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カヲル
しおりを挟む「へっ あのここってユーレイ屋敷なんじゃないんですかっ」
「えっ モモ子もそう思ってたのかよ
なら ここら近所の人みーんなそう思ってるみたいっすね」
しつれーしちゃうっ と唇をとがらせてから カヲルはビシっと人差し指をたてる
「ここは まあ 3人しか住んでないんで わかりづらいかもしんねーけどちゃんと住んでるよ
もちろん オレも住み込みしてるし」
「このお屋敷にっ?」
「そうそう まあ確かにこの柵デカいもんなー
でもこーんなに オレがきれいにしてるのに ユーレイ屋敷扱いはヒドイっすわ」
「たしかにっ ていうかたった3人でこんなに綺麗にしてるの?」
「ってか オレ一人だけだよ 掃除も庭いじりも」
大きく目を見開いておくの屋敷を見つめる
こんな広大な屋敷を一人で管理してるのか
「すごいね カヲルさんは」
「えー なんすか 照れちゃうなあ もう
さ それじゃ 案内するね」
軽い力で引っ張られまっすぐにお屋敷に足を運ぶ
「これは 種で これは ん?モモ子?」
「あの やっぱり私 帰るよ」
「えー なんで」
「だってその 私ビンボー人だし みっともないから」
もじっっとたたらを踏み カヲルの手を振りほどく
「そんなのカンケーねえし でもま たしかにアンタの服ボロボロだよなア」
「う」
「全然 気にしねーけど モモ子が気になるんじゃしょうがない」
「うん」
「そんなモモ子に朗報 いま屋敷には世界的デザイナーがいるんすよ」
「っへ?」
「だからダイジョーブっ!ちょうどオレもバラ子おばさんに捕まりそうで逃げてきたんすけど、モモ子ならおめがにかなうんじゃないかなー」
うーんとあごの下に手をあててうなずいた
「あの さっきからいったいなにを」
「よっし そうと決まればダッシュダッシュ」
「えっ うわああ」
へへっ と笑いモモ子を姫抱きにすると すさまじい勢いで駆けた
「それから オレのことはカヲルでいいっすよ
たぶん年 そう変わんないでしょ」
「えと16です」
「おお タメじゃん」
ゆれる視界におののきながらモモ子は必至になってカヲルにしがみつく
急に揺れが収まり思わず上に視線をあげると
目の前には大きな大きな扉が 目の前に立っていた
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