26 / 26
スキルの活用に気付く
第26話 買い物に出かける
しおりを挟む
結局、ユーフェと一緒に買い物に出かける事が出来たのはアンとダンの他に3人であった。残りはユーフェの祝福でキラキラと光っており、施設に留守番として残る事になった。
「ああ、やっちゃったなー。まさかキラキラしたエフェクトが掛かるなんて思わなかったよ……」
「それにしても凄かったねー。みんな、キラキラしてたもん」
「俺もユーフェにしてもらったら良かったー」
「でも、それだったら買い物には行けないよ?」
「だよなー」
落ち込んでいるユーフェの右手を握っているアンは嬉しそうにしていたが、後ろを歩くダンは残念そうにしていたが、アンの言葉に納得した表情を浮かべる。そして年下の子供の手を引いて「はぐれるなよ」と声を掛けていた。
「ダンって面倒見がいいのね」
「なっ! 当たり前だろ! 妹みたいなもんなんだよ!」
ユーフェの言葉に顔を赤らめながら答えているダンを微笑ましそうに見ていた。ダンからすれば揶揄われたと思ったのか、そっぽを向くとユーフェを無視するように歩き始める。
「ごめんって。からかったんじゃないから。お兄ちゃんしてるなーと思っただけだから。ね、機嫌を直してよ」
「ふん。まあ、いいけどよ。兄貴分としては当然の行動だからな! 早く買い物に行くぞ」
ユーフェの謝罪を受け取ったダンは機嫌を直すと元気よく歩き始める。慌てて付いていくユーフェだったが、しばらく歩くと市場に到着した。
「花を買うんだよな?」
「そうだよ。でも、花を買ったらお菓子も買って帰るよ」
ダンの言葉にユーフェが答えていると、アンが嬉しそうに飛び跳ねた。
「やったー。アンはね、美味しいお菓子を知ってるんだよ! シスターがたまに買ってきてくれるの」
「そうなんだ。じゃあ、花を買ったら一番にそこに行こう!」
「わーい」
花が並んでいる屋台にやって来た一同は、それぞれが部屋に似合う花を指差す。子供達もそれぞれが主張しており、ダンは白色の花を選び、アンは黄色の花を選んだ。
「あの部屋なら白がいいだろ!」
「黄色の方が可愛いもん!」
どちらも譲る様子はなく睨み合っており、一緒に付いてきた子供達は泣きそうになっていた。ユーフェは苦笑しながら2人の間に入ると待ったをかける。
「はーいストップ! どっちも似合っているから。両方買うよ! すいませーん。こっちとこれをください。あと、そこの花もお願いします」
「はいよー。それにしても大量に買ってくれたねー。何か祝い事でもあるのかい?」
「ははは。そんな感じですかね。よっと!」
店主が大量購入に気分良くしながら花をユーフェに手渡す。アイテムボックスに収納したユーフェに驚いた顔をした店主だが、貴賓のある顔立ちと支払いの良さに貴族の令嬢だと勘違いしたようであった。
何度も頷きながら近くにあったリーフ状になっている赤い花を手渡す。
「いっぱい買ってくれたお嬢様にプレゼントだ! 珍しい花で、リーフなんて滅多に見られないよ」
「ありがとうございます。これからも贔屓にしますね。お礼にこれをどうぞ」
笑いながら赤い花を受け取ったユーフェは嬉しそうにしながら頭に乗せると、代わりにとばかりに巨大なクッキーを手渡した。
「お、おう。ありがとうよ。こんな巨大なクッキーを持って帰ったら娘が喜ぶだろうな」
若干、引き攣ったような顔になっている店主に首を傾げながらも手を振って花屋から離れていく。しばらく歩いていたが、一同が暗い顔で無言になっているのに気づいたユーフェがアンに語りかけた。
「どうかしたの? 元気ないよ?」
「ううん。別になんともないよ。ちょっとお父さんがいる子が羨ましいと思っただけ。違うよ! 私にはマリアお姉ちゃんとかシスターがいるから平気だよ!」
どう見ても無理しているようにしか見えないアンをユーフェは抱きしめるのだった。
「ああ、やっちゃったなー。まさかキラキラしたエフェクトが掛かるなんて思わなかったよ……」
「それにしても凄かったねー。みんな、キラキラしてたもん」
「俺もユーフェにしてもらったら良かったー」
「でも、それだったら買い物には行けないよ?」
「だよなー」
落ち込んでいるユーフェの右手を握っているアンは嬉しそうにしていたが、後ろを歩くダンは残念そうにしていたが、アンの言葉に納得した表情を浮かべる。そして年下の子供の手を引いて「はぐれるなよ」と声を掛けていた。
「ダンって面倒見がいいのね」
「なっ! 当たり前だろ! 妹みたいなもんなんだよ!」
ユーフェの言葉に顔を赤らめながら答えているダンを微笑ましそうに見ていた。ダンからすれば揶揄われたと思ったのか、そっぽを向くとユーフェを無視するように歩き始める。
「ごめんって。からかったんじゃないから。お兄ちゃんしてるなーと思っただけだから。ね、機嫌を直してよ」
「ふん。まあ、いいけどよ。兄貴分としては当然の行動だからな! 早く買い物に行くぞ」
ユーフェの謝罪を受け取ったダンは機嫌を直すと元気よく歩き始める。慌てて付いていくユーフェだったが、しばらく歩くと市場に到着した。
「花を買うんだよな?」
「そうだよ。でも、花を買ったらお菓子も買って帰るよ」
ダンの言葉にユーフェが答えていると、アンが嬉しそうに飛び跳ねた。
「やったー。アンはね、美味しいお菓子を知ってるんだよ! シスターがたまに買ってきてくれるの」
「そうなんだ。じゃあ、花を買ったら一番にそこに行こう!」
「わーい」
花が並んでいる屋台にやって来た一同は、それぞれが部屋に似合う花を指差す。子供達もそれぞれが主張しており、ダンは白色の花を選び、アンは黄色の花を選んだ。
「あの部屋なら白がいいだろ!」
「黄色の方が可愛いもん!」
どちらも譲る様子はなく睨み合っており、一緒に付いてきた子供達は泣きそうになっていた。ユーフェは苦笑しながら2人の間に入ると待ったをかける。
「はーいストップ! どっちも似合っているから。両方買うよ! すいませーん。こっちとこれをください。あと、そこの花もお願いします」
「はいよー。それにしても大量に買ってくれたねー。何か祝い事でもあるのかい?」
「ははは。そんな感じですかね。よっと!」
店主が大量購入に気分良くしながら花をユーフェに手渡す。アイテムボックスに収納したユーフェに驚いた顔をした店主だが、貴賓のある顔立ちと支払いの良さに貴族の令嬢だと勘違いしたようであった。
何度も頷きながら近くにあったリーフ状になっている赤い花を手渡す。
「いっぱい買ってくれたお嬢様にプレゼントだ! 珍しい花で、リーフなんて滅多に見られないよ」
「ありがとうございます。これからも贔屓にしますね。お礼にこれをどうぞ」
笑いながら赤い花を受け取ったユーフェは嬉しそうにしながら頭に乗せると、代わりにとばかりに巨大なクッキーを手渡した。
「お、おう。ありがとうよ。こんな巨大なクッキーを持って帰ったら娘が喜ぶだろうな」
若干、引き攣ったような顔になっている店主に首を傾げながらも手を振って花屋から離れていく。しばらく歩いていたが、一同が暗い顔で無言になっているのに気づいたユーフェがアンに語りかけた。
「どうかしたの? 元気ないよ?」
「ううん。別になんともないよ。ちょっとお父さんがいる子が羨ましいと思っただけ。違うよ! 私にはマリアお姉ちゃんとかシスターがいるから平気だよ!」
どう見ても無理しているようにしか見えないアンをユーフェは抱きしめるのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
42
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる