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43 クサナギとオオクニヌシ
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「それが君たちのいうところのDNAって奴だよ。神の領域に近い話しになるけれど、染色体の中には不毛地帯と呼ばれる領域があって、君たちはもっとミトコンドリアゲノムに着目をして……」
「もういい!わからないけどわかったから止めて!」
僕はあわててサーフェスを止めた。
「そう?じゃあ話を戻すね。トオルはきっとヤマトタケルを見たらアツタノミコの強烈な
恨みに支配される。もしその闇に取り込まれたら君はもう八幡トオルには戻れない可能性がある。もし戻ったとしてもとんでもない凶悪な性格になるだろうね。分かり易く言うと恨みの化身の様な感じだ」
「マジで……」
「絶対に強い意志を持って闇に取り込まれるな。君ならできると信じている。そしてここからが一番大事なところだ。もし君が闇に取り込まれたと僕たちが判断した場合、君はどうしてほしい?」
「どうって?」
「闇を抱えたまま生きるか、僕たち神の手によって死ぬかだ」
「……そんな」
アヤナミが真剣な顔で僕の目を覗き込んだ。
「吾なら死を選ぶ。まあその前に闇などには取り込まれないがな」
「……もしそうなったら死ぬってこと?」
「闇神は厄災だ。過去の戦争はすべて闇神の仕業だ」
「戦争……」
「幸い吾には兄妹が多い。辰の年の辰の刻に生まれた弟も今年で生誕40年となる。まだ赤子だが奴が吾の後を継ぐ」
「アヤナミってそんなに兄妹が多いの?」
「ああ、毎年一人ずつ生まれている。ただし竜神となるのは吾と同じ辰年辰刻生まれに限られる」
「男の子が生まれるって決まっているの?」
「そんなわけあるか! そもそも性別と能力には何の関係も無かろう? そんな事を言っているのは人間だけだ」
「そうかぁ、そうだよね。うん、納得」
「もういい?」
サーフェスが口を開いた。
「ちなみにどちらを選んでも僕たちは君の希望を叶えるよ。ゆっくり考えてくれ。それと君には剣技が無いから無暗に戦いに参加しないように。ただしヤマトタケルにとどめを刺すのは君の……いや、アツタノミコの役目だ。だから君にはオオクニヌシを託す」
「責任重大だな……」
「本能のままに動くなよ。その瞬間が来たら僕かアヤナミが合図を送る。その時は無心で突っ込め」
「うっ……わかった」
ふっとサーフェスとクサナギが同時に目線を庭に移した。
「来たな」
「ああ、どう出るかな?」
「誰が来たの?」
「「クサナギ」」
僕は彼らの目線の先に視線を向けた。
ニコニコと手を振りながら、懐かしいほどの間柄でも無いけれど、なぜかホッとさせる顔をしたクサナギさんが立っていた。
「拒まれるかと思っていたんだけ入れちゃった。ホントに入っても良かったの?」
そう言ってクサナギさんは紙袋を掲げて見せた。
サーフェスが苦笑いをしながら言った。
「久しぶりだな、弟よ」
「ああ、やっぱり兄さんか。懐かしいね、お久しぶり。その節は本当に世話になったね」
「いや、お前は動けなかったのだから仕方がない」
「そうだけど、少しだけ悔しかったよ。置いてけぼりにされちゃったしね」
「恨んでるのか?」
「どうしていいのかわからない。だから来たんだ」
「そうか」
三十代後半の男に高校生が尊大な態度で話している。
視覚情報と聴覚情報の乖離が激しすぎて、脳内が混乱しているようだ。
「もういい!わからないけどわかったから止めて!」
僕はあわててサーフェスを止めた。
「そう?じゃあ話を戻すね。トオルはきっとヤマトタケルを見たらアツタノミコの強烈な
恨みに支配される。もしその闇に取り込まれたら君はもう八幡トオルには戻れない可能性がある。もし戻ったとしてもとんでもない凶悪な性格になるだろうね。分かり易く言うと恨みの化身の様な感じだ」
「マジで……」
「絶対に強い意志を持って闇に取り込まれるな。君ならできると信じている。そしてここからが一番大事なところだ。もし君が闇に取り込まれたと僕たちが判断した場合、君はどうしてほしい?」
「どうって?」
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「……そんな」
アヤナミが真剣な顔で僕の目を覗き込んだ。
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「……もしそうなったら死ぬってこと?」
「闇神は厄災だ。過去の戦争はすべて闇神の仕業だ」
「戦争……」
「幸い吾には兄妹が多い。辰の年の辰の刻に生まれた弟も今年で生誕40年となる。まだ赤子だが奴が吾の後を継ぐ」
「アヤナミってそんなに兄妹が多いの?」
「ああ、毎年一人ずつ生まれている。ただし竜神となるのは吾と同じ辰年辰刻生まれに限られる」
「男の子が生まれるって決まっているの?」
「そんなわけあるか! そもそも性別と能力には何の関係も無かろう? そんな事を言っているのは人間だけだ」
「そうかぁ、そうだよね。うん、納得」
「もういい?」
サーフェスが口を開いた。
「ちなみにどちらを選んでも僕たちは君の希望を叶えるよ。ゆっくり考えてくれ。それと君には剣技が無いから無暗に戦いに参加しないように。ただしヤマトタケルにとどめを刺すのは君の……いや、アツタノミコの役目だ。だから君にはオオクニヌシを託す」
「責任重大だな……」
「本能のままに動くなよ。その瞬間が来たら僕かアヤナミが合図を送る。その時は無心で突っ込め」
「うっ……わかった」
ふっとサーフェスとクサナギが同時に目線を庭に移した。
「来たな」
「ああ、どう出るかな?」
「誰が来たの?」
「「クサナギ」」
僕は彼らの目線の先に視線を向けた。
ニコニコと手を振りながら、懐かしいほどの間柄でも無いけれど、なぜかホッとさせる顔をしたクサナギさんが立っていた。
「拒まれるかと思っていたんだけ入れちゃった。ホントに入っても良かったの?」
そう言ってクサナギさんは紙袋を掲げて見せた。
サーフェスが苦笑いをしながら言った。
「久しぶりだな、弟よ」
「ああ、やっぱり兄さんか。懐かしいね、お久しぶり。その節は本当に世話になったね」
「いや、お前は動けなかったのだから仕方がない」
「そうだけど、少しだけ悔しかったよ。置いてけぼりにされちゃったしね」
「恨んでるのか?」
「どうしていいのかわからない。だから来たんだ」
「そうか」
三十代後半の男に高校生が尊大な態度で話している。
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