた食事を食べながら感想を述べる。
――程なくして食事も終わり、一息ついたところで話を再開させる事になった。
「では、先程の続きになりますが薬師ギルドの方からの情報提供はロギスさんを通じてで良いですね?」
「まあ、仕方ないだろう。
ゼアルは我関せずの態度だろうし、シール様も外部との情報交換などや人の紹介はするが治療に関しては俺に丸投げしてる状態だからな。
聞いたところによると君たちがバグーダで活動するのは2ヶ月程度なんだろ?
一日に何人くらい診れるのか知らないが、期間内にいいとこ100人も診れたら上出来なんだろ?」
「そうですね。
患部の大きさによって変わりますが、一日に数人が精一杯でしょうね。
ですから薬師ギルドで完治が難しい患者のみ紹介くださいとお願いしてるのです」
「……そうだったな。
分かった。その辺は調整する事にしよう」
ロギスとこれからの治療と患者の紹介についての擦り合わせがほぼ終わったので僕はもう一つの案件を聞いてみた。
「治療についてはそのくらいで何かあればその都度調整するとして、ロギスさんに一つ聞いてみたい事があるんです」
「何だ?」
「実は、先日温泉で偶然ゼアルさんに声をかけたのですがその時、彼が僕の事を領都から来た薬師だと勘違いをされて、自分の派閥に入らないか?と誘われまして、その時に彼は現ギルマス側の派閥だと言ってましたがそんなに薬師ギルドの中はゴタゴタしてるのですか?」
僕の質問にロギスは不機嫌そうな声で答えた。
「ゼアルの奴がいらんことを言ったようだがギルド内部の事はこちらの事だ。
君たち外部の者が口を出す事では無い」
(まあ、当然の反応だがこちらもどうしても確かめたい事があるから引き下がれないんだよな)
「まあ、そうでしょうね。
では、別の事を聞くとしましょう」
「別の事?」
「ええ、あなたは案内所の案内嬢をされているナナリーさんをご存知ですか?」
僕がナナリーの名前を出すとロギスの表情が僅かに動く。
「ああ、知っている。
彼女は斡旋ギルドのマスターであるアーリー様の娘だからな、当然面識もある。
だが、それがどうしたと言うのだ?」
「まあ、あなたが彼女と面識があるかどうかはあまり重要ではないのですが、先程あなたから『ゼアルは化粧品を餌にナンパばかりしている』と伺ったので少々気になったので……」
「何だ? 一体何が言いたいんだ? さっぱり話が見えないが……。
それが彼女とどう繋がるんだ?
はっ!? まさか……」
ロギスは今まで自分が言っていた事とナオキの言葉を交互に考えてある答えに辿り着いていた。
「実は数ヶ月前に僕は彼女の治療をさせて貰いました。
その時の縁で今も懇意にさせて貰っているのですが、先日お会いした際にゼアルさんから付き合って欲しいと言われたと僕達ふたりに相談されまして……。
ただ、彼はナナリーさんがあまり必要に感じていない化粧品を過度に薦めるの強引なところに戸惑っているみたいでした」
「ゼアルの奴がそんな事を……」
「で、少しばかりゼアルさんについて教えて貰えると助かります。
僕達もナナリーさんやアーリーさんとはご縁がありましたので出来れば相談で力になってあげたいと思いますので……」
僕の言葉にロギスは難しい顔をして黙り込んだ。
どこまで、どんな情報までならば話しても良いかを考えているのだろう。
「どうでしょうか?」
再度聞く僕にロギスは「ふう」と息を吐いて話し出した。
「アレでも一応は薬師ギルドの部門長を務める同僚だ。
あまり、彼を貶める発言は出来ないのを先に言っておく」
ロギスはそう前置きをして言葉を選びながら話を進めた。
「まずギルドの派閥だが、確かにそれらしきものはあるが派閥と言うよりは部門が別れているのでそのどちらに所属しているかの事だと思う。
そして、ギルマスのゼアルがシール様の派閥との話は彼の嘘だろう。
そうやって新しい有能な人材があれば自分の部下にした方が自分の評価に繋がるのでそうしたのだろう」
ロギスはそこまで言うと飲み物を口にして少し黙り込んだ。
「どうかしたのですか?」
「いや、確証のない事を他人にましてや外部の者に話すべきか迷ってるのだ」
「ナナリーさんとゼアルさんの事ですね。
今までの話を聞いていて、憶測ですがなんとなく意図が見えるような気がします。
気を悪くさせるかもしれないですが聞いて貰えますか?」
僕はそう言うと考えていた事をロギスに話し始めた。
ロギスは食事の前に軽く祈るように手を併せ、食事に関するもの全てに対して感謝の意を述べた。
「ロギスさんは何か宗教的なものを信仰されているのでしょうか?」
ロギスの言葉にリリスが気がついて聞いてみた。
「信仰と言えば信仰だが、特定の神様を信仰している訳じゃあ無いんだ。
こいつは俺が子供の時から親父にそう言った事を繰り返し叩き込まれただけで、ある意味癖と言うか日常生活の一部になっているだけだ」
ロギスはそう言うとこちらを見る事も無く出された食事を黙々と食べ続ける。
「じゃあ僕達も食事を頂くとするか。
リリスもまずは食事を済ませてから次の準備をしようか」
「そうですね。そうさせて貰いますね」
僕達はそう言い合うと運ばれてきた食事に手を付けた。
「美味しいですね」
「そうだな」
僕達は運ばれてきた食事を食べながら感想を述べる。
――程なくして食事も終わり、一息ついたところで話を再開させる事になった。
「では、先程の続きになりますが薬師ギルドの方からの情報提供はロギスさんを通じてで良いですね?」
「まあ、仕方ないだろう。
ゼアルは我関せずの態度だろうし、シール様も外部との情報交換などや人の紹介はするが治療に関しては俺に丸投げしてる状態だからな。
聞いたところによると君たちがバグーダで活動するのは2ヶ月程度なんだろ?
一日に何人くらい診れるのか知らないが、期間内にいいとこ100人も診れたら上出来なんだろ?」
「そうですね。
患部の大きさによって変わりますが、一日に数人が精一杯でしょうね。
ですから薬師ギルドで完治が難しい患者のみ紹介くださいとお願いしてるのです」
「……そうだったな。
分かった。その辺は調整する事にしよう」
ロギスとこれからの治療と患者の紹介についての擦り合わせがほぼ終わったので僕はもう一つの案件を聞いてみた。
「治療についてはそのくらいで何かあればその都度調整するとして、ロギスさんに一つ聞いてみたい事があるんです」
「何だ?」
「実は、先日温泉で偶然ゼアルさんに声をかけたのですがその時、彼が僕の事を領都から来た薬師だと勘違いをされて、自分の派閥に入らないか?と誘われまして、その時に彼は現ギルマス側の派閥だと言ってましたがそんなに薬師ギルドの中はゴタゴタしてるのですか?」
僕の質問にロギスは不機嫌そうな声で答えた。
「ゼアルの奴がいらんことを言ったようだがギルド内部の事はこちらの事だ。
君たち外部の者が口を出す事では無い」
(まあ、当然の反応だがこちらもどうしても確かめたい事があるから引き下がれないんだよな)
「まあ、そうでしょうね。
では、別の事を聞くとしましょう」
「別の事?」
「ええ、あなたは案内所の案内嬢をされているナナリーさんをご存知ですか?」
僕がナナリーの名前を出すとロギスの表情が僅かに動く。
「ああ、知っている。
彼女は斡旋ギルドのマスターであるアーリー様の娘だからな、当然面識もある。
だが、それがどうしたと言うのだ?」
「まあ、あなたが彼女と面識があるかどうかはあまり重要ではないのですが、先程あなたから『ゼアルは化粧品を餌にナンパばかりしている』と伺ったので少々気になったので……」
「何だ? 一体何が言いたいんだ? さっぱり話が見えないが……。
それが彼女とどう繋がるんだ?
はっ!? まさか……」
ロギスは今まで自分が言っていた事とナオキの言葉を交互に考えてある答えに辿り着いていた。
「実は数ヶ月前に僕は彼女の治療をさせて貰いました。
その時の縁で今も懇意にさせて貰っているのですが、先日お会いした際にゼアルさんから付き合って欲しいと言われたと僕達ふたりに相談されまして……。
ただ、彼はナナリーさんがあまり必要に感じていない化粧品を過度に薦めるの強引なところに戸惑っているみたいでした」
「ゼアルの奴がそんな事を……」
「で、少しばかりゼアルさんについて教えて貰えると助かります。
僕達もナナリーさんやアーリーさんとはご縁がありましたので出来れば相談で力になってあげたいと思いますので……」
僕の言葉にロギスは難しい顔をして黙り込んだ。
どこまで、どんな情報までならば話しても良いかを考えているのだろう。
「どうでしょうか?」
再度聞く僕にロギスは「ふう」と息を吐いて話し出した。
「アレでも一応は薬師ギルドの部門長を務める同僚だ。
あまり、彼を貶める発言は出来ないのを先に言っておく」
ロギスはそう前置きをして言葉を選びながら話を進めた。
「まずギルドの派閥だが、確かにそれらしきものはあるが派閥と言うよりは部門が別れているのでそのどちらに所属しているかの事だと思う。
そして、ギルマスのゼアルがシール様の派閥との話は彼の嘘だろう。
そうやって新しい有能な人材があれば自分の部下にした方が自分の評価に繋がるのでそうしたのだろう」
ロギスはそこまで言うと飲み物を口にして少し黙り込んだ。
「どうかしたのですか?」
「いや、確証のない事を他人にましてや外部の者に話すべきか迷ってるのだ」
「ナナリーさんとゼアルさんの事ですね。
今までの話を聞いていて、憶測ですがなんとなく意図が見えるような気がします。
気を悪くさせるかもしれないですが聞いて貰えますか?」
僕はそう言うと考えていた事をロギスに話し始めた。
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