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1章 職業 荷物運び(バイト)
1話 なんかいきなり転生した
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「ってー。チッ、どこだよここ。」
確か取引先と交渉中だったはず。っ!!
安倍 博(ひろし)
34歳 独身 自称 エリートサラリーマン
来月には出世の話も決まっていた。
なのに、、、
彼は今、洞窟にいる。ポタポタと水滴が垂れ、気温は4℃ゆえに、寒い。
しかしスーツを着ているのはありがたい。体温の維持、というのもそうだが、大手企業の名の入った名刺が入っているのがいい。メンタルの維持につながる。
コンピューター会社 スネルク 安倍 博
ヘビのロゴマークもイカしてる。これを持っていれば金持ちの証。あぁ、なんて素晴らしいんだろう。
名刺をまた胸ポケットにしまい、ため息をつく。
「ホント、どこだよここ。」
そう呟くと、再度、ため息をついた。
立ち上がり、ホコリをはらう。エリートにほこりがついていては会社の名に傷がつく。
固い岩石の感触で、やはり外にいることがわかった。しかも東京などではない。ど田舎だ。もう、コンクリートの感触が懐かしくなってきた。
「文明に会いたい、、、」
そこで嫌な想像がよぎる。このセリフをどこかで聞いたことがあるのだ。
・・・・・・・取引先の資料。。。
そうだ。あのゲームだ。
取引先の新発売のゲーム。「異世界モンスターバスター2」。
オープニングで主人公がはっした言葉。
その時は、戸惑っている主人公がみじめで仕方なかったが、今度は自分がみじめな番だ。
もしかして異世界転生を、、、?
いやいやいや。アニメの見過ぎだろう。ん?アニメなんかここ数年、観ていない。あっ、じゃあ資料の読みすぎか。
なんとか自分を落ち着かせようとしている自分がみじめで仕方がなかった。
「っ、なんだ?」
先の方に見えた光。
「あ、ど田舎の出口だ!!」
気がまいっていたんだろう。ホントにそう思えた。あの時の自分に言ってやりたい。絶望の入り口だよ、と。
少しばかり走って出た。命の革靴のことなんて忘れて。
「あと少し、あと少しで、、、都会だぁー!!」
「、、、」
「あーーぁー?」
目の前にはビルどころか民家さえない大森林だった。
、、、と、冷ややかな目を向ける男とその子ども。
こんな冷ややかな目を向けられたことは、人生で1回も、いーっかいも、なかった。
こんなときでもエリート対応。
「わたくしはこんな会社に勤めております。どうぞ。」
会社名の記された名刺を渡す。どうだ。驚くだろう?
「いらん。」
「え?」
「いらんよ、こんな紙切れ」
このあと、今までの努力は無に返ったのだと、よーく思い知らされることになる。
確か取引先と交渉中だったはず。っ!!
安倍 博(ひろし)
34歳 独身 自称 エリートサラリーマン
来月には出世の話も決まっていた。
なのに、、、
彼は今、洞窟にいる。ポタポタと水滴が垂れ、気温は4℃ゆえに、寒い。
しかしスーツを着ているのはありがたい。体温の維持、というのもそうだが、大手企業の名の入った名刺が入っているのがいい。メンタルの維持につながる。
コンピューター会社 スネルク 安倍 博
ヘビのロゴマークもイカしてる。これを持っていれば金持ちの証。あぁ、なんて素晴らしいんだろう。
名刺をまた胸ポケットにしまい、ため息をつく。
「ホント、どこだよここ。」
そう呟くと、再度、ため息をついた。
立ち上がり、ホコリをはらう。エリートにほこりがついていては会社の名に傷がつく。
固い岩石の感触で、やはり外にいることがわかった。しかも東京などではない。ど田舎だ。もう、コンクリートの感触が懐かしくなってきた。
「文明に会いたい、、、」
そこで嫌な想像がよぎる。このセリフをどこかで聞いたことがあるのだ。
・・・・・・・取引先の資料。。。
そうだ。あのゲームだ。
取引先の新発売のゲーム。「異世界モンスターバスター2」。
オープニングで主人公がはっした言葉。
その時は、戸惑っている主人公がみじめで仕方なかったが、今度は自分がみじめな番だ。
もしかして異世界転生を、、、?
いやいやいや。アニメの見過ぎだろう。ん?アニメなんかここ数年、観ていない。あっ、じゃあ資料の読みすぎか。
なんとか自分を落ち着かせようとしている自分がみじめで仕方がなかった。
「っ、なんだ?」
先の方に見えた光。
「あ、ど田舎の出口だ!!」
気がまいっていたんだろう。ホントにそう思えた。あの時の自分に言ってやりたい。絶望の入り口だよ、と。
少しばかり走って出た。命の革靴のことなんて忘れて。
「あと少し、あと少しで、、、都会だぁー!!」
「、、、」
「あーーぁー?」
目の前にはビルどころか民家さえない大森林だった。
、、、と、冷ややかな目を向ける男とその子ども。
こんな冷ややかな目を向けられたことは、人生で1回も、いーっかいも、なかった。
こんなときでもエリート対応。
「わたくしはこんな会社に勤めております。どうぞ。」
会社名の記された名刺を渡す。どうだ。驚くだろう?
「いらん。」
「え?」
「いらんよ、こんな紙切れ」
このあと、今までの努力は無に返ったのだと、よーく思い知らされることになる。
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