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ティナの波動
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ティナは興味深そうにアルフレッドの顔を覗き込んだ。
「ただそれだけって?」
「そうだなぁ・・・例えば俺が何かをなそうとするだろう?一人では10の事しかできないとする。それは他の神の協力を得ても12ぐらいにしかならないんだ。しかし番とともに行うならそれが20にもなる。そして番は一人の神に対して一人しかいないんだ。だから唯一無二であり一心同体とも言うべき存在なんだが、そこに夫婦としての情愛は無い」
「へぇ~そうなんだぁ。私はてっきり愛しの奥さんを必死で探してると思ってた」
「そうだろうと思ってたよ。まあ敢えて誤解を解くこともないと思っていたのだが・・・」
「ロリコンじゃなかったんだね。良かったぁ~変態だったら悲しいって思ってたから」
アルフレッドがティナの頬を指先で引っ張った。
「痛い痛い!ごめんって!」
「神の鉄槌!」
「鉄槌って・・・痛いってば!許してよぉ。呪ったら呪い返すわよ!」
「神は呪ったりしない!」
二人は声を出して笑いあった。
ふと真剣な顔でアルフレッドが言う。
「番はそう長くは存在できないんだ。神にはなれない定めだからな。長くて百年くらいかなぁ」
「番になってからの寿命があるってこと?」
「そうだ。天界寿命が尽きると天使に生まれ変わる。すると次の番が生まれる。生まれはするが天界まで来る確率はかなり低い。性格が優しすぎるからな。他者の犠牲になりやすい。だから番を持たない時期が長い場合も多い」
「優しいだけじゃ生きられないのね・・・世知辛いわぁ~。それはそうと天使って番だった人たちなのね」
「ああ、特別な力は失ってしまうが神の僕として存在し続けるんだ。天使に寿命はない」
「辞められないの?」
「辞めることはできるよ。本人が望めば人間界に戻れる。それが堕天使と呼ばれる存在だ」
「堕天使ってそういう意味なの・・・悪に堕ちた天使かと思ってた」
「ある意味正解だ。人として存在していた頃の意志を取り戻すから邪悪な心も宿るし、寿命も人並になる」
「なるほど・・・死ねるってことね」
「そうだ。しかし屍は残らないから埋葬もない。そして二度と天界には戻れない」
「それでも堕天使の道を選ぶ者もいるのね?」
「そうだ。人間界で邪な欲を覚えたり、人間に恋をするとその道を選ぶ傾向が強い」
「ふぅ~ん。なかなかいろいろあるのね」
「そして神の伴侶は番とは別の存在だ。伴侶は神とともに生き続けるが伴侶である神の寿命と共に消える。そして伴侶は神や番のような特別な力は持たない。せいぜい指一本で掃除ができたり、移動できたりする程度だ」
「なるほど・・・指一本でね・・・まるでテレビドラマの魔女ね」
「魔女?まあお前に言わせると俺は大魔神らしいから、俺の伴侶なら大魔女だな」
二人は声を出して笑いあった。
「良かったよ。元気を出してくれて」
「うん。アルは知っていたんだよね?ジュリアのこと」
「いや、知らなかった。でもすぐに気づいたよ。お前とあの神官、二人の波動を両方持っていたからな」
「そうなんだ・・・私の波動ってどんな感じなの?」
「う~ん・・・簡単にいうとピュアでキラキラしていて・・・そしてかなりエロい」
「ばかっ!」
ティナは真顔でアルフレッドのわき腹に肘うちした。
「ただそれだけって?」
「そうだなぁ・・・例えば俺が何かをなそうとするだろう?一人では10の事しかできないとする。それは他の神の協力を得ても12ぐらいにしかならないんだ。しかし番とともに行うならそれが20にもなる。そして番は一人の神に対して一人しかいないんだ。だから唯一無二であり一心同体とも言うべき存在なんだが、そこに夫婦としての情愛は無い」
「へぇ~そうなんだぁ。私はてっきり愛しの奥さんを必死で探してると思ってた」
「そうだろうと思ってたよ。まあ敢えて誤解を解くこともないと思っていたのだが・・・」
「ロリコンじゃなかったんだね。良かったぁ~変態だったら悲しいって思ってたから」
アルフレッドがティナの頬を指先で引っ張った。
「痛い痛い!ごめんって!」
「神の鉄槌!」
「鉄槌って・・・痛いってば!許してよぉ。呪ったら呪い返すわよ!」
「神は呪ったりしない!」
二人は声を出して笑いあった。
ふと真剣な顔でアルフレッドが言う。
「番はそう長くは存在できないんだ。神にはなれない定めだからな。長くて百年くらいかなぁ」
「番になってからの寿命があるってこと?」
「そうだ。天界寿命が尽きると天使に生まれ変わる。すると次の番が生まれる。生まれはするが天界まで来る確率はかなり低い。性格が優しすぎるからな。他者の犠牲になりやすい。だから番を持たない時期が長い場合も多い」
「優しいだけじゃ生きられないのね・・・世知辛いわぁ~。それはそうと天使って番だった人たちなのね」
「ああ、特別な力は失ってしまうが神の僕として存在し続けるんだ。天使に寿命はない」
「辞められないの?」
「辞めることはできるよ。本人が望めば人間界に戻れる。それが堕天使と呼ばれる存在だ」
「堕天使ってそういう意味なの・・・悪に堕ちた天使かと思ってた」
「ある意味正解だ。人として存在していた頃の意志を取り戻すから邪悪な心も宿るし、寿命も人並になる」
「なるほど・・・死ねるってことね」
「そうだ。しかし屍は残らないから埋葬もない。そして二度と天界には戻れない」
「それでも堕天使の道を選ぶ者もいるのね?」
「そうだ。人間界で邪な欲を覚えたり、人間に恋をするとその道を選ぶ傾向が強い」
「ふぅ~ん。なかなかいろいろあるのね」
「そして神の伴侶は番とは別の存在だ。伴侶は神とともに生き続けるが伴侶である神の寿命と共に消える。そして伴侶は神や番のような特別な力は持たない。せいぜい指一本で掃除ができたり、移動できたりする程度だ」
「なるほど・・・指一本でね・・・まるでテレビドラマの魔女ね」
「魔女?まあお前に言わせると俺は大魔神らしいから、俺の伴侶なら大魔女だな」
二人は声を出して笑いあった。
「良かったよ。元気を出してくれて」
「うん。アルは知っていたんだよね?ジュリアのこと」
「いや、知らなかった。でもすぐに気づいたよ。お前とあの神官、二人の波動を両方持っていたからな」
「そうなんだ・・・私の波動ってどんな感じなの?」
「う~ん・・・簡単にいうとピュアでキラキラしていて・・・そしてかなりエロい」
「ばかっ!」
ティナは真顔でアルフレッドのわき腹に肘うちした。
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