平凡OL、突然 “魔王の花嫁” に選ばれる~悪役エリートを更生させて成り上がる方法~

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第九章 後半 王城での作戦会議

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 翌日、私たちは王城へ戻り、さっそく大規模な作戦会議を開いた。王城の軍幹部や側近、地方領主の代表たちも召集され、広い会議室には重苦しい空気が漂う。
 魔王が壇上に立ち、強い調子で語り始めた。
「強硬派は近いうちに“実力行使”へ踏み切るだろう。国境を荒らし、あたかも人間界に攻撃されているかのように演出し、民衆を扇動する。そうなれば我々は内乱と対外戦争の二正面を強いられ、国は壊滅の危機に陥る。……それだけは絶対に防がねばならない」
 居並ぶ幹部や領主たちは、厳粛な面持ちで耳を傾ける。
 続けて魔王は、現在把握している強硬派の拠点位置や兵力を説明し、可能な限り血を流さずに彼らを包囲・制圧する作戦を提案した。しかし、それでも「多数の軍を動かす」ことに変わりはない。一気に優位を取れれば良いが、遅れを取れば国中が戦乱に巻き込まれる危険が高い。
 会議の途中、ある老齢の貴族が声を上げる。
「ですが魔王様、実際に軍を展開するならば、多くの兵士や民兵を戦場へ送ることになります。強硬派は国境付近で“人間からの侵略”を煽っておりますが、同様に人間界がこちらを“魔族の侵略”と見做して動き始めたらどうなさるおつもりですか? 国際的な衝突へ発展しかねません」
「わかっている。だからこそ、並行して“人間界への使者”を拡充する予定だ。誤解を解き、可能な限り相互不干渉の合意を取り付けたい」
「無事に話が通じればよいのですが……」
 不安の声は絶えない。しかし、ここで何もしなければ強硬派の思うつぼだ。魔王は歯を食いしばるように唇を結んで、全員を見渡す。
「俺は、先代の侵略路線を断ち切ると宣言した。この国を未来へ進めるためには、強硬派のような過激な勢力をこれ以上放置できない。もちろん、理想を語っているだけでは動かせない者もいるだろう。だからこそ、全力でやるしかない。……皆の協力を頼む」
 しんと静まった会議室。やがて幹部の一人が席を立ち、拳を胸に当てながら魔王を仰ぐ。
「魔王陛下のお考えは理解しました。私も先代の血生臭い時代を知る身として、これ以上の惨劇は避けたいと願っております。……微力ながら、お力になりましょう」
「私も賛同します。強硬派を野放しにしては、この国に未来はない」
 他の領主も次々と賛意を示す。それを見届け、魔王は深く頷いた。
「感謝する。では、すぐに作戦の具体的な立案に移る。軍を指揮する中心メンバーは……」
 会議は夜遅くまで続き、包囲網のタイミングや人間界への使者派遣など、多岐にわたる検討が行われた。私もできる限りの資料整理や根回しを手伝い、少しでも会議が円滑に進むよう努める。
 こうして、強硬派の反乱を鎮圧するための大規模作戦が、いよいよ本格的に動き出したのだった。
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