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第11話 鉄鉱石の納品
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「――依頼の鉄鉱石はどちらに置けば良いでしょうか?」
町に辿り着いた私はビルと共に依頼者である鍛冶屋へ鉄鉱石の納品に訪れた。なお、護衛の二人は安全な町の中でのことであるためギルドで待機をしている。
「おう。やっと持ってきてくれたか。運んで来た鉄鉱石は裏の置き場に降ろしてくれたらいい。それで、今回は何台分運んできた?」
鍛冶屋の親父キロムはそう言ってから外に停めてある馬車の傍に来て思わず叫んだ。
「おいおい! 馬車が一台しかいない上に荷車には何も積んでないじゃねぇか! こいつは一体どうしたことだ!?」
キロムは驚きのあまり叫ぶと私ではなく、ビルに詰め寄る。なんだかデジャブな感覚だが私の説明不足でビルに不満の矛先が向かうのは申し訳ないと私は二人の間に入って声をかけた。
「すみません。運んで来た鉄鉱石はちゃんとここにありますから。すぐに運び込みますので置場に案内してください」
私の言葉にキロムは首を傾げるが、ビルも同時に頷いているのを見てぶつぶつとボヤキながらも資材置き場へと案内してくれる。
「ここが資材置き場だ。それで運んで来たという鉄鉱石は何処にあるんだ?」
「それならばここにありますよ。すぐに解放しますのでお待ちくださいね」
私はキロムにそう告げると肩掛け鞄から鉄鉱石の箱をカード化したもの二十枚を取り出して解放スキルを発動させた。
「――解放」
ズン ズン ズシン
一度に全部のカードを解放することは出来ないので面倒だけど一枚ずつ置き場に鉄鉱石の詰まった箱を置いていく。
「な、な、なんだとー!?」
キロムはお約束のごとく、驚愕の表情で次々と積み上がる箱の山を前にしてあんぐりと口を開いたままの姿で固まる。
「よし! この箱で最後です。良かった、持ってきた箱は全部置くことが出来ました。まあ、端っこが少しだけはみ出したかもしれないですけど大丈夫ですよね?」
そう言って笑う私の前には敷地一杯に積み上げられた鉄鉱石の詰まった箱で埋め尽くされていたのだった。
◇◇◇
「――こいつはマジで驚いたぜ。この置き場が一杯になるなんて、俺がこの仕事についてから初めての事だぞ。全くとんでもないスキルだ」
どうにか再起動し、依頼完了報告書にサインを記入しながらそう言うキロムにビルが釘を刺すように忠告をする。
「あなたもこれを見て分かると思いますが、彼女のスキルは少々。いや、かなり特殊なものですので今回のように単独で依頼を受けさせるにはリスクもあります。ですので、リアさんは今後ギルドの庇護下に入ってもらうつもりです。仕事の依頼は今までどおりにギルドへ相談して頂ければ大丈夫ですが、彼女の安全確保のためにも不用意な噂は控えるようにお願いしますね」
ビルの言葉にキロムは頷きながら返事を返す。
「まあ……そうだろうな。いきなりこんな量の荷物を運べる奴が現れたら自分の手駒として引き込もうとする奴が群がってくるのは間違いないだろう。ギルドの関係者として庇護下に入るのが一番安全かもしれん」
この世界のギルドがどのくらいの力を持っているか知らない私は二人が話をしている間にこっそりとナビーに問いかけることにした。
「――この世界のギルドは国の直属機関となるために多くの権限を有している。たとえば外部の人間がギルドの職員に危害を加えたとすると、ギルドがその相手を捕縛する権限が発生するのさ。商業ギルドにも多くの護衛関係者が居るから大抵はギルドの職員には手出しはしないのが常識となっているんだ」
なるほど、ギルドの庇護下に入るという事は余計なトラブルに巻き込まれる可能性を低くすることが出来るのね。それは、ありがたいことね。
「では、納品も済んだことですので商業ギルドへ報告に向かいましょう」
キロムとの話が終わったビルは私にそう告げると馬車へ向かって歩き出す。それを見た私も慌てて彼について歩き出したのだった。
◇◇◇
「この後、依頼完了の報告を済ませてからギルドマスターに面会をして貰うつもりだが、特に問題はないか?」
問題は無いかと言われても特に思いつかなかった私は肯定の頷きを返す。それを見たビルは笑みを見せながらホッと息を吐いた。私が素直に応じたので安心したのだろう。
「ところで、ギルドマスターってどんな人なのですか?」
走る馬車の上で流れていく景色を眺めながらビルにそう問いかける。
「この町の商業ギルドマスターは町全体の事を良く考えてくれる優秀な人だよ。ああ、初めて会った人は大抵驚くだろうけど優しい人だから安心していいよ」
「え? そんなに怖い見た目なのですか?」
ビルの口調だと出会った見た目に驚くとのことなので熊のような大柄な大男をイメージしたのだが、それを聞いたビルは「ははは」と笑ってそれを否定した。
「違うよ。ギルドマスターは『彼』じゃなくて『彼女』っていうだけだ。女性のギルマスはあまり居ないから驚くだろうって話だよ」
「へぇ。ギルドマスターって機関の最高責任者ですよね?」
「ああ、もちろんそうだよ。なんだ、それほど驚いた感じじゃないが、他にも女性のギルマスに出会ったことでもあるのか?」
「いえ、普通に驚いていますよ。ビルさんから見てギルドマスターさんが女性なのはどうですか?」
「ん? 別に気にならないよ。男だ、女だと言って威張るだけの無能は信用がなくて直ぐに交代させられるからな。国の機関である商業ギルドの長は有能なのは当たり前だろう?」
ビルの言葉に含みは全く感じられなかったので、きっと本心からそう思っているのだろう。私は彼女に会うのが楽しみになって自然と笑みを浮かべていた。
やがて、馬車は商業ギルド前の広場に到着したので私を降ろしてからビルは馬車を施設の世話係に引き渡すと一緒にギルドへ向かうことになった。
――からんからん
ビルがドアを開けて先に中へ入ると彼に気がついた受付嬢のフィーが早足に歩いて来るのが見える。その手には多くの書類が抱えられており、忙しくしているようだった。
「ビルさん、お疲れ様でした。あ、リアさんもご一緒だったのですね。まさか、依頼完了報告ですか?」
「はい。宜しくお願いします」
「え? 本当にもう終わったのですか? 確かに移動時間を考えると帰って来られていてもおかしくはありませんが……。無理していませんよね? 彼に無理矢理なスケジュールを組まれたとか……」
「おいおい、フィーちゃん。その質問はないと思うぞ?」
横で慌てた表情を見せながらビルがフィーに抗議をする。
「ふふふ。冗談ですよ。ビルさんに限ってそんな事をする筈がないですよね。分かりました、直ぐに処理をしますね」
フィーはそう言って微笑むと手にした大量の書類を抱えたままに窓口へと入っていく。
「では、依頼完了報告書の提出をお願いします」
「はい。これですね」
私が手渡した書類を彼女は上から下までチェックすると、ある項目で目が止まり驚きの声を上げた。
「何ですか、この量は!? もがが……」
フィーは依頼完了報告書の数字を見て叫びかけたのをビルが慌てて口を塞いだ。
「フィーちゃん声がデカいって。いらん注目を集めるだろうが」
ビルの言葉にフィーはハッとした表情でコクコクと頷く彼女を見て彼はそっと彼女の口から手を離した。
「すみません。つい驚いてしまって声が出てしまいました」
フィーはそう言って私に頭を下げた。
「しかし、本当にこの量を熟されたのですね。この実績だけで十分にあちこちから依頼が殺到しそうです」
声の音量を下げてフィーがそう話すが、その表情は驚きの表情を隠せないでいた。
「そのことでギルマスに話があるのだが、面会は出来るだろうか?」
「えっと、今からすぐであれば大丈夫かと思います。予定を入れましょうか?」
「頼む」
ビルの言葉にフィーはメモを走らせてから近くに居た同僚へ渡してギルマスへの伝言を頼む。こういった事はよくあることなのだろう、頼まれた彼女は嫌な顔ひとつせずに直ぐ奥の通路へと姿を消したのだった。
「いま確認をしていますので少しお待ちください。そして、こちらが今回の依頼報酬となります。結構な大金ですのでこのままギルドに預けておくことも出来ますが、どう致しますか?」
報酬から必要経費を除いた金貨数十枚を前に私は数枚の金貨のみ受け取ってから残りはギルドに預託することにした。
「では、残りはギルドで預かることにしますね。引き出される場合も受付にお願いします」
フィーがそう説明をしてくれたとき、ちょうど先ほどの彼女が部屋に戻って来ていた。
「ギルドマスターへの面会、許可が出ましたので第二応接室へお願いします」
彼女の言葉にフィーはお礼を言うと、完了報告書に完了印を押してからファイルに綴じていく。完了したものは一定期間ギルドで保管をするのだろう。
「なら、応接室への案内は私がしよう。どうせ同席をしなければいけないからな」
傍で話を聞いていたビルはそう言って私の前を歩き出したのだった。
町に辿り着いた私はビルと共に依頼者である鍛冶屋へ鉄鉱石の納品に訪れた。なお、護衛の二人は安全な町の中でのことであるためギルドで待機をしている。
「おう。やっと持ってきてくれたか。運んで来た鉄鉱石は裏の置き場に降ろしてくれたらいい。それで、今回は何台分運んできた?」
鍛冶屋の親父キロムはそう言ってから外に停めてある馬車の傍に来て思わず叫んだ。
「おいおい! 馬車が一台しかいない上に荷車には何も積んでないじゃねぇか! こいつは一体どうしたことだ!?」
キロムは驚きのあまり叫ぶと私ではなく、ビルに詰め寄る。なんだかデジャブな感覚だが私の説明不足でビルに不満の矛先が向かうのは申し訳ないと私は二人の間に入って声をかけた。
「すみません。運んで来た鉄鉱石はちゃんとここにありますから。すぐに運び込みますので置場に案内してください」
私の言葉にキロムは首を傾げるが、ビルも同時に頷いているのを見てぶつぶつとボヤキながらも資材置き場へと案内してくれる。
「ここが資材置き場だ。それで運んで来たという鉄鉱石は何処にあるんだ?」
「それならばここにありますよ。すぐに解放しますのでお待ちくださいね」
私はキロムにそう告げると肩掛け鞄から鉄鉱石の箱をカード化したもの二十枚を取り出して解放スキルを発動させた。
「――解放」
ズン ズン ズシン
一度に全部のカードを解放することは出来ないので面倒だけど一枚ずつ置き場に鉄鉱石の詰まった箱を置いていく。
「な、な、なんだとー!?」
キロムはお約束のごとく、驚愕の表情で次々と積み上がる箱の山を前にしてあんぐりと口を開いたままの姿で固まる。
「よし! この箱で最後です。良かった、持ってきた箱は全部置くことが出来ました。まあ、端っこが少しだけはみ出したかもしれないですけど大丈夫ですよね?」
そう言って笑う私の前には敷地一杯に積み上げられた鉄鉱石の詰まった箱で埋め尽くされていたのだった。
◇◇◇
「――こいつはマジで驚いたぜ。この置き場が一杯になるなんて、俺がこの仕事についてから初めての事だぞ。全くとんでもないスキルだ」
どうにか再起動し、依頼完了報告書にサインを記入しながらそう言うキロムにビルが釘を刺すように忠告をする。
「あなたもこれを見て分かると思いますが、彼女のスキルは少々。いや、かなり特殊なものですので今回のように単独で依頼を受けさせるにはリスクもあります。ですので、リアさんは今後ギルドの庇護下に入ってもらうつもりです。仕事の依頼は今までどおりにギルドへ相談して頂ければ大丈夫ですが、彼女の安全確保のためにも不用意な噂は控えるようにお願いしますね」
ビルの言葉にキロムは頷きながら返事を返す。
「まあ……そうだろうな。いきなりこんな量の荷物を運べる奴が現れたら自分の手駒として引き込もうとする奴が群がってくるのは間違いないだろう。ギルドの関係者として庇護下に入るのが一番安全かもしれん」
この世界のギルドがどのくらいの力を持っているか知らない私は二人が話をしている間にこっそりとナビーに問いかけることにした。
「――この世界のギルドは国の直属機関となるために多くの権限を有している。たとえば外部の人間がギルドの職員に危害を加えたとすると、ギルドがその相手を捕縛する権限が発生するのさ。商業ギルドにも多くの護衛関係者が居るから大抵はギルドの職員には手出しはしないのが常識となっているんだ」
なるほど、ギルドの庇護下に入るという事は余計なトラブルに巻き込まれる可能性を低くすることが出来るのね。それは、ありがたいことね。
「では、納品も済んだことですので商業ギルドへ報告に向かいましょう」
キロムとの話が終わったビルは私にそう告げると馬車へ向かって歩き出す。それを見た私も慌てて彼について歩き出したのだった。
◇◇◇
「この後、依頼完了の報告を済ませてからギルドマスターに面会をして貰うつもりだが、特に問題はないか?」
問題は無いかと言われても特に思いつかなかった私は肯定の頷きを返す。それを見たビルは笑みを見せながらホッと息を吐いた。私が素直に応じたので安心したのだろう。
「ところで、ギルドマスターってどんな人なのですか?」
走る馬車の上で流れていく景色を眺めながらビルにそう問いかける。
「この町の商業ギルドマスターは町全体の事を良く考えてくれる優秀な人だよ。ああ、初めて会った人は大抵驚くだろうけど優しい人だから安心していいよ」
「え? そんなに怖い見た目なのですか?」
ビルの口調だと出会った見た目に驚くとのことなので熊のような大柄な大男をイメージしたのだが、それを聞いたビルは「ははは」と笑ってそれを否定した。
「違うよ。ギルドマスターは『彼』じゃなくて『彼女』っていうだけだ。女性のギルマスはあまり居ないから驚くだろうって話だよ」
「へぇ。ギルドマスターって機関の最高責任者ですよね?」
「ああ、もちろんそうだよ。なんだ、それほど驚いた感じじゃないが、他にも女性のギルマスに出会ったことでもあるのか?」
「いえ、普通に驚いていますよ。ビルさんから見てギルドマスターさんが女性なのはどうですか?」
「ん? 別に気にならないよ。男だ、女だと言って威張るだけの無能は信用がなくて直ぐに交代させられるからな。国の機関である商業ギルドの長は有能なのは当たり前だろう?」
ビルの言葉に含みは全く感じられなかったので、きっと本心からそう思っているのだろう。私は彼女に会うのが楽しみになって自然と笑みを浮かべていた。
やがて、馬車は商業ギルド前の広場に到着したので私を降ろしてからビルは馬車を施設の世話係に引き渡すと一緒にギルドへ向かうことになった。
――からんからん
ビルがドアを開けて先に中へ入ると彼に気がついた受付嬢のフィーが早足に歩いて来るのが見える。その手には多くの書類が抱えられており、忙しくしているようだった。
「ビルさん、お疲れ様でした。あ、リアさんもご一緒だったのですね。まさか、依頼完了報告ですか?」
「はい。宜しくお願いします」
「え? 本当にもう終わったのですか? 確かに移動時間を考えると帰って来られていてもおかしくはありませんが……。無理していませんよね? 彼に無理矢理なスケジュールを組まれたとか……」
「おいおい、フィーちゃん。その質問はないと思うぞ?」
横で慌てた表情を見せながらビルがフィーに抗議をする。
「ふふふ。冗談ですよ。ビルさんに限ってそんな事をする筈がないですよね。分かりました、直ぐに処理をしますね」
フィーはそう言って微笑むと手にした大量の書類を抱えたままに窓口へと入っていく。
「では、依頼完了報告書の提出をお願いします」
「はい。これですね」
私が手渡した書類を彼女は上から下までチェックすると、ある項目で目が止まり驚きの声を上げた。
「何ですか、この量は!? もがが……」
フィーは依頼完了報告書の数字を見て叫びかけたのをビルが慌てて口を塞いだ。
「フィーちゃん声がデカいって。いらん注目を集めるだろうが」
ビルの言葉にフィーはハッとした表情でコクコクと頷く彼女を見て彼はそっと彼女の口から手を離した。
「すみません。つい驚いてしまって声が出てしまいました」
フィーはそう言って私に頭を下げた。
「しかし、本当にこの量を熟されたのですね。この実績だけで十分にあちこちから依頼が殺到しそうです」
声の音量を下げてフィーがそう話すが、その表情は驚きの表情を隠せないでいた。
「そのことでギルマスに話があるのだが、面会は出来るだろうか?」
「えっと、今からすぐであれば大丈夫かと思います。予定を入れましょうか?」
「頼む」
ビルの言葉にフィーはメモを走らせてから近くに居た同僚へ渡してギルマスへの伝言を頼む。こういった事はよくあることなのだろう、頼まれた彼女は嫌な顔ひとつせずに直ぐ奥の通路へと姿を消したのだった。
「いま確認をしていますので少しお待ちください。そして、こちらが今回の依頼報酬となります。結構な大金ですのでこのままギルドに預けておくことも出来ますが、どう致しますか?」
報酬から必要経費を除いた金貨数十枚を前に私は数枚の金貨のみ受け取ってから残りはギルドに預託することにした。
「では、残りはギルドで預かることにしますね。引き出される場合も受付にお願いします」
フィーがそう説明をしてくれたとき、ちょうど先ほどの彼女が部屋に戻って来ていた。
「ギルドマスターへの面会、許可が出ましたので第二応接室へお願いします」
彼女の言葉にフィーはお礼を言うと、完了報告書に完了印を押してからファイルに綴じていく。完了したものは一定期間ギルドで保管をするのだろう。
「なら、応接室への案内は私がしよう。どうせ同席をしなければいけないからな」
傍で話を聞いていたビルはそう言って私の前を歩き出したのだった。
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