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42 クサナギの決意
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サーフェスは少し困った顔で笑った。
「奴はずっと長い間独りぼっちで彷徨っていたんだ。もちろんクサナギは戻るべき形代の在処もわかっていた。でも近寄らなかった。それはヤマトタケルにこれ以上の罪を犯させないためだったのだと思う」
「でも今は戻ろうとしているんでしょ?」
「ああ、全ての条件が揃ってしまったからね。決着をつけるべきだと判断したのだろう。そのことは正解だし、僕もそのためにこの時空にきたんだもの」
「そうか……僕が生まれたのがトリガーだったんだよね?」
「そう、八幡一族とヤマタ一族の血を受け継ぎ、アツタノミコの魂の宿りし君が誕生した。そしてその気配を感じ取ったヤマトタケルがオオクニヌシを盗みに私たちの時空に来て悪意を煽り混沌を産み出した。そのことを感じ取ったクサナギが舞い戻ったってことだ」
「ずっと気になっていたんだけれど、アツタノミコの奥さんって今はどうなってるの?」
「彼女はオオクニヌシが我が時空に飛んだ時に連れて来たから、ずっとそこにいるよ。僕の妹として輪廻してね」
「サーフェスの妹?」
「そう、僕の中にオオクニヌシの魂が入るまで知らなかったんだけれど、ミーヤこそミヤズヒメだ。そして今はずっと祈りを捧げて、混沌を鎮めようとしている」
「そうかぁ。アツタノミコはミヤズヒメをどうしたいのだろうか。僕がずっと喪失感を抱いているのはそのせいなんでしょ? きっと物凄い悲しみと苦しみを抱いていたんだろうね。この痛みは消えることは無いんだろうか……可哀想すぎるな」
「自分の事なのに他人事のように言うんだな」
ずっと黙っていたアヤナミが口を開いた。
「そうだよね。でもなんと言うか他人事のような感じなんだ」
「それでいい。それはたぶん進化した結果だ。彼の当時の痛みを抱えたままだとしたら、とても正気ではいられないだろう」
「そんなに?」
「ああ、時々様子を見に行ってたけれど、それは惨い状態だった。でも彼が生きることを選択したのは子供がいたからだよ。ミヤズヒメとの間の長子だ。彼のお陰で君がいる」
「子供のためか……なんだか僕には縁がない言葉だ」
「運命だろうね。八幡一族はヤマタ一族を滅ぼしたから、細胞が禁忌するのだろう」
「母さんの細胞が僕を拒否するってこと?」
「悲しいな」
「まあね……慣れたけどね」
アヤナミがスッと僕の側によって肩を抱いてくれた。
なんだか泣きそうだ。
「ああ、そう言えばヤマタノオロチって、アヤナミの親戚筋とかじゃないの?」
「まったく違う! 奴らは蛇族だ。しかもそんなものは存在していない。我らは竜だ! 神だぞ? ものの理を知らぬ奴だな!」
「ごめん! 違いが良く分からない」
「今夜風呂でゆっくり教えてやる」
アヤナミは不機嫌そうに横を向いた。
サーフェスはそんな僕たちをまるっと無視して話をつづけた。
「奴はずっと長い間独りぼっちで彷徨っていたんだ。もちろんクサナギは戻るべき形代の在処もわかっていた。でも近寄らなかった。それはヤマトタケルにこれ以上の罪を犯させないためだったのだと思う」
「でも今は戻ろうとしているんでしょ?」
「ああ、全ての条件が揃ってしまったからね。決着をつけるべきだと判断したのだろう。そのことは正解だし、僕もそのためにこの時空にきたんだもの」
「そうか……僕が生まれたのがトリガーだったんだよね?」
「そう、八幡一族とヤマタ一族の血を受け継ぎ、アツタノミコの魂の宿りし君が誕生した。そしてその気配を感じ取ったヤマトタケルがオオクニヌシを盗みに私たちの時空に来て悪意を煽り混沌を産み出した。そのことを感じ取ったクサナギが舞い戻ったってことだ」
「ずっと気になっていたんだけれど、アツタノミコの奥さんって今はどうなってるの?」
「彼女はオオクニヌシが我が時空に飛んだ時に連れて来たから、ずっとそこにいるよ。僕の妹として輪廻してね」
「サーフェスの妹?」
「そう、僕の中にオオクニヌシの魂が入るまで知らなかったんだけれど、ミーヤこそミヤズヒメだ。そして今はずっと祈りを捧げて、混沌を鎮めようとしている」
「そうかぁ。アツタノミコはミヤズヒメをどうしたいのだろうか。僕がずっと喪失感を抱いているのはそのせいなんでしょ? きっと物凄い悲しみと苦しみを抱いていたんだろうね。この痛みは消えることは無いんだろうか……可哀想すぎるな」
「自分の事なのに他人事のように言うんだな」
ずっと黙っていたアヤナミが口を開いた。
「そうだよね。でもなんと言うか他人事のような感じなんだ」
「それでいい。それはたぶん進化した結果だ。彼の当時の痛みを抱えたままだとしたら、とても正気ではいられないだろう」
「そんなに?」
「ああ、時々様子を見に行ってたけれど、それは惨い状態だった。でも彼が生きることを選択したのは子供がいたからだよ。ミヤズヒメとの間の長子だ。彼のお陰で君がいる」
「子供のためか……なんだか僕には縁がない言葉だ」
「運命だろうね。八幡一族はヤマタ一族を滅ぼしたから、細胞が禁忌するのだろう」
「母さんの細胞が僕を拒否するってこと?」
「悲しいな」
「まあね……慣れたけどね」
アヤナミがスッと僕の側によって肩を抱いてくれた。
なんだか泣きそうだ。
「ああ、そう言えばヤマタノオロチって、アヤナミの親戚筋とかじゃないの?」
「まったく違う! 奴らは蛇族だ。しかもそんなものは存在していない。我らは竜だ! 神だぞ? ものの理を知らぬ奴だな!」
「ごめん! 違いが良く分からない」
「今夜風呂でゆっくり教えてやる」
アヤナミは不機嫌そうに横を向いた。
サーフェスはそんな僕たちをまるっと無視して話をつづけた。
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