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第153話【事実確認と役割分担】
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カルカルの施設に戻った僕はリリスとダルマルにナナリーも話に参加するように伝えた。
「紅茶を淹れましたので一息ついてからにされませんか?」
施設の談話室に集まった僕達にナナリーが紅茶を準備して配ってまわる。
「ありがとう」
僕はナナリーにお礼を言うと出された紅茶に口をつけてから今回の事をひとつずつ整理をしながら話し始めた。
「まず、ダルマルさんは詳しく知らないでしょうが、もともと僕の能力は治癒魔法を使う『治癒士』でした。
これは僕が別の世界から女神様によりこちらの世界へと導かれた際に頂いた能力になります。
僕が女神様にお願いした条件から、かなり特徴的な形になりましたが多くの人を治せたと思ってます」
その言葉にリリスとナナリーが頷いて肯定する。
「ですが、先日王都にて女王陛下が悪人の手により襲われる事件があり、その治療の代償として僕は一度命を落としました。
ただ、それについてはリリスの愛と女神様の気まぐれで奇跡的に息を吹き返したのですが……。
その時の報奨として女王陛下より爵位を賜りここにいるのが大まかな軌跡になります。
ここからが今日あった女神様とのやりとりになりますが、今のままでは能力が今までどおりに使えないと言われ、いくつかの変更案を打診されました」
僕の話を聞き漏らすまいとリリスとナナリーの顔がどんどん近くなるのを僕は手で制してから続きを話す。
「その中で僕の理想に一番近くて身体や精神的に負担の少ないものを選んで女神に能力の上書きをして貰いました」
僕はそこまで言ってから一冊の本を収納魔法から取り出した。
「これは?」
リリスが出された本を手にとるとパラパラとページをめくって驚く。
「なによこの本、真っ白で何も書かれてないじゃないの!」
「うん。僕も初めて見た時は驚いたけど女神様に言われた言葉を理解すれば全く不思議ではないんだよ」
「どういうこと?」
「この本は僕の治癒魔法で補えなくなった病気に関する知識、薬の作り方やそれに必要な素材を僕の鑑定スキルと連携して刻まれるものだと説明されたんだ。
だから、いまの時点ではまだ白紙のページって訳」
「なるほど……。
確かに凄いとは思うけどそれって、つまり誰かがその薬の作り方を見て調薬をしないと駄目って事よね?
薬師ギルドにでも頼むつもり?」
リリスが当然の疑問を口にする。
「うーん、そこが問題なんだよね。
確かに実際問題、それが一番簡単で確実なのは間違いないと思うけど僕が診察だけして薬師ギルドに丸投げするのはなんだか違う気持ちがあるんだ。
だけど、女神様にも『もっと他人を頼るべき』と言われたし……うーん」
「――別にこだわる必要はないんじゃない?」
悩む僕にリリスが軽く答えてくれた。
「女神様にも言われたんでしょ?
『ひとりで背負う必要は無い』と。
だったら他人を頼ることから逃げちゃ駄目だと思うわ。
薬師ギルドの人達だけじゃなくてここには私も居るしダルマルやナナリーも居るのよ。
これから先、あなたは貴族としての体裁を保ちながら人々を救いたいと考えているのでしょう?
だったら人に頼る……いえ、人を使う事が出来ないと駄目だと思うわ」
リリスの言葉に反応するようにナナリーも自らの意見を言う。
「わた、私も手伝いますから!
私が調薬できれば一番良かったのだけどそれは出来ないから、せめてギルド間交渉と斡旋ギルドでの素材収集依頼の調整は任せて欲しいの!」
「ふむ。では、私はこの施設で患者を診るための必要物資の調達でも請け負いますかな」
ナナリーにつられてダルマルがそう告げる。
「ああ、私のやる仕事が……」
最後にリリスがそう呟くと僕は彼女に「リリスは今までどおり僕の側で助けてくれないと困るな」と笑顔で伝えた。
「よし! ならば私は全員の仕事を管理する事務全般を担当するわ。
まず、ナナリーさんはすぐに斡旋ギルドと薬師ギルドに行ってナオキ治癒士が診療所を始めると説明をしてきて。
患者の紹介は前の経験から薬師ギルドに頼んだほうが角は立たないでしょう。
あくまでも薬師ギルドで手におえない患者だけでいいからね。
普通に集めたらすぐにパンクしてしまうでしょうから……。
えっと、ダルマルさんは診療が出来る部屋の選定と待合室の椅子を増やすのと受付にテーブルを設置してくれると助かります。
基本的に二階を居住区として診察は一階で行いたいと考えています」
「うん。リリスがいきいきしてきたね。
でも、そんなに焦らなくてもまだ僕の新しい能力について解明されてないんだから暫くは検証が必要だと思うよ」
「そ、そうよね。
やだ私ったら今までのナオキの治癒魔法を想像してたから今すぐにでも始めないとって勝手に思い込んでいたわ。
まずは今までとどう違うかの検証が先よね。
えっと、今度は手を握るだけでよかったのよね?」
リリスがそう言いながら僕の手を握る。
「いや、確かに今までみたいに胸に触る必要は無くなったけど基本的には患部に触れる必要があるから怪我をしていないリリスと手を握って魔法をかけても効果は分からないよ」
「じゃあどうやって検証をするの?
まさか、わざと怪我をして治すなんてことはしないわよね?」
「……ラーズさんに聞いてみるしかないかな」
結局、カルカルで僕の事を知っていて協力してくれそうな顔の広い人がラーズギルマスくらいだったので職員か知り合いで治療テストに協力してくれそうな人を紹介してもらう方向で話し合うことにした。
「紅茶を淹れましたので一息ついてからにされませんか?」
施設の談話室に集まった僕達にナナリーが紅茶を準備して配ってまわる。
「ありがとう」
僕はナナリーにお礼を言うと出された紅茶に口をつけてから今回の事をひとつずつ整理をしながら話し始めた。
「まず、ダルマルさんは詳しく知らないでしょうが、もともと僕の能力は治癒魔法を使う『治癒士』でした。
これは僕が別の世界から女神様によりこちらの世界へと導かれた際に頂いた能力になります。
僕が女神様にお願いした条件から、かなり特徴的な形になりましたが多くの人を治せたと思ってます」
その言葉にリリスとナナリーが頷いて肯定する。
「ですが、先日王都にて女王陛下が悪人の手により襲われる事件があり、その治療の代償として僕は一度命を落としました。
ただ、それについてはリリスの愛と女神様の気まぐれで奇跡的に息を吹き返したのですが……。
その時の報奨として女王陛下より爵位を賜りここにいるのが大まかな軌跡になります。
ここからが今日あった女神様とのやりとりになりますが、今のままでは能力が今までどおりに使えないと言われ、いくつかの変更案を打診されました」
僕の話を聞き漏らすまいとリリスとナナリーの顔がどんどん近くなるのを僕は手で制してから続きを話す。
「その中で僕の理想に一番近くて身体や精神的に負担の少ないものを選んで女神に能力の上書きをして貰いました」
僕はそこまで言ってから一冊の本を収納魔法から取り出した。
「これは?」
リリスが出された本を手にとるとパラパラとページをめくって驚く。
「なによこの本、真っ白で何も書かれてないじゃないの!」
「うん。僕も初めて見た時は驚いたけど女神様に言われた言葉を理解すれば全く不思議ではないんだよ」
「どういうこと?」
「この本は僕の治癒魔法で補えなくなった病気に関する知識、薬の作り方やそれに必要な素材を僕の鑑定スキルと連携して刻まれるものだと説明されたんだ。
だから、いまの時点ではまだ白紙のページって訳」
「なるほど……。
確かに凄いとは思うけどそれって、つまり誰かがその薬の作り方を見て調薬をしないと駄目って事よね?
薬師ギルドにでも頼むつもり?」
リリスが当然の疑問を口にする。
「うーん、そこが問題なんだよね。
確かに実際問題、それが一番簡単で確実なのは間違いないと思うけど僕が診察だけして薬師ギルドに丸投げするのはなんだか違う気持ちがあるんだ。
だけど、女神様にも『もっと他人を頼るべき』と言われたし……うーん」
「――別にこだわる必要はないんじゃない?」
悩む僕にリリスが軽く答えてくれた。
「女神様にも言われたんでしょ?
『ひとりで背負う必要は無い』と。
だったら他人を頼ることから逃げちゃ駄目だと思うわ。
薬師ギルドの人達だけじゃなくてここには私も居るしダルマルやナナリーも居るのよ。
これから先、あなたは貴族としての体裁を保ちながら人々を救いたいと考えているのでしょう?
だったら人に頼る……いえ、人を使う事が出来ないと駄目だと思うわ」
リリスの言葉に反応するようにナナリーも自らの意見を言う。
「わた、私も手伝いますから!
私が調薬できれば一番良かったのだけどそれは出来ないから、せめてギルド間交渉と斡旋ギルドでの素材収集依頼の調整は任せて欲しいの!」
「ふむ。では、私はこの施設で患者を診るための必要物資の調達でも請け負いますかな」
ナナリーにつられてダルマルがそう告げる。
「ああ、私のやる仕事が……」
最後にリリスがそう呟くと僕は彼女に「リリスは今までどおり僕の側で助けてくれないと困るな」と笑顔で伝えた。
「よし! ならば私は全員の仕事を管理する事務全般を担当するわ。
まず、ナナリーさんはすぐに斡旋ギルドと薬師ギルドに行ってナオキ治癒士が診療所を始めると説明をしてきて。
患者の紹介は前の経験から薬師ギルドに頼んだほうが角は立たないでしょう。
あくまでも薬師ギルドで手におえない患者だけでいいからね。
普通に集めたらすぐにパンクしてしまうでしょうから……。
えっと、ダルマルさんは診療が出来る部屋の選定と待合室の椅子を増やすのと受付にテーブルを設置してくれると助かります。
基本的に二階を居住区として診察は一階で行いたいと考えています」
「うん。リリスがいきいきしてきたね。
でも、そんなに焦らなくてもまだ僕の新しい能力について解明されてないんだから暫くは検証が必要だと思うよ」
「そ、そうよね。
やだ私ったら今までのナオキの治癒魔法を想像してたから今すぐにでも始めないとって勝手に思い込んでいたわ。
まずは今までとどう違うかの検証が先よね。
えっと、今度は手を握るだけでよかったのよね?」
リリスがそう言いながら僕の手を握る。
「いや、確かに今までみたいに胸に触る必要は無くなったけど基本的には患部に触れる必要があるから怪我をしていないリリスと手を握って魔法をかけても効果は分からないよ」
「じゃあどうやって検証をするの?
まさか、わざと怪我をして治すなんてことはしないわよね?」
「……ラーズさんに聞いてみるしかないかな」
結局、カルカルで僕の事を知っていて協力してくれそうな顔の広い人がラーズギルマスくらいだったので職員か知り合いで治療テストに協力してくれそうな人を紹介してもらう方向で話し合うことにした。
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