ビジネスホテルの作法

Jack

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なぜ記帳するのか?

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どこのホテルでもチェックインの際に求められること。

それは名前や住所、職業などの記帳です。

では、何故記帳しなくてはいけないのでしょうか?

というのは予約を取る際に、個人情報は既にオープンになっているからです。

ホテル側も分かっているはずなのに、どうしてわざわざ書かせるのか? 不思議に思われた人もいるでしょう。

中には面倒臭いという理由で、ミミズか這ったような字で書きなぐる方や、書かなくていいだろうと文句を言うゲストさえいます。


そもそもホテルは旅館業法に基づいて営業しています。

行政から認可をもらい、法を守っているから営業出来るわけです。

何でも好き勝手にやれるわけではありません。

その旅館業法の中に、ホテル側は行政からの求めがあった際は、宿泊客の情報を提供しなくではいけない、と定められています。

ですから記帳された用紙は大切に何年も保管され、突然 提出するよう求められても対応できるようにしているわけです。

これはホテル側の義務である為、当然ホテルの都合でやめることは出来ません。

そして、ホテルから記帳するよう求められた場合、宿泊客は応じなければならないとも定められています。

つまり、記帳はゲストの行政に体する義務でもあるのです。

もし記帳することを拒否した場合、大抵のホテルでは宿泊を拒否することになります。

法を守らないゲストを泊める理由がないからです。

それでは、何故こんな法があるのでしょうか?

それはやはりホテルが危険な場所だからです。

もし感染力の高いウイルスがホテルに持ち込まれたらどうでしょう?

感染源は? 感染経路は? 海外から持ち込まれたのか? それとも国内からか?

行政は事態を収束させるため、宿泊客の足取りを追わねばなりません。


別のケースもあります。

もし、テログループがホテルに潜伏しており、違法な売買や誘拐、現地工作員との接触、善意の協力者の確保などが行われたらどうでしょうか?

やはり、行政が対応をしていく際に個人情報が必要になることは明白です。

ホテルが正確な情報を迅速に提出できなければ、それだけ危険が広がってしまうことになります。

なるほど、記帳が大切なのは分かったけ
ど、どうして予約したときのデジタルデータだけではダメなのだろうか?

そう思われた方もいるでしょうか?

それは記帳とは緊急時に【宿泊客】の情報を得るためのものだからです。

ウイルス拡大の経路を辿ったら、ホテルに泊まった人ではなく、予約した人に行き着いてしまった。これでは意味がありません。

今ではインターネットで簡単に予約ができるようになりましたが、特にご年配の方は若に人に頼んで予約してもらうことがありますね。

また、複数の部屋を代表者が予約をしたり、会社の担当者が代理で予約をすることもあるでしょう。

ですから、全ての宿泊客に記帳させて確認をとる必要があるのです。

実際デジタルデータと記帳内容が違っていることは多いんです。

また、災害やテロ行為でインフラや設備がダウンした際に、紙媒体での保管であれば対応ができますよね。

確かにデジタルは便利ですが、非常時には結構使いものになりません。

このような理由から、記帳することがホテルでは求められているわけです。

記帳というルールもやはりゲストを守るためにあるわけです。
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