異世界探索記録

土方かなこ

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1章

残酷な宣言

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「あそこがホーリー草原の北門だ」

崖のような岩肌に、何かのレリーフが刻まれた扉と門が埋まるように立っていた

「ここの通行許可は私とイオの二人にしか下りていない 
まぁイオの使役兵士だと言えば大丈夫だろう」

少しそこを動かないで、と言われ立ち尽くすとルチオが一歩下がり杖を構える

「 血を契りし水の加護よ 今こそ我に力を示せ」

小さく杖を一ふりすると、青い光が体を包む
思わず息を詰めると、カシャンと音をたてて体が急に重くなった

イオが纏っているのと似ている甲冑が身を包む

「うん 君はただ私達に着いてくればいい」

そのままルチオは真っ直ぐに歩き、扉に左手をあてて軽く撫でる

すると扉のレリーフが青く彩られゴゴゴゴ、と音をたてて動き始めた

「本日通行許可が降りているステラ・サリマンだ
ここを通してくれ」

少しして軽装姿の男性が出てくる
表情を見るに完全に寝ていたようだ

「ステラ・サリマンとイオ・フォーミュラか
そこの奴は誰だ」

「イオの魔法は知っているだろう
使役兵だよ 荷物運びをしてもらっていた」

「今は荷物なんて持ってないだろ」

「帰りは私の支えになってくれてたのさ
私は今体力を消耗している
彼の支えなしではここまで歩けなかった」

それに、と続けて兵士の手を握る

「見ての通り、馬車もない
良ければ従者と馬車を用意してはいただけないだろうか?」

手のひらの感触に機嫌を良くした兵士がニンマリ笑う

「それなら馬がちょうど3頭いる
こいつらにのれば半日で町まで行けるはずだぜ」

は、半日!ただでさえクタクタの体には酷な響きだ
しかしルチオは穏やかに微笑み、門の近くの小屋をみやる
確かに馬が3頭繋がれていた

「ありがとう
さあイオ あと少し耐えられるね」

「はい これくらいなんともありません
私にお気になさらず、進みましょう」

イオは既に相当限界なのが声からもわかる
それでも兵士だからなのか、プライドからか頑なに疲れをみせない

ルチオも気遣わしげにイオをみるが、意思は変わらないと踏み、馬小屋へ歩き出す

「そいつはファトマのギルドに返しておいてくだせぇ
要らなければ、処分してくれても構わないと伝えてくれ」

背中を見せてこちらに手をふり、小屋へ歩いていく
また寝るんだろうなぁ
俺も寝たいなぁ

「さぁ行こう 
ぐずぐずしても暖かいベッドとスープにはありつけないのだから」




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