アッサムCTCが切れるころ

チャッピ

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たまごサンド(2)

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翌日、コンビニで買ったたまごサンドとチャイを持って病院へ向かった。

花田によると、20代の便異常はストレスが原因なことがほとんどらしい。僕は知らぬうちにストレスを抱えていたのだ。バイトもろくに続かず、正式に職にも就けず、この社会で浮いている自分に無意識下でストレスを感じていたのだろうと妙に納得し、病院行きのバスの中で呑気にたまごサンドをかじっていた。

平日ということで診察の時間はあっという間に来た。都内の大きな病院だが、やはり平日の昼過ぎともなると患者も減るものだ。

鮮やかな薄肌色の壁と、丸い光沢を帯びた柱が数本並ぶ廊下を通り抜けて、僕は指定された診察室へ入った。夕方になりかけの太陽の光が、診察室に暖かく差し込み、朝から撮影した僕のMRIの写真が映る医師のパソコンを照らしていた。

「大腸がんです」

ストレートだった。野球に例えるなら、160キロのストレートと言ったところだろうか。しかも試合開始の初球である。僕が大腸がんであるということより、直球に伝える医師に驚いた。

「その若さで稀です。ご家族の方を今すぐ呼ぶことはできますか?」

僕に家族はいない。恋人もいない。最後に付き合っていた恋人は、大学を卒業した後、大手商社マンに取られた。取る取られるという表現はよくないが、本当に取られたのだ。職につかない僕より、未来が保障されている人の方が魅力的と感じることは自然なことだろう。

花田を呼ぼうかと一瞬頭をよぎったが、あいつは家族ではない。ただ、こんな時に花田の顔が浮かぶのは、どれだけ僕が花田を頼っているかの表れだったのだろう。

病院の受付で会計を済ませ、また1週間後の診察の予定を入れて、レシートと食べかけのたまごサンドをゴミ箱に捨てて、僕は家路についた。
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