28 / 97
第一部 魔界専属料理人
第28話 王都到着と危うい晩餐の噂
しおりを挟む
盗賊たちの“護送”という、かつてない奇妙な形で合意に至った魔王軍の一行は、そのまま王都に近づいていた。道中、険悪な空気は残りつつも、互いが手を出すことなく、小競り合いを起こすでもなく、何とか行程を進めている。
「いよいよ王都か……。思ったより早く着いたな」
騎士団の青年がポツリと呟く。目の前に高い城壁や幾つもの尖塔が見え始め、人馬の往来が増えてきた。噂に違わず、反魔族集会を控えた王都周辺には警戒モードが敷かれているのか、そこかしこに兵士らしき姿が見える。
「よし、まずは宿場町で一泊か……と思ったら、どうやら予定通りにはいかないようだ」
クラウドが荷馬車に腰掛け、周囲を見回しながら苦い顔をしている。予定では宿場町で一晩休息をとり、翌朝に王都へ入城する流れだったが、あまりにも街が混乱しているため、そのまま入れそうもない雰囲気だ。むしろ、一刻も早く王都内へ移動しないと、外で衝突が起きる危険が増す。
「この状況では、泊まっている間に過激派に襲われるかもしれないし……」
陽人がため息をつくと、ゼファーが静かに言った。
「王都内も安全とは言い難いが、少なくとも公権力が働く分、無法者に好き勝手される可能性は低いだろう。……用心するしかないな」
エリザは相変わらず行列の後方に控えているが、時折見せる鋭い視線からは「何かを隠している」ような空気が漂う。陽人はその真意を測りかねながらも、物事を前に進めるしかないと覚悟を決める。
---
やがて王都の城門が見えてきた。巨大な門扉には紋章が刻まれ、門兵たちが厳重に警戒の目を光らせている。ふだんであれば通行手形や税の支払いで済むところを、魔王軍の集団がやってきたとなれば、大騒ぎは避けられない。
「おい、門を閉じろ! 魔族どもが来たぞ!」
城壁の上から兵士の怒声が響く。だが、陽人や騎士団の青年が必死に制止の声をあげる。
「待ってください! 俺たちは和平のために来たんです! それに、この方たちは“魔族を捕らえた”状態で護送しているんだとか……!」
盗賊リーダーが慌てたように「お、おう。俺たちが魔族を引き連れてきたんだ! 王都で裁きを受けさせるんだよ!」と叫ぶが、門兵たちは半信半疑の様子。しかし、この言葉で門兵たちにも迷いが生まれたらしい。
「お前ら、王都に潜入しようって魂胆じゃねえだろうな……」
「そこを何とか! 俺たちは晩餐会に招待されてるんです……!」
陽人が必死に説明する中、盗賊の背後関係を知る兵士がいたのか、そちらも慌てて門兵に取り成している。どうやら、それなりの身分を持つ誰かが“使い走り”として彼らを雇ったようで、雑魚扱いされるのも不満のようだ。
「くそっ、こうなりゃ王都の偉い人に直談判だ! お前らに騙されてるんじゃないって証拠を見せてやるよ!」
最初は威圧的だった盗賊リーダーの態度が変わり始めているのは、ひとえに魔王軍が本気で“襲う気配”を見せないからだろう。まさか魔王自らが門前で頭を垂れるとは思わないが、少なくとも敵意を剥き出しにはしていない。
数分の押し問答の末、門兵が上官と相談したらしく、ようやく城門が少しだけ開かれる。
「……通せばいいのか? 本当に?」「俺たちが責任取らされるんじゃ……」
兵士たちが後ろ向きに囁き合いながらも、結局は「国王や貴族の承諾があるらしいから」と渋々通してくれることに。どうやら晩餐会の正式な招待状が一応準備されているらしく、門兵にも連絡が入っていたようだ。
---
こうして大行列は、ひとまず王都内へと足を踏み入れる。兵士や市民が遠巻きに驚愕の眼差しを送り、道を開けていく。誰もがまさか魔王軍が堂々と城壁を越えてくるとは思っておらず、その光景は異様だった。
「……すごい注目度。これじゃ、しばらくしたら“反魔族集会”の連中が黙っていないだろうな」
クラウドが小声で言う。陽人も同感だった。大人しくしていても、あちこちから「なんで魔族なんかが入ってきたんだ」「危険だぞ!」という怒号や囁きが聞こえる。
「晩餐会までは、まだ数日あるはず。それまでどうやって過ごすんだ……」
騎士団の青年が吐露した疑問に、エリザがひょっこり姿を現して応じる。
「王都内にひとまず仮の宿を用意してあるはずです。大使殿や一部の貴族が、“客人”という形で受け入れる段取りを整えたと聞きました。……まあ、それが“安全”である保証はないのですが」
陽人は眉をひそめる。ここまで無事に進めただけでも奇跡に近いが、宿に滞在している間に過激派に襲われるリスクは依然として残っている。
「ひとまずその宿へ向かいましょう。そこから晩餐会の準備に入って、本番で最大限『魔族との和平は可能だ』ってことを示すしかないですよね」
エリザは「賢明な判断です」と淡々と言葉を返し、ふいと視線を逸らす。陽人は彼女の真意を依然掴めないままだったが、少なくとも敵意はないように見える。
---
王都の中心街へ近づくと、さらに人だかりが増えていく。人間が支配する街並みは、魔王領とはまったく異なる活気がある一方、戦時下の疲弊と緊張も感じられる。とにかく人々が魔族を恐れているのが、肌で伝わってくるのだ。
「こっちを見ろよ……あれが本物の魔王らしいぜ」「こえぇ……殺されるんじゃねぇか……」
怯えと憎悪の混ざった視線を浴びながらも、ゼファーはまるで動じない。だが四天王や兵士たちは明らかに落ち着かない様子で、武器を握りしめている。もし誰かが投石でもしようものなら、暴発の危険性が高い。
「よし、そこの角を曲がれば宿だ。門番が待機しているはずだから、騒ぎになる前に急いで入ろう」
クラウドが先頭を切って馬車を進めていく。途中、何人もの市民が道端に避けるように後ずさりし、ある者は強張った顔で陽人たちを睨む。怪我人や障害物でも出てきたら一気に混乱するだろう。
幸い、宿まであと少しというところで、大きな衝突は起きなかった。屋敷のような外観の宿には、既に王都の兵士や商人の手配した関係者が待ち受けており、魔王軍を迎え入れる準備がなされている。
「ふう、やっと着いた……ここが滞在先か。……すごく立派だな」
陽人が門前で見上げると、大きな二階建ての建物が目に入る。中庭がある造りになっており、貴族の別邸に近い雰囲気だ。護衛兵が何人も配置されている。
「荷物は奥の部屋に運んでもらえ。さっそく明日の晩餐会に向けた準備を始めなければならん。……陽人、お前も落ち着いたらメニューを固めてくれ」
ゼファーが淡々と指示を飛ばす。だが、彼の目にも隠し切れない疲労が窺える。荒野からの長旅に加え、道中の過激派とのやり取り、そして人間たちの敵意に晒されているプレッシャーは相当なものだろう。
「了解です。まずはキッチンの場所を確認して、持ち込んだ食材や調味料のチェックをしますね。……それにしても、いつ暗殺されてもおかしくない雰囲気ですね」
陽人が苦笑交じりに言うと、騎士団の青年も深刻な顔で頷く。
「俺もなるべく夜通し見張りに立つよ。だが、相手は市街地に隠れやすいから、どこで襲撃があるか分からない。街中の警備も強化しているみたいだが、気を抜けないな」
エリザはそんな会話を背後で聞き流しているのか、どこか上の空で中庭を見つめている。まるで誰かを待っているかのようにも見え、陽人は気になって仕方ないが、今は晩餐会の準備が最優先だ。
(エリザさん、本当に何者なんだろう……? でも、今は俺ができることをやるしかないか)
そう自分に言い聞かせ、陽人は屋敷の奥へ足を踏み入れた。そこには見事な厨房が整えられており、人間界の食材も豊富に用意されている。彼の胸に、緊張とわずかな高揚感が湧き上がってくる。
「よし、まずは明日の試作を始めよう。魔族の味覚と人間の味覚、両方を満足させるメニュー……こだわるほど難しいけど、やりがいがある」
陽人の呟きが響く厨房には、魔王軍の助手や人間界の料理人らしき者も混在して集まり始めている。もしかすると“料理対決”に近い状況になるのかもしれない。どちらにせよ、ここで最高の料理を完成させなければ、平和の可能性は遠のいてしまう。
こうして、陽人たちの王都での滞在が始まった。晩餐会まで時間はわずか。果たして陽人の料理が、過激派や陰謀を一掃できる力を発揮するのか――次回、いよいよ晩餐会の準備が本格化し、魔王と人間界要人の直接交渉が動き出す。陰謀に渦巻く王都での試練は、料理で乗り越えられるのか。
(あとがき)
感想・ブクマ励みになります!よろしくお願いいたしますm(__)m
「いよいよ王都か……。思ったより早く着いたな」
騎士団の青年がポツリと呟く。目の前に高い城壁や幾つもの尖塔が見え始め、人馬の往来が増えてきた。噂に違わず、反魔族集会を控えた王都周辺には警戒モードが敷かれているのか、そこかしこに兵士らしき姿が見える。
「よし、まずは宿場町で一泊か……と思ったら、どうやら予定通りにはいかないようだ」
クラウドが荷馬車に腰掛け、周囲を見回しながら苦い顔をしている。予定では宿場町で一晩休息をとり、翌朝に王都へ入城する流れだったが、あまりにも街が混乱しているため、そのまま入れそうもない雰囲気だ。むしろ、一刻も早く王都内へ移動しないと、外で衝突が起きる危険が増す。
「この状況では、泊まっている間に過激派に襲われるかもしれないし……」
陽人がため息をつくと、ゼファーが静かに言った。
「王都内も安全とは言い難いが、少なくとも公権力が働く分、無法者に好き勝手される可能性は低いだろう。……用心するしかないな」
エリザは相変わらず行列の後方に控えているが、時折見せる鋭い視線からは「何かを隠している」ような空気が漂う。陽人はその真意を測りかねながらも、物事を前に進めるしかないと覚悟を決める。
---
やがて王都の城門が見えてきた。巨大な門扉には紋章が刻まれ、門兵たちが厳重に警戒の目を光らせている。ふだんであれば通行手形や税の支払いで済むところを、魔王軍の集団がやってきたとなれば、大騒ぎは避けられない。
「おい、門を閉じろ! 魔族どもが来たぞ!」
城壁の上から兵士の怒声が響く。だが、陽人や騎士団の青年が必死に制止の声をあげる。
「待ってください! 俺たちは和平のために来たんです! それに、この方たちは“魔族を捕らえた”状態で護送しているんだとか……!」
盗賊リーダーが慌てたように「お、おう。俺たちが魔族を引き連れてきたんだ! 王都で裁きを受けさせるんだよ!」と叫ぶが、門兵たちは半信半疑の様子。しかし、この言葉で門兵たちにも迷いが生まれたらしい。
「お前ら、王都に潜入しようって魂胆じゃねえだろうな……」
「そこを何とか! 俺たちは晩餐会に招待されてるんです……!」
陽人が必死に説明する中、盗賊の背後関係を知る兵士がいたのか、そちらも慌てて門兵に取り成している。どうやら、それなりの身分を持つ誰かが“使い走り”として彼らを雇ったようで、雑魚扱いされるのも不満のようだ。
「くそっ、こうなりゃ王都の偉い人に直談判だ! お前らに騙されてるんじゃないって証拠を見せてやるよ!」
最初は威圧的だった盗賊リーダーの態度が変わり始めているのは、ひとえに魔王軍が本気で“襲う気配”を見せないからだろう。まさか魔王自らが門前で頭を垂れるとは思わないが、少なくとも敵意を剥き出しにはしていない。
数分の押し問答の末、門兵が上官と相談したらしく、ようやく城門が少しだけ開かれる。
「……通せばいいのか? 本当に?」「俺たちが責任取らされるんじゃ……」
兵士たちが後ろ向きに囁き合いながらも、結局は「国王や貴族の承諾があるらしいから」と渋々通してくれることに。どうやら晩餐会の正式な招待状が一応準備されているらしく、門兵にも連絡が入っていたようだ。
---
こうして大行列は、ひとまず王都内へと足を踏み入れる。兵士や市民が遠巻きに驚愕の眼差しを送り、道を開けていく。誰もがまさか魔王軍が堂々と城壁を越えてくるとは思っておらず、その光景は異様だった。
「……すごい注目度。これじゃ、しばらくしたら“反魔族集会”の連中が黙っていないだろうな」
クラウドが小声で言う。陽人も同感だった。大人しくしていても、あちこちから「なんで魔族なんかが入ってきたんだ」「危険だぞ!」という怒号や囁きが聞こえる。
「晩餐会までは、まだ数日あるはず。それまでどうやって過ごすんだ……」
騎士団の青年が吐露した疑問に、エリザがひょっこり姿を現して応じる。
「王都内にひとまず仮の宿を用意してあるはずです。大使殿や一部の貴族が、“客人”という形で受け入れる段取りを整えたと聞きました。……まあ、それが“安全”である保証はないのですが」
陽人は眉をひそめる。ここまで無事に進めただけでも奇跡に近いが、宿に滞在している間に過激派に襲われるリスクは依然として残っている。
「ひとまずその宿へ向かいましょう。そこから晩餐会の準備に入って、本番で最大限『魔族との和平は可能だ』ってことを示すしかないですよね」
エリザは「賢明な判断です」と淡々と言葉を返し、ふいと視線を逸らす。陽人は彼女の真意を依然掴めないままだったが、少なくとも敵意はないように見える。
---
王都の中心街へ近づくと、さらに人だかりが増えていく。人間が支配する街並みは、魔王領とはまったく異なる活気がある一方、戦時下の疲弊と緊張も感じられる。とにかく人々が魔族を恐れているのが、肌で伝わってくるのだ。
「こっちを見ろよ……あれが本物の魔王らしいぜ」「こえぇ……殺されるんじゃねぇか……」
怯えと憎悪の混ざった視線を浴びながらも、ゼファーはまるで動じない。だが四天王や兵士たちは明らかに落ち着かない様子で、武器を握りしめている。もし誰かが投石でもしようものなら、暴発の危険性が高い。
「よし、そこの角を曲がれば宿だ。門番が待機しているはずだから、騒ぎになる前に急いで入ろう」
クラウドが先頭を切って馬車を進めていく。途中、何人もの市民が道端に避けるように後ずさりし、ある者は強張った顔で陽人たちを睨む。怪我人や障害物でも出てきたら一気に混乱するだろう。
幸い、宿まであと少しというところで、大きな衝突は起きなかった。屋敷のような外観の宿には、既に王都の兵士や商人の手配した関係者が待ち受けており、魔王軍を迎え入れる準備がなされている。
「ふう、やっと着いた……ここが滞在先か。……すごく立派だな」
陽人が門前で見上げると、大きな二階建ての建物が目に入る。中庭がある造りになっており、貴族の別邸に近い雰囲気だ。護衛兵が何人も配置されている。
「荷物は奥の部屋に運んでもらえ。さっそく明日の晩餐会に向けた準備を始めなければならん。……陽人、お前も落ち着いたらメニューを固めてくれ」
ゼファーが淡々と指示を飛ばす。だが、彼の目にも隠し切れない疲労が窺える。荒野からの長旅に加え、道中の過激派とのやり取り、そして人間たちの敵意に晒されているプレッシャーは相当なものだろう。
「了解です。まずはキッチンの場所を確認して、持ち込んだ食材や調味料のチェックをしますね。……それにしても、いつ暗殺されてもおかしくない雰囲気ですね」
陽人が苦笑交じりに言うと、騎士団の青年も深刻な顔で頷く。
「俺もなるべく夜通し見張りに立つよ。だが、相手は市街地に隠れやすいから、どこで襲撃があるか分からない。街中の警備も強化しているみたいだが、気を抜けないな」
エリザはそんな会話を背後で聞き流しているのか、どこか上の空で中庭を見つめている。まるで誰かを待っているかのようにも見え、陽人は気になって仕方ないが、今は晩餐会の準備が最優先だ。
(エリザさん、本当に何者なんだろう……? でも、今は俺ができることをやるしかないか)
そう自分に言い聞かせ、陽人は屋敷の奥へ足を踏み入れた。そこには見事な厨房が整えられており、人間界の食材も豊富に用意されている。彼の胸に、緊張とわずかな高揚感が湧き上がってくる。
「よし、まずは明日の試作を始めよう。魔族の味覚と人間の味覚、両方を満足させるメニュー……こだわるほど難しいけど、やりがいがある」
陽人の呟きが響く厨房には、魔王軍の助手や人間界の料理人らしき者も混在して集まり始めている。もしかすると“料理対決”に近い状況になるのかもしれない。どちらにせよ、ここで最高の料理を完成させなければ、平和の可能性は遠のいてしまう。
こうして、陽人たちの王都での滞在が始まった。晩餐会まで時間はわずか。果たして陽人の料理が、過激派や陰謀を一掃できる力を発揮するのか――次回、いよいよ晩餐会の準備が本格化し、魔王と人間界要人の直接交渉が動き出す。陰謀に渦巻く王都での試練は、料理で乗り越えられるのか。
(あとがき)
感想・ブクマ励みになります!よろしくお願いいたしますm(__)m
33
あなたにおすすめの小説
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
元侯爵令嬢の異世界薬膳料理~転生先はみんな食事に興味が無い世界だったので、美味しいご飯で人の身も心も癒します~
向原 行人
ファンタジー
異世界へ転生して数日。十七歳の侯爵令嬢、アリスとして目覚めた私は、早くも限界を迎えていた。
というのも、この世界……みんな食事に興味が無くて、毎食パンとハムだけとか、ハムがチーズに変わるとか、せいぜいその程度だ。
料理というより、食材を並べているだけって感じがする。
元日本人の私としては温かいご飯がたべたいので、自分で食事を作るというと、「貴族が料理など下賤なことをするのは恥だ!」と、意味不明な怒られ方をした。
わかった……だったら、私は貴族を辞める!
家には兄が二人もいるし、姉だっているから問題無いでしょ。
宛てもなく屋敷を飛び出した私は、小さな村で更に酷い食事事情を目の当たりにする。
育ち盛りの子供たちや、身体を使う冒険者たちが、それだけしか食べないなんて……よし、美味しいご飯でみんなも私も幸せになろう!
医食同源! 大食いモフモフ聖獣に、胃袋を掴んでしまった騎士隊長と一緒に、異世界で美味しくて身体に良い食材探しだ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~
ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆
ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
『今日も平和に暮らしたいだけなのに、スキルが増えていく主婦です』
チャチャ
ファンタジー
毎日ドタバタ、でもちょっと幸せな日々。
家事を終えて、趣味のゲームをしていた主婦・麻衣のスマホに、ある日突然「スキル習得」の謎メッセージが届く!?
主婦のスキル習得ライフ、今日ものんびり始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる