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第144話【カルカルへ向けて】
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「これで領都での報告事項は終わりだからあとは明日の集合時間までは自由時間だな。
何かおみやげでも買って帰るかい?」
僕はリリスと町を散策しながらいろんな店を回ってみた。
「前に一度挨拶には帰ったけどやっぱりギルドの元同僚には何か買って帰りたいわね」
「どんなものを買って帰りたい?」
「そうね。あまり高いものは逆に遠慮されそうだから安価で珍しいもの……かな」
「ははは。リリスはなかなか難しい事を言ってくるね。
安くて領都でなければ手に入りにくいものなんて例えるならば領都で一番の甘味屋でその日のうちに食べないといけないほど足の早いお菓子を移動に5日もかかるカルカルへ持って帰るようなものだよ?」
ちょうど目の前にあった甘味屋の看板を見ながら僕はリリスにそう言った。
「それ! 良いんじゃないの?」
「は?」
「だから、ここでしか食べられないものをお土産にしたら驚かれるでしょ?」
「――ああ、そうか。僕の収納魔法で運ぶんだね。
まあ、カルカルのギルドでは時々だけど収納魔法を使ってたから大っぴらにしなければ騒がれる事もないかもしれないね」
「一応ギルド員には守秘義務もあるし、ナオキが貴族になった事で迂闊な事は言わないと思うわ。
さてと、なにをお土産にしようかしらね」
リリスはそう言うと喜々として甘味屋へと入って行った。
「――しかし、凄く買ったね。
お店の人も『本当に期限内に食べられるのか?』と心配してたじゃないか。
まあ、友達と甘味パーティーを開くからと説明して納得して貰ったけどその場で収納魔法を使う訳にはいかなかったから運ぶのが凄い事になったよな」
「あはは、ごめんなさい。
だってあのお店、凄く美味しそうな甘味がたくさんあってどれも食べてみたかったのですもん」
リリスはちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめながらそう答えた。
「おやおや、もしかするとカルカルの同僚の口に入る前にリリスのお腹に全部収まってたりはしないかい?」
「そ、そんな事はありません……よ。たぶん……」
「あはは、ごめん、ごめん。
僕も本気で言った訳じゃないからそんなに恥ずかしがらなくても大丈夫だよ」
「本当にい?
うう、ナオキも時々意地悪なことを言うのね」
リリスほそう言うと頬を膨らませて拗ねた態度をみせた。
その後も僕とリリスは楽しく買い物をしてから宿へと戻った。
「そう言えばバグーダの薬師とギルドて聞いた話でゼアルさんの化粧品はまだお店では見かけませんでしたね」
「それはまだ商品として売り出せる段階までいってないからじゃないかな?
あれからまだ数ヶ月しか経ってないんだから副作用のない化粧品の開発なんて数年がかりになりそうな案件がぽんぽんと解決していたら逆になんで今まで出来なかったんだ? と言われてしまう事になるだろう?」
「まあ、確かにそうかもしれないですね。
でもちょっと残念です。もし、副作用のない化粧品が発売されていたらそれこそお土産の第一候補になったでしょうからね」
(まあ、リリスの元同僚達ならば受付嬢が中心になるだろうから化粧品なんかは喜ばれただろうが無いものは仕方ない)
「まあ、ギルド経由で情報も入るだろうから発売されたとなったら買いに来てもいいかもしれないな」
「そうね、それが良いわね」
リリスも納得してくれたので僕達は明日からの旅に向けてゆっくりとベッドで休む事にした。
* * *
出発の日の朝、僕達が集合場所へと歩いて行くと、アルフギルドマスターが待っていた。
「おはようございます、ナオキ様。
昨日お話をした手紙となりますのでこれをカルカルのギルドマスターへ渡して頂けますか?
一応、先走りで連絡はしておりますが話が伝わってなかったら困りますので念のためにお持ちください」
「ありがとうございます。
今後はカルカルの斡旋ギルドを中心に利用をさせてもらう事になるでしょうが必要があればこちらに相談させて頂くこともあるかもしれません。
その時は宜しくお願いしますね」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
僕はそう言ってアルフから手紙を受け取りお互いに握手をした。
「そう言えば僕達と一緒に来たナナリーさんとはお会いになりましたか?
なんでもアルフさんに会う用事があるとナナリーさんから聞いていたのですが、今日も見送りに来るかと思ってましたが居ないので少しだけ心配になりまして……」
「もちろんナナリーには到着したその日に会って妹からの手紙も読ませて貰いましたよ。
彼女には早急にこなしてもらいたい案件があったのでそちらに行ってもらっていますのでお見送りは出来ないのです。
『こちらまでご一緒させて頂いたのに申し訳ありません。
またお会いした際に改めてお礼をする』と言っておりましたので彼女の事はお気になさらず旅のご無事をお祈りしております」
アルフはそう言うと僕達が馬車に乗り込むまで側に付き馬車が出発する際には深々とお辞儀をして見送ってくれた。
「――彼女もこっちに来てから直ぐに急ぎの仕事とか大変なんだね」
「そうね、でも急ぎの仕事ってなんなのかしらね?」
「うーん。僕には分からないけど彼女のことだから上手くやってるんじゃないかな?
特に根拠はないけどね」
僕達二人だけになった馬車は快晴の空の下を予定どおりにカルカルへ向けて進んで行った。
何かおみやげでも買って帰るかい?」
僕はリリスと町を散策しながらいろんな店を回ってみた。
「前に一度挨拶には帰ったけどやっぱりギルドの元同僚には何か買って帰りたいわね」
「どんなものを買って帰りたい?」
「そうね。あまり高いものは逆に遠慮されそうだから安価で珍しいもの……かな」
「ははは。リリスはなかなか難しい事を言ってくるね。
安くて領都でなければ手に入りにくいものなんて例えるならば領都で一番の甘味屋でその日のうちに食べないといけないほど足の早いお菓子を移動に5日もかかるカルカルへ持って帰るようなものだよ?」
ちょうど目の前にあった甘味屋の看板を見ながら僕はリリスにそう言った。
「それ! 良いんじゃないの?」
「は?」
「だから、ここでしか食べられないものをお土産にしたら驚かれるでしょ?」
「――ああ、そうか。僕の収納魔法で運ぶんだね。
まあ、カルカルのギルドでは時々だけど収納魔法を使ってたから大っぴらにしなければ騒がれる事もないかもしれないね」
「一応ギルド員には守秘義務もあるし、ナオキが貴族になった事で迂闊な事は言わないと思うわ。
さてと、なにをお土産にしようかしらね」
リリスはそう言うと喜々として甘味屋へと入って行った。
「――しかし、凄く買ったね。
お店の人も『本当に期限内に食べられるのか?』と心配してたじゃないか。
まあ、友達と甘味パーティーを開くからと説明して納得して貰ったけどその場で収納魔法を使う訳にはいかなかったから運ぶのが凄い事になったよな」
「あはは、ごめんなさい。
だってあのお店、凄く美味しそうな甘味がたくさんあってどれも食べてみたかったのですもん」
リリスはちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめながらそう答えた。
「おやおや、もしかするとカルカルの同僚の口に入る前にリリスのお腹に全部収まってたりはしないかい?」
「そ、そんな事はありません……よ。たぶん……」
「あはは、ごめん、ごめん。
僕も本気で言った訳じゃないからそんなに恥ずかしがらなくても大丈夫だよ」
「本当にい?
うう、ナオキも時々意地悪なことを言うのね」
リリスほそう言うと頬を膨らませて拗ねた態度をみせた。
その後も僕とリリスは楽しく買い物をしてから宿へと戻った。
「そう言えばバグーダの薬師とギルドて聞いた話でゼアルさんの化粧品はまだお店では見かけませんでしたね」
「それはまだ商品として売り出せる段階までいってないからじゃないかな?
あれからまだ数ヶ月しか経ってないんだから副作用のない化粧品の開発なんて数年がかりになりそうな案件がぽんぽんと解決していたら逆になんで今まで出来なかったんだ? と言われてしまう事になるだろう?」
「まあ、確かにそうかもしれないですね。
でもちょっと残念です。もし、副作用のない化粧品が発売されていたらそれこそお土産の第一候補になったでしょうからね」
(まあ、リリスの元同僚達ならば受付嬢が中心になるだろうから化粧品なんかは喜ばれただろうが無いものは仕方ない)
「まあ、ギルド経由で情報も入るだろうから発売されたとなったら買いに来てもいいかもしれないな」
「そうね、それが良いわね」
リリスも納得してくれたので僕達は明日からの旅に向けてゆっくりとベッドで休む事にした。
* * *
出発の日の朝、僕達が集合場所へと歩いて行くと、アルフギルドマスターが待っていた。
「おはようございます、ナオキ様。
昨日お話をした手紙となりますのでこれをカルカルのギルドマスターへ渡して頂けますか?
一応、先走りで連絡はしておりますが話が伝わってなかったら困りますので念のためにお持ちください」
「ありがとうございます。
今後はカルカルの斡旋ギルドを中心に利用をさせてもらう事になるでしょうが必要があればこちらに相談させて頂くこともあるかもしれません。
その時は宜しくお願いしますね」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
僕はそう言ってアルフから手紙を受け取りお互いに握手をした。
「そう言えば僕達と一緒に来たナナリーさんとはお会いになりましたか?
なんでもアルフさんに会う用事があるとナナリーさんから聞いていたのですが、今日も見送りに来るかと思ってましたが居ないので少しだけ心配になりまして……」
「もちろんナナリーには到着したその日に会って妹からの手紙も読ませて貰いましたよ。
彼女には早急にこなしてもらいたい案件があったのでそちらに行ってもらっていますのでお見送りは出来ないのです。
『こちらまでご一緒させて頂いたのに申し訳ありません。
またお会いした際に改めてお礼をする』と言っておりましたので彼女の事はお気になさらず旅のご無事をお祈りしております」
アルフはそう言うと僕達が馬車に乗り込むまで側に付き馬車が出発する際には深々とお辞儀をして見送ってくれた。
「――彼女もこっちに来てから直ぐに急ぎの仕事とか大変なんだね」
「そうね、でも急ぎの仕事ってなんなのかしらね?」
「うーん。僕には分からないけど彼女のことだから上手くやってるんじゃないかな?
特に根拠はないけどね」
僕達二人だけになった馬車は快晴の空の下を予定どおりにカルカルへ向けて進んで行った。
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