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波状攻撃爆散
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しおりを挟む大人達が本格的に動き始め…とりあえず清牙にやる事が出来たので、拓斗を抱いている事が出来ず…。
まあ、情操教育所上宜しくないメンバーの言動にさらされつつ、何してるかさっぱり分からない中抱っこでウロウロも飽きるだろうと、拓斗は塩野君が子守をしていた。
「塩野君。ごめん」
本来、明日も移動がない為、荷物受け取って戻ってきてくれた塩野君は、そのまま休日に入っても良かったのだけど、部屋に戻っても寝るだけなのでと、拓斗の子守を買って出てくれたイイ人である。
塩野君がダメだった場合、夏芽君がやっていた。
その夏芽君は、これから、ゆっ君に何か言われており、動いていく模様。
「いや、自分見て笑ってくれる子供は貴重ですから。希更ちゃんの年の子でも、泣きそうになりますし」
塩野君、警護班では一番温厚で優しいのに。
まあ、横にも縦にもごっついけど。
成人男性を見慣れていない拓斗からすれば、多少の強面はさしたる問題ではなかったらしい。
先に、色々インパクト強すぎる清牙に詰め寄られているので、多少の事では動じなくなっているのかもしれないけど。
後、結構激しい遊びも好きだった模様。
高い高いのひねり一回転だの、急滑降急浮上だの、清牙がすると周りが不安になるが、塩野君だと安心して見ていられる…見ていなくても、大丈夫と思える不思議。
「ママ」
タテに気が付いて走り…走ってんね。
幼児なのに、ちゃんと走れてる。
「はぁい。楽しい?」
「あい。ぶーんした! どーんして、びゅーんなって、ゆらゆらポンポン」
楽し気に手足ばたつかせて一生懸命話す拓斗を抱き上げ、タテは笑顔で言い切った。
「うん、意味わかんないねぇ」
「「え?」」
子供二人の驚きの声に、笑ってしまう。
「親だからって何でもかんでも分かる訳じゃないの。でも、楽しかったってのは伝わった。それをママに報告したくて、今出来て嬉しい。それが分かれば十分でしょ」
「そんな、もん、なんだ」
玲央君が物珍しい、眩しそうに、拓斗を抱くタテを見る。
「乳児脱したばっかの子供の言葉、2割理解出来れば十分だって。ほぼ、意味分かんないのに、適当に相槌打っているだけだって。意味分かんなくても、話聞いてる、目を見て笑い合うのが何より大事」
スマホ見ながら目も合わせない生返事なんてのは以ての外だけど、子供がご機嫌なのか、機嫌悪いのか、それさえ分かれば十分だって。
「イイ年した大人達だって、話さないと伝わらない。だけど、話したからって正確に伝わる訳じゃない。それで理解する努力を辞めたら、終わり。だからって、何でもかんでも一気に理解しようなんてのも、現実無理。ただの一方的な思い込みで終わる」
人と人が分かり合うには、時間がかかる。
それが親子だろうが、血の繋がりがあろうがなかろうが。
「会話って難しいよね。面倒だったり、うっとおしかったり、今それ言うなよって思うかもしれない。けど、タイミング見計らってたら、必要な事を言えないまま終わるかもしれない。何かを間違ったまま、止められないまま、見逃して、取りこぼしてしまうかもしれない」
特にお忙しいあの方達なので、会話をする時はいつも、突然、なんだろう。
そして、いきなり、重いのがガツンと来る。
だって、様子探ってそれとない会話から…なんて、やってる時間ないし。
それをやる手間を、親子だから…面倒だったり照れ臭かったりで、省いてしまう。
忙しさを理由に。
お互いを探る、その過程の相手の反応に怯えて。
「決定的に抉る話がいきなりくれば、躊躇うのは当然。反発心が起きない方がおかしい。だけど、話は聞こうか。意味が分からなくても。頭に来ても、ムカついても。それで、結論出す必要はないし、後回しでもイイ。取り敢えずは話を聞いて、理解する努力をするの。理解出来ないなら分からないって、何度でも聞けば良い。話せば良い。それを相手が投げたら、その程度だって思えばいい。そんなの繰り返して、自分の中でこれ以上ないってぐらい我慢した結果、あり得ねぇ思ってから、爆発すればいい。怒っていいし、喚いていいし、暴れろ。どうしようもなくなったら、断ち切れば良い」
玲央君はまあ、聞くまでもなく、親双方に、複雑過ぎる環境感情がある訳で。
親と全く確執がない子供の方が、珍しい。
確実な、安心安全を確保したい親と、知らない新しい事をしてみたい子とでは、ぶつかり合って、その中で、折り合うしかないのだ。
お互いに。
もしくは、お互いを放置する。
完全離別して表面上取り繕うか。
それすらも放棄して、一方的に隷属させるか。
それに見切りをつけて、切り捨てるか。
「親を捨てて見殺しにした私が、偉そうなこと言うのは、不味いんだろうけどね」
玲央君も璃空君も、ぎょっとした顔をする。
そうか、周りはそこまで教えてないのか。
希更だって、その辺り理解出来てないしな…。
美凉華はそれとなく、知ってるみたいではあるんだけど。
姉ちゃんも、聞かれない限り、わざわざ言わんだろうし。
「理解したいと少しでも思えるなら、努力すればいい。言われる間もなくしてるだろうし。けど、努力して、し尽くして、疲れてどうにかなるくらいなら、捨ててしまえばいい。案外、どうとでもなる。まあ、死んだ後も面倒だったりもする。だからって、生きてる間に阿保続ける親を止める努力をしたいかと言えば、更にぶっ殺したくなる事もあったりもして、複雑なんだよ。まあ、血縁なんてそんなもんじゃない? 無条件じゃない。けど、当たり前にある前提と、世間体とでガッチガチに押し付けられて息苦しい。それにどこまで耐えるかは、自分で決めて良い。決めなきゃいけない。その責任を負うのも自分。感情に関しては、誰も代わっちゃくれないんだし」
「おおっ、カエちゃんが珍しく、自分の事一杯喋ってる!」
「タテ?」
お前、まだお仕置き足りないようだな?
「塩野君、今からラジオ体操します。ここのお馬鹿3人を、体育大方式でビシバシ殺って下さい」
「え?」
「全力で」
「いや」
「音楽スタート!」
スマホ弄ってラジオ体操開始。
「え?」
未だ戸惑っているらしい塩野君を見て頷く。
「本気で」
「整列!」
びしっと響く塩野君の声に拓斗びっくり。
だけど、さっきまで遊んでくれてたお兄さんににっこり笑われて、足にぴったりくっついた。
驚いたけど、曲も流れて、なんか、何があるのかって、楽しみになってきたらしい。
「気を付け!!」
腹から響く怒号は流石、学生時代その前からも続く完全運動部体質。
だよね。
そうこないと。
「背筋、腕! 足を締める!」
塩野君の言葉に、子供達は戸惑いつつ、素直に従ってるが、それを見て関係なさそうにのんびりしているタテのケツを蹴り上げる。
「カエちゃん、酷い」
「今度は本気で蹴る」
「いや」
「塩野君警棒」
「え? いや、そこまでは」
「こいつは「やります! 本気でやります!!」」
やっとタテもびしっと動き、ママまで何かやり始めたので、拓斗も見様見真似。
わちゃわちゃ動く子供は可愛いねぇと、私はのんびり、細かく角度から指先から神経に力籠めまで、調整されまくっている3人尻目に体を解す。
2回やったところで、タテが力尽きてヘタタリこんだ。
「塩野君優しい」
「いや、いきなり本気では出来ません」
「「「え?」」」
なに、驚いてんのかね?
「体育大、入学からの一週間、授業全部、休み無しで全力ラジオ体操エンドレス、やるとこあるらしいよ」
学科関係なく、指先から爪先、首肩の角度まで、専用の三角定規みたいなので細かく図られながら。
どんな運動部の奴らでも、初日で筋肉痛でのたうち回るとか、ならないとか。
ラジオ体操は全身運動なんだって言ってた。
種目によって、良く使う筋肉使わない筋肉違ってくるから、全神経集中して全力でやると、1回で死ねるんだそうな。
「ママ、ねんね」
拓斗はなぜか、息切れで項垂れるタテの背中を叩き始める。
なぜに、寝かしつけるのか?
「このまま柔軟やるよ」
「えええっ」
文句が多い。
若干、エロガキの目が輝いた気がしないでもないが、もう、気にしない。
「タテ、座って足伸ばして、手」
「ああ、昔やった」
そうだね。
足裏お互い揃えてくっつけて、両手取り合って引っ張り合って?
甘いな、タテ。
「…ああああっ!」
雲泥の差がある柔軟性。
それをそのまま利用して、タテの両手を思いっきり引っ張りぬく。
当然、反対に引かれたところで、こっちは痛くも痒くもないし。
「はい、拓斗ママの背中乗れ」
「楓さん。いきなりやると、筋痛めますから」
ですねぇ。
分かっててやってます。
大丈夫。
私の柔軟性は結構あるが、筋力も無ければ腕力もない。
そんなに大袈裟な結果にはなりません。
「アンタ、ホントに、身体硬いね」
絶対、床に手がつかないだろ。
「ママ?」
「うん、ママ。もうちょい頑張れるから」
「ママ!」
「いやいや、楓さん」
塩野君が、タテの背中でべったり張り付いて喜んでいた拓斗回収。
やっと息をついて体を起こしたタテは、恨みがましい涙目。
文句言いたい。
だが、痛みと息苦しさでそれどころじゃないらしい。
「ほら、エロガキもやれ。特に璃空君」
「はーい」
返事したのは玲央君。
「痛くしないで」
可愛い子ぶった璃空君がわざとらし過ぎる。
男の子、だね。
「うん、痛くだね」
「いっっっっっ!!」
璃空君返事は良かったものの、悲鳴も見事。
タテより酷い硬さ。
ほぼ腰、曲がっていません。
身体が下向きません。
「えいっ」
復活早過ぎなタテが、全く曲がってない璃空君に抱き着いて押し潰し、固まった。
まあ、曲がってないのは変わってないけど、痛そう苦しそうが無くなり、目を大きく見開き、真っ赤な顔ではあはあ。
「いいなぁ、それ」
「そっちもしたげようか?」
「え?」
だからどうして、玲央君は言いながら私を見るのか?
「類友?」
お前らぁ。
「塩野君、サバ折にしてしまいなさい」
「それ、プロレスですから。自分は柔道と空手なので」
まあ、細かいことは良いじゃない。
そのまま、全く開脚になってない、90度も怪しいタテと璃空君の2人を尻目に、時間をかけて柔軟をやる。
本気で声出しながら柔軟やると、全力ラジオ体操ほどじゃないけど、十分キツイ。
「曲げながら声出して、曲げてる間声出す。身体起こしながら息を吸い、一旦止めてからまた吐き出し、一瞬でなるべく多く酸素取り込んで、また身体を倒す」
「痛っ、たく、と、痛いから」
「ママ、ばれぇ」
応援のつもりなのか、背中に乗られるタテ。
「っっっっ!!」
声出しながら倒せ言ってるのに、全く声が出ていない璃空君。
塩野君の介助により、やんわり責められている模様。
玲央君は問題なく柔いので、柔軟は問題なし。
問題は…。
「塩野君、背後から、夏場のワンちゃんみたいな気配がする」
そう、さっきから、ハアハアと迄は言わないけれど、はっはっはっと、呼吸音が複数聞こえる。
「あの、皆さんで見てます」
塩野君の完全に視線を逸らした言葉に振り替えるより先に、重い何かに潰される。
「おっ、本当に柔くて、え? おっぱい潰れてる? 塩野! 前どうなってる!?」
「自分に聞かないで下さい!!」
塩野君逃亡。
「がおっ」
「お、俺に上んのか? カエのおっぱい益々潰れてね?」
「おおっ、いや、潰れてるけど…ねぇさん、身体完全に床、付く日無いんじゃねぇの?」
「マジか!? 代われ!!」
「え? 俺上乗って揉むのか?」
「馬鹿、突っ込めねぇだろ」
何が、だよ。
「おっ、もぉぉ、いぃぃぃぃっ!!!」
清牙が拓斗動かして体勢を変えた瞬間を狙って立ち上がる。
そして、希更に遠慮も呵責もなく潰され悲鳴を上げるタテに、慧士君に頭を踏みつけられる玲央君。
塩野君の傍に逸早く逃げた璃空君は、こちらを見てニヤニヤ。
「ねぇ? 君達、忙しいんじゃなかったっけ?」
人口密度上がり過ぎ。
「休みに忙しくしてどうすんだよ。のんびり気の向くままに決まってんだろ。健吾が昼飯持って来たから呼びに来たら、面白そうな事やってっから、ちょっと見学しとこうかなと」
健吾君はなぜ、私達に先に声をかけてから、清牙達に声を掛けなかったのか?
場所的に考えても、真剣度と必要性を鑑みても、どう考えてもの、作為しか感じない。
「よし、ご飯にしよう」
「えぇ? 止めちまうの?」
「もっと手伝うって」
舞人君も清牙も馬鹿である。
お前らのやっている事を、普通は「邪魔」と云う。
「阿保な事言ってないで、駆郎君を見習って「すみません。俺もいます。元就もいます」」
入り口で頬を染めた坊や2人が視線を逸らしていた。
「なんで、彼女出来たてや真面目そうな君迄、こんなバカなことに参加しに来たのかな?」
「すみません」
「いや、興味と云うか、どう云う事をするのかな、と」
駆郎君はむっつり発動。
もっ君は単純な好奇心からだと、信じてるから!
これ以上の、エロはいらねぇ!
「きーちゃん酷いよ」
タテは解放されたが、頭押さえつけられた玲央君はジタバタしており、まだかかりそう。
「って云うか、学校行ってない清牙と駆郎君はともかく、女子の体育準備で、似たようなの散々見たでしょうに」
何を色めき立つのか、馬鹿エロ達め。
「え? 学校ってこんなエロいの?」
純粋なのか、お馬鹿なのか分からない駆郎君の発言。
「姐さん、嘘は教えない」
何が、だよ。
「姐さんとマユラのサイズの女子が、簡単にいる訳ねぇし、都合よく組むなんて図もあり得ねぇ」
いや、今、組んですらなかったが?
組んでいるとこから見てたの?
つーか、結構前から息潜んで見てたのか?
そして、面倒になって息潜めるの止めた、と。
「清牙、普通はこっちだから」
舞人君は言いながら、やり取りをイマイチ理解出来てない希更の肩を抱き、清牙に向ける。
クックッと笑う璃空君を見て、希更の顔つきが変わる。
「いま、胸の話でしょっ!!」
うん、そうなんだけど、気付くの、今なのか?
「えぇぇぇ? 希更じゃ全然、分かんねぇじゃん」
その、心底嫌そうな清牙の顔に、希更ちゃん激オコ。
「分かります! あります! ここまででっかくない…2人とも大き過ぎなの!!!」
いや、顔真赤にして、言われても…。
「大丈夫」
いつの間にか復活したらしい玲央君が、希更の頭を撫でる。
「おっぱいでっかい希更なんて、想像出来ないから」
「これからだもん!!!」
それは、どうだろう?
「きーちゃん、現実見よう。もーちゃんもそんなもんだし」
「マユちゃん…マユちゃんも…」
諭すように笑顔で追い打ち掛けるな?
そんなの気にもしない、タテは自由だ。
「でも、カエちゃん。なんで、また、大きくなったの?」
「「「「「おおおっっ」」」」」
タテ、ギャラリーエロ達の前で人の胸鷲掴むな。
「大きくなったんじゃなくて、寄せて上げてんの。ただいま強制ギミック中。メグさんがすると、まだでっかくなるけどね」
あの人、元美容師の癖に…いや、今も現役なんだけど、そっち方面、完璧、匠だから。
「そうなの? 私もおっきくなりたい」
お前は充分デカいだろ?
後ろでなんかぶつぶつ言ってる娘がいるから止めれ。
慰め方分からなくて、オロオロしてる慧士君が面白いけど。
「歌番出るなら、その衣装もあるし、その打ち合わせ、近い内あるんじゃない? 頼めば」
「うん。形も、やっぱ崩れちゃった気がするし」
だからな、エロ達の前で自分の胸持ち上げて揺らすな?
「エロ」
「うわっ、なんか、ワザとなのか素なのか分かり難い」
なんか、反応している子供達が煩いから。
「拓斗。ママのおっぱいでっかい方が良いよね?」
「う?」
意味が分かってない拓斗は、一瞬動きを止めてタテを見たが、完全に無視。
今絶賛、清牙登り中。
清牙が面白がって手伝ったり、邪魔して落としたりしてるため、スリリングだ。
危なっかしいこと極まりないが、塩野君がオロオロして見てるから大丈夫だろう、多分。
「触りたい放題の母ちゃんのおっぱいが元からデカいから、どうでも良いんだな。贅沢なガキめ」
そう言って、舞人君は登り中拓斗を捕まえてくすぐってから抱き上げる。
「拓斗。舞人、まいちゃんです」
え?
今、何言い切った?
「「「「「ぶふっ」」」」」
響く笑いに、舞人君が嫌そうに周りを睨む。
「ほっとくと、チビ共「まいちょん」言いだすんだよ! 先に教え込まないと負けるからな」
その宣言を受け、清牙鼻で笑う。
「俺、ガオ」
「獣か」
「獣だし」
なんの勝ち負けなのか?
「って云うか、俺の腕にぶら下がってくねるなよ」
舞人君は笑ながら、抱かれるより遊びたいらしい拓斗が、舞人君の逞しい腕に、ぶら下がってしがみついて移動しているのを支える。
その姿に腰が引けている駆郎君の顔色は悪い。
そんな事させて大丈夫なのかと、見ていられない模様。
「舞人、子供得意?」
さっきまで自分にぶら下がっていたのに…と、もの悲しそうな清牙の言葉。
「そうでもねぇけど。まあ、でっかいのいれば、元気が良いのは寄ってくるもんだからな」
舞人君は親戚付き合いで、子供の扱いには慣れているらしい。
「拓斗、お前、身体柔いし、結構動くな。マユラ、幾つだっけ?」
「3歳になったばっかだよ」
「手足もしっかり動かいて、大きめ長め。だから、やたら細く見えんの、な。動きもスムーズだし、グネグネ柔い。3歳にしては、かなり動けてんな。こら、運動出来て、女泣かせになる」
うりゃっと、腰をくすぐって腕を離す前に捕まえて下ろし、清牙に渡す。
そして受けた清牙の首にぶら下がって揺れ始める拓斗。
「これ、何が楽しいんだ?」
「子供のすることだし、気にすんな」
「おう」
拓斗が戻ってきて、清牙はご機嫌な模様。
清牙、舞人君に遊ばれてるって、いい加減気付け。
「SPHYが子守してるとか、貴重映像だよね」
「俺はしてないよ。子供無理」
玲央君の言葉に、駆郎君はきっぱりはっきり、拓斗見て溜息。
「可愛いとか分かんない。怖い」
まあ、そう云うのも当然ある訳で。
「がお。がお! ばぁー」
なんか拓斗が言って、清牙は拓斗の脇の下を持って持ち上げ、「うわ、馬鹿、清牙っ!!」駆郎君叫ぶ。
確かに、清牙の高い高いは怖い。
勢いによっては、電灯に拓斗の頭ぶつかるんじゃないかって、ドキッとする。
まあ、この事務所の天井は高いので、気がするだけで、ヒヤッとするのは一瞬。
結構余裕があるのだ。
それでも、怖いと、拓斗を心配する駆郎君は、子供は苦手なのかもしれないが、子供を嫌いな訳ではないのだと分かる。
本人に、全く自覚はないみたいだけど。
駆郎君の大きな声にびくっとなった拓斗だけど、すぐに復活。
清牙の肩を叩いて次のおネダリ。
清牙は言われるままに高く持ち上げている。
「アレ、また、エンドレスじゃね?」
「良い、ダンベル出来たんじゃね?」
「軽過ぎる」
いや、マジコメントが可笑しい。
そこに呆れた声のメグさん登場。
「ほら、折角持って来たお昼冷めるでしょうが。ちゃっちゃと食べて。やる事一杯あるんだから」
「いや、俺らオフなんだけど?」
舞人君の言葉に、メグさんは強かった。
「なら、事務所に来なきゃ良かったのよ。いる以上は使うし、働かせる。決められる事はちゃっちゃと決めないと、アンタら、全部後回しにするでしょうが。ちゃっちゃと食べて働け。そして希更ちゃん、明日撮影になったから、頑張ろうね」
いきなりの登場で、爆弾発言である。
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