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出陣
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「まさか……お小夜ちゃんか? いや、お小夜ちゃんはあの日……」
柳葉の目から涙が零れ落ちる。
「景浦道場の一人娘、小夜でございます。あなた様の覚悟、しかと拝見いたしました。もう時間がございませんので、用件だけ申しましょう。抜け荷の相手は西班牙国、荷は黄金真珠と女たちでございます」
「取引の場所と時間は?」
「場所は鉄砲洲。明日の明け六つの木戸が開く前には積み終えると言っておりました」
「鉄砲洲……八丈島への春船か? あれを使うのか……なるほど考えたな。そうなると取引は三宅島?」
「式根島でございます。三宅島に向かう前の補給で立ち寄る新島で黄金真珠と女だけを降ろして式根島に小舟で運ぶのです。そこで待っている大船の行先は長崎でございます」
「長崎……島原藩か」
「ええ。女たちはそこで異人に引き渡されるのです。気に入られればそのまま異国へ連れて行かれ、飽きられればそのまま丸山で女郎となります」
「惨いことを……」
「お急ぎなさいませ。今日が最後と聞いております。柴田も同乗し国許へ戻ると聞いております。今日なら必ず三沢様の仇を討てましょう」
久秀は飾り棚に置かれている一挺天符枕時計を見た。
「時間が無いな……柳葉太夫、いやお小夜ちゃん。必ず戻って来るから必ず全てを教えてくれ。お父上のことは聞いているか?」
「はい、山本が景浦光政を切り捨てたと聞きました」
「誰から?」
「三沢長政様でございます」
「まさか柳葉太夫を買い切りにしていたというのは三沢さまか?」
「はい、三沢長政様でございます。私の命の恩人なのです」
久秀は拳を握りしめて、ギュッと目を瞑った。
「なあお小夜ちゃん。俺は……三沢様を信じて良いのだろうか」
柳葉太夫が勢いよく顔を上げた。
「信じてあげてください。三沢様はお一人で柴田の悪事に立ち向かっておいででした。動かぬ証拠をつかむために、自らも一味として動いていると装いながら、誰も巻き込まないようにとたったお一人で……」
「そうか……わかった。うん、俺の知っている三沢様もそういうお方だ。お小夜ちゃん、山本は必ず討つ。わが師の無念をあなたに代わって晴らしてやる」
久秀が立ち上がると、柳葉太夫が三つ指をついて頭を下げた。
「先ほどは安藤様のご覚悟を試すような真似を致しました。どうぞ女の浅知恵と思ってお許しくださいませ」
久秀がやっと笑顔を浮かべた。
「いやいや、高嶺の花だったお小夜ちゃんの秘密の花園を拝ませてもらったんだ。こちらこそ眼福ここに極まれりだよ。礼を言おう。では明日また」
「ご武運を」
頷いた久秀が部屋を出ると、柳葉はその場で泣き崩れた。
その声に驚いた男衆が顔を覗かせる。
「どうしなすったのだね、柳葉太夫」
柳葉が顔を上げて首をぶんぶんと振って見せた。
「振られてしまったのさ。せっかく間夫にしようと言うのにさぁ、女房の方が良いと言いなさるのだもの。くやしいよなぁ」
男衆が破顔する。
「そりゃ仕方もねえさ。久さんの女房好きは有名だもの。女房持ちの間夫など碌なものでないよ? それよかさぁ、お大尽を逃がさねえほうが得ってものだ。大黒屋の三朝太夫など、大店の番頭を咥え込んで左うちわと聞くぜ?」
慰めの言葉を残して男衆が出て行くと、小引き出しを開けて櫛を取り出した。
それは奇しくも久秀が、咲良に渡した鼈甲の飾櫛と同じ桜の意匠だ。
その櫛を指先でなぞりながら、柳葉は小さく父の名を何度も呟いていた。
肥後屋を出た久秀の行動は早かった。
戻っていた権左にお朝の家を見張っている宇随を呼び戻すように頼み、柴田の妻女に新之助の支度を頼んだ。
自分は裏の井戸に行き体を清めてから、咲良が用意した着物に腕を通す。
お市が久秀の髪を整えた。
久しぶりに袴をつけて羽織りにそでを通すと、どこから見ても大名家の家臣といういで立ちだ。
柴田の妻女が、咲良から渡すように頼まれたという鉄を縫い込んだ鉢巻を差し出す。
彩音が甲斐甲斐しく新之助の世話を焼いているのを微笑ましく見ながら、久秀がお嶋に声を掛けた。
「これを預かっておいてくれ。無事に戻ったら新之助様の元服を挙げる。咲良がそのために貯めていた金だ」
そこに和ませ屋久さんの面影は微塵もない。
お嶋は袖で指を隠して、素肌が触れないように恭しく受け取った。
「確かにお預かりいたしました」
宇随と権左が駆け戻ってきた。
久秀は柳葉から聞いた話を伝え、これからの行動を口にする。
「権左さん、公儀を動かすというあなたの言葉を信じるしかない。場所は鉄砲洲の船着き場、時刻は深夜七つ。できそうかね?」
「必ず連れてまいりましょう。符丁は?」
「そうさなぁ……赤ままちゃと白ままちゃでどうだ?」
プッとお市が吹き出した。
「何ですか? それ」
「咲良が唄ってくれた子守歌に出てくるんだよ」
久秀がそう言うと、お市が補足した。
「お伊勢の言葉で赤飯と白飯という意味です」
宇随が苦笑いをしている。
「命を賭けるに値する言葉だな」
公儀を動かすために駆け出した権左を見送った女たちは、次の間に並んだ。
主座敷に残ったのは、元山名藩国家老三沢長政家臣、一刀流免許皆伝安藤久秀。
山名藩江戸家老柴田清右ヱ門三男、北辰一刀流免許皆伝柴田研吾。
そして日知館道場師範、一刀流免許皆伝宇随義正。
その三人の剣客の前で姿勢を正す新之助の姿は痛々しいほど小さい。
久秀が新之助の前で畳に手を置いた。
「三沢新之助様。亡き父上の仇討ちでござる。助太刀致しますは、この安藤久秀と妻の咲良。宇随義正殿と柴田研吾殿は我らが亡き師である景浦光政先生の仇である、山本半兵衛と五十嵐喜之助を討ちます」
新之助の喉がゴクッと鳴った。
「我らが目指すのは山名正晴と柴田清右ヱ門でござる。ゆめゆめご油断めさるな」
「はいっ!」
「正晴は雑魚なれど、老いたるとはいえ柴田は侮れません。一瞬の油断で命を落とすと思召せ」
「はいっ!」
宇随が後ろから声を出した。
「我らはまず五十嵐を消す。そして師の誠の仇である山本だ」
「承知いたしました」
柴田の返事に頷いた宇随が続ける。
「新之助殿はトドメを刺すことのみに集中なされ。無駄な動きは気力も体力も奪うだけでござる」
「はいっ!」
「安藤の動きをよく見て、離れないようになされよ」
「はい。わかりました。必ずそのように致します」
久秀が新之助の顔を見上げる。
「新之助様、今日という日を迎えるためとはいえ、今までのご無礼、何卒ご容赦下さいませ。この安藤久秀、命に代えましてお守り申す」
新之助が背筋を更に伸ばした。
「安藤、本日までの忠義、心より礼を申す。私は三沢の家名を必ず取り戻す」
「はっ!」
次の間で控えていたお嶋が、目に涙を溜めつつ努めて明るい声を出した。
「さあさあ、腹が減っては戦はできぬと申します。これで力をつけて下さいまし」
握り飯と梅干しが盛られた皿が差し出される。
新之助が最初のひとつを手に取り、全員に行き渡った。
「いただきましょう」
久秀の声で最後になるかもしれない食事が始まった。
新之助は緊張のあまり、口にした飯を飲み込めないでいる。
彩音が急いで白湯を差し出したが、新之助は吐き戻しそうな顔をしていた。
「飲み込め! 新之助!」
久秀が一喝すると、新之助の喉が動いた。
それを見届けた宇随が静かに声を出す。
「では参ろうか。必ず生きて戻る。信じて待て。ああそうだ、お市。俺たちが戻るまでに、赤ままちゃと白ままちゃを用意しておいてくれ」
「あい、義様。板さんたちに習って、たんと炊いておきますよぉ」
女たちが一斉に頭を下げた。
「皆々様のご武運、心よりお祈り申しげます」
安藤が新之助の背に手を当てる。
「よく頑張りました。さあ、参りましょう」
股立ちをとり、草鞋の緒をきつく締めた男たちは振り返りもせず走り出した。
まず目指すは本所南町のお朝の家だ。
柳葉の目から涙が零れ落ちる。
「景浦道場の一人娘、小夜でございます。あなた様の覚悟、しかと拝見いたしました。もう時間がございませんので、用件だけ申しましょう。抜け荷の相手は西班牙国、荷は黄金真珠と女たちでございます」
「取引の場所と時間は?」
「場所は鉄砲洲。明日の明け六つの木戸が開く前には積み終えると言っておりました」
「鉄砲洲……八丈島への春船か? あれを使うのか……なるほど考えたな。そうなると取引は三宅島?」
「式根島でございます。三宅島に向かう前の補給で立ち寄る新島で黄金真珠と女だけを降ろして式根島に小舟で運ぶのです。そこで待っている大船の行先は長崎でございます」
「長崎……島原藩か」
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「お急ぎなさいませ。今日が最後と聞いております。柴田も同乗し国許へ戻ると聞いております。今日なら必ず三沢様の仇を討てましょう」
久秀は飾り棚に置かれている一挺天符枕時計を見た。
「時間が無いな……柳葉太夫、いやお小夜ちゃん。必ず戻って来るから必ず全てを教えてくれ。お父上のことは聞いているか?」
「はい、山本が景浦光政を切り捨てたと聞きました」
「誰から?」
「三沢長政様でございます」
「まさか柳葉太夫を買い切りにしていたというのは三沢さまか?」
「はい、三沢長政様でございます。私の命の恩人なのです」
久秀は拳を握りしめて、ギュッと目を瞑った。
「なあお小夜ちゃん。俺は……三沢様を信じて良いのだろうか」
柳葉太夫が勢いよく顔を上げた。
「信じてあげてください。三沢様はお一人で柴田の悪事に立ち向かっておいででした。動かぬ証拠をつかむために、自らも一味として動いていると装いながら、誰も巻き込まないようにとたったお一人で……」
「そうか……わかった。うん、俺の知っている三沢様もそういうお方だ。お小夜ちゃん、山本は必ず討つ。わが師の無念をあなたに代わって晴らしてやる」
久秀が立ち上がると、柳葉太夫が三つ指をついて頭を下げた。
「先ほどは安藤様のご覚悟を試すような真似を致しました。どうぞ女の浅知恵と思ってお許しくださいませ」
久秀がやっと笑顔を浮かべた。
「いやいや、高嶺の花だったお小夜ちゃんの秘密の花園を拝ませてもらったんだ。こちらこそ眼福ここに極まれりだよ。礼を言おう。では明日また」
「ご武運を」
頷いた久秀が部屋を出ると、柳葉はその場で泣き崩れた。
その声に驚いた男衆が顔を覗かせる。
「どうしなすったのだね、柳葉太夫」
柳葉が顔を上げて首をぶんぶんと振って見せた。
「振られてしまったのさ。せっかく間夫にしようと言うのにさぁ、女房の方が良いと言いなさるのだもの。くやしいよなぁ」
男衆が破顔する。
「そりゃ仕方もねえさ。久さんの女房好きは有名だもの。女房持ちの間夫など碌なものでないよ? それよかさぁ、お大尽を逃がさねえほうが得ってものだ。大黒屋の三朝太夫など、大店の番頭を咥え込んで左うちわと聞くぜ?」
慰めの言葉を残して男衆が出て行くと、小引き出しを開けて櫛を取り出した。
それは奇しくも久秀が、咲良に渡した鼈甲の飾櫛と同じ桜の意匠だ。
その櫛を指先でなぞりながら、柳葉は小さく父の名を何度も呟いていた。
肥後屋を出た久秀の行動は早かった。
戻っていた権左にお朝の家を見張っている宇随を呼び戻すように頼み、柴田の妻女に新之助の支度を頼んだ。
自分は裏の井戸に行き体を清めてから、咲良が用意した着物に腕を通す。
お市が久秀の髪を整えた。
久しぶりに袴をつけて羽織りにそでを通すと、どこから見ても大名家の家臣といういで立ちだ。
柴田の妻女が、咲良から渡すように頼まれたという鉄を縫い込んだ鉢巻を差し出す。
彩音が甲斐甲斐しく新之助の世話を焼いているのを微笑ましく見ながら、久秀がお嶋に声を掛けた。
「これを預かっておいてくれ。無事に戻ったら新之助様の元服を挙げる。咲良がそのために貯めていた金だ」
そこに和ませ屋久さんの面影は微塵もない。
お嶋は袖で指を隠して、素肌が触れないように恭しく受け取った。
「確かにお預かりいたしました」
宇随と権左が駆け戻ってきた。
久秀は柳葉から聞いた話を伝え、これからの行動を口にする。
「権左さん、公儀を動かすというあなたの言葉を信じるしかない。場所は鉄砲洲の船着き場、時刻は深夜七つ。できそうかね?」
「必ず連れてまいりましょう。符丁は?」
「そうさなぁ……赤ままちゃと白ままちゃでどうだ?」
プッとお市が吹き出した。
「何ですか? それ」
「咲良が唄ってくれた子守歌に出てくるんだよ」
久秀がそう言うと、お市が補足した。
「お伊勢の言葉で赤飯と白飯という意味です」
宇随が苦笑いをしている。
「命を賭けるに値する言葉だな」
公儀を動かすために駆け出した権左を見送った女たちは、次の間に並んだ。
主座敷に残ったのは、元山名藩国家老三沢長政家臣、一刀流免許皆伝安藤久秀。
山名藩江戸家老柴田清右ヱ門三男、北辰一刀流免許皆伝柴田研吾。
そして日知館道場師範、一刀流免許皆伝宇随義正。
その三人の剣客の前で姿勢を正す新之助の姿は痛々しいほど小さい。
久秀が新之助の前で畳に手を置いた。
「三沢新之助様。亡き父上の仇討ちでござる。助太刀致しますは、この安藤久秀と妻の咲良。宇随義正殿と柴田研吾殿は我らが亡き師である景浦光政先生の仇である、山本半兵衛と五十嵐喜之助を討ちます」
新之助の喉がゴクッと鳴った。
「我らが目指すのは山名正晴と柴田清右ヱ門でござる。ゆめゆめご油断めさるな」
「はいっ!」
「正晴は雑魚なれど、老いたるとはいえ柴田は侮れません。一瞬の油断で命を落とすと思召せ」
「はいっ!」
宇随が後ろから声を出した。
「我らはまず五十嵐を消す。そして師の誠の仇である山本だ」
「承知いたしました」
柴田の返事に頷いた宇随が続ける。
「新之助殿はトドメを刺すことのみに集中なされ。無駄な動きは気力も体力も奪うだけでござる」
「はいっ!」
「安藤の動きをよく見て、離れないようになされよ」
「はい。わかりました。必ずそのように致します」
久秀が新之助の顔を見上げる。
「新之助様、今日という日を迎えるためとはいえ、今までのご無礼、何卒ご容赦下さいませ。この安藤久秀、命に代えましてお守り申す」
新之助が背筋を更に伸ばした。
「安藤、本日までの忠義、心より礼を申す。私は三沢の家名を必ず取り戻す」
「はっ!」
次の間で控えていたお嶋が、目に涙を溜めつつ努めて明るい声を出した。
「さあさあ、腹が減っては戦はできぬと申します。これで力をつけて下さいまし」
握り飯と梅干しが盛られた皿が差し出される。
新之助が最初のひとつを手に取り、全員に行き渡った。
「いただきましょう」
久秀の声で最後になるかもしれない食事が始まった。
新之助は緊張のあまり、口にした飯を飲み込めないでいる。
彩音が急いで白湯を差し出したが、新之助は吐き戻しそうな顔をしていた。
「飲み込め! 新之助!」
久秀が一喝すると、新之助の喉が動いた。
それを見届けた宇随が静かに声を出す。
「では参ろうか。必ず生きて戻る。信じて待て。ああそうだ、お市。俺たちが戻るまでに、赤ままちゃと白ままちゃを用意しておいてくれ」
「あい、義様。板さんたちに習って、たんと炊いておきますよぉ」
女たちが一斉に頭を下げた。
「皆々様のご武運、心よりお祈り申しげます」
安藤が新之助の背に手を当てる。
「よく頑張りました。さあ、参りましょう」
股立ちをとり、草鞋の緒をきつく締めた男たちは振り返りもせず走り出した。
まず目指すは本所南町のお朝の家だ。
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