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第二章 東の市場編
第19話 宿の殺害事件 Ⅳ
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そして、私はこう告げた。
「私は犯人がわかりましたよ。みなさん。」
その時、この宿の支配人が戻ってきた。
クラジュ・リウ「そのお話。少し聞かせてもらってもいいかな。クロヴァンさん。」
私は少し不安になったが、顔を変えずに堂々と話した。
私「犯人はマシュイーン・クレドさん。あなたですね。」
クレド「は?なんで俺なんだよ。言ってみろ。」
私「いいでしょう。堂々と言い返しても無機物は嘘をつかないんです。今から実験をするので見てください。」
私はさっきと同じように部屋で手に入れた茶色の毛をここにいるみんなに触れさせて、それぞれ感触を覚えさせた。
私「今触ったこの毛はふわふわしていたと思います。この毛の感触がそのままなら植物の毛、そうでなければ動物の毛であることを示しています。」
クレド「それがなんだって言うんだ?」
私「それは今からやるのでわかりますよ。」
私は茶色の毛を石鹸の水につけて、少し待ってから取り出して乾燥させた。
私「この毛の感触をどうぞ皆さん述べてください」
メリー「ゴワゴワしていますね。なんでこうなるんでしょうか?」
ペナン「ゴワゴワしてますね。」
クレド「確かにさっきと違ってゴワゴワしてるな。それであんたはなにが言いたいんだ?」
私「あなたの今着ているその服。動物の毛皮を使った服ですよね。他の皆さんは麻や綿と言った植物の毛です。この毛の感触がゴワゴワに変わったとあなたはハッキリ言いましたね。犯行現場にはあなたが居た可能性が高いですよね。」
クレド「は?俺以外にも動物性の服を着て...いや俺がそもそもどうやって殺すんだよ。」
私「あなた、漂白剤を持ち込みしてたみたいですね。マルドセンさんがさっき教えてくれました。」
クレド「っち...俺は服を洗うのに必要だったんだよ。」
私「へぇ...?動物性の毛に漂白剤を使ったら色が落ちますよね?なにを言ってるんですか?」
クレド「つーか、そもそもこの館に漂白剤が持ち込み禁止だったことは知らなかったんだよ。」
私「まぁ仮にそうだったとして、レモンを最近やたらと買っていたのは偶然でしょうかね?」
クレド「レモンを買うのは自由だろ!なんでそれで怪しまれなきゃいけないんだ!」
私はペナンさんに目を向けて少し目を細めた
私「ペナンさん、クレドさんとご友人ですよね。もしかしてとは思うんですが、クエン酸に漂白剤を加えたらどうなるかをお教えした過去はございますか?」
ペナン「...!」
私「ペナン...この辺では化学系の薬品を使うことが許されている家系の人として知られているのですが、あなたも例外ではなさそうですよね。見たところ。」
ペナン「私は...俺はッ!」
私はペナンさんがキレるのを察して食い気味に私の意見を述べた
私「さっきクレドさんが言ったレモンという前フリ、あなたは犯人がクレドさんだと感づいていたからこそ、あれだけあの時言い返したんですよね。」
私「もしそうであるならば、あなたは共犯ってことにはなりませんね。だって教えた時はきっとあなたはこんなことをするなんて知らなかったでしょうから。」
ここまでは私の憶測だ...これでいい方向に流れてくれ頼む...ペナンさんがここで私のことを信用して喋ってくれれば...なんとかなるかもしれないんだ!!
ペナン「はぁ...わかりましたよ。喋れば...いいんですね。」
ペナンさんは深い溜息をついた。
ペナン「はい。私はかつて化学系の研究室で働いていた過去がありました。その時クレドさんは配達員で、毎日顔を合わせているうちに仲良くなったんです。しかしある時、彼が漂白剤にレモン汁を加えようとしていたことがあって、それで...塩素ガスが発生することを教えました。」
マルドセン「塩素ガス!?」
メリー「粘膜に入って大変なことになるっていう...家事をしてると時々ツーンと臭うことがあって、あれが塩素ガスだと知った時は恐怖でしたね。」
私はペナンさんの発言を聞いて少し安心した。これで私の憶測はほぼ確実に合っていると言えるからだ。あとは殺害の方法...これは自白を迫ってみるか...。
私「ありがとうございます。ペナンさん。ところでクレドさん。あなた、レモンを購入して漂白剤を持っていましたね。レモンは柑橘類ですから、当然クエン酸を含んでいます。」
私「あなた、塩素ガスを部屋に充満させて殺したんじゃありませんか?」
クレド「は?塩素ガスを使った証拠はどこにあるんだよ!」
私「それは彼の死体を見ればわかります。彼の口からは泡が吹いていたんですが、これは陸上溺死と言って、陸上で溺れ死んだような症状であることを示しています。」
私「身の回りのもので出来る範囲で、かつこれと似たような症状を起こすには塩素ガスが一番手軽なんですよ。」
クレド「はぁ...なんだよそれ?」
私「消去法であなたしかいないんですけど、どうします?」
クレド「は?俺じゃない可能性だって有るだろ!」
私「部屋を探せばきっと殺したときに使った容器があるでしょうし、上から窓を開けるための長めの棒もあるでしょうね。自白した方が身の為ですよ。」
クレド「っく...」
私「ね、あなたなんでしょクレドさん。」
あくまで、これは私の憶測なんだ...穴が空いた理論だし、証拠もまだ少ない。理論の隙を突き詰められると絶対に逃げられる...このまま勢いで自白まで迫りたい...
クレド「っつ...もういいぜ。確かに俺がやったよ。俺はあいつが嫌いだったんだ!」
わお。。。意外とすんなり自白してくれたね。これは助かった。
クレド「俺は....あのデブが嫌いだった。配達員時代のときから俺のことを酷く扱いやがって。俺の家族にも手を出したんだ。復讐だよこれは!復讐!」
なんか...因縁がすごかったようだ。ペナンさんもどこか苦しそうな表情をしてるな。
私「クレドさん。それでも殺人は殺人です。ヒョウタン人に大人しく裁かれてください。」
私は少し自分の言ったことにヒヤッとしたが、堂々とした顔は変えなかった。
そうして帽子のつばをくいっと下げて宿の支配人の下へ向かった。
私「クラジュさん。時間通り解決致しました。」
クラジュ・リウ「ありがとう。まさかこんな無理難題を解決してくれる探偵さんがいるとは思わなかったよ。」
クラジュ・リウ「それにしても頭の回転が早いんだね。君は。」
クラジュ・リウ「犯人から自白させる方法も含めて、圧巻だったよ。」
私「いえいえ...私はたまたま...運良く当てられただけです。」
私「実際...ガバガバな理論展開だったので。迷探偵もいいところです...。」
クラジュ・リウ「まぁまぁ。それでも君が解決してくれたんだ。」
クラジュ・リウ「下の階で報酬を用意したからそれを受け取ってくれると嬉しいな。」
私「へ?報酬..?」
私は宿の支配人の言われた通り下の階へ来て10万ペルがそこには用意されていた。
私「こ...こんなお金...もらっていいんですか!?」
クラジュ・リウ「ええ構いませんよ。まさか本当に解決してくれると思っていなかったので。」
クラジュ・リウ「この後の旅長いのでしょう?クロヴァンさん。」
私「え...えぇ。まぁ...。」
クラジュ・リウ「君は本当にお母さんに似ているね。頑張ってね。」
私「へ?お母さん?それってどういう..」
クラジュ「それじゃ私はこれで...」
お母さんについてなにか知ってそうな言い回しだったが...クラジュさんは行ってしまった...
そんなことより睡眠を...って
もう日が登り始めてるじゃないか...
本当は余った時間でまた睡眠を取ろうと思ったのだが...
そうだとしても、早く私の母が遺したものを見なければ...この東の市場に必ずあるんだ。
---宿の入り口---
私「ありがとうございました。私はこれから市場の中央に向かいます。」
私は宿の支配人に別れを告げると、お礼のおまけにオレンジとリンゴを一つずつおみやげにと手渡された。
きっとこのオレンジとリンゴもどこかで役に立つだろう。私はそれをポケットにしまって宿の門をさっとくぐり外へ出た。
朝日が山の奥から上り始めているのがわかる藍色の夜空、吐息は白く外が非常に寒い事がわかる。しかし、早く母の遺したものがなんなのかを探らなければ!!
「私は犯人がわかりましたよ。みなさん。」
その時、この宿の支配人が戻ってきた。
クラジュ・リウ「そのお話。少し聞かせてもらってもいいかな。クロヴァンさん。」
私は少し不安になったが、顔を変えずに堂々と話した。
私「犯人はマシュイーン・クレドさん。あなたですね。」
クレド「は?なんで俺なんだよ。言ってみろ。」
私「いいでしょう。堂々と言い返しても無機物は嘘をつかないんです。今から実験をするので見てください。」
私はさっきと同じように部屋で手に入れた茶色の毛をここにいるみんなに触れさせて、それぞれ感触を覚えさせた。
私「今触ったこの毛はふわふわしていたと思います。この毛の感触がそのままなら植物の毛、そうでなければ動物の毛であることを示しています。」
クレド「それがなんだって言うんだ?」
私「それは今からやるのでわかりますよ。」
私は茶色の毛を石鹸の水につけて、少し待ってから取り出して乾燥させた。
私「この毛の感触をどうぞ皆さん述べてください」
メリー「ゴワゴワしていますね。なんでこうなるんでしょうか?」
ペナン「ゴワゴワしてますね。」
クレド「確かにさっきと違ってゴワゴワしてるな。それであんたはなにが言いたいんだ?」
私「あなたの今着ているその服。動物の毛皮を使った服ですよね。他の皆さんは麻や綿と言った植物の毛です。この毛の感触がゴワゴワに変わったとあなたはハッキリ言いましたね。犯行現場にはあなたが居た可能性が高いですよね。」
クレド「は?俺以外にも動物性の服を着て...いや俺がそもそもどうやって殺すんだよ。」
私「あなた、漂白剤を持ち込みしてたみたいですね。マルドセンさんがさっき教えてくれました。」
クレド「っち...俺は服を洗うのに必要だったんだよ。」
私「へぇ...?動物性の毛に漂白剤を使ったら色が落ちますよね?なにを言ってるんですか?」
クレド「つーか、そもそもこの館に漂白剤が持ち込み禁止だったことは知らなかったんだよ。」
私「まぁ仮にそうだったとして、レモンを最近やたらと買っていたのは偶然でしょうかね?」
クレド「レモンを買うのは自由だろ!なんでそれで怪しまれなきゃいけないんだ!」
私はペナンさんに目を向けて少し目を細めた
私「ペナンさん、クレドさんとご友人ですよね。もしかしてとは思うんですが、クエン酸に漂白剤を加えたらどうなるかをお教えした過去はございますか?」
ペナン「...!」
私「ペナン...この辺では化学系の薬品を使うことが許されている家系の人として知られているのですが、あなたも例外ではなさそうですよね。見たところ。」
ペナン「私は...俺はッ!」
私はペナンさんがキレるのを察して食い気味に私の意見を述べた
私「さっきクレドさんが言ったレモンという前フリ、あなたは犯人がクレドさんだと感づいていたからこそ、あれだけあの時言い返したんですよね。」
私「もしそうであるならば、あなたは共犯ってことにはなりませんね。だって教えた時はきっとあなたはこんなことをするなんて知らなかったでしょうから。」
ここまでは私の憶測だ...これでいい方向に流れてくれ頼む...ペナンさんがここで私のことを信用して喋ってくれれば...なんとかなるかもしれないんだ!!
ペナン「はぁ...わかりましたよ。喋れば...いいんですね。」
ペナンさんは深い溜息をついた。
ペナン「はい。私はかつて化学系の研究室で働いていた過去がありました。その時クレドさんは配達員で、毎日顔を合わせているうちに仲良くなったんです。しかしある時、彼が漂白剤にレモン汁を加えようとしていたことがあって、それで...塩素ガスが発生することを教えました。」
マルドセン「塩素ガス!?」
メリー「粘膜に入って大変なことになるっていう...家事をしてると時々ツーンと臭うことがあって、あれが塩素ガスだと知った時は恐怖でしたね。」
私はペナンさんの発言を聞いて少し安心した。これで私の憶測はほぼ確実に合っていると言えるからだ。あとは殺害の方法...これは自白を迫ってみるか...。
私「ありがとうございます。ペナンさん。ところでクレドさん。あなた、レモンを購入して漂白剤を持っていましたね。レモンは柑橘類ですから、当然クエン酸を含んでいます。」
私「あなた、塩素ガスを部屋に充満させて殺したんじゃありませんか?」
クレド「は?塩素ガスを使った証拠はどこにあるんだよ!」
私「それは彼の死体を見ればわかります。彼の口からは泡が吹いていたんですが、これは陸上溺死と言って、陸上で溺れ死んだような症状であることを示しています。」
私「身の回りのもので出来る範囲で、かつこれと似たような症状を起こすには塩素ガスが一番手軽なんですよ。」
クレド「はぁ...なんだよそれ?」
私「消去法であなたしかいないんですけど、どうします?」
クレド「は?俺じゃない可能性だって有るだろ!」
私「部屋を探せばきっと殺したときに使った容器があるでしょうし、上から窓を開けるための長めの棒もあるでしょうね。自白した方が身の為ですよ。」
クレド「っく...」
私「ね、あなたなんでしょクレドさん。」
あくまで、これは私の憶測なんだ...穴が空いた理論だし、証拠もまだ少ない。理論の隙を突き詰められると絶対に逃げられる...このまま勢いで自白まで迫りたい...
クレド「っつ...もういいぜ。確かに俺がやったよ。俺はあいつが嫌いだったんだ!」
わお。。。意外とすんなり自白してくれたね。これは助かった。
クレド「俺は....あのデブが嫌いだった。配達員時代のときから俺のことを酷く扱いやがって。俺の家族にも手を出したんだ。復讐だよこれは!復讐!」
なんか...因縁がすごかったようだ。ペナンさんもどこか苦しそうな表情をしてるな。
私「クレドさん。それでも殺人は殺人です。ヒョウタン人に大人しく裁かれてください。」
私は少し自分の言ったことにヒヤッとしたが、堂々とした顔は変えなかった。
そうして帽子のつばをくいっと下げて宿の支配人の下へ向かった。
私「クラジュさん。時間通り解決致しました。」
クラジュ・リウ「ありがとう。まさかこんな無理難題を解決してくれる探偵さんがいるとは思わなかったよ。」
クラジュ・リウ「それにしても頭の回転が早いんだね。君は。」
クラジュ・リウ「犯人から自白させる方法も含めて、圧巻だったよ。」
私「いえいえ...私はたまたま...運良く当てられただけです。」
私「実際...ガバガバな理論展開だったので。迷探偵もいいところです...。」
クラジュ・リウ「まぁまぁ。それでも君が解決してくれたんだ。」
クラジュ・リウ「下の階で報酬を用意したからそれを受け取ってくれると嬉しいな。」
私「へ?報酬..?」
私は宿の支配人の言われた通り下の階へ来て10万ペルがそこには用意されていた。
私「こ...こんなお金...もらっていいんですか!?」
クラジュ・リウ「ええ構いませんよ。まさか本当に解決してくれると思っていなかったので。」
クラジュ・リウ「この後の旅長いのでしょう?クロヴァンさん。」
私「え...えぇ。まぁ...。」
クラジュ・リウ「君は本当にお母さんに似ているね。頑張ってね。」
私「へ?お母さん?それってどういう..」
クラジュ「それじゃ私はこれで...」
お母さんについてなにか知ってそうな言い回しだったが...クラジュさんは行ってしまった...
そんなことより睡眠を...って
もう日が登り始めてるじゃないか...
本当は余った時間でまた睡眠を取ろうと思ったのだが...
そうだとしても、早く私の母が遺したものを見なければ...この東の市場に必ずあるんだ。
---宿の入り口---
私「ありがとうございました。私はこれから市場の中央に向かいます。」
私は宿の支配人に別れを告げると、お礼のおまけにオレンジとリンゴを一つずつおみやげにと手渡された。
きっとこのオレンジとリンゴもどこかで役に立つだろう。私はそれをポケットにしまって宿の門をさっとくぐり外へ出た。
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