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アマデウスが見つけた星は新星だと認定され、新星認定書と発見者認定書、そして新星名登録完了書が送られてきた。
アリアはまだ秘密にしておけと言う。
「殿下、サプライズは誰にも悟られてはなりません」
「そうだね。ルルの誕生日に渡したいから、誰にも言わないでおこう」
相変わらずふたりがじっくりと話す時間はなかったが、毎日のお茶の時間は城にいる限り一緒に過ごしている。
アリアが行かないというので、カレンも来ることはできない。
泣きそうな顔で断るアリアを不憫に思ったアランが、こっそりメリディアンスイーツを取り分けて差し入れている。
なんだかんだと言い訳を作って、必ずと言ってよいほどティータイムに同席していたキリウスも、このところ忙しいのかやってこない日が多い。
観劇の誘いも減ったが同好会の活動はメンバー主導になり、むしろ活発化して参加人数も徐々に増えている。
こうした仕事や身分を越えた交流が発生しているのは、アマデウスが会長を務める天体観測クラブも同様で、予想よりはるかに多い老若男女が参加した。
他にもクラブを立ち上げたいという相談もあり、王宮内には良い雰囲気が流れていた。
そしてパーティー当日、衣裳の色味を合わせたアマデウスとルルーシアは、互いの色の宝石を飾り、国王夫妻とともに壇上に上がった。
「王弟殿下は不参加ですの?」
ルルーシアの声に王妃が答える。
「なんだか忙しいのですって。でも遅れても参加すると聞いているわ」
「左様ですか」
アマデウスが拗ねたような声を出した。
「叔父上がいないと寂しいの?」
クスリと笑ったルルーシアが、アマデウスの腕に添えた指先に少しだけ力を込める。
「ヤキモチですか?」
ルルーシアとしてはかなり思い切った発言だったが、秒で頷かれてしまい、顔に熱が集まった。
国王の挨拶と乾杯が終わり、貴族たちが談笑を始める。
侯爵令嬢として、いつもならドレスを着るアリアが、なぜか今日は側近の制服のままだった。
アリアが制服ならカレンも当然合わせる必要がある。
ふたりを挟むように立っているアランとマリオも制服だ。
「ねえ、アリア。今日はなぜドレスじゃないの?」
「だって動きにくいじゃない。ドレスってほとんど何も食べられないし」
まだ不満そうに唇を尖らせているカレンにマリオが聞いた。
「カレンってたくさんドレスを持ってるの? 実家に置いてあるのかい?」
カレンの表情が少し沈んだ。
「持ってないわ。学生時代のが二着あるだけよ。でももう働いているのだし、買えないことはないかなって……」
今度はアランが口を開く。
「ドレスって高いらしいぜ? それにカレンは給与のほとんどを返済に当てているんだろ? ドレスなんて買うだけ無駄さ」
カレンがムキになって言い返した。
「そんなのわかってるよ。でも私だって女の子なんだもん。たまには着飾りたいって思ってもバチは当たらないわ」
アリアが無表情のままで言う。
「基本的に貴族令嬢のドレスは、親か婚約者か恋人が用意するものよ。自分で買うというのはやめた方がいいわ」
「でも私にはドレスを買ってくれるような親や婚約者はいないもん。恋人だって……」
カレンがチラッとアマデウスを見たのを三人は見逃さなかった。
アリアが話を変える。
「殿下たちは今日もドレスを揃えているのね。あの色はルルに似合うからってアマデウス殿下がお選びになったの。とても素敵だわ」
アランが煽る。
「へぇ……殿下が?」
「ええ、そうよ。執務そっちのけでカタログを眺めているから、何度怒ったことか。本当にルルのことが好きでしょうがないって感じね」
カレンがボソッと言う。
「政略結婚なんだから気を遣っているだけじゃない?」
ちゃんと耳には届いたが、聞こえない振りで流す三人。
マリオが聞いた。
「ドレスってそんなに高いのか? 俺は残念ながらまだ誰にも贈ったことが無いんだ」
「そうなの? マリオってがっついてないから、てっきり婚約者がいるのだと思っていたわ」
アリアの声にマリオが答える。
「俺は次男だから、がっついて相手を探す必要はないんだよね。それに母方の実家の爵位を継ぐことになっているんだけれど、ばあさんがさぁ『マリオの嫁は私が決める』なんて言ってるみたいで、うちの両親も、そこはアンタッチャブルだし」
アランが意外そうな顔で言った。
「学園時代も彼女がいなかったのか?」
「そんなもんいたら鼻血を出すほど勉強なんてできないだろ? 俺は国王の側近になるのが夢だったんだ」
「じゃあ夢が叶ったってわけ?」
アリアの問いに頷くマリオ。
「そういうこと。バリバリ働いちゃうよ!」
不機嫌そうな顔で会話に参加しないカレンを、少し離れた場所から見ているのは三侯爵達だった。
アリアはまだ秘密にしておけと言う。
「殿下、サプライズは誰にも悟られてはなりません」
「そうだね。ルルの誕生日に渡したいから、誰にも言わないでおこう」
相変わらずふたりがじっくりと話す時間はなかったが、毎日のお茶の時間は城にいる限り一緒に過ごしている。
アリアが行かないというので、カレンも来ることはできない。
泣きそうな顔で断るアリアを不憫に思ったアランが、こっそりメリディアンスイーツを取り分けて差し入れている。
なんだかんだと言い訳を作って、必ずと言ってよいほどティータイムに同席していたキリウスも、このところ忙しいのかやってこない日が多い。
観劇の誘いも減ったが同好会の活動はメンバー主導になり、むしろ活発化して参加人数も徐々に増えている。
こうした仕事や身分を越えた交流が発生しているのは、アマデウスが会長を務める天体観測クラブも同様で、予想よりはるかに多い老若男女が参加した。
他にもクラブを立ち上げたいという相談もあり、王宮内には良い雰囲気が流れていた。
そしてパーティー当日、衣裳の色味を合わせたアマデウスとルルーシアは、互いの色の宝石を飾り、国王夫妻とともに壇上に上がった。
「王弟殿下は不参加ですの?」
ルルーシアの声に王妃が答える。
「なんだか忙しいのですって。でも遅れても参加すると聞いているわ」
「左様ですか」
アマデウスが拗ねたような声を出した。
「叔父上がいないと寂しいの?」
クスリと笑ったルルーシアが、アマデウスの腕に添えた指先に少しだけ力を込める。
「ヤキモチですか?」
ルルーシアとしてはかなり思い切った発言だったが、秒で頷かれてしまい、顔に熱が集まった。
国王の挨拶と乾杯が終わり、貴族たちが談笑を始める。
侯爵令嬢として、いつもならドレスを着るアリアが、なぜか今日は側近の制服のままだった。
アリアが制服ならカレンも当然合わせる必要がある。
ふたりを挟むように立っているアランとマリオも制服だ。
「ねえ、アリア。今日はなぜドレスじゃないの?」
「だって動きにくいじゃない。ドレスってほとんど何も食べられないし」
まだ不満そうに唇を尖らせているカレンにマリオが聞いた。
「カレンってたくさんドレスを持ってるの? 実家に置いてあるのかい?」
カレンの表情が少し沈んだ。
「持ってないわ。学生時代のが二着あるだけよ。でももう働いているのだし、買えないことはないかなって……」
今度はアランが口を開く。
「ドレスって高いらしいぜ? それにカレンは給与のほとんどを返済に当てているんだろ? ドレスなんて買うだけ無駄さ」
カレンがムキになって言い返した。
「そんなのわかってるよ。でも私だって女の子なんだもん。たまには着飾りたいって思ってもバチは当たらないわ」
アリアが無表情のままで言う。
「基本的に貴族令嬢のドレスは、親か婚約者か恋人が用意するものよ。自分で買うというのはやめた方がいいわ」
「でも私にはドレスを買ってくれるような親や婚約者はいないもん。恋人だって……」
カレンがチラッとアマデウスを見たのを三人は見逃さなかった。
アリアが話を変える。
「殿下たちは今日もドレスを揃えているのね。あの色はルルに似合うからってアマデウス殿下がお選びになったの。とても素敵だわ」
アランが煽る。
「へぇ……殿下が?」
「ええ、そうよ。執務そっちのけでカタログを眺めているから、何度怒ったことか。本当にルルのことが好きでしょうがないって感じね」
カレンがボソッと言う。
「政略結婚なんだから気を遣っているだけじゃない?」
ちゃんと耳には届いたが、聞こえない振りで流す三人。
マリオが聞いた。
「ドレスってそんなに高いのか? 俺は残念ながらまだ誰にも贈ったことが無いんだ」
「そうなの? マリオってがっついてないから、てっきり婚約者がいるのだと思っていたわ」
アリアの声にマリオが答える。
「俺は次男だから、がっついて相手を探す必要はないんだよね。それに母方の実家の爵位を継ぐことになっているんだけれど、ばあさんがさぁ『マリオの嫁は私が決める』なんて言ってるみたいで、うちの両親も、そこはアンタッチャブルだし」
アランが意外そうな顔で言った。
「学園時代も彼女がいなかったのか?」
「そんなもんいたら鼻血を出すほど勉強なんてできないだろ? 俺は国王の側近になるのが夢だったんだ」
「じゃあ夢が叶ったってわけ?」
アリアの問いに頷くマリオ。
「そういうこと。バリバリ働いちゃうよ!」
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