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第13話 解き放たれる心
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「「肉体硬化!!」」
僕と魅環ちゃんの声がハモり、身体強化魔法を発動させる。
ただ僕の方は成功したんだけど、魅環ちゃんの方はどうにも術が安定しなかった。
僕は他の属性の魔法授業に出ていたから知らなかったんだけど、身体強化魔法の授業で肉体硬化が上手くできないのは魅環ちゃんだけになっていたらしい。
だからなおさら魅環ちゃんは練習に必死になるんだけど、どうにも成果が追いついていない感じだ。
僕も先生も思いつくアドバイスはしたから、これ以上は本人がコツを掴むしかない状態なんだよね。
「やっぱり私じゃどんなに頑張っても駄目なんでしょうか……」
何度繰り返しても上手くいかない事で、魅環ちゃんが項垂れる。
本当ならここできっと出来るようになるよって励ますべきなんだろうけど、一緒に練習を続けている魅環ちゃんの姿を見ている僕が無責任に応援するのは何か違うと思うんだ。
だってそれは、目の前で頑張っている彼女の努力を否定する事になるから。
だから僕は話題の方向性を変えてみる事にした。
「あのさ、僕の知り合いの身体強化魔法に詳しい人がこんな事を言ってたんだ」
先週の土曜日、僕は魅環ちゃんの事を相談する為に身体強化魔法を教えてくれている可憐先生に相談してみた。
専門家の可憐先生なら、僕に思いつかない別の解決策を思いつくかもしれないと思ったからだ。
そして可憐先生からこんなアドバイスを貰ったんだ。
「魔法は目的があると上達するんだって」
「目的?」
使い方ではなく、使う理由が上達の鍵になると聞いて魅環ちゃんが反応を示す。
「うん。魔法を発動させるには魔力や制御だけじゃなく、発動させるっていう強い意志が必要なんだって。だから魔力と制御に問題がなくても、心が使いたくないって思ってたらちゃんと発動しないんだって」
「そう、なんだ……」
僕の説明に思う所があったのか、魅環ちゃんが目を伏せる。
「その人は魔法は弓と同じだって言ってたよ。狙いを定める為の制御と、弓を引く為の魔力、最後に目的という的に当てたいという意思の三つ。最後の意思がハッキリしてないと、狙いも定まらないし、弓を引く為の力も篭らないって」
「魔法は弓と一緒……」
魅環ちゃんは僕の言葉を反芻しながら考え込んでいたんだけど、ふと顔を上げて僕を見つめてくる。
「あの、柚木さんは何で魔法を頑張るんですか?」
「え? 僕?」
「はい。柚木さんは凄い才能の持ち主です。でも全部の魔法を同じくらい頑張る理由は何なんですか? 全部頑張らなくても、便利なものだけを頑張るだけで良いのでは?」
うーん、そう来たか。
参ったな、正直僕もそんな大した目的がある訳じゃないんだよね。
でもこの空気だと言わない訳にもいかないか。
「えっとね、僕が魔法の練習をする理由はね……」
「理由は?」
「魔法が好きだからだよ」
「……は?」
僕の言葉に魅環ちゃんが目を丸くする。
「そ、それだけですか?」
「うん、それだけ」
「本当に?」
「本当に」
「ど、どうしてですか!? 柚木さんは色んな魔法を凄く使いこなせるのに、その理由が好きだからというだけ!?」
魅環ちゃんが信じられないと声を上げる。
いや、本当にそれだけで申し訳ないです。でも……
「それでいいんだと思うよ」
「え?」
「魔法を使い使いこなす為の理由にそんな大層な目的は必要ないと思うんだよね。だってそうじゃないと、今頃世界中の人達がもの凄い目標をもって魔法の練習をしないといけないじゃない」
「それはまぁ……」
「だから僕は『好き』が一番大事なんだと思うよ」
「好きが大事……?」
「そう。魔法が好きだから、うまく使えるようになりたい。ただそれだけだよ。だから魅環ちゃんも、自分だけの好きを見つければ、魔法を上手く扱えるようになると思うんだ」
「ただ好きなだけで良い……自分の好きを見つける」
あんまり驚いたのか、魅環ちゃんはポカンと口を開けたままで固まってしまった。
うーん、そこまで驚かせるような事言ったかな?
「私の好き……」
そして魅環ちゃんは頭を抱えながら悩み始める。
あれ? 逆に混乱させちゃった?
「あの、その好きで頑張って、それでもどうしても魔法が上手くならなかったら、柚木さんはどうするんですか?」
と、魅環ちゃんが駄目ならどうするんだと聞いてきた。
そうだよね。好きでも才能がなかったらどうにもならないもんね。
「その時は諦めていいんじゃないかな?」
「え!? 好きなのに諦めるんですか?」
手のひらを返すようなことを言った事に驚いて、何で!? と魅環ちゃんが噛みついてくる。
「うん。だって僕は魔法が好きだから上手になりたくて練習してるけど、それでだめだったからって僕自身が駄目になる訳じゃないから。下手でも好きで良いかなって思うんだ。それに、魔法が駄目でも出来る仕事はいっぱいあるだろうしね。魔法だけが人間の価値じゃないよ」
もともと僕は魔法の無い世界から来たんだ。だから魔法が使えなくても普通に生活できるのは分かってるし、魔法が関係ない仕事がいっぱいあるのも知っている。
そもそもボクにとって魔法は趣味だからね。使えたらすごく楽しいってだけの話でしかない。
ほら、格闘ゲームが大好きな人が大会で優勝する為に練習しまくるような感じだよ。
……そういえば、この世界って魔法大会とかあるのかな? オリンピックならぬ魔法ピックとか。
「魔法だけが人間の価値じゃない……!?」
「どうかな、何か参考になった?」
「えっ!? あ、はい! なんとなくですが!!」
良かった。これだけ語って何の参考にもならなかったらちょっと恥ずかしい所だったよ。
「あ、あの! 柚木さんは、私がこれからも魔法が全然上達しなくても、それでも私に価値があると思いますか?」
「もちろん! それに魅環ちゃんはすっごく可愛いからね。魔法が使えなくても男の子が放っておかないよ」
「ふえっ!? か、かわっ」
突然褒められた事で、顔を赤くする魅環ちゃん。
実際魅環ちゃんは可愛い女の子だ。まだ小学生だから分からないだろうけど、成長したら間違いなくクラスの人気者になれるレベルだよ!
「こんな風に人の価値はいっぱいあるよ。もちろん他の価値もね」
「は、はひ……」
「さっ、そろそろ練習を再開しようか」
「は、はいっ!」
そうして僕達は訓練を再開した。
するとこの会話で何かを掴んだのか、練習を再開してから魅環ちゃんの魔法の精度が少しずつ良くなっていったんだ。
そして数日が経った頃にはすっかり肉体硬化をマスターしてしまい、今では僕よりも身体強化魔法が上手くなっていた。
「凄いね。ものすごく上手になってる!」
「え、ええと、柚木さんのお陰です。柚木さんが色々教えてくれたおかげで、私も魔法を上達する為の目的を見つける事が出来るた気がしますので」
「魅環ちゃんの目的って?」
「そ、それは秘密です!」
魅環ちゃんは顔を赤くしながら秘密だと声を上げる。
目的が聞けなくてちょっと残念。でも魅環ちゃんが魔法を嫌いにならなくて良かったよ。
「あの、これからも一緒に魔法の訓練に参加しても良いですか?」
「うん、大歓迎だよ!」
「ありがとうございます!」
魅環ちゃんが嬉しそうに笑顔を見せながら、僕に向かって抱き着いてく……
「ガードッ!!」
と、そこに突然燐瑚ちゃんが挟まってきた。
「なっ!?」
「ふふふ、咲良ちゃんに抱き着かせはしないからね」
「じゃ、邪魔をしないでください! これは身体強化魔法使い同士のただのスキンシップです! 身体強化魔法を使えないあなたはいつも通り見学していればいいんです」
そう言って魅環ちゃんが身体強化魔法を使って燐瑚ちゃんを押しのけようとする。
「え? あれ?」
けど不思議な事に身体強化魔法を使えない筈の燐瑚ちゃんは、押される事無く魅環ちゃんと拮抗していたんだ。
「な、何で!?」
「ふふふ、驚きましたか? これこそ噛呪院家に伝わる強制強化呪法『侵化』です!!」
「「なっ!?」」
まさかそんな魔法があるとは思わず、僕と魅環ちゃんは驚きの声を上げた。
「呪術でそんな事が出来るなんて!」
これは凄い! 呪術は呪いを掛けたり解呪するだけの魔法だと思っていたのに!
「ふふふっ、この魔法を覚える為に一杯がんばったんだよ。咲良ちゃんと一緒に密着して訓練する為にね!!」
「な、なんて破廉恥な理由で!」
「破廉恥じゃないもん! 一緒に魔法の訓練をするためだもん!!」
魅環ちゃんが燐瑚ちゃんに押し込まれていく。
けどそうか。燐瑚ちゃん寂しかったんだな。
だから僕達と一緒に訓練できるように、身体強化に代わる魔法を勉強していたんだね。
どうりで最近静かだなぁって思ったよ。
「だから貴方は用済み。魔法も使えるようになったみたいだし、後は私に任せて一人で練習したら?」
けれど魅環ちゃんも負けていない。逆に今度は燐瑚ちゃんが押し込まれていく。
「ここは学校の運動場ですから、貴女の許可を取る必要なんてないですよね!」
「運動場になくても! 咲良ちゃんの横は私の許可が要るの!」
「い・い・え! 柚木さんの許可は貰いました! それに、柚木さんは私が可愛いって言ってくれましたし!」
「えっ!? 何ソレ!? どういう事!?」
「ふふん」
何故か燐瑚ちゃんが悔しがり、魅環ちゃんが優越感に満ちた顔になる。
「ぬぬぬぬっ!」
「ぬぬぬぬっ!」
「「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬっ!!」」
良く分からない展開だけど、それはそれとして二人とも凄いや! すっかり身体強化魔法を使いこなしているよ。
これは僕も負けていられないや!
「よーし! 僕も魔法の練習頑張るぞー!!」
こうして、僕の魔法練習に新しいメンバーが加わったのだった。
僕と魅環ちゃんの声がハモり、身体強化魔法を発動させる。
ただ僕の方は成功したんだけど、魅環ちゃんの方はどうにも術が安定しなかった。
僕は他の属性の魔法授業に出ていたから知らなかったんだけど、身体強化魔法の授業で肉体硬化が上手くできないのは魅環ちゃんだけになっていたらしい。
だからなおさら魅環ちゃんは練習に必死になるんだけど、どうにも成果が追いついていない感じだ。
僕も先生も思いつくアドバイスはしたから、これ以上は本人がコツを掴むしかない状態なんだよね。
「やっぱり私じゃどんなに頑張っても駄目なんでしょうか……」
何度繰り返しても上手くいかない事で、魅環ちゃんが項垂れる。
本当ならここできっと出来るようになるよって励ますべきなんだろうけど、一緒に練習を続けている魅環ちゃんの姿を見ている僕が無責任に応援するのは何か違うと思うんだ。
だってそれは、目の前で頑張っている彼女の努力を否定する事になるから。
だから僕は話題の方向性を変えてみる事にした。
「あのさ、僕の知り合いの身体強化魔法に詳しい人がこんな事を言ってたんだ」
先週の土曜日、僕は魅環ちゃんの事を相談する為に身体強化魔法を教えてくれている可憐先生に相談してみた。
専門家の可憐先生なら、僕に思いつかない別の解決策を思いつくかもしれないと思ったからだ。
そして可憐先生からこんなアドバイスを貰ったんだ。
「魔法は目的があると上達するんだって」
「目的?」
使い方ではなく、使う理由が上達の鍵になると聞いて魅環ちゃんが反応を示す。
「うん。魔法を発動させるには魔力や制御だけじゃなく、発動させるっていう強い意志が必要なんだって。だから魔力と制御に問題がなくても、心が使いたくないって思ってたらちゃんと発動しないんだって」
「そう、なんだ……」
僕の説明に思う所があったのか、魅環ちゃんが目を伏せる。
「その人は魔法は弓と同じだって言ってたよ。狙いを定める為の制御と、弓を引く為の魔力、最後に目的という的に当てたいという意思の三つ。最後の意思がハッキリしてないと、狙いも定まらないし、弓を引く為の力も篭らないって」
「魔法は弓と一緒……」
魅環ちゃんは僕の言葉を反芻しながら考え込んでいたんだけど、ふと顔を上げて僕を見つめてくる。
「あの、柚木さんは何で魔法を頑張るんですか?」
「え? 僕?」
「はい。柚木さんは凄い才能の持ち主です。でも全部の魔法を同じくらい頑張る理由は何なんですか? 全部頑張らなくても、便利なものだけを頑張るだけで良いのでは?」
うーん、そう来たか。
参ったな、正直僕もそんな大した目的がある訳じゃないんだよね。
でもこの空気だと言わない訳にもいかないか。
「えっとね、僕が魔法の練習をする理由はね……」
「理由は?」
「魔法が好きだからだよ」
「……は?」
僕の言葉に魅環ちゃんが目を丸くする。
「そ、それだけですか?」
「うん、それだけ」
「本当に?」
「本当に」
「ど、どうしてですか!? 柚木さんは色んな魔法を凄く使いこなせるのに、その理由が好きだからというだけ!?」
魅環ちゃんが信じられないと声を上げる。
いや、本当にそれだけで申し訳ないです。でも……
「それでいいんだと思うよ」
「え?」
「魔法を使い使いこなす為の理由にそんな大層な目的は必要ないと思うんだよね。だってそうじゃないと、今頃世界中の人達がもの凄い目標をもって魔法の練習をしないといけないじゃない」
「それはまぁ……」
「だから僕は『好き』が一番大事なんだと思うよ」
「好きが大事……?」
「そう。魔法が好きだから、うまく使えるようになりたい。ただそれだけだよ。だから魅環ちゃんも、自分だけの好きを見つければ、魔法を上手く扱えるようになると思うんだ」
「ただ好きなだけで良い……自分の好きを見つける」
あんまり驚いたのか、魅環ちゃんはポカンと口を開けたままで固まってしまった。
うーん、そこまで驚かせるような事言ったかな?
「私の好き……」
そして魅環ちゃんは頭を抱えながら悩み始める。
あれ? 逆に混乱させちゃった?
「あの、その好きで頑張って、それでもどうしても魔法が上手くならなかったら、柚木さんはどうするんですか?」
と、魅環ちゃんが駄目ならどうするんだと聞いてきた。
そうだよね。好きでも才能がなかったらどうにもならないもんね。
「その時は諦めていいんじゃないかな?」
「え!? 好きなのに諦めるんですか?」
手のひらを返すようなことを言った事に驚いて、何で!? と魅環ちゃんが噛みついてくる。
「うん。だって僕は魔法が好きだから上手になりたくて練習してるけど、それでだめだったからって僕自身が駄目になる訳じゃないから。下手でも好きで良いかなって思うんだ。それに、魔法が駄目でも出来る仕事はいっぱいあるだろうしね。魔法だけが人間の価値じゃないよ」
もともと僕は魔法の無い世界から来たんだ。だから魔法が使えなくても普通に生活できるのは分かってるし、魔法が関係ない仕事がいっぱいあるのも知っている。
そもそもボクにとって魔法は趣味だからね。使えたらすごく楽しいってだけの話でしかない。
ほら、格闘ゲームが大好きな人が大会で優勝する為に練習しまくるような感じだよ。
……そういえば、この世界って魔法大会とかあるのかな? オリンピックならぬ魔法ピックとか。
「魔法だけが人間の価値じゃない……!?」
「どうかな、何か参考になった?」
「えっ!? あ、はい! なんとなくですが!!」
良かった。これだけ語って何の参考にもならなかったらちょっと恥ずかしい所だったよ。
「あ、あの! 柚木さんは、私がこれからも魔法が全然上達しなくても、それでも私に価値があると思いますか?」
「もちろん! それに魅環ちゃんはすっごく可愛いからね。魔法が使えなくても男の子が放っておかないよ」
「ふえっ!? か、かわっ」
突然褒められた事で、顔を赤くする魅環ちゃん。
実際魅環ちゃんは可愛い女の子だ。まだ小学生だから分からないだろうけど、成長したら間違いなくクラスの人気者になれるレベルだよ!
「こんな風に人の価値はいっぱいあるよ。もちろん他の価値もね」
「は、はひ……」
「さっ、そろそろ練習を再開しようか」
「は、はいっ!」
そうして僕達は訓練を再開した。
するとこの会話で何かを掴んだのか、練習を再開してから魅環ちゃんの魔法の精度が少しずつ良くなっていったんだ。
そして数日が経った頃にはすっかり肉体硬化をマスターしてしまい、今では僕よりも身体強化魔法が上手くなっていた。
「凄いね。ものすごく上手になってる!」
「え、ええと、柚木さんのお陰です。柚木さんが色々教えてくれたおかげで、私も魔法を上達する為の目的を見つける事が出来るた気がしますので」
「魅環ちゃんの目的って?」
「そ、それは秘密です!」
魅環ちゃんは顔を赤くしながら秘密だと声を上げる。
目的が聞けなくてちょっと残念。でも魅環ちゃんが魔法を嫌いにならなくて良かったよ。
「あの、これからも一緒に魔法の訓練に参加しても良いですか?」
「うん、大歓迎だよ!」
「ありがとうございます!」
魅環ちゃんが嬉しそうに笑顔を見せながら、僕に向かって抱き着いてく……
「ガードッ!!」
と、そこに突然燐瑚ちゃんが挟まってきた。
「なっ!?」
「ふふふ、咲良ちゃんに抱き着かせはしないからね」
「じゃ、邪魔をしないでください! これは身体強化魔法使い同士のただのスキンシップです! 身体強化魔法を使えないあなたはいつも通り見学していればいいんです」
そう言って魅環ちゃんが身体強化魔法を使って燐瑚ちゃんを押しのけようとする。
「え? あれ?」
けど不思議な事に身体強化魔法を使えない筈の燐瑚ちゃんは、押される事無く魅環ちゃんと拮抗していたんだ。
「な、何で!?」
「ふふふ、驚きましたか? これこそ噛呪院家に伝わる強制強化呪法『侵化』です!!」
「「なっ!?」」
まさかそんな魔法があるとは思わず、僕と魅環ちゃんは驚きの声を上げた。
「呪術でそんな事が出来るなんて!」
これは凄い! 呪術は呪いを掛けたり解呪するだけの魔法だと思っていたのに!
「ふふふっ、この魔法を覚える為に一杯がんばったんだよ。咲良ちゃんと一緒に密着して訓練する為にね!!」
「な、なんて破廉恥な理由で!」
「破廉恥じゃないもん! 一緒に魔法の訓練をするためだもん!!」
魅環ちゃんが燐瑚ちゃんに押し込まれていく。
けどそうか。燐瑚ちゃん寂しかったんだな。
だから僕達と一緒に訓練できるように、身体強化に代わる魔法を勉強していたんだね。
どうりで最近静かだなぁって思ったよ。
「だから貴方は用済み。魔法も使えるようになったみたいだし、後は私に任せて一人で練習したら?」
けれど魅環ちゃんも負けていない。逆に今度は燐瑚ちゃんが押し込まれていく。
「ここは学校の運動場ですから、貴女の許可を取る必要なんてないですよね!」
「運動場になくても! 咲良ちゃんの横は私の許可が要るの!」
「い・い・え! 柚木さんの許可は貰いました! それに、柚木さんは私が可愛いって言ってくれましたし!」
「えっ!? 何ソレ!? どういう事!?」
「ふふん」
何故か燐瑚ちゃんが悔しがり、魅環ちゃんが優越感に満ちた顔になる。
「ぬぬぬぬっ!」
「ぬぬぬぬっ!」
「「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬっ!!」」
良く分からない展開だけど、それはそれとして二人とも凄いや! すっかり身体強化魔法を使いこなしているよ。
これは僕も負けていられないや!
「よーし! 僕も魔法の練習頑張るぞー!!」
こうして、僕の魔法練習に新しいメンバーが加わったのだった。
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