エリート、異世界で無に還る。

柳田 イシガメ

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1章  職業 荷物運び(バイト)

2話 異世界でもお金が大事。

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「いらん」

「え?」

「そんな紙切れ、いらんよ」


なんだ?もしやコイツは名刺を知らないのか?

、、、ハァ、これだから田舎者は。しかし名刺を断ったヤツ、初めて見たぞ。


「これは、名刺と言って、、、」

「そんなことより、」


コイツ、せっかく説明してやっているのに、オレの言葉をさえぎりやがった。


「乗るか、乗らんかはっきりしろ」

「・・・・?」


深くため息をついたあと続けた。


「ここから数十キロ進むと町がある。」

「ほぉ」

「そこまで乗らんかと聞いたんだ」


オレは男から視線を移動させる。

馬だ。

「・・・」

馬がいる。

「・・・馬ァ!?」

「なんだ、驚かすな。今さら気づいたのか?」

「あはは、父ちゃん。コイツ馬鹿だよ。」


少し警戒していた少年が吹き出した。失敬な。

しかしまぁ、馬とはど田舎を超えて江戸時代だな。


「そうだ、車はないのか?」

「はぁ?なんだそりゃ?」

「ウーム、じゃあ町はなんていう町だ?」

「メトロ・バーム」

「それ、町じゃないだろ。どう聞いても、なかなか入りにくい喫茶店だ。」

「さぁ、はやくしろ。乗るか、乗らんのか。」

「乗る。乗るよ」


馬と繋がれた荷台に乗る。木で出来ており、キィキィと音がした。


「あーぁ、母ちゃんのパンプキンケーキが冷めちゃうよ。お馬鹿さんのせいで」

「な、なんだと?この世間知らず」

「お馬鹿!」

「田舎者!!」


と、罵声を浴びせあっているうちに町に着いた。

がやがやと町の活気が溢れている。


「よぉ、親父さん」

「やぁ、アクラ」

「ん?なんだい、コイツは」


アクラと呼ばれる人物はチラリとオレを見た。


「ただの客だよ」

男は話を始める。


「なぁ、モンスターっているか?」

「いるよ!あのね、、、」


さっきまで罵声を言い合っていたとは思えないほど興奮気味に話し始めた。

しかし、それはおいといて。やはりここは異世界なのか?名前も外国っぽいし。

ウーム、、、


「あなたー!」

そんな声が聞こえてくる。

「母ちゃーん!」

小僧が立ち上がって手を振った。

どうやら着いたらしい。そういえばかぼちゃの香りもしなくもない。

ググー。

腹も減った。ご馳走してもらおう。

ガチャリと荷台の出口の鍵を開ける。小僧に続いてオレも降りた。


「ん。」

男がヒラヒラと手を動かす。

「え?」

全てを理解した。やはりどの世界でも、、、。

「お金、ですか?」
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