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第4話 メカクレ少女・ロボになる
それは鉄の巨人だった。全長はおおよそ7mほど。
全身が丸みを帯びた茶色の鎧に包まれた鉄の騎士だった。
「ふはははは、見たかね? 我が騎士団の雄姿を! 貴様らを始末する為に三騎もの騎士を用意したのだ。これで貴様に勝ち目は無いぞ。たとえ貴様がスクワイヤに成れたとしてもだ! さぁ行け! あの小娘共を叩きのめせ!!」
クークスの指揮に従い、巨大な騎士達がアリシアに向かって歩き出す。
ゆっくりと、だがその巨体から生まれるストロークは瞬く間にアリシアとの距離を詰める。
騎士達は巨大な剣を振り回してアリシアに襲い掛かる。
アリシアは足鎧の光羽根で加速しそれを避ける。
回避された剣が大地を切り裂き大量の土の塊が宙に舞う。
それを気にする事も無くクークスの部下達は剣を振り回し続け、アリシアの逃げ道を塞ぐように騎士達は円陣を汲んで攻撃を繰り出してくる。
アリシアもまた騎士達の攻撃を避けつつも手にした剣で攻撃を加えていく。
しかし非力な人間の剣では鉄の巨人に傷を付ける事など出来ない。
次第にアリシアは逃げる場所を失い、遂には騎士達に囲まれてしまった。
「これまでのようだな。改めて聞いておこうか。我々に服従を誓うか?」
勝利を確信したクークスがアリシアに降伏を求める。
しかし当のアリシアは平然としたものでクークスの言葉が聞こえていないかの様だった。
「答えは変わりません、私は、私達は貴方達に服従する気など全くありません!!」
アリシアに拒絶されたクークスは憎々しげに顔を歪ませる。
「そうか、ならば痛い目を見せてやろう。なに安心しろ、生きてさえいれば治す事は出来る。お前達、殺さない程度に痛めつけてやれ!」
クークスの言葉と共に振り下ろされる巨大な騎士達の剣。
轟音と共にアリシアの姿が鉄の塊によって消え去る。
「アリシアァァァァァ!」
タカヤは叫んだ。
目の前で繰り広げられていた非常識な光景の前にタカヤは動く事もできなかった。ただの学生であるタカヤにはどうしようもない戦いだったのだから。
そしてそれ故にアリシアを救えなかった。女の子に守られ、そしてその女の子を死なせた。それは小年に絶望を味あわせるには十分な経験だった。
「ご安心下さいタカヤ様」
優しい声に顔を上げるタカヤ。
「アリシア?」
そう、その声の主はアリシアだった。
「やはりそうだったか。貴様、変われるな!」
クークスの指摘に応える様に地面が震える。
次の瞬間アリシアを潰した筈の巨大な剣が吹き飛ばされる。
更にその衝撃でクークスの部下達もバランスを崩してたたらを踏む。
地面の下から純白のオーラが間欠泉の様にあふれ出す。
オーラはクークスの部下達が変身した騎士達よりも大きく膨れ上がり人の形を模していく。
そしてその中から装飾に包まれた剣が突き出される。
次いで純白の腕、純白の足、純白の胴、角の映えた純白の兜。
目の隠れた頭部。
全てが純白で包まれた鎧の騎士が現れる。そのデザインはアリシアの着ていた鎧を髣髴させた。
その姿はクークスの部下達が変化した騎士よりも人型に近く、なにより大きかった。全長はおおよそ15mという所だろうか。
巨大な騎士となったアリシアを見てタカヤは思わず声を漏らす。
「デケェ……」
そして同様にクークスも驚愕していた。
「ば、馬鹿な……その姿、まさかナイトクラスだと言うのか!?」
驚愕に声を振るわせるクークス。
クークスの言葉の意味を理解できなかったタカヤだが、その驚き様から相当なものであるのは確かだった。
「ち、調査では貴様はスクワイヤクラスだった筈だ! そ、それが何故……ま、まさかその小僧か!」
「ええ、確かに私も驚いています。ですが……そう、これこそタカヤ様のお力! 私は新たな王に仕える事によって新たな力を手にしたのです。……これ程とは思っていませんでしたが」
ぽろっと本音が漏れるアリシア。
「ともあれ、アリシア=ディクスシス……参ります!」
足を踏み込んだアリシアは正面に居たクークスの部下達に向かって駆け出す。
応戦すべく斬りかかってきた騎士を中心に、まるでコマが回るように回転しながら回り込んで避けるアリシア。
そのまま騎士のクークスの後頭部を剣の柄で殴りつけ更に回し蹴りで蹴り飛ばす。
「ぐぉっ!」
攻撃を外し更に吹き飛ばされた事でバランスを崩した騎士は地面に向かって顔面から倒れ込む。
次いで残った騎士達に向き直るアリシア。
アリシアを前にした騎士達が後ずさる。
彼等は明らかにアリシアに対して怯えていた。
アリシアが二体の騎士に近づくと騎士達もまた引く。
アリシアが近づく度に騎士達が下がっていく。
「情けない、貴方達も騎士であるのなら剣を構えなさい!!」
そう言ってアリシアは間合いを詰めるべく騎士達に向かって突進する。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!」
迫り来るアリシアのプレッシャーに耐え切れなくなった騎士の一人がアリシアに向かって剣を振り上げる。
だがアリシアはその攻撃を棒高跳びの背面飛びの様な跳躍で回避、さらに体を半回転させ騎士の後ろに降り立つ。
そして攻撃を外した騎士が背後に回ったアリシアに体を向けた所で真一文字に剣を振り下ろす。
「あれ? 今、なんで待ってたんだ?」
タカヤは疑問に思った。
今確かにアリシアは相手の騎士がアリシアに向き直るまで待っていたのだ。
しかしアリシアはその疑問に答える事無く次の行動に移る。
もう一人の騎士もようやく恐慌状態から回復しアリシアに向けて剣を構えたが、既に懐に入っていたアリシアのショルダーアタックによってやすやすと吹き飛ばされた。アリシアと騎士達では倍近い体格差がある。それ故にアリシアに衝突された騎士では堪えられる筈も無かった。
圧勝だった。体格も、性能も、戦意も明らかにアリシアの方が上だったのだ。
それと言うのもクークスの言ったナイトという言葉が関係しているのだろうとタカヤは思った。
そこでふとクークスが静かな事に気づいた。
まさか逃げたのかと思いタカヤはクークスを探す。いくら戦闘では役立たずでもこの位は役に立っておきたい。何より、クークスを逃すのは下策だと考えたからだ。相手は仮にも指揮官。捕まえておけば有利な取引が出来るかも知れない。情報だって手に入るだろう。
そんな打算を考えながらクークスを探すタカヤ。
クークスはすぐに見つかった。
そして彼は意外な所に居た。
彼が居たのは戦場のど真ん中。騎士と戦う巨大なアリシアの真後ろだったのだ。
踏み潰される。
普通ならそう考えただろう。タカヤが慈悲深い性格ならすぐさまクークスに逃げるよう警告しただろう。
だがタカヤはしなかった。
それは別にタカヤが薄情だからではない。
タカヤは別の物を見て言葉を出せずにいたからだ。
それは紫のオーラ。騎士達、そしてアリシアが変身する時に発した輝きだった。
「避けろアリシア!!」
タカヤは叫んだ。
しかしそれは遅すぎた警告だった。
クークスの全身が紫のオーラに包まれる。
オーラは先程の騎士達のモノよりも更に大きく膨れ上がりその中から濃い茶色の騎士が現れる。
その姿は仲間である騎士よりも、寧ろ敵であるアリシアに近いシルエットをしてした。
クークスが変化した騎士は巨大な槍を刀のように振り下ろし、アリシアを背後から切り裂く。
「きゃぁぁぁぁぁっ!!」
無防備な背中を切り裂かれたアリシアはたまらず悲鳴を上げる。
「ははははは、どうだね私の真の姿は。スクワイヤなどでは無いぞ。そう、貴様と同じナイトの力だ!!」
「う、後ろから攻撃するなんて、卑怯な!」
しかしクークスは意にも介さず倒れたアリシアの背中を踏みにじる。
「っああああああぁぁぁっ!!」
切り裂かれた傷口を踏みにじられ苦痛にあえぐアリシア。
「くくくく、良い悲鳴だ。これだから残党狩りはやめられん」
悪意に満ちた笑顔で笑うクークス。
そこにクークスの部下達も加わる。
「隊長、俺達にもやらせてくださいよ」
それは最初の攻撃でアリシアに吹き飛ばされた騎士だった。
「調子の良い奴め。まぁ良いだろう。殺さないように気をつけろよ。と言ってもこの傷では碌な抵抗も出来ないだろうがな。はっはっはっ」
「へっへっへっ。さっきはよくも吹き飛ばしてくれたなこのクソガキが」
倒れたアリシアの体に容赦なく蹴りを叩き込む騎士達。
「へへへっ、こうなっちゃナイト様も形無ぐはぁ!!」
アリシアに群がった騎士の片割れが突然吹き飛ばされる。
吹き飛ぶ騎士と共に地面に落ちる鉄塊。
それはアリシアの腕に取り付けられたバックラーだった。
油断して近づいた騎士はこのバックラーの直撃を受けたのだ。
騎士が吹き飛んだ事で左前方に空間ができる。
痛む背中に鞭打ってその空間に身を躍らせるアリシア。
「この、往生際が悪いんだよ!」
負傷したアリシアならば勝てるともう一人の騎士がアリシアに襲い掛かる。
しかしそんな油断と慢心に満ちた攻撃に当たるアリシアではなかった。
アリシアは紙一重で攻撃を避け騎士に攻撃を見舞う。
「くぅっ」
背中の痛みを堪え剣を振り下ろすアリシア。
しかし奮戦むなしくその攻撃はクークスによって受け止められた。
「無駄な抵抗は止めたまえ。同じナイトクラスといえど所詮君はスクワイヤ上がり。正式な騎士である私とは格が違うのだよ。騎士としての錬度、武器のリーチ、そして実践経験。どれをとっても私の方が上だ。何より貴様には決定的な弱点がある」
「私に……弱点?」
クークスの指摘に声を上げるアリシア。
タカヤもまたその言葉に疑問を覚えた。少なくともアリシアには確かな実力がある。何十人もの男達を前にして只中に突っ込む度胸。目にも留まらぬ速さで敵を切り捨てるスピード。なにより瞬く間に半数の兵士達を倒したアリシアに一体どんな弱点があると言うのか。
「そうだ。貴様の弱点、それは騎士道に偏りすぎている事だ!」
「え?」
予想もしていなかった言葉に呆然となるアリシア。
しかしタカヤにとっては逆だった。寧ろふに落ちたのだ。
先ほどの戦闘で何故かアリシアは倒れた敵を追撃しなかった。
やっていれば今頃的の戦力は半減していた事だろうにだ。
それは優しさであるが同時に甘さでもある。
つまりそれこそが弱点だとクークスは言っているのだ。
そしてそのスキを見逃すクークスではなかった。
彼はアリシアの気が逸れた瞬間を狙って力ずくで槍を押し出す。
意識が散漫になっていたアリシアはその動きに対応しきれず剣を弾き返されてしまう。
距離が開いた事でクークスの槍がアリシアを攻める。
リーチの長い槍での攻撃がアリシアに付け入る隙を与えない。
体勢を立て直そうにも戦線に復帰したクークスの部下達がけん制してきて離れる事も出来ない。
次第にアリシアは追い詰められていった。
「きゃあぁぁぁぁ!」
騎士達の攻撃を回避するべく身をかわした所で、遂にクークスの攻撃が命中する。追い討ちを掛ける様に騎士達もまたアリシアに攻撃を咥えていく。
それはもはや戦いではなかった。
獲物を追い詰め、弱らせて仕留める。
それは狩りの光景だった。
「くそっ、俺には何も出来ないのかよ!」
タカヤは拳を握り締めてその光景を眺めていた。
ただの人間である彼はできる事が何も無かったのだ。
彼が正義感に囚われ戦場に割って入っても、その先にあるのは死だけだ。
巨大な像の足元を歩くアリの様に踏み潰されるのがオチだろう。
それはタカヤにも分かっていた。
分かっていたが我慢がならなかった。
目の前で女の子が苦しんでいると言うのに、男である自分は何もできないでいる。なんという無力。
そして戦いもまた終わりを告げようとしていた。
「う、ああ……」
轟音を立てて崩れ落ちるアリシア。その全身はボロボロになっており、先ほどまでの美しい装甲は見る影もなくなっていた。
「アリシア!!」
たまらずアリシアに駆け寄るタカヤ。
「アリシア! 大丈夫かアリシア!!」
「タカ……ヤ……様」
「もう良い、逃げるんだ。こんな戦い何の意味も無い!」
だがアリシアはソレを否定する。
「出来ません。それは出来ません」
アリシアは再び立ち上がるべく腕に力を入れる。しかし直ぐに力尽きまた地面に倒れ付す。
「そんなになってまで戦う意味なんて無いだろ! 別にここに拘らなくても遠い所に逃げれば良いじゃないか! そこで素性を隠して静かに暮らせば良い! こんな所で一人で戦い続けなくても良いじゃないか!!」
それはタカヤの純粋な疑問だった。
アリシアが王国の復興を望むのなら、無理にここに居座らず他国に逃げ力を付ける方が理にかなっているからだ。
そして強く賢い王を探せば良い。怪しげな機械で自分を呼ぶ必要なんて無かった筈だ。
にもかかわらずアリシアはここに残って戦う事をかたくなに望む。
訳が分からなかった。
「煩いガキめ……ああ、そうかお前を先に殺せば良いだけの話じゃないか」
クークスの指示を受け騎士達がタカヤを狙って武器を構える。
この時、タクヤはアリシアの言葉を正しく理解していなかった為にクークスの言葉の本当の意味に気付いていなかった。
騎士とは契約する王がいなければその力を発揮できないという言葉の裏の意味を。そう、逆に考えれば王が死ねば騎士はその力を失ってしまうと言う事実を。
騎士達が武器を振り下ろす。反射的に逃げようとしたタカヤだったが、騎士達の巨大な体と巨大な武器というサイズ差は矮小な人間とって絶望的なまでのストロークの差となって襲ってきた。
「うわぁぁぁぁ!!!」
反射的に身を縮こまらせるタカヤ。そんな事をしても数瞬後に訪れる破滅には何の意味も無いと分かっていながらだ。
「……?」
しかしいくら待ってもその時は来なかった。
恐る恐る目を開くとタカヤは薄暗い場所に居た。
「大丈夫ですかタカヤ様?」
上から苦しげなアリシアの声が聞える。タカヤが視線を向けるとそこには自分に覆いかぶさったアリシアの姿があった。
「何を……っ!?」
何をしている、そう聞こうとしたタカヤだったが、アリシアの体からこぼれる黒い液体を目の当たりにして何が起きたのかを理解した。
アリシアは自分の身を盾にしてタカヤを守ったのだ。
「逃げて……下さい」
弱々しい声でアリシア伝えるアリシア。
「この者達は王であるタカヤ様を亡き者にして私の騎士としての力を奪おうとしています。このままここに居てはいけません。私が守りますから……タカヤ様は逃げて……」
「何で……」
何故、そう問いたくても言葉が上手く口に出来ない。
「私は、皆が戻ってくる場所を守りたいのです。先王がお亡くなりになった後、王国を捨てざるを得なかった人々がいつか帰ってきても良いように……ぐっ!!ぅぅ……」
何かを切り裂く音が聞える。重い物がぶつかる音が聞える。それはアリシアを殺す為の音、タカヤを殺す為の音。
クークス達が無抵抗のアリシアを殺す為の音だ。
「もう良い! もう良いだろ!! 逃げ出した奴等の事なんて忘れろ! 自分の事だけを考えろ!! 王様命令だ! 俺と一緒に逃げるんだ! 死に物狂いで逃げ出して生きるんだ!!」
我知らずタカヤは叫んだ。やるせなかったからだ。憤ったからだ。何故そこまでしてこの少女はこのちっぽけな国を守ろうとするのか。何でそんな理由で命を掛けられるのか。遊びの世界でしか戦いを知らなかったタカヤには全く理解出来なかった。
「すみませんタカヤ様。勝手に貴方を召喚して。王が、貴方が来てくれたら戦えるって、勝てるって思ってたんです。召喚される貴方の事も考えずに。本当にごめんなさい。……私、やっと戦える様になったのにまた何も出来ずに終わる……ごめんなさい。ごめんなさい」
アリシアはタカヤに謝罪する。全身から血を流しながら、幾多の刃に貫かれながら。
「私は……皆で過ごした家を守りたかったんです」
「……」
アリシアの腕がバランスを崩し肩から地面に落ちる。
「……」
「ごめんなさい……逃げて……くだ……さい」
今は巨大な鉄の塊となったアリシアの頭部から輝きが薄れる。
それはさしずめアリシアの命の灯火が失われる様のようだった。
「ふざけるな!!」
「っ!?」
タカヤは叫んだ。
その胸の憤りを吐き出す様に。
「戦いを始めたのなら最後まで戦え! 一ドットでもゲージが残ってんなら諦めずにスティックを動かせよ!!」
「は?」
何を言われているのか分からずに間の抜けた声を漏らすアリシア。
それはタカヤも一緒だった。突然異世界に召喚され、訳が分からないままに戦争が始まり、そして目の前で勝手に納得して死を受け入れられた。
全く持って納得がいかなかった。突然呼んでおきながら自分を無視して進められる状況に。重要キャラとして呼ばれたはずなのに何の役にも立たない自分に。
そして何より腹立たしいのは、そんな世界に来る事を受け入れた自分自身の馬鹿さ加減だった。
「戦うなら俺も戦わせろ!! 俺も一緒に戦ってやる! だからお前のコントローラーを俺に渡せ!!」
とんでもない要求だった。
そして世界はそのとんでもない要求を受け入れた。
『プレイヤーコール。ライドモードを起動します』
全身が丸みを帯びた茶色の鎧に包まれた鉄の騎士だった。
「ふはははは、見たかね? 我が騎士団の雄姿を! 貴様らを始末する為に三騎もの騎士を用意したのだ。これで貴様に勝ち目は無いぞ。たとえ貴様がスクワイヤに成れたとしてもだ! さぁ行け! あの小娘共を叩きのめせ!!」
クークスの指揮に従い、巨大な騎士達がアリシアに向かって歩き出す。
ゆっくりと、だがその巨体から生まれるストロークは瞬く間にアリシアとの距離を詰める。
騎士達は巨大な剣を振り回してアリシアに襲い掛かる。
アリシアは足鎧の光羽根で加速しそれを避ける。
回避された剣が大地を切り裂き大量の土の塊が宙に舞う。
それを気にする事も無くクークスの部下達は剣を振り回し続け、アリシアの逃げ道を塞ぐように騎士達は円陣を汲んで攻撃を繰り出してくる。
アリシアもまた騎士達の攻撃を避けつつも手にした剣で攻撃を加えていく。
しかし非力な人間の剣では鉄の巨人に傷を付ける事など出来ない。
次第にアリシアは逃げる場所を失い、遂には騎士達に囲まれてしまった。
「これまでのようだな。改めて聞いておこうか。我々に服従を誓うか?」
勝利を確信したクークスがアリシアに降伏を求める。
しかし当のアリシアは平然としたものでクークスの言葉が聞こえていないかの様だった。
「答えは変わりません、私は、私達は貴方達に服従する気など全くありません!!」
アリシアに拒絶されたクークスは憎々しげに顔を歪ませる。
「そうか、ならば痛い目を見せてやろう。なに安心しろ、生きてさえいれば治す事は出来る。お前達、殺さない程度に痛めつけてやれ!」
クークスの言葉と共に振り下ろされる巨大な騎士達の剣。
轟音と共にアリシアの姿が鉄の塊によって消え去る。
「アリシアァァァァァ!」
タカヤは叫んだ。
目の前で繰り広げられていた非常識な光景の前にタカヤは動く事もできなかった。ただの学生であるタカヤにはどうしようもない戦いだったのだから。
そしてそれ故にアリシアを救えなかった。女の子に守られ、そしてその女の子を死なせた。それは小年に絶望を味あわせるには十分な経験だった。
「ご安心下さいタカヤ様」
優しい声に顔を上げるタカヤ。
「アリシア?」
そう、その声の主はアリシアだった。
「やはりそうだったか。貴様、変われるな!」
クークスの指摘に応える様に地面が震える。
次の瞬間アリシアを潰した筈の巨大な剣が吹き飛ばされる。
更にその衝撃でクークスの部下達もバランスを崩してたたらを踏む。
地面の下から純白のオーラが間欠泉の様にあふれ出す。
オーラはクークスの部下達が変身した騎士達よりも大きく膨れ上がり人の形を模していく。
そしてその中から装飾に包まれた剣が突き出される。
次いで純白の腕、純白の足、純白の胴、角の映えた純白の兜。
目の隠れた頭部。
全てが純白で包まれた鎧の騎士が現れる。そのデザインはアリシアの着ていた鎧を髣髴させた。
その姿はクークスの部下達が変化した騎士よりも人型に近く、なにより大きかった。全長はおおよそ15mという所だろうか。
巨大な騎士となったアリシアを見てタカヤは思わず声を漏らす。
「デケェ……」
そして同様にクークスも驚愕していた。
「ば、馬鹿な……その姿、まさかナイトクラスだと言うのか!?」
驚愕に声を振るわせるクークス。
クークスの言葉の意味を理解できなかったタカヤだが、その驚き様から相当なものであるのは確かだった。
「ち、調査では貴様はスクワイヤクラスだった筈だ! そ、それが何故……ま、まさかその小僧か!」
「ええ、確かに私も驚いています。ですが……そう、これこそタカヤ様のお力! 私は新たな王に仕える事によって新たな力を手にしたのです。……これ程とは思っていませんでしたが」
ぽろっと本音が漏れるアリシア。
「ともあれ、アリシア=ディクスシス……参ります!」
足を踏み込んだアリシアは正面に居たクークスの部下達に向かって駆け出す。
応戦すべく斬りかかってきた騎士を中心に、まるでコマが回るように回転しながら回り込んで避けるアリシア。
そのまま騎士のクークスの後頭部を剣の柄で殴りつけ更に回し蹴りで蹴り飛ばす。
「ぐぉっ!」
攻撃を外し更に吹き飛ばされた事でバランスを崩した騎士は地面に向かって顔面から倒れ込む。
次いで残った騎士達に向き直るアリシア。
アリシアを前にした騎士達が後ずさる。
彼等は明らかにアリシアに対して怯えていた。
アリシアが二体の騎士に近づくと騎士達もまた引く。
アリシアが近づく度に騎士達が下がっていく。
「情けない、貴方達も騎士であるのなら剣を構えなさい!!」
そう言ってアリシアは間合いを詰めるべく騎士達に向かって突進する。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!」
迫り来るアリシアのプレッシャーに耐え切れなくなった騎士の一人がアリシアに向かって剣を振り上げる。
だがアリシアはその攻撃を棒高跳びの背面飛びの様な跳躍で回避、さらに体を半回転させ騎士の後ろに降り立つ。
そして攻撃を外した騎士が背後に回ったアリシアに体を向けた所で真一文字に剣を振り下ろす。
「あれ? 今、なんで待ってたんだ?」
タカヤは疑問に思った。
今確かにアリシアは相手の騎士がアリシアに向き直るまで待っていたのだ。
しかしアリシアはその疑問に答える事無く次の行動に移る。
もう一人の騎士もようやく恐慌状態から回復しアリシアに向けて剣を構えたが、既に懐に入っていたアリシアのショルダーアタックによってやすやすと吹き飛ばされた。アリシアと騎士達では倍近い体格差がある。それ故にアリシアに衝突された騎士では堪えられる筈も無かった。
圧勝だった。体格も、性能も、戦意も明らかにアリシアの方が上だったのだ。
それと言うのもクークスの言ったナイトという言葉が関係しているのだろうとタカヤは思った。
そこでふとクークスが静かな事に気づいた。
まさか逃げたのかと思いタカヤはクークスを探す。いくら戦闘では役立たずでもこの位は役に立っておきたい。何より、クークスを逃すのは下策だと考えたからだ。相手は仮にも指揮官。捕まえておけば有利な取引が出来るかも知れない。情報だって手に入るだろう。
そんな打算を考えながらクークスを探すタカヤ。
クークスはすぐに見つかった。
そして彼は意外な所に居た。
彼が居たのは戦場のど真ん中。騎士と戦う巨大なアリシアの真後ろだったのだ。
踏み潰される。
普通ならそう考えただろう。タカヤが慈悲深い性格ならすぐさまクークスに逃げるよう警告しただろう。
だがタカヤはしなかった。
それは別にタカヤが薄情だからではない。
タカヤは別の物を見て言葉を出せずにいたからだ。
それは紫のオーラ。騎士達、そしてアリシアが変身する時に発した輝きだった。
「避けろアリシア!!」
タカヤは叫んだ。
しかしそれは遅すぎた警告だった。
クークスの全身が紫のオーラに包まれる。
オーラは先程の騎士達のモノよりも更に大きく膨れ上がりその中から濃い茶色の騎士が現れる。
その姿は仲間である騎士よりも、寧ろ敵であるアリシアに近いシルエットをしてした。
クークスが変化した騎士は巨大な槍を刀のように振り下ろし、アリシアを背後から切り裂く。
「きゃぁぁぁぁぁっ!!」
無防備な背中を切り裂かれたアリシアはたまらず悲鳴を上げる。
「ははははは、どうだね私の真の姿は。スクワイヤなどでは無いぞ。そう、貴様と同じナイトの力だ!!」
「う、後ろから攻撃するなんて、卑怯な!」
しかしクークスは意にも介さず倒れたアリシアの背中を踏みにじる。
「っああああああぁぁぁっ!!」
切り裂かれた傷口を踏みにじられ苦痛にあえぐアリシア。
「くくくく、良い悲鳴だ。これだから残党狩りはやめられん」
悪意に満ちた笑顔で笑うクークス。
そこにクークスの部下達も加わる。
「隊長、俺達にもやらせてくださいよ」
それは最初の攻撃でアリシアに吹き飛ばされた騎士だった。
「調子の良い奴め。まぁ良いだろう。殺さないように気をつけろよ。と言ってもこの傷では碌な抵抗も出来ないだろうがな。はっはっはっ」
「へっへっへっ。さっきはよくも吹き飛ばしてくれたなこのクソガキが」
倒れたアリシアの体に容赦なく蹴りを叩き込む騎士達。
「へへへっ、こうなっちゃナイト様も形無ぐはぁ!!」
アリシアに群がった騎士の片割れが突然吹き飛ばされる。
吹き飛ぶ騎士と共に地面に落ちる鉄塊。
それはアリシアの腕に取り付けられたバックラーだった。
油断して近づいた騎士はこのバックラーの直撃を受けたのだ。
騎士が吹き飛んだ事で左前方に空間ができる。
痛む背中に鞭打ってその空間に身を躍らせるアリシア。
「この、往生際が悪いんだよ!」
負傷したアリシアならば勝てるともう一人の騎士がアリシアに襲い掛かる。
しかしそんな油断と慢心に満ちた攻撃に当たるアリシアではなかった。
アリシアは紙一重で攻撃を避け騎士に攻撃を見舞う。
「くぅっ」
背中の痛みを堪え剣を振り下ろすアリシア。
しかし奮戦むなしくその攻撃はクークスによって受け止められた。
「無駄な抵抗は止めたまえ。同じナイトクラスといえど所詮君はスクワイヤ上がり。正式な騎士である私とは格が違うのだよ。騎士としての錬度、武器のリーチ、そして実践経験。どれをとっても私の方が上だ。何より貴様には決定的な弱点がある」
「私に……弱点?」
クークスの指摘に声を上げるアリシア。
タカヤもまたその言葉に疑問を覚えた。少なくともアリシアには確かな実力がある。何十人もの男達を前にして只中に突っ込む度胸。目にも留まらぬ速さで敵を切り捨てるスピード。なにより瞬く間に半数の兵士達を倒したアリシアに一体どんな弱点があると言うのか。
「そうだ。貴様の弱点、それは騎士道に偏りすぎている事だ!」
「え?」
予想もしていなかった言葉に呆然となるアリシア。
しかしタカヤにとっては逆だった。寧ろふに落ちたのだ。
先ほどの戦闘で何故かアリシアは倒れた敵を追撃しなかった。
やっていれば今頃的の戦力は半減していた事だろうにだ。
それは優しさであるが同時に甘さでもある。
つまりそれこそが弱点だとクークスは言っているのだ。
そしてそのスキを見逃すクークスではなかった。
彼はアリシアの気が逸れた瞬間を狙って力ずくで槍を押し出す。
意識が散漫になっていたアリシアはその動きに対応しきれず剣を弾き返されてしまう。
距離が開いた事でクークスの槍がアリシアを攻める。
リーチの長い槍での攻撃がアリシアに付け入る隙を与えない。
体勢を立て直そうにも戦線に復帰したクークスの部下達がけん制してきて離れる事も出来ない。
次第にアリシアは追い詰められていった。
「きゃあぁぁぁぁ!」
騎士達の攻撃を回避するべく身をかわした所で、遂にクークスの攻撃が命中する。追い討ちを掛ける様に騎士達もまたアリシアに攻撃を咥えていく。
それはもはや戦いではなかった。
獲物を追い詰め、弱らせて仕留める。
それは狩りの光景だった。
「くそっ、俺には何も出来ないのかよ!」
タカヤは拳を握り締めてその光景を眺めていた。
ただの人間である彼はできる事が何も無かったのだ。
彼が正義感に囚われ戦場に割って入っても、その先にあるのは死だけだ。
巨大な像の足元を歩くアリの様に踏み潰されるのがオチだろう。
それはタカヤにも分かっていた。
分かっていたが我慢がならなかった。
目の前で女の子が苦しんでいると言うのに、男である自分は何もできないでいる。なんという無力。
そして戦いもまた終わりを告げようとしていた。
「う、ああ……」
轟音を立てて崩れ落ちるアリシア。その全身はボロボロになっており、先ほどまでの美しい装甲は見る影もなくなっていた。
「アリシア!!」
たまらずアリシアに駆け寄るタカヤ。
「アリシア! 大丈夫かアリシア!!」
「タカ……ヤ……様」
「もう良い、逃げるんだ。こんな戦い何の意味も無い!」
だがアリシアはソレを否定する。
「出来ません。それは出来ません」
アリシアは再び立ち上がるべく腕に力を入れる。しかし直ぐに力尽きまた地面に倒れ付す。
「そんなになってまで戦う意味なんて無いだろ! 別にここに拘らなくても遠い所に逃げれば良いじゃないか! そこで素性を隠して静かに暮らせば良い! こんな所で一人で戦い続けなくても良いじゃないか!!」
それはタカヤの純粋な疑問だった。
アリシアが王国の復興を望むのなら、無理にここに居座らず他国に逃げ力を付ける方が理にかなっているからだ。
そして強く賢い王を探せば良い。怪しげな機械で自分を呼ぶ必要なんて無かった筈だ。
にもかかわらずアリシアはここに残って戦う事をかたくなに望む。
訳が分からなかった。
「煩いガキめ……ああ、そうかお前を先に殺せば良いだけの話じゃないか」
クークスの指示を受け騎士達がタカヤを狙って武器を構える。
この時、タクヤはアリシアの言葉を正しく理解していなかった為にクークスの言葉の本当の意味に気付いていなかった。
騎士とは契約する王がいなければその力を発揮できないという言葉の裏の意味を。そう、逆に考えれば王が死ねば騎士はその力を失ってしまうと言う事実を。
騎士達が武器を振り下ろす。反射的に逃げようとしたタカヤだったが、騎士達の巨大な体と巨大な武器というサイズ差は矮小な人間とって絶望的なまでのストロークの差となって襲ってきた。
「うわぁぁぁぁ!!!」
反射的に身を縮こまらせるタカヤ。そんな事をしても数瞬後に訪れる破滅には何の意味も無いと分かっていながらだ。
「……?」
しかしいくら待ってもその時は来なかった。
恐る恐る目を開くとタカヤは薄暗い場所に居た。
「大丈夫ですかタカヤ様?」
上から苦しげなアリシアの声が聞える。タカヤが視線を向けるとそこには自分に覆いかぶさったアリシアの姿があった。
「何を……っ!?」
何をしている、そう聞こうとしたタカヤだったが、アリシアの体からこぼれる黒い液体を目の当たりにして何が起きたのかを理解した。
アリシアは自分の身を盾にしてタカヤを守ったのだ。
「逃げて……下さい」
弱々しい声でアリシア伝えるアリシア。
「この者達は王であるタカヤ様を亡き者にして私の騎士としての力を奪おうとしています。このままここに居てはいけません。私が守りますから……タカヤ様は逃げて……」
「何で……」
何故、そう問いたくても言葉が上手く口に出来ない。
「私は、皆が戻ってくる場所を守りたいのです。先王がお亡くなりになった後、王国を捨てざるを得なかった人々がいつか帰ってきても良いように……ぐっ!!ぅぅ……」
何かを切り裂く音が聞える。重い物がぶつかる音が聞える。それはアリシアを殺す為の音、タカヤを殺す為の音。
クークス達が無抵抗のアリシアを殺す為の音だ。
「もう良い! もう良いだろ!! 逃げ出した奴等の事なんて忘れろ! 自分の事だけを考えろ!! 王様命令だ! 俺と一緒に逃げるんだ! 死に物狂いで逃げ出して生きるんだ!!」
我知らずタカヤは叫んだ。やるせなかったからだ。憤ったからだ。何故そこまでしてこの少女はこのちっぽけな国を守ろうとするのか。何でそんな理由で命を掛けられるのか。遊びの世界でしか戦いを知らなかったタカヤには全く理解出来なかった。
「すみませんタカヤ様。勝手に貴方を召喚して。王が、貴方が来てくれたら戦えるって、勝てるって思ってたんです。召喚される貴方の事も考えずに。本当にごめんなさい。……私、やっと戦える様になったのにまた何も出来ずに終わる……ごめんなさい。ごめんなさい」
アリシアはタカヤに謝罪する。全身から血を流しながら、幾多の刃に貫かれながら。
「私は……皆で過ごした家を守りたかったんです」
「……」
アリシアの腕がバランスを崩し肩から地面に落ちる。
「……」
「ごめんなさい……逃げて……くだ……さい」
今は巨大な鉄の塊となったアリシアの頭部から輝きが薄れる。
それはさしずめアリシアの命の灯火が失われる様のようだった。
「ふざけるな!!」
「っ!?」
タカヤは叫んだ。
その胸の憤りを吐き出す様に。
「戦いを始めたのなら最後まで戦え! 一ドットでもゲージが残ってんなら諦めずにスティックを動かせよ!!」
「は?」
何を言われているのか分からずに間の抜けた声を漏らすアリシア。
それはタカヤも一緒だった。突然異世界に召喚され、訳が分からないままに戦争が始まり、そして目の前で勝手に納得して死を受け入れられた。
全く持って納得がいかなかった。突然呼んでおきながら自分を無視して進められる状況に。重要キャラとして呼ばれたはずなのに何の役にも立たない自分に。
そして何より腹立たしいのは、そんな世界に来る事を受け入れた自分自身の馬鹿さ加減だった。
「戦うなら俺も戦わせろ!! 俺も一緒に戦ってやる! だからお前のコントローラーを俺に渡せ!!」
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