2 / 16
プロローグ
全て私の思うがままに
しおりを挟む
「本当にいいの?貴方あんなにあの子に執着していたじゃない」
柔らかな金糸が風になびく 耳を髪にかけて微笑む
少女を祝福するかのように花嵐が吹き付けた
まるで絵画の中の一枚だ
世界は彼女に恋している
「君にはそう、みえていたんだね」
「違うの?」
「血のつながり以外は何もなかったさ」
「あ、そう」
少女は青年の冷たい表情に思わず頬が熱くなる
この人が欲しい 絶対に他人に渡してなるものか
同時に冷めた声が小さくささやく
(それ以上の繋がりなんて一体どこにあるというの)
「ま、いいわ それなら早くいきましょう
本当にのんきなお顔 一生ここでそうしていればいいわ
この世界があなたを殺す、その時まで」
美しい少女は眠る少年の額に小さく口づけを落とす
「さようなら もうお会いすることもないでしょうけど」
ふと二人の上に大きな影が落とされる
見上げるとそこには空の覇者ドラゴンが悠然と泳いでいた
空を震わす息吹に、チラチラと黄金の炎が混じってきらめく
いつみても憎たらしい まるでこの世界は自分のものだと言わんばかりだ
お前らはせいぜいその空で満足していればいい
はやくこの少年を食ってしまえ そしたら私がお前ら全てを喰ってやる
_____________________________________
ゆさゆさ ゆさゆさ
「〇▽☆□ 〇▽☆□」
うーん あと少し、あと少し
せっかくこんなにあたたかいんだもの もう少し眠らせてほしい
「〇□☆☆…」
だんだん体をゆさぶる力が強くなる
いたたた そんな力でやらなくても
わかったよわかったから
なごりおしい気持ちを振り切り目を開く
するとそこは見慣れた部屋の天井ではなく、青空
頬に触れるのは若草
俺の体をゆするのは険しい表情の麗人であった
「えぇ まだ夢をみてるのかな」
思わずこぼれる長いひとりごと
どう考えても夢の世界の中なのに、体の感覚や頭の冷静さに恐怖を感じる
なにかおかしい 夢にしては鮮明すぎる
ずっと揺さぶっていたその人はこちらをうかがう様に見てくる
「〇□▽▲〇?」
想像よりも深く柔らかい声だ 男の人だったのか
年は自分よりも少し上くらい
金の睫毛に縁どられたアンバーの瞳が射貫くようにこちらを見ていた
多分 大丈夫?的なことをいってくれているのだと思う
表情といい、心配そうな声音といい、のんきに構えるこちらが申し訳なくなってしまう
さて、どうしたものか 夢の中とはいえこの人に大丈夫ですよ、とは伝えたいな
思わず青年の手を握る
「あの、大丈夫ですよ」
とりあえず目をあわせて曖昧に笑ってみる
「〇□☆☆?」
握られた手をみて驚いたような表情をする
え、何その反応 もしかしてセクハラだと思われてる?
思わず握った手を離してしまう
よくよくみるといかにも身分が高そうな格好をした人だ
白を基調とした宗教服的な服装
紫と金の装飾はいかにもな感じで、正直ちょっと怪しい雰囲気もある
しかし、どこか影があるのにひきつけられる憂いを帯びた表情
光が零れるようなアンバーの瞳に金糸
怪しい雰囲気さえ吹き飛ばす、輝くような美貌であった
思わず美貌に視線を奪われながらも、背後の気配に気づく
後ろには時代錯誤な馬車と、重そうな甲冑を身に着けた家臣らしき人々がこちらを見ていた
え、これってもしかして平凡男児をイケメンが抱き起そうとする寒い絵に見えてます?
そしてもしかしなくても、ドン引きされてます?
いぶかし気な様子から察するに、僕の心配をしてくれてるのはこの人くらい
もしかしてこの人、僕がここでのんきに寝てるのをみかけて、助けてくれようとしたのかな
そんでもって家臣さんたちはそれに付き合わされてる感じ?
も、申し訳なさすぎる
にしてもどうしたものか
頬をぎゅうと強く引っ張ろうが夢から覚める気配がない
今だにこちらをうかがう男性に気まづくなり、上体を起こす
腰をあげようとするとサッと腰に腕がまわされ、手を取られる
余りにもクサいこの行動も、この人がやると童話の世界の王子様に見えてしまう
様になるとはまさにこのこと
一応通じないだろうけどありがとう、と微妙な笑顔で言ってみる
さすがにこの状況で察っしてくれたのか、少し口角があがり、微笑む
同性なのに見惚れてしまうなぁ
しばらくして、後ろに控える家臣らしき人々のもとへ歩いて行った
このまま置いて行ってくれると助かるんだけど…
そうは思いつつも背中に冷たい汗がツウと伝う
え、ここホントに夢の中なんだよね?
正直、今まで17年生きてきてこんなに生生しい夢は初めてだ
というか感覚だけでいうなら完全に現実世界にいるときのそれなのだ
そしてお約束の頬っぺたははさっきからこれでもかと引っ張ってみているものの、痛いだけである
とにもかくにもあまりに現実的すぎて最早おいてかれるのも怖いなぁ、なんて…
そしてもう一つおいていかれるのは、と恐れる原因は人っ子一人いないこの景色だ
この怪しげな一行以外 誰もいないし、なんなら少し遠くにやたら深そうな森や山が見える
そしてそれらの周囲には、他者を拒絶するかの如く霧が立ち込めている
しばらくすると何やら液体が入った瓶を持ってきて近づいてくる
水をくれるのかなあ
のどが渇いていたからありがたい でも夢の中で水なんて飲めるのな?
ぐるぐる考え事をしていると瓶をこちらにさしだしてきた
「▲□☆〇↓」
その中身を見た瞬間ぎょっとする
明らかに水ではないのだ
中はオーロラのように色が変化している謎の液体がちゃぷりと音をたてる
思わず目を奪われる美しさ
だが、正直口にしたいとは思えない
「これを飲まないといけないのですか?」
相手は戸惑いは承知で、それでも飲ませようとしている様子だ
それともこの世界ではこれが水なのだろうか
考えている間にもくるくると色が変わる
複数の色が互いを変化させあいながら、揺れている
瓶の線を抜きこちらに差し出してくる
やっぱり僕のために持ってきてくれたんだ
それにしたって抵抗がある
明らかに食用の色ではない
どうしたものかとうろたえていると 男性がふと、瓶の中身を一気に仰ぐ
え、と思わず声が漏れる
男性がそのままゴクリ、と音を立てて喉ぼとけが動いたのを見た
そして静かにこちらに残りの瓶の中身を差し出す
…流石にここまでしてもらって拒否をするのは、失礼に当たるよね
まだ少し不安はあるが恐る恐る瓶を受け取り、口をつける
口に含むとほんの少しパチパチとした感覚がする
鼻をぬけるサイダーのような香り
お、おいしい
毒かもしれないという考えはすっかり抜けおち、液体はすんなりとのど元を通る
完全に瓶の中身を空けるとほんの少し体が温かくなった
一体これは何なのだろう?
ふと男性を見ると、微笑んで手を差し伸べてきた
「やぁ 私の言っていることがわかるかい?」
柔らかな金糸が風になびく 耳を髪にかけて微笑む
少女を祝福するかのように花嵐が吹き付けた
まるで絵画の中の一枚だ
世界は彼女に恋している
「君にはそう、みえていたんだね」
「違うの?」
「血のつながり以外は何もなかったさ」
「あ、そう」
少女は青年の冷たい表情に思わず頬が熱くなる
この人が欲しい 絶対に他人に渡してなるものか
同時に冷めた声が小さくささやく
(それ以上の繋がりなんて一体どこにあるというの)
「ま、いいわ それなら早くいきましょう
本当にのんきなお顔 一生ここでそうしていればいいわ
この世界があなたを殺す、その時まで」
美しい少女は眠る少年の額に小さく口づけを落とす
「さようなら もうお会いすることもないでしょうけど」
ふと二人の上に大きな影が落とされる
見上げるとそこには空の覇者ドラゴンが悠然と泳いでいた
空を震わす息吹に、チラチラと黄金の炎が混じってきらめく
いつみても憎たらしい まるでこの世界は自分のものだと言わんばかりだ
お前らはせいぜいその空で満足していればいい
はやくこの少年を食ってしまえ そしたら私がお前ら全てを喰ってやる
_____________________________________
ゆさゆさ ゆさゆさ
「〇▽☆□ 〇▽☆□」
うーん あと少し、あと少し
せっかくこんなにあたたかいんだもの もう少し眠らせてほしい
「〇□☆☆…」
だんだん体をゆさぶる力が強くなる
いたたた そんな力でやらなくても
わかったよわかったから
なごりおしい気持ちを振り切り目を開く
するとそこは見慣れた部屋の天井ではなく、青空
頬に触れるのは若草
俺の体をゆするのは険しい表情の麗人であった
「えぇ まだ夢をみてるのかな」
思わずこぼれる長いひとりごと
どう考えても夢の世界の中なのに、体の感覚や頭の冷静さに恐怖を感じる
なにかおかしい 夢にしては鮮明すぎる
ずっと揺さぶっていたその人はこちらをうかがう様に見てくる
「〇□▽▲〇?」
想像よりも深く柔らかい声だ 男の人だったのか
年は自分よりも少し上くらい
金の睫毛に縁どられたアンバーの瞳が射貫くようにこちらを見ていた
多分 大丈夫?的なことをいってくれているのだと思う
表情といい、心配そうな声音といい、のんきに構えるこちらが申し訳なくなってしまう
さて、どうしたものか 夢の中とはいえこの人に大丈夫ですよ、とは伝えたいな
思わず青年の手を握る
「あの、大丈夫ですよ」
とりあえず目をあわせて曖昧に笑ってみる
「〇□☆☆?」
握られた手をみて驚いたような表情をする
え、何その反応 もしかしてセクハラだと思われてる?
思わず握った手を離してしまう
よくよくみるといかにも身分が高そうな格好をした人だ
白を基調とした宗教服的な服装
紫と金の装飾はいかにもな感じで、正直ちょっと怪しい雰囲気もある
しかし、どこか影があるのにひきつけられる憂いを帯びた表情
光が零れるようなアンバーの瞳に金糸
怪しい雰囲気さえ吹き飛ばす、輝くような美貌であった
思わず美貌に視線を奪われながらも、背後の気配に気づく
後ろには時代錯誤な馬車と、重そうな甲冑を身に着けた家臣らしき人々がこちらを見ていた
え、これってもしかして平凡男児をイケメンが抱き起そうとする寒い絵に見えてます?
そしてもしかしなくても、ドン引きされてます?
いぶかし気な様子から察するに、僕の心配をしてくれてるのはこの人くらい
もしかしてこの人、僕がここでのんきに寝てるのをみかけて、助けてくれようとしたのかな
そんでもって家臣さんたちはそれに付き合わされてる感じ?
も、申し訳なさすぎる
にしてもどうしたものか
頬をぎゅうと強く引っ張ろうが夢から覚める気配がない
今だにこちらをうかがう男性に気まづくなり、上体を起こす
腰をあげようとするとサッと腰に腕がまわされ、手を取られる
余りにもクサいこの行動も、この人がやると童話の世界の王子様に見えてしまう
様になるとはまさにこのこと
一応通じないだろうけどありがとう、と微妙な笑顔で言ってみる
さすがにこの状況で察っしてくれたのか、少し口角があがり、微笑む
同性なのに見惚れてしまうなぁ
しばらくして、後ろに控える家臣らしき人々のもとへ歩いて行った
このまま置いて行ってくれると助かるんだけど…
そうは思いつつも背中に冷たい汗がツウと伝う
え、ここホントに夢の中なんだよね?
正直、今まで17年生きてきてこんなに生生しい夢は初めてだ
というか感覚だけでいうなら完全に現実世界にいるときのそれなのだ
そしてお約束の頬っぺたははさっきからこれでもかと引っ張ってみているものの、痛いだけである
とにもかくにもあまりに現実的すぎて最早おいてかれるのも怖いなぁ、なんて…
そしてもう一つおいていかれるのは、と恐れる原因は人っ子一人いないこの景色だ
この怪しげな一行以外 誰もいないし、なんなら少し遠くにやたら深そうな森や山が見える
そしてそれらの周囲には、他者を拒絶するかの如く霧が立ち込めている
しばらくすると何やら液体が入った瓶を持ってきて近づいてくる
水をくれるのかなあ
のどが渇いていたからありがたい でも夢の中で水なんて飲めるのな?
ぐるぐる考え事をしていると瓶をこちらにさしだしてきた
「▲□☆〇↓」
その中身を見た瞬間ぎょっとする
明らかに水ではないのだ
中はオーロラのように色が変化している謎の液体がちゃぷりと音をたてる
思わず目を奪われる美しさ
だが、正直口にしたいとは思えない
「これを飲まないといけないのですか?」
相手は戸惑いは承知で、それでも飲ませようとしている様子だ
それともこの世界ではこれが水なのだろうか
考えている間にもくるくると色が変わる
複数の色が互いを変化させあいながら、揺れている
瓶の線を抜きこちらに差し出してくる
やっぱり僕のために持ってきてくれたんだ
それにしたって抵抗がある
明らかに食用の色ではない
どうしたものかとうろたえていると 男性がふと、瓶の中身を一気に仰ぐ
え、と思わず声が漏れる
男性がそのままゴクリ、と音を立てて喉ぼとけが動いたのを見た
そして静かにこちらに残りの瓶の中身を差し出す
…流石にここまでしてもらって拒否をするのは、失礼に当たるよね
まだ少し不安はあるが恐る恐る瓶を受け取り、口をつける
口に含むとほんの少しパチパチとした感覚がする
鼻をぬけるサイダーのような香り
お、おいしい
毒かもしれないという考えはすっかり抜けおち、液体はすんなりとのど元を通る
完全に瓶の中身を空けるとほんの少し体が温かくなった
一体これは何なのだろう?
ふと男性を見ると、微笑んで手を差し伸べてきた
「やぁ 私の言っていることがわかるかい?」
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界配信〜幼馴染みに捨てられた俺を導く神々の声(視聴者)
葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。
だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。
突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。
これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる