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ようこそ
しおりを挟む「すみません すみませんっ」
また やってしまった
顔に熱が集まるのを感じる
なんで私はこうなのだ
ずっとそうだ なんで なんでっ
「おいおい あやまってすんだらケイサツはいらねぇよなア」
「はいっ おっしゃる通りです」
「はんっ 謝罪はもういらねぇからさ 誠意みせろよ せ・い・い!!」
「はいィっ でも その」
少女はもじりと太ももをすり合わせる
男は思わずその健康的な太ももに目を奪われた
柔らかくしっかりとした筋肉 ほくろがある
唇はふっくらとしていてなまめかしい
顔もよく見ればなかなかだ
「おい お前」
にじり と男が手を伸ばす
「おいっ そこのお前っ なにしてるんだっ」
はっと目線をあげると 背よりも高い策にまたがった少年がにらんでいた
「やべっ この屋敷に人なんかいんのかよっ」
「はぁっ?当たり前っしょ
人んちを勝手にユーレイ屋敷にすんなっ」
「ちっ とにかく店にはクレームいれてやるからなっ」
男は背後の少年を気にしてかそそくさと立ち去った
「っそんなア」
眉毛を今にも地面におっことしそうなくらいに下げた少女はヘナヘナと柵にもたれかかる
いつもだ いつもそう
またクビになる
そしたらどうすればよいのだろう
明日のご飯は?
来月の給食費は?
なにより弟に
「おーい そこのアンタ」
「へっ?」
すたっと柵から身軽に下りると 少年はニカッと人好きのする顔で笑った
「大丈夫っすか ケガとかしてない?」
「あっ はい大丈夫です あの助けてくださって本当にありがとうございました」
少女は頬を染めて少年にうるんだ瞳をさらす
手を差し出しほほ笑むと 少年は思わずといったようにニヤリとした
「イーエ でもあんたが今日そんな目に合った理由 なんかわかったすわ」
「えっ?」
「知りたい?それならウチよってきなよ その足も手当してあげたいし」
あし?
目線を下げて膝小僧をみると赤く血がにじんでいた
「さあさ 今日はお嬢が退屈そうにしてたんで いーい話し相手がみつかった」
まるででも聞こえてきそうな軽やかな声だ
ふりかえると少年は少女の手をとり恭しくお辞儀をする
「ようこそ 我が屋敷へ
お名前は?」
「へっ あの モモ子です」
お姫様になったかのうような対応に 思わず頬が染まる
「モモ子さま 私の名はカヲル どうぞお見知りおきを
それではご案内いたします」
カヲルが手を広げるとバッと柵は開き ふわりと風に乗ってバラのにおいが鼻孔をくすぐる
そこらかしこにある花壇には季節の花が咲き乱れ
中央の噴水は静かに 力強く空気をふるわせていた
そしてその奥には想像もつなかったほど 豪華絢爛な屋敷がそびえたっているのであった
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