誰か、好感度の下げ方を教えてください!

和泉臨音

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番外編(レオ視点)

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「…………へ?」

 俺の決死の告白に対して、シャルロはポカンと口を開けたままたった一言、いや空気が漏れるような音を発した。

「だから……」
「ヒィッ! わかった、わかったから! そんな真面目な顔で言わないで……は、恥ずかしいだろっ」

 改めて説明しようとした俺の額を拘束されていない手でシャルロがペチペチ叩いてくる。その顔はトマトのように一気に真っ赤だ。

 ―― あ、これ、ただセックスに誘ってると思ってるな。

 シャルロは駆け引きが苦手だ。
 確かに俺の誘いを素直にとればそうなるだろう。
 さんざ身体を重ねて結構激しく抱き合っているのにここまで純情でいられるのって凄くないか?
 むしろシャルロこそ【聖女】と呼ばれるにふさわしいと思う。

 素直すぎるシャルロが愛しくて、俺はシャルロの手をとり左手に嵌まっている結婚指輪にチュッと口付けた。

「れ、れ、れおどうした?」
「…さっき研究が完成したって言っただろ、あれジャックと同性でも子どもが作れる方法を研究してたんだ」
「……は??」
「国王もご存じだし、俺とシャルロの間に子どもを作ることも許可してもらった」

 こう見えてもシャルロは王子だ。
 花の騎士である時点で王位継承権は放棄したそうだが、城内にはシャルロの妄信者もいる。
 後々謀反など疑われても困るので先に手を回しておいた。

 特に裏工作の必要もなく、国王も兄王子たちもシャルロを溺愛しているのであっさり許可された。
 この驚き方からすると、彼らからも何も聞いていないんだろう。

「まさか、そんな……」

 耳や項まで真っ赤に染めて、俯くシャルロの表情は見えない。
 続く言葉が否定でないことを祈りながら、俺はシャルロを見つめる。

「だからいつも、あんなに激しかったのか…」
「ん?」

 シャルロは顔をあげ俺の両手をしっかりと握り返すと、真っ赤な顔のまま俺をまっすぐ見つめる。

「毎回しつこかったのも…子どもが欲しかったからなんだな、気付かなくてごめん。ただヤリたいだけなんだと思ってた」
「ぐっ」

 シャルロの射る様な真剣な眼差しに居たたまれなくなって俺は視線を逸らすが、強く抱きしめられた。

「おれはずっとレオのこと好きだったから、自分の子どもとか考えたことなくて、いやその前に諦めなきゃとか皆を守らなきゃって必死だったってのもあるけど」

 そう、シャルロはいつも俺達のために走り回って心を砕いていた。
 女じゃないのに聖女候補だった俺のことは特に気にかけてくれていたと思う。

「今レオとこうして一緒に居られるのが嬉しくて、それ以上の事、おれは何も考えてなかった」

 それはシャルロの所為じゃない。
 蜜の魅了のことは俺達が秘密にしていたのだし、それがなければ俺も子どもという発想にはならなかった。

「……まさかジャックに魂を売る程、レオが思い詰めてたなんて」

 ん?
 
 ―― 斜め上のシャルロの言葉に、先ほどから微妙に砕かれてはいたが、俺の心の中のシリアスムードが霧散する。

 そんな事に気付くはずのないシャルロは、ハッとした表情で俺の肩を掴み身体を離すと顔を覗き込んできた。

「もしかして痩せたのって…………内臓を対価にジャックと取引したのか?!」

 がばりと俺の胸に耳を押し付け、お腹をさわさわと確認するように触れてくる。

「ふっ……くくっ、あはははっ」
「レオ??」

 触れるシャルロの髪や手がくすぐったくて、シャルロの返事が予想外過ぎて、俺は思わず吹き出して笑ってしまった。

 男同士で子どもなんてとか否定的な言葉は言わないと思っていたが、まさか俺の心配をされるとは!

 シャルロの手を取ると服の下、直接腹筋へ触るよう導く。

「どうせ触るなら、もっとちゃんと触ってくれ」
「え? え?」

 目をぱちくりさせるシャルロの頬にキスすると、そのまま辿り耳たぶを甘噛みする。

「れ、れお??」
「安心しろジャックとは利害が一致しただけだ。魂も内臓も売ってない」

 後継者問題を盾に交際を断る相手を落とすため、同性でも跡継ぎを作れるようにしたいそうだが、こちらは上手くいけばジャックから直接シャルロに報告するだろう。

「ぅん、よかった……」

 耳元で囁けば、感じ入る様に身震いしながらふわりと微笑むシャルロの色気が凄くてくらくらする。
 見つめ合えばどちらからともなく唇が触れ合った。

 何度も何度も何度も、優しく啄ばむようなキスをしていれば、先に根をあげたのはシャルロだ。

「な、なんだかいつもと雰囲気が違くて照れるな」

 湯気が立ちそうなほど真っ赤になって腕の中でシャルロがてれてれにとろけている。
 俺は折角の甘い雰囲気を持続するため、欲情に流されそうになるのをぐっと堪える。

 ―― しかし、当たり前だが可愛いシャルロは俺の胸の内を知らない。

「で、あの、さ、レオ……子づくりって、その、どうやるんだ?」

 たぶん、きっと、いや絶対に、シャルロが狙っていないことは判っている。

「レオ?」

 頬を染めたまま上目遣いで子づくりセックスの仕方を伴侶に聞くなど、あざと過ぎるだろう。
 
 判ってる、セックスでなく魔法の具体的な方法を確認したんだということは判ってる、が。

「……本当にシャルロは俺を煽るのが上手いし、色々馬鹿すぎて心配だ」

 熱くたかぶる鼓動や下半身を自制するために、はーっと大きく息を吐く。

「え、うん? ちょっと待って。おれさりげなくけなされて…ンンン!」
「大丈夫、どんなシャルロだって俺がずっと一緒にいるから。……とりあえず子づくりする前に一回ヤろう」
「ちょ? 普通それが子づくりっ……んんぅむん????」

 何事か言い返そうとするシャルロに舌を絡めて口付ける。
 それを合図に俺の理性は吹き飛んだ。




 ―― その後、無事に俺の中毒症状は抜けたが、可愛いシャルロが愛しすぎてベッドで攻め立ててしまうのはあまり変わらなかった。


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