不遇の花嫁は偽りの聖女を暴く──運命を切り開く契約結婚

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── フィオナとの最終決戦 ──

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 シュヴァルツ公国の王都を見下ろす大広場は、幾重にも敷かれた石畳が磨き上げられ、日中は人々の行き交う活気に満ちている。だが、その朝ばかりは不気味な閑散とした空気が漂っていた。誰もが外へ出ることをためらうかのように家の扉を閉ざし、街角には兵士の姿があちこちで見られる。

 というのも、昨夜から正体不明の“異様な気配”が王都全域を覆い始めていたのだ。闇に染まった瘴気めいた風が吹きつけ、人々は理由もなく胸騒ぎを感じ、外出を控えるようになっていた。
 
1. フィオナの最終手段
・追い詰められたフィオナの禁術
 王宮の廊下でも「何かが起きるのでは」という不安が渦巻いている。既に闇の魔道使いであると知られた“聖女”フィオナの行方が捜索されていたが、いまだ捕捉できずにいた。

 そんな中、宮廷の一角から悲鳴が上がったという報せが飛び込んでくる。駆けつけた兵士たちが見たのは、笑みを歪めたフィオナが、邪悪な魔道の光を纏って浮遊する姿――。

「あなたたちがいくら追ってこようと、もう手遅れよ。わたしはこの国全体を生贄に捧げ、新たな力を得るのだから!」

 フィオナは口元を赤黒く染め、狂気じみた声で嗤(わら)いながら宣言する。辺りには倒れ伏した数人の兵士の姿があり、息も絶え絶えに苦しんでいる。彼らの生気はほとんど奪われてしまったのだ。

 そして、その背後には異様な紋章が浮かび上がっていた。複数の円環と古代文字を組み合わせたような禍々しい紋章が中空に描かれ、そこから赤紫の閃光が放出される。

「最強の禁術……“血涙の大儀式(ブラッディ・ティアーズ)”! 王宮内外すべての者たちよ、その血と命をもって、わたしの力の糧となるがいい!」

 フィオナが叫ぶと同時に、紋章の中心から稲妻じみた闇の力が走り、宮殿の壁に爪痕を刻む。巻き起こる衝撃波により、兵士や侍女たちは吹き飛ばされ、瓦礫が散らばる。

 こうして、フィオナの“最悪の手段”がついに発動してしまった。王都の中心を揺るがす闇の魔力は、まるで渦を巻くように空へと立ち上り、“生贄”を得ようと吸い込み始めている。
・公宮内外に広がる混乱
 王宮に近い市街地では、突如として空が灰色に曇り、街道のあちこちで人々が原因不明のめまいや体調不良を訴えて倒れ始めた。厩(きゅう)で飼われていた馬や家畜までもが怯え、茫然と目を血走らせている。

「なんだ、どうしたんだこれは……!?」「気分が悪い……助けてくれ……!」

 家から出てきた市民たちも次々と膝をついてうずくまり、低い唸り声を上げる。まるで生命そのものが吸い取られるかのように、疲労と苦痛が襲うのだ。

 やがて、王宮の大広間へ避難していた人々の間でも、不安の連鎖が急速に広がっていく。子どもを抱えた母親が「聖女様はどこなの……?」と泣き叫び、老いた貴族は「こんな呪い、信じられん……!」と唸る。

 “聖女”と称えられたフィオナが、実はこの国を呪いに陥れていた――その事実をにわかには受け入れられない者たちも少なくない。しかし、現実に今、王都が壊滅的な危機に瀕しているのは誰の目にも明らかだった。
 
2. ラウルの危機とセレスティアの覚醒
 闇の光が渦巻く王宮の一角で、ラウルとセレスティアは配下の騎士団を率いてフィオナを捜索していた。生贄を増やさせるわけにはいかない。彼女が“血涙の大儀式”を完成させれば、王都どころかシュヴァルツ公国全土が滅びに等しい被害を受けるだろう。

 「セレスティア、負傷者を救助するよう皆に指示してくれ。俺はフィオナのいる場所を突き止める!」

 そう言い残して前に走り出たラウルを、セレスティアは振り返りつつも承諾する。

「分かりました。でも、どうか気をつけて……!」

 しかし、その直後――。次の瞬間、彼女の視界に衝撃的な光景が飛び込んでくる。闇の裂け目のような空間から伸びた“触手”じみた黒い蛇が、まるで狙ったかのようにラウルへ襲いかかった。

 「ラウル様っ!!」

 セレスティアの悲鳴がこだまする。ラウルは剣を振りかざして応戦するが、黒い触手は奇妙な動きで蛇行し、その身体をがんじがらめに捕縛していく。そこから放たれる瘴気が、ラウルの生気を奪うかのように体を痺れさせた。

「ぐっ……離せ……!」

 渾身の力で剣を振るうも、黒い霧はラウルの腕から力を奪い取る。次第に抵抗が弱まり、彼の瞳がぼんやりと霞んだようになる。やがて、力なく倒れ込み、昏睡に近い状態へと落ちてしまった。

 「ラウル様……だめ、目を開けて……!」

 必死で駆け寄るセレスティア。だが、黒い触手はラウルを絡め取ったまま再び闇の裂け目へと引きずり込もうとする。

 そのとき、不意に空間が歪み、フィオナの声が響き渡る。

「愛していたのに、ラウル様……。けれど、あなたがわたしの手を拒むなら、永遠にわたしの“生贄”として閉じ込めてあげるわ!」

 辺りに響くフィオナの怨嗟に満ちた笑い声。セレスティアは涙がこぼれそうになるのをこらえながら、必死でラウルの腕を掴む。

「ラウル様を返して……やめて!!」

 黒い触手はそれでもなお、ラウルの身体を覆い尽くすように絡まり、今にも闇の中へ呑み込もうとする。
セレスティアが“真の聖女”の力を最大限に解放

 もはや一刻の猶予もない。セレスティアは自らの胸元にあるペンダント――翠曜石(すいようせき)を握りしめ、強く強く祈る。

 (どうか……どうか私に力を貸して。ラウル様を救いたい。国を、この人々を――誰も傷つけさせたくない!)

 必死の願いと共に、セレスティアの身体から眩い光が広がり始めた。まるで母の腕に抱かれた幼少期の記憶が呼び覚まされるように、彼女の心の奥底に“優しく尊い力”が湧き出してくる。

 彼女が認め、受け入れた“真の聖女”としての使命。その瞬間、ペンダントの石が輝きを増し、セレスティアを中心にまばゆい金色の光輪が現れた。

「光よ……ラウル様を、救って……!」

 セレスティアの声は震えながらも高らかに響き、その光は黒い触手を一本ずつ焼き尽くすかのように弾き飛ばしていく。触手が絶叫めいた悲鳴を上げ、やがて闇の裂け目と共に霧散した。

 救い出したラウルを抱きとめるセレスティア。彼の瞳は閉じられており、依然として昏睡状態に近い。だが、少なくとも闇の空間に呑まれずに済んだのだ。

「ラウル様……!!」

 セレスティアは震える声で呼びかけるが、応答はない。けれど、その胸の鼓動はまだ微かに刻んでいる。

 (助けなきゃ……絶対に助ける……!)

 彼女は自身に宿る“聖なる力”に意識を集中させる。これまで知らずに眠らせていた力を、すべてラウルの救命へと注ぎ込む思いで。
 
3. 聖なる力と禁術の激突
 次の瞬間、上空から轟音が響きわたる。フィオナが最強の禁術を完成させるために、王宮の外郭付近の塔の上に陣取り、そこで大規模な儀式を始めたのだ。無数の黒い雷光が塔の頂を貫くように炸裂し、天を蝕む暗雲が回転する。

 「あそこが……フィオナの本拠地ね……!」

 セレスティアはラウルを近衛騎士たちに預け、下がらせようとする。すると、意識の薄いラウルが微かに唇を動かした。

「セレ……スティア……危ないから……おまえは……」

 しかし彼女は首を横に振り、ラウルの手をそっと握る。

「ラウル様、私は行きます。あなたを、そしてこの国を守るために……。あなたも絶対に戻ってきて。待ってるから……!」

 愛する人のため、恐怖を押し殺し、セレスティアは天空を覆う闇の中心へ向かう決意を固めた。翠曜石のペンダントを握りしめ、その光を頼りに駆け出す。
セレスティアとフィオナ、聖なる力と邪悪な魔道の激突

 塔の頂上は、闇の儀式が進行する生々しい光景だった。石畳には無数の魔道紋が刻まれ、いくつもの生贄の痕跡が点々と残されている。渦巻く瘴気に耐えながら、セレスティアは声を張り上げた。

「フィオナ……! あなたの邪悪な儀式、今ここで終わらせるわ!」

 黒紫の衣装をまとい、血のように赤い魔力を纏ったフィオナが振り返る。彼女の瞳は狂気と恨みが入り混じり、絶対的な力をたたえている。

「セレスティア……おまえなどに何ができる? ラウル様も、もう意識を失ったまま……あなたは孤立無援よ!」

 フィオナの指先が振り下ろされると同時に、塔の周囲にある魔道紋が紫の稲妻を放ち、ドーム状の結界が形作られていく。

「ここは、わたしの“領域(フィールド)”……。好きに踏み込んだ代償を、しっかり払ってもらうわ」

 フィオナは大きく腕を広げ、再び“生気を奪う呪術”の力を高めていく。下界では、市民や兵士たちが次々と衰弱し始め、塔の周囲で苦しみの声を上げているのが断片的に聞こえてくる。

 「これ以上、犠牲を出させない……!」

 セレスティアは決死の思いでペンダントを握り、力を解放する。淡い金色の光が結界の内側でぶつかり、フィオナの邪悪な力とぶつかり合った。

 「っ……聖なる力……っ!」

 フィオナの目が怒りに燃える。それでも彼女は不敵な笑みを崩さない。無数の闇の触手が塔の足場をえぐり、セレスティアを絡め取ろうと勢いを増していく。

 しかしセレスティアも退かない。苦痛に耐えながら一歩ずつ前進し、両手を胸元に重ねて祈りを捧げる。
(どうか、私にこの国を守る力を……! ラウル様を、皆を救いたい!)

 瞬間、金色のオーラがセレスティアの周囲を広がり、フィオナの闇に襲われた石畳をきらめく光で浄化していく。闇の触手が浄化の炎に焼かれるように消滅し、フィオナの結界が震動し始めた。

「くっ……まだよ! 私には積み上げてきた力がある……聖女なんて偽りの肩書きでも、この魔道だけは本物なのよ!!」

 フィオナは力任せに闇の紋章を描き、黒い稲妻をセレスティアに叩きつける。セレスティアは苦しげに膝をつきながらも、その光を祓(はら)うように祈りの術式を重ねた。

 激しい雷鳴が塔の頂きを揺るがし、石の破片が宙を舞う。結界の中は狂乱の魔法戦と化し、二人の力の衝突が灼熱の閃光を生み出す。
セレスティアの奇跡が邪悪な魔道を打ち破る

 やがてフィオナの怒声が響き渡る。

「こんな……こんな聖なる力で……わたしを封じ込めると思うな……!!」

 しかし、その言葉とは裏腹に、フィオナの魔道の流れが徐々に乱れ始めていた。濃密な闇のオーラは、セレスティアの放つ聖光に浸食され、跡形もなく浄化されていく。

 決定的な一撃――セレスティアは泣きそうなほどの痛みに堪えながら、ペンダントの力をさらに解放する。すると彼女の背後に、まるで翼のような光の具現が広がり始めた。

「……これが、“真の聖女”の力……!」

 明確な自覚と共に、セレスティアは祈りをこめた詠唱を口にする。清廉なる光が巨大な鳥の姿を結び、フィオナに向かって突撃する。

「そんな……嘘でしょ、こんなことが――!!」

 フィオナの瞳に恐怖が宿る。必死に闇の柱を立ち上げ防御しようとするが、聖なる力はそれを難なく貫き、真っ向から彼女を包み込んだ。

 「ぎゃああああぁぁぁ……!」

 悲鳴と共にフィオナの身体が宙に浮き上がり、闇の紋章が次々と剥がれ落ちていく。まるで腐食した鎧が砕け散るように、フィオナを覆う魔道の衣が崩れ去った。

 眩い閃光が塔の頂を覆い尽くし、しばらくして沈黙が訪れる。結界が音を立てて崩壊し、夜明け前の空が姿を見せる。

 倒れ込んだフィオナは、もはや闇の力を失い、ただただ無力に横たわるだけだった。僅かに生気は残されているが、邪悪な魔道は完全に消滅し、力を奪われた“聖女”の面影は最早ない。

 そして、セレスティアは膝から崩れ落ちるようにその場に座り込み、大きく息を吐いた。最後まで出し尽くした力で、視界が霞むように揺らぐ。

 「……やった……の……?」

 確かな手応え――フィオナの最強の禁術“血涙の大儀式”は、ここに崩壊したのだ。
 
・結び
 塔の下で待機していた兵士や侍女たちは、結界が消え去るのを見届けると、一斉に歓喜の声を上げた。闇に覆われていた空が晴れ、衰弱していた人々も次第に回復の兆しを見せはじめる。

 ラウルも半覚醒のまま騎士たちの手を借りて駆けつけ、塔の上に倒れ込むセレスティアを抱き起こした。

「セレスティア……おまえがやってくれたんだな」

 その声に、セレスティアはかすかな微笑を返す。

「ラウル様……無事で、よかった……」

 重傷を負い、血の気の失せた顔色をしながらも、ラウルはセレスティアの手を握りしめ、深く息を呑む。

「ありがとう。おまえはこの国の“真の聖女”だ。俺も……心から誇りに思う」

 折れかけていたラウルの心が、セレスティアの強さによって救われたのだ。ふたりは互いを抱きしめ合い、しばし時を忘れる。あちこちで立ち尽くしていた兵士や侍女たちも、ふたりの姿を見て安堵の涙を浮かべる。

 生贄の儀式により瘴気が充満していた王都は、光の浄化が行き渡り、少しずつ正常を取り戻し始める。フィオナの魔道に染まっていた者たちも手入れが進み、ここから再建と復興が始まるだろう。

 こうして、シュヴァルツ公国にとって最悪の危機は去った。邪悪な魔道を振り払うかのように、朝焼けが塔の頂を照らし出す。

 セレスティアは疲労から意識を失いかけながらも、ラウルの腕の中で最後の力を振り絞るように微笑む。

「……ラウル様、私……あなたと一緒に、みんなで……この国を……守れて……」

 言葉は途切れ、とろけるように眠りへ落ちていくセレスティア。しかし、その横顔は安堵と達成感に満ちていた。

 “真の聖女”として覚醒し、奇跡を起こしたセレスティア。彼女の意志と行動力は、深い闇の中に光をもたらし、愛する人と国を救ったのだ。ラウルはそんな彼女を、もう決して離さないと心に誓う。

 ――夜明けの鐘が高らかに響き、王都に新たな朝が訪れる。フィオナとの最終決戦は、こうして幕を閉じ、セレスティアとラウルは絆を深め合ったまま、次に来る“新しい未来”を迎えようとしていた。

 その光景は、長い暗闇からようやく抜け出した国全体の希望を象徴しているかのようだった。まだ多くの課題は残っているが、ふたりの決意と愛があれば、必ず乗り越えられるだろう。さしこむ朝日のなかで、セレスティアとラウルは静かに手を重ね合い、互いの鼓動を確かめるように寄り添っていた。
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