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第127話【無茶な行為の代償】
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(――本来ならばまだ残っている筈の魔力が足りない)
僕がおかしい事に気がついたのは女王陛下の身体に宿る光の色だった。
今まで2度の蘇生魔法を経験したがどちらも患者の身体が白く光を帯びるだけだったはず、そして息を吹き返す瞬間にひときわ強く光るのが今までの記憶だった。
(なぜ女王陛下から発せられる光は赤い……。
もしかしたら彼女も僕と同じ転生者だからなのか?)
僕は途中までそんな事を考えていたが、それさえも余裕が無くなるほど追い込まれていた。
「くっ」
最後のちからを振り絞って僕は身体に残っていた魔力の全てを彼女に注ぎ込んだ。
次の瞬間、彼女の身体が強く光を放つとその光は彼女の中へと吸い込まれていった。
「……これは一体どうした事だ?」
息をふきかえした女王陛下はその場の異様な雰囲気に何事かと周りを見てから『はっ』と自らの首に手を当てる。
「良かった……無事に成功した……」
その様子を見届けた僕はその場で意識を失いドサリと倒れ込んだ。
「おい、大丈夫なのか!?
早く治療の出来る魔術士をよぶのだ!」
女王陛下の目の前でいきなり倒れたのだ、驚いたとはいえ状況を把握した彼女はすぐに部下に命じて人を呼びに向かわせた。
「どうしてあなたはそんなに冷静なのだ?」
倒れた僕にそっと寄り添うリリスが慌てていないのを不思議に思った女王陛下が彼女に問う。
「彼が蘇生魔法を使うとこうなるのは分かっていたからです」
前回の蘇生魔法を使った時も僕は意識を失って倒れてしまったのでリリスは僕の症状が『魔力欠乏症』だと判断してとにかく休ませる事を提案したのだ。
「とにかく彼が休める場所を提供して貰えますか?
おそらく一日ほど休めば起き上がれる程には回復すると思いますので、彼を休ませたら今回の騒動を説明させて貰いますので今一度面会をお願いします」
リリスはそう言うと周りに居た人の手を借りながら僕を休ませる部屋へと連れて行った。
「女王様に今回の件を説明してくるから休んでいてね。すぐに戻ってくるから……」
リリスはベッドで意識を失ったまま眠る僕にそう言ってから女王陛下の待つ応接室へと向かった。
「――以上が今回起こった内容になります。
女王陛下を襲ったメイドを問い詰めれば背後関係も分かるかと思いますが女王陛下を刺した直後に自らの胸を刺した事からも強い洗脳があったように感じます」
リリスはそう言うとふとあのメイドが呟いた言葉を思い出して女王陛下に伝えた。
「そう言えば彼女が自害したときに『ゴッツァイ様』のためにと言ってました。
それって今王都で有名な占い師の名前ですよね。
私達も先日ちょっとしたトラブルがあって彼から目をつけられていた可能性があります。
もしかして今回の事件って……」
そこまで言ったリリスを女王陛下が手で静止する。
「何事も憶測で言ってはいけません。
が、しかし今の事情は調べてみるに値する案件になります。
分かりました。後はこちらで調査しますのでリリスさんはナオキさんの側に居てあげてください。
この度の恩は必ず返させて頂きますので……」
女王陛下はそう言うと配下の者にリリスを下げさせた。
「さて、まずはこのメイドにどんな息がかかっているか探ってみましょうか……」
そう言いながら彼女は自らの能力を目を覚ましたメイドに使った。
* * *
「リリスさまはこちらの部屋にて待機をお願いします。
こちらの指示がありますまでは勝手に部屋から出ないようにしてください。
食事などはその都度、部屋へ運ばせて頂きます」
先程の話で王城内にも内通者が居るかもしれないとの事で表向き僕達の安全を確保するためだと言って隔離措置になったのだ。
リリスは部屋に入ると部屋の鍵を掛けてベッドで死んだように眠る僕の側の椅子に腰を下ろした。
「あの状態だったら助けない訳にはいかなかったけどやっぱり倒れちゃったね。
前にミナさんを蘇生させた時はまだ多少の余裕があったにもかかわらず一晩中寝込む事になったのよね。
今回は女王陛下の前に重症のメイドを治してるから魔力に余裕は無かった筈だし光り方も前回とは違ってた……。
でも、大丈夫だよね? 今までだって一晩休めば次の日には元気な顔を見せてくれたから今回だってきっと……」
リリスはそう願いながら不安な夜を過ごした。
――次の日の朝、椅子に座ったままナオキに覆いかぶさるように寝ていたリリスが目を覚ました。
「ナオキ? どう? 魔力は回復した?」
まだ目を覚まさないナオキの頬に手をあてたリリスが声にならない叫びをあげた。
「!!!」
(冷たい……? どうしてこんなに身体が冷えているの?)
リリスは慌ててナオキの脈を確認したが何処にも見当たらなかった。
「そんな!?」
次にナオキの胸に耳をあて、心臓の鼓動をみるがやはり動いていない。
「いやあぁぁぁ! ナオキー!!」
リリスの叫び声に城のメイドがドアを叩きながら叫ぶ。
「リリスさま! リリスさま! どうなされましたか!!」
内鍵をしているドアの前が騒然となる。
「リリス殿! 開けてくだされ!」
外からは鍵を開けるように催促する声が響くが動転しているリリスの耳にほ届かない。
「いやっ! いやっ! いやよぉ!」
リリスの泣き叫ぶ声が部屋に響き渡る。
「御免!」
ドゴッ!!
ドアを破壊する音がへやに響き渡り破れた隙間から警護の者たちが飛び込んできた。
「リリス殿! 一体なにが!?」
飛び込んできた警護達の前にはベッドに横たわるナオキの顔を両手で包み込むようにしながら泣き叫ぶリリスの姿があった。
僕がおかしい事に気がついたのは女王陛下の身体に宿る光の色だった。
今まで2度の蘇生魔法を経験したがどちらも患者の身体が白く光を帯びるだけだったはず、そして息を吹き返す瞬間にひときわ強く光るのが今までの記憶だった。
(なぜ女王陛下から発せられる光は赤い……。
もしかしたら彼女も僕と同じ転生者だからなのか?)
僕は途中までそんな事を考えていたが、それさえも余裕が無くなるほど追い込まれていた。
「くっ」
最後のちからを振り絞って僕は身体に残っていた魔力の全てを彼女に注ぎ込んだ。
次の瞬間、彼女の身体が強く光を放つとその光は彼女の中へと吸い込まれていった。
「……これは一体どうした事だ?」
息をふきかえした女王陛下はその場の異様な雰囲気に何事かと周りを見てから『はっ』と自らの首に手を当てる。
「良かった……無事に成功した……」
その様子を見届けた僕はその場で意識を失いドサリと倒れ込んだ。
「おい、大丈夫なのか!?
早く治療の出来る魔術士をよぶのだ!」
女王陛下の目の前でいきなり倒れたのだ、驚いたとはいえ状況を把握した彼女はすぐに部下に命じて人を呼びに向かわせた。
「どうしてあなたはそんなに冷静なのだ?」
倒れた僕にそっと寄り添うリリスが慌てていないのを不思議に思った女王陛下が彼女に問う。
「彼が蘇生魔法を使うとこうなるのは分かっていたからです」
前回の蘇生魔法を使った時も僕は意識を失って倒れてしまったのでリリスは僕の症状が『魔力欠乏症』だと判断してとにかく休ませる事を提案したのだ。
「とにかく彼が休める場所を提供して貰えますか?
おそらく一日ほど休めば起き上がれる程には回復すると思いますので、彼を休ませたら今回の騒動を説明させて貰いますので今一度面会をお願いします」
リリスはそう言うと周りに居た人の手を借りながら僕を休ませる部屋へと連れて行った。
「女王様に今回の件を説明してくるから休んでいてね。すぐに戻ってくるから……」
リリスはベッドで意識を失ったまま眠る僕にそう言ってから女王陛下の待つ応接室へと向かった。
「――以上が今回起こった内容になります。
女王陛下を襲ったメイドを問い詰めれば背後関係も分かるかと思いますが女王陛下を刺した直後に自らの胸を刺した事からも強い洗脳があったように感じます」
リリスはそう言うとふとあのメイドが呟いた言葉を思い出して女王陛下に伝えた。
「そう言えば彼女が自害したときに『ゴッツァイ様』のためにと言ってました。
それって今王都で有名な占い師の名前ですよね。
私達も先日ちょっとしたトラブルがあって彼から目をつけられていた可能性があります。
もしかして今回の事件って……」
そこまで言ったリリスを女王陛下が手で静止する。
「何事も憶測で言ってはいけません。
が、しかし今の事情は調べてみるに値する案件になります。
分かりました。後はこちらで調査しますのでリリスさんはナオキさんの側に居てあげてください。
この度の恩は必ず返させて頂きますので……」
女王陛下はそう言うと配下の者にリリスを下げさせた。
「さて、まずはこのメイドにどんな息がかかっているか探ってみましょうか……」
そう言いながら彼女は自らの能力を目を覚ましたメイドに使った。
* * *
「リリスさまはこちらの部屋にて待機をお願いします。
こちらの指示がありますまでは勝手に部屋から出ないようにしてください。
食事などはその都度、部屋へ運ばせて頂きます」
先程の話で王城内にも内通者が居るかもしれないとの事で表向き僕達の安全を確保するためだと言って隔離措置になったのだ。
リリスは部屋に入ると部屋の鍵を掛けてベッドで死んだように眠る僕の側の椅子に腰を下ろした。
「あの状態だったら助けない訳にはいかなかったけどやっぱり倒れちゃったね。
前にミナさんを蘇生させた時はまだ多少の余裕があったにもかかわらず一晩中寝込む事になったのよね。
今回は女王陛下の前に重症のメイドを治してるから魔力に余裕は無かった筈だし光り方も前回とは違ってた……。
でも、大丈夫だよね? 今までだって一晩休めば次の日には元気な顔を見せてくれたから今回だってきっと……」
リリスはそう願いながら不安な夜を過ごした。
――次の日の朝、椅子に座ったままナオキに覆いかぶさるように寝ていたリリスが目を覚ました。
「ナオキ? どう? 魔力は回復した?」
まだ目を覚まさないナオキの頬に手をあてたリリスが声にならない叫びをあげた。
「!!!」
(冷たい……? どうしてこんなに身体が冷えているの?)
リリスは慌ててナオキの脈を確認したが何処にも見当たらなかった。
「そんな!?」
次にナオキの胸に耳をあて、心臓の鼓動をみるがやはり動いていない。
「いやあぁぁぁ! ナオキー!!」
リリスの叫び声に城のメイドがドアを叩きながら叫ぶ。
「リリスさま! リリスさま! どうなされましたか!!」
内鍵をしているドアの前が騒然となる。
「リリス殿! 開けてくだされ!」
外からは鍵を開けるように催促する声が響くが動転しているリリスの耳にほ届かない。
「いやっ! いやっ! いやよぉ!」
リリスの泣き叫ぶ声が部屋に響き渡る。
「御免!」
ドゴッ!!
ドアを破壊する音がへやに響き渡り破れた隙間から警護の者たちが飛び込んできた。
「リリス殿! 一体なにが!?」
飛び込んできた警護達の前にはベッドに横たわるナオキの顔を両手で包み込むようにしながら泣き叫ぶリリスの姿があった。
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