全てを諦めた公爵令息の開き直り

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続編2 手放してしまった公爵令息はもう一度恋をする

82話 歓喜 ※

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「つらくは…なさそうですね。」
「は、気持ちい……はぅっ!!」

彼の手によって少しずつ開かれていく身体は。
長らく間が空いてしまっていたが、彼に優しくいやらしく導かれて、再び受け入れる事を思い出す。
気持ち良さに思わず腰が揺れるが、彼の長い指が奥にあるしこりを掠めた途端、僕は大きく背をしならせて仰け反った。

「此処でしたよね、貴方のイイところ。」
「あ、あ、あっ!や、だめぇ…ソコぉっ…あぁっ!!」

しこりをトントン、こすこす、と優しく嬲られ堪らない。
膝を抱えていた手に込めていた力が抜けてしまい抱えきれずに姿勢を崩したが、与えられる激し過ぎる快感に、腰は浮いて揺れてしまう。
より淫靡にベッドの上で跳ねていた僕は、簡単に達してしまった。

「…もう?早いですね。久々過ぎて溜まってた?……シリル?」

なんて。
速攻でイカされてしまった僕を揶揄う様にニッと笑ったサフィルは、でも直ぐにふわりとした笑みになって、とても嬉しそうだ。
だから、ちょっぴり意地悪を言われても、ムッとするどころか、とろけて瞳が潤んでしまう。

「だって、善かったから…。触れられて…嬉しくて。貴方に触れてもらえて、僕、僕…っ」

貴方に触れられて、全身が歓喜する。
嬉しくて、うれしくて。
頭の先から足の爪先にまで至る全てが、貴方の手によって可愛がってもらえて。
うれしくて堪らないんだ。

歓びに涙を流す僕を目にして、ハッとなったサフィルは、覆い被さる様にして僕をがばりと抱きしめた。

「嗚呼、駄目。可愛い顔をして、そんな事を言われたら。堪らないです。」
「僕も。……好き。やっぱり好き。大好きだ、サフィル。」
「……っ!」

強く抱きしめられて、愛おしい彼の首に縋り付く。
泣きながら想いを口にする僕に、彼は顔を上げると、言葉の代わりに濃厚なキスでもって応えて来た。
ひとしきり舌を絡ませて口付けを交わした後、彼は弾かれた様に身を起こし、急いでローブを脱ぎ、乱雑に床に放り投げる。
その様子を快感の余韻に浸りながら、どこかぼんやりと眺めていると。
目が合った彼は切なげに眉を寄せて見下ろして来て、肩を少し上下させて呼吸が早くなっている。
ゆるゆると視線を落とすと、大き過ぎないがしっかりと均整のとれた頼もしい胸板が、程よく割れた格好いい腹が。
そして、その下腹部に反り勃つ剛直は、一段と凶器で。
我慢し過ぎてはち切れんばかりに震えて、その先端の鈴口からは、たらりと先走りが流れてゆく。

ハッハッと短く息を吐きながら、ゴクリと喉を鳴らして迫って来た彼は、先程までの様に微笑みを向ける余裕がもう無いのだろう。
慎重に体を近付けて、まぶされた香油でぬらぬらと照り付ける僕のひくつくすぼまりに、まずはずちゅりと先端だけを付けて、その上の陰嚢をぬるりと掠めた。
彼の昂る息遣いに、僕もつられて息を弾ませる。
そして、もう一度脚を開き、膝を曲げ、その裏に手を入れて抱え上げる。
彼の綺麗なアメジストの瞳が、今は妖しく光り、その視線に射抜かれる。
興奮を抑えきれない彼を迎え入れる姿勢を取り、僕は己の藍色の瞳で見つめ返した。

…来て。

視線で伝えると、それに応えてくれた彼は、今度こそ来てくれた。

「んんっ!ん、ぁ、はぁっ」
「ふ…っうっ」

ずぷりと挿入して来た剛直は、指とは比べ物にならない質量で。
額に汗を滲ませ、僕の具合を見ながら、ゆっくりと挿れていく彼の苦悶と愉悦に歪む表情に、いつも胸をざわつかせ高鳴らされていたが、何度でも。
心奪われてしまう。
体の奥を開かれて、奪われ、犯される。
受け入れる初めは苦しくとも、それすらも悦びに感じる。
だって、その苦しい圧迫は、彼のモノで。
大きすぎて逞しい彼の硬く熱いソレで貫かれたら、もう。
彼の剛直に絡みつく自身の肉襞は、離さないとばかりにより絡みついていく。

そして、さっき彼の指で可愛がられてぷくりと腫れ上がったしこりをソレが掠めた途端、僕は苦悶に歪めた瞳を見開き、背をしならせて仰け反った。

「や、あ、あぁっ!!……お“っ?!」

イイ所を擦られて目の奥でチカチカと星が舞った。
そうしたら体の力が抜けて、その隙を狙って、サフィルの剛直がずぷぷっと一気に奥の奥まで挿って来て。
一瞬頭が真っ白になった。

それからはその屹立で突き上げられて激しく責められた。
いつもの穏やかさは鳴りを潜め、ギラリと光る欲に満ちた雄の貌で、ただひたすら貪られる。
その事に、欲を覚えた体は悦びを感じ。
僕は甲高い声で喘ぐ。
奥を突かれる激しさに、求められているという実感を得て、その歓びに涙する。
奥の奥にあるすぼまりに彼の剛直の先でゴツゴツと当てられて、開いた体を更に奥まで押し開かれて暴かれる。

「く…っ!シ、シリルッ…はっ、あっ」
「あっあっ……や、クる、キちゃうっ!……んああぁっ!」

ゾクゾクと強すぎる快感の波に呑まれて、せり上がって来たモノが、鈴口から弾けた。
白濁ではなく透明な潮を吹いて、その快感にきゅうっとナカを締めつける。
その刺激で奥が蠢き、どぷどぷと凄まじい量の精液を奥に注ぎ込まれた。

「また潮を吹けましたね。それも思い出してくれて嬉しい…。」
「あ、はっ…はっ……あ、うん。体は、覚えてたみたい。」

全力で貫かれる悦びも、受け入れて拾える快楽も。
そして、自分の中で快感を得て果ててくれた剛直は、自身の薄い腹を突き上げぽっこりと膨らんでいる。
自身のナカに彼の一部が居てくれて、それがどうにも堪らず嬉しい。
とても愛おしくて、ソレを外側からすりすりと撫でつける。

「そんな嬉しそうに撫でないで……。愛しい貴方にそんな風にされたら、また煽られてしまいますから…」
「あ、ごめん。でも…嬉しくて。」

蕩ける様な笑顔を向けられながら、とても困った声で呻かれる。
僕の負担を考えて、ナカから抜こうとされるけれど、言葉とは裏腹に、精を吐いて腹の奥で萎えた筈のサフィルのソレは、ずくりと芯を取り戻し始める。

「あぁ、抜かないで。もっと欲しい。この奥に、もっと頂戴。」
「…っ!でも…」
「おねがい、もっと……あっ!」

出て行こうとする彼の屹立をもっと自身のナカに留めて欲しくて。
もっともっと、突き貫いて欲しい。
なりふり構わずねだる僕は、両手を彼の首に回して、彼の腰に己の足を絡め、ギュッと強くしがみ付いた。
すると、ばちゅんっ!と腰を叩きつけられ、また彼は激しく突き上げて来て、僕をとことんまで愛でてくれたのだった。
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