Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜

白山小梅

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5 同行〜残された一週間〜

4-1

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* * * *

 着る物がなかった六花は、とりあえず昨夜のドレスに着替えて買い物に出かけようとした。一人で行くつもりだったが、また逃げ出すのではと警戒した宗吾がピタリと張り付いて来たので、仕方なく彼と二人で店を回ることにした。

 とりあえず動きやすい服を手に取っていると、宗吾は不思議そうにその様子を眺める。その視線が気になり、六花は怪訝な顔になった。

「何?」
「いや、なんか六花っぽくないなって。前はもっと違う感じだっただろ?」

 そう言われてハッとする。宗吾の中ではあの頃の私で止まっているんだーーそれに彼が好きなのはきっと昔の私みたいな女性なのよね……。

「あの頃からもうすぐ二年経つのよ。好みだって変わるんだから」

 正確には"好み"ではなくて"生活"だけど。どうせバレるのなら、隠すのではなくて正直に話してしまった方がいい。

「確かにね。でも六花が俺好みの服ばかり選ぶからびっくりしただけ」
「……宗吾の好み?」
「そう。こういうナチュラル系っていうの? すごく好き」
「……そうなの?」

 てっきりきれいめ系が好きなのかと思っていたから、六花は拍子抜けしたように下を向く。そっか、今の私の服装は、宗吾の好みだったんだ……そう思うだけで少し安心した。

 下着売り場でも同じように普段使いの出来るシンプルなものを購入しようとしたが、そこは強く静止されてしまう。

「いや、せっかくだし、こういうタイプがいいと思う」

 宗吾が選んだのは刺繍が鮮やかに施されたもので、ショーツとセットになっているものだった。六花の話も聞かずに勝手に悩み出したので、呆れたようにため息をつく。

「そんなものは選びません」
「俺が買うから気にするな」
「……なんで宗吾が選ぶのよ」
「そんなの、聞かなくたってわかるだろ?」

 宗吾が不敵な笑みを浮かべたものだから、六花はドキッとして顔を背ける。それは……そういうことになるって言いたいの?

「意味わかんない」
「わかってるくせに」

 だとしても、それは私次第って言ったじゃない……まるで六花が堕ちると思っているような言い方に困惑する。その自信は一体どこから来るのよ。

 六花が悶々と考えている間に宗吾が会計を済ませてしまったので、手渡された袋の中に一体何組の下着が入っているのかわからず、六花は更に悶々とするのだった。
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