Ring a bell〜冷然専務の裏の顔は独占欲強めな極甘系〜

白山小梅

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8 side高臣 Ⅱ

1-1

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 会議室から戻った高臣は、大きなため息をついて椅子に座った。パソコンを開き、先ほどまでの会議の資料を渋い顔で見直していた。

 そこへドアをノックする音と共に、茅島が部屋に入ってきた。

「お疲れ様です。だいぶお疲れのようですね」

 茅島がニヤニヤしているのを見ると、先ほどの会議の内容をどこからか聞きつけてきたに違いない。

「何か言ってたか?」
「専務が今日も容赦なかったとの意見をいただきました」
「仕事なんだ。真剣に取り組まない人間には、それ相応の対応をするさ」
「ということは、相当出来が悪かったと」
「あぁ、前回から内容がほとんど変わっていないんだ。相当この企画に自信があるのか推したいのかはわからないが、それにしても酷すぎる」
「あぁ、顧客層のニーズと企画を照らし合わせた資料を再度提出するよう言ってましたよね」

 高臣の横顔からパソコンを覗き込んだ茅島が顔を歪めた。

「確かにこれは酷いですね。資料は添付されてるけど、かなり前のものを使っていますよ」
「話にならないだろ? ここまで来ると職務怠慢としか思えない。一度抜き打ちで監査を入れた方がいいかもしれない」
「手配しておきます」

 茅島はそう言うと、すぐに頷いた。

「それからこちらの資料にも目を通していただこうと思いまして」

 胸ポケットから茶封筒を取り出すと、それを高臣に渡す。封筒はどこにでもあるものに入れ替えてあったが、それがあの製菓工場跡地に関するものだということはすぐにわかった。

 高臣は封筒を受け取ると中身を取り出し、目を通していく。そして途中まで読んだところで、目を見開いた。

「……茅島はこれを読んだのか?」
「ええ、一応やり取りしているのは私なので」
「どう思った?」
「そうですね。こういうやり口の詐欺は増えているそうですが、ただ……似てますね、お祖母様の事件と」
「俺も同じことを思ったよ」

 調査資料は、弁当屋があった長屋の土地の所有者からの聞き取り内容だった。それから土地の売買契約の内容、時期などが書かれていた。
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