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35 予想外の待ち人
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最終話までの話数を改めて数えてみましたところ、二月中には終われないことが判明しましたので、本日より当分の間一日二話更新に戻します。最後までよろしくお願いします。
志波 連
大きなカバンを床に置いた医者に、ソファーを勧めてからソフィアは人払いをした。
「先生、ロビンの体調はどうなのかしら」
コホンと一つ咳をした医者が口を開く。
「幼いころからお体が弱いこともあり、ずっとお薬を飲んでもらっていますが、どうも芳しくはありません。殿下の場合、どこが悪いという箇所は無いのです。なんと申しますか、全体的に生命力が弱いとでも申しますか」
「そうなの? 薬って毎日飲んでいるの?」
「はい? 妃殿下はご存じなかったのですか? 寝る前には必ず服用していただいておりますが」
ソフィアは唇を嚙みしめた。
「私が殿下の妻となって以降、一度も見たことがありません。殿下は私より早くお眠りになるので間違いないわ」
「えっ……そんな……だとするとかなり良くない状態かもしれません。すぐに命がどうこうというものでは無いのですが、継続することで体が持っている治癒本能を覚醒させるようなものですので。定期的な健診でも飲んでいると仰っていたのですが」
「では本人の意思ということね。それを再開すると何か副作用があるのかしら?」
医者は暫し考えてから言った。
「ずっと飲み続けておられることを前提に処方しておりましたので、もしもかなり間隔を空けた状態だとすると、少々きつ過ぎると思います。精神だけ先に覚醒してしまうとか、疲労感のような気だるさや不眠……ああ、殿下の不眠はこれですか。はぁぁぁぁぁ」
主治医は額に手を当てて、溜息を吐きながら首を力なく横に振った。
「服薬は止めるべき?」
「いえ、第三王子殿下の場合はお続けになった方が絶対に良いと思います。ただし、振り出しに戻っている状態ですから、軽いものから再開すべきでしょうね」
「わかりました。ではそのように手配をお願いします。薬は必ず飲むように私からも言っておきますわ」
「畏まりました」
ソフィアは医者を見送った後、疲れたようにソファーの背もたれに寄りかかった。
ロビンが服薬していなかったのは間違いないだろう。
そして、なぜかまた飲み始めたのだ。
「なぜ急に健康を意識したのかしら。もしかして子供ができたから?」
それによって今の状況になっているのだとしたら、半分は自分の責任だとソフィアは思った。
「しかも今の状態のロビンに流産を告げなくてはならないなんて。私は本当に自分本位な人間だわ……でもあの時はそうとしか考えられなかったわ……どうすればいいの?」
いくら悔やんでも今となってはどうしようもない。
それなら『なぜ十日前に巻き戻ったのか』をもう一度考え、最善の方法をとるしかないのだとソフィアは思った。
文官たちを部屋に戻し、滞っていた仕事を進めていく。
サクサクと終わらせた後は、ロビンの側近を呼んで溜まっていた仕事を持ってこさせた。
「ロビンの様子はどうかしら」
「まだぐっすりとお休みになっているご様子です。妃殿下、本当にありがとうございました」
「いいのよ。このところ忙しくてなかなか話せていなかった私も悪いわ。とにかく当分は休養させるつもりだから、あなたもそのつもりでいてね」
「畏まりました」
ロビンに振り分けられている仕事は、ほとんど王城内で済むようなものだ。
単に第三王子だからだろうと思っていたが、体が弱いことが関係していたのかもしれない。
おそらく偶に視察に出ていたのは、彼なりの気晴らしだったのだろう。
視察といえばそろそろレモンたちが戻る頃だとソフィアは思った。
「お疲れ様、今日はそろそろ切り上げましょう。明日からも当分忙しいけれど頑張って下さいね。お手当はきちんと払いますから」
各々片づけを始めた文官たちにねぎらいの言葉をかけ、ソフィアはロビンの私室へと足を向けた。
部屋の前を守る騎士に、変わったことは無いかと尋ねると、一度ブリジッドが来たが追い返したという返事だった。
「そう、それは良い事をしてくれたわ。今はとにかく休ませないとね。ありがとう」
ソフィアの言葉に頬を染めながら騎士が礼をする。
そっとドアを開けると、ロビンはまだベッドの中だった。
顔を近づけ寝息を確認すると、安定したリズムを刻んでいる。
「後は薬よね……でも寝室を共にするのは……ダメね。私の心が追いつかないわ」
呟くようにそう言うと、ソフィアは部屋を後にした。
扉の横で控えているメイドに、もし目覚めたら知らせるように言い、ソフィアはレオの執務室へと向かった。
待ち伏せていたのか、ブリジッドが行く手を阻んだ。
「ねえ、ソフィア。ロビンはどうしちゃったの? 先程行ったのだけれど寝ているからって追い返されちゃったわ」
「ええ、そうなのです。このところ顔色が悪かったでしょう? 寝不足だったようで、お医者様にとにかく休ませるように言われておりますの。体調が戻りましたらお知らせいたしますので、それまではご遠慮いただけると助かりますわ」
「ちょっ! 何よ、その言い方は!」
「お気に障ったのなら申し訳ございません。私は夫の体調を心配しているだけですので、ご容赦くださいますわね? 今から両陛下へご報告に参るところです。もうよろしいかしら?」
あれほど慎重になぞってきた前世のトレースも、今となっては最早意味がない。
今のソフィアには何よりも『大悪魔』から国を守るという使命があるのだ。
そしてレオの無事を祈りつつ、夫であるロビンの死を回避することを目指す。
「なんなの? いやに強気じゃないの」
「そうですか? だとすると守らねばならないものができたからかもしれませんわ」
「そういうことなら私だって同じよ。あなたがひと月早かっただけじゃないの」
「そうですわね。では、急ぎますので」
ソフィアは足を早めた。
国王夫妻の元に行くと言えば、ブリジッドは絶対に来ないと踏んだのだが、まさにその通りだった。
しかし国王夫妻も皇太子夫妻も、ロビンを心配していることには変わりはないので、報告だけはしておくことにして、レオの執務室の前を素通りした。
「お義姉様、先触れもなく申し訳ございませんが、少しお時間をいただけませんか?」
「ああソフィア、勿論よ。もうすぐアランも来るけれど良いかしら?」
「このあとお義兄様のところにも行く予定でしたので、むしろ好都合ですわ」
侍女が淹れたお茶を口にする前に、アラン皇太子が入ってきた。
「お疲れ様、ナタリー。おや? ソフィアじゃないか。私が入っても問題無いかな?」
「勿論よアラン。あなたがくるのを待っていたの」
相変わらず仲睦まじい掛け合いを披露する皇太子夫妻を微笑ましく見ながら、ソフィアはロビンの状態を報告した。
「調子が悪いとは聞いていたが、それほどだったとはなぁ。まあソフィアのお陰で大事には至らなかったのであれば良かったよ。ロビンの執務は私とレオで分けよう」
「ありがたいお言葉ですが、皇太子殿下のお仕事をこれ以上増やすなどとんでもないことでございます。それにレオ殿下も十日後にはご出立ですもの、できるだけ私がやってみます。もし判断に困ることがあればご相談申し上げることはお許しくださいませ」
「もちろんだ。ロビンは子供のころからよく体調を崩す子だったからね。私も心配していたのだが、学園に入る頃には不調を訴えることも無かったから、もう大丈夫だと思っていた。ソフィア、ご苦労だけれどこれからもロビンをよろしく頼むよ」
「はい、精一杯努めさせていただきます」
ニコニコしながら聞いていたナタリーが口を挟んだ。
「そういうことならブリジッドを遠ざけなければね。レオ殿下も辺境領へ向かわれるとなると、野獣を放し飼いにするようなものだわ」
アランが笑い声を出す。
「おいおい、それでは野獣に申し訳ないぞ? 彼女は野獣というより珍獣だろ?」
「まあ! ブリジッドお義姉様が何なのかは存じませんが、休養中だけご遠慮願えれば、後は今まで通りで結構ですわ。レオ殿下が不在となれば、尚更頼れる人がいないでしょうし」
ナタリーが顔を顰める。
「ソフィア、あなたは寛容すぎるわよ。言うべきことはきちんと言って良いのよ?」
「お気遣いありがとうございます。では、私はこのあとお義父様とお義母様に報告に参りますので」
ソフィアが腰を浮かせると、アランが声をかけた。
「私たちは今から陛下夫妻と食事をするのだ。報告がロビンのことだけなら私から伝えることもできる。ソフィアも忙しいだろう?」
「まあ! ありがたきお言葉でございます。ではお願いいたしますわ、お義兄様」
アランが笑顔で頷いた。
「うん、私はソフィアにお義兄様と呼ばれるのがすごく嬉しいよ。これからもよろしくね、かわいい義妹殿」
ソフィアが部屋を出るとあの護衛騎士が待っていた。
志波 連
大きなカバンを床に置いた医者に、ソファーを勧めてからソフィアは人払いをした。
「先生、ロビンの体調はどうなのかしら」
コホンと一つ咳をした医者が口を開く。
「幼いころからお体が弱いこともあり、ずっとお薬を飲んでもらっていますが、どうも芳しくはありません。殿下の場合、どこが悪いという箇所は無いのです。なんと申しますか、全体的に生命力が弱いとでも申しますか」
「そうなの? 薬って毎日飲んでいるの?」
「はい? 妃殿下はご存じなかったのですか? 寝る前には必ず服用していただいておりますが」
ソフィアは唇を嚙みしめた。
「私が殿下の妻となって以降、一度も見たことがありません。殿下は私より早くお眠りになるので間違いないわ」
「えっ……そんな……だとするとかなり良くない状態かもしれません。すぐに命がどうこうというものでは無いのですが、継続することで体が持っている治癒本能を覚醒させるようなものですので。定期的な健診でも飲んでいると仰っていたのですが」
「では本人の意思ということね。それを再開すると何か副作用があるのかしら?」
医者は暫し考えてから言った。
「ずっと飲み続けておられることを前提に処方しておりましたので、もしもかなり間隔を空けた状態だとすると、少々きつ過ぎると思います。精神だけ先に覚醒してしまうとか、疲労感のような気だるさや不眠……ああ、殿下の不眠はこれですか。はぁぁぁぁぁ」
主治医は額に手を当てて、溜息を吐きながら首を力なく横に振った。
「服薬は止めるべき?」
「いえ、第三王子殿下の場合はお続けになった方が絶対に良いと思います。ただし、振り出しに戻っている状態ですから、軽いものから再開すべきでしょうね」
「わかりました。ではそのように手配をお願いします。薬は必ず飲むように私からも言っておきますわ」
「畏まりました」
ソフィアは医者を見送った後、疲れたようにソファーの背もたれに寄りかかった。
ロビンが服薬していなかったのは間違いないだろう。
そして、なぜかまた飲み始めたのだ。
「なぜ急に健康を意識したのかしら。もしかして子供ができたから?」
それによって今の状況になっているのだとしたら、半分は自分の責任だとソフィアは思った。
「しかも今の状態のロビンに流産を告げなくてはならないなんて。私は本当に自分本位な人間だわ……でもあの時はそうとしか考えられなかったわ……どうすればいいの?」
いくら悔やんでも今となってはどうしようもない。
それなら『なぜ十日前に巻き戻ったのか』をもう一度考え、最善の方法をとるしかないのだとソフィアは思った。
文官たちを部屋に戻し、滞っていた仕事を進めていく。
サクサクと終わらせた後は、ロビンの側近を呼んで溜まっていた仕事を持ってこさせた。
「ロビンの様子はどうかしら」
「まだぐっすりとお休みになっているご様子です。妃殿下、本当にありがとうございました」
「いいのよ。このところ忙しくてなかなか話せていなかった私も悪いわ。とにかく当分は休養させるつもりだから、あなたもそのつもりでいてね」
「畏まりました」
ロビンに振り分けられている仕事は、ほとんど王城内で済むようなものだ。
単に第三王子だからだろうと思っていたが、体が弱いことが関係していたのかもしれない。
おそらく偶に視察に出ていたのは、彼なりの気晴らしだったのだろう。
視察といえばそろそろレモンたちが戻る頃だとソフィアは思った。
「お疲れ様、今日はそろそろ切り上げましょう。明日からも当分忙しいけれど頑張って下さいね。お手当はきちんと払いますから」
各々片づけを始めた文官たちにねぎらいの言葉をかけ、ソフィアはロビンの私室へと足を向けた。
部屋の前を守る騎士に、変わったことは無いかと尋ねると、一度ブリジッドが来たが追い返したという返事だった。
「そう、それは良い事をしてくれたわ。今はとにかく休ませないとね。ありがとう」
ソフィアの言葉に頬を染めながら騎士が礼をする。
そっとドアを開けると、ロビンはまだベッドの中だった。
顔を近づけ寝息を確認すると、安定したリズムを刻んでいる。
「後は薬よね……でも寝室を共にするのは……ダメね。私の心が追いつかないわ」
呟くようにそう言うと、ソフィアは部屋を後にした。
扉の横で控えているメイドに、もし目覚めたら知らせるように言い、ソフィアはレオの執務室へと向かった。
待ち伏せていたのか、ブリジッドが行く手を阻んだ。
「ねえ、ソフィア。ロビンはどうしちゃったの? 先程行ったのだけれど寝ているからって追い返されちゃったわ」
「ええ、そうなのです。このところ顔色が悪かったでしょう? 寝不足だったようで、お医者様にとにかく休ませるように言われておりますの。体調が戻りましたらお知らせいたしますので、それまではご遠慮いただけると助かりますわ」
「ちょっ! 何よ、その言い方は!」
「お気に障ったのなら申し訳ございません。私は夫の体調を心配しているだけですので、ご容赦くださいますわね? 今から両陛下へご報告に参るところです。もうよろしいかしら?」
あれほど慎重になぞってきた前世のトレースも、今となっては最早意味がない。
今のソフィアには何よりも『大悪魔』から国を守るという使命があるのだ。
そしてレオの無事を祈りつつ、夫であるロビンの死を回避することを目指す。
「なんなの? いやに強気じゃないの」
「そうですか? だとすると守らねばならないものができたからかもしれませんわ」
「そういうことなら私だって同じよ。あなたがひと月早かっただけじゃないの」
「そうですわね。では、急ぎますので」
ソフィアは足を早めた。
国王夫妻の元に行くと言えば、ブリジッドは絶対に来ないと踏んだのだが、まさにその通りだった。
しかし国王夫妻も皇太子夫妻も、ロビンを心配していることには変わりはないので、報告だけはしておくことにして、レオの執務室の前を素通りした。
「お義姉様、先触れもなく申し訳ございませんが、少しお時間をいただけませんか?」
「ああソフィア、勿論よ。もうすぐアランも来るけれど良いかしら?」
「このあとお義兄様のところにも行く予定でしたので、むしろ好都合ですわ」
侍女が淹れたお茶を口にする前に、アラン皇太子が入ってきた。
「お疲れ様、ナタリー。おや? ソフィアじゃないか。私が入っても問題無いかな?」
「勿論よアラン。あなたがくるのを待っていたの」
相変わらず仲睦まじい掛け合いを披露する皇太子夫妻を微笑ましく見ながら、ソフィアはロビンの状態を報告した。
「調子が悪いとは聞いていたが、それほどだったとはなぁ。まあソフィアのお陰で大事には至らなかったのであれば良かったよ。ロビンの執務は私とレオで分けよう」
「ありがたいお言葉ですが、皇太子殿下のお仕事をこれ以上増やすなどとんでもないことでございます。それにレオ殿下も十日後にはご出立ですもの、できるだけ私がやってみます。もし判断に困ることがあればご相談申し上げることはお許しくださいませ」
「もちろんだ。ロビンは子供のころからよく体調を崩す子だったからね。私も心配していたのだが、学園に入る頃には不調を訴えることも無かったから、もう大丈夫だと思っていた。ソフィア、ご苦労だけれどこれからもロビンをよろしく頼むよ」
「はい、精一杯努めさせていただきます」
ニコニコしながら聞いていたナタリーが口を挟んだ。
「そういうことならブリジッドを遠ざけなければね。レオ殿下も辺境領へ向かわれるとなると、野獣を放し飼いにするようなものだわ」
アランが笑い声を出す。
「おいおい、それでは野獣に申し訳ないぞ? 彼女は野獣というより珍獣だろ?」
「まあ! ブリジッドお義姉様が何なのかは存じませんが、休養中だけご遠慮願えれば、後は今まで通りで結構ですわ。レオ殿下が不在となれば、尚更頼れる人がいないでしょうし」
ナタリーが顔を顰める。
「ソフィア、あなたは寛容すぎるわよ。言うべきことはきちんと言って良いのよ?」
「お気遣いありがとうございます。では、私はこのあとお義父様とお義母様に報告に参りますので」
ソフィアが腰を浮かせると、アランが声をかけた。
「私たちは今から陛下夫妻と食事をするのだ。報告がロビンのことだけなら私から伝えることもできる。ソフィアも忙しいだろう?」
「まあ! ありがたきお言葉でございます。ではお願いいたしますわ、お義兄様」
アランが笑顔で頷いた。
「うん、私はソフィアにお義兄様と呼ばれるのがすごく嬉しいよ。これからもよろしくね、かわいい義妹殿」
ソフィアが部屋を出るとあの護衛騎士が待っていた。
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