5 / 6
私の弟の人間関係は複雑だ
しおりを挟む
ふと、考える。
私は、義母さんが苦手だ。
義母さんは優しく、ちょっとボケているけれど心はとても強い人だ。贔屓目に見ないでもそう思える。
私が苦手に思う要素がどこにあるのか? と思わないでもないが、何故か私は義母さんが苦手だつた。
「んー、なんでなんだろな?」
そんなことを考えながら商品の整理をする。
現在私はバイト中。激安の殿堂なスーパーマーケットで商品整理やらレジやら掃除やらをやっている。
仕事がひと段落ついてふと一息つくとエスカレーターから見知った顔が上がってきた。弟くんだ。
隣には、パフォーマンス研究会の会長さんもいる。
あの二人は、歩幅が自然に合っている。
なんだかお似合いだな? と思いつつひらひらと手を振ってみる。
そうすると、会長さんは露骨に嫌な顔をして、弟くんはそれに対してチョップをかましていた。
私が嫌われる理由など、あっただろうか? とふと思う。
最近、こういう視線が多い。明確に誰か? と分かったのは稀だが。
「やぁ、萩尾姉。バイトは順調かい?」
「はい、普段通りなだけですけど」
「会長、知り合いだからって声かけない。仕事中なんですから」
「あぁ、そうだったね。じゃあ頑張って」
「あ、ポテチ切れてたっけ?」
「んー、帰ったら確認してー」
「はいよー」
そんな言葉を交わして、バイトに戻ろうとする。
しかし、どうにも私の行動は先輩に見られていたようだった。さほど真面目な先輩というわけではないが、色恋沙汰に積極的に首を突っ込むタイプの先輩だ。
自分が被害者にならない限りは最高の先輩だと言えるが、ダル絡みされるのは案外面倒くさかったりするのでそういう時は逃げるが勝ちだ。
「……はい?」
だが、その先輩の様子はちょっと違っていた。
熱に浮かれたような目で弟くんを見て、仕事中だというにも関わらず先輩は弟くんに駆け寄った。
「ちょっと来いクソ男」
「何?」
そして、凄まじい勢いで弟くんを連れて行くのだった。
◇ ◆ ◇
「で、先輩とはどんな関係だったの?」
「あー……幼馴染の姉的な人」
「……10秒カップルの?」
「……10秒カップルの」
その言葉で、あの後の大体の事は理解できた。
先輩、“久瀬有沙”さんは、弟くんを引っ張って、連絡先を聞き出したのだという。
そして、現在メッセージのやり取りをしているのだとか。
積もる話もあるだろうが、割と気になるのは乙女心だろう。私は、弟くんの中学でのことはあまり知らないのだから。
「あ、通話かかってきた」
「じゃ、頑張ってねー」
「何をだよ」
という会話と共に、弟くんは通話を始めた。
その声色は、なんだか本当の姉に叱られているような嬉しさ半分反省半分みたいな声色だったのが、何故だか辛かった。
そんな思いから、私はリビングに降りる。こういう時はホットミルクティーでも飲めばよく眠れるだろうとかの思いからだった。
するとそこには、同じくホットミルクティーを準備しようとしていた義母さんがいた。
「あら、奈穂ちゃん」
「……ミルクティー、私もいいですか?」
「うん、いいわよ」
そうして、義母さんと二人でミルクティーを飲む。
会話は相変わらずないが、それでもこの距離まで近づけた事が私の成長なのだろう。
「あ、そうだ」
「何? 奈穂ちゃん」
「久瀬有沙さんって知ってます? 弟くんの幼馴染らしいんですけど」
「……ええ、知ってるわ。良いお姉ちゃんだったもの。義信と灯ちゃんの」
「あー、10秒カップルの」
「10秒カップル?」
「なんでもないです」
「けど、どうしたの? 有沙ちゃんの話なんて」
「いや、私のバイト先の先輩だったんですよ。それで、弟くんとはどんなだったのかなー? って気になって」
「……焼き餅?」
「さぁ?」
「まぁ、正直今と大して変わらないわよ。義信が無茶して、それを止められるって関係」
「え、弟くんがストッパーじゃないんですか?」
「いつだって無茶するのは義信くんじゃない」
「奈穂ちゃんの時だってそうだったでしょう?」
その言葉で、私は自分の事を思い出す。
私は、両親が離婚し、父が旧姓の萩尾に戻ってからしばらく引きこもりをしていた。らしい。
らしいというのは、その時のことをあまりよく覚えていないからだ。小学校低学年の記憶などその程度のものだ。
けど、覚えている事はある。
弟くんは笑顔だった。それに釣られて、私は部屋に閉じこもるのを辞めたのだと。
「懐かしいな」
「でしょう?」
義母の顔は、とても穏やかなものだった。
釣られて私も笑ってしまうような、そんな笑顔。
「で、そんな久瀬先輩と弟くんはどうして疎遠になったんです?」
「……それを、貴女が聞くの?」
「?」
「……なんでもないわ。まぁ、思春期の子供なんだから色々あるんでしょう」
そんな、はぐらかされたような感じで、夜のお茶会は終わった。
そうして戻っても、弟くんと久瀬先輩の通話は続いていた。
◇ ◆ ◇
「それで、結局なんの話だったの?」
「憂さ晴らしよ。イライラしてた時にのほほんとアンタが居たんだから、つい手が出たの」
「……理由は聞いた方が良い? 有沙ちゃん」
「ふざけんな女ったらし。私を口説くのには1年半くらい早い」
「やけに具体的だね」
「そのぐらいでしょ? あんたが“重り”を捨てられるようになるまでって」
「……なんのことですか?」
「あんたの奈穂ちゃんのこと」
「家族を重りと思った事はねぇよ」
「……あんたがそう思うなら良いわよ。せいぜい節度を持って付き合いなさい」
「はいよー。じゃあ、切るよ」
「待って」
「……何?」
「ねぇ、義信」
「奈穂ちゃんとは、本当に何にもないんだよね?」
「姉弟に何かが起きるとか同人誌の中だけだよ」
「けどさ……」
「奈穂ちゃん、明らかにあんたのこと意識してるわよ」
その言葉は、とても面倒事を感じさせるものだった。
◇ ◆ ◇
「あ、通話終わった?」
「ああ、流石有沙ちゃんだわ。姉パワーが違う」
「誰と比べた誰と」
「言うまでもなくないか?」
「やろうぶっころしてやるー」
「棒読みで言うことか」
そんな会話を、家の壁越しにする。
正直、姉が俺を意識しているという言葉は絶対的に勘違いだと思うのだが、有沙ちゃんの言葉なのでとりあえず信じておく。
まぁ、姉にも彼氏ができれば変わるだろう。そんなことを考えて、イヤーマフをつけて眠りに付くのだった。
深夜にふと目が覚める。
喉が渇いたので、麦茶でも飲もうとリビングに行こうとすると、隣の部屋から声が聞こえた。
艶やかな、義姉の嬌声だ。
「あぁ、好き、好き、好き、好き! 好き!!!」
一体誰を想っているのやら。そんな疑問があるといえばあるが、無視してもいいだろう。
所詮、姉弟とはそんなものなのだから。
だから、その声が聞こえた時は冗談かと思った。いくらなんでも、それはないだろうと思った義姉の自慰行為の想像の相手。
「弟、くん」
それは、今の今まで見ないようにしてきた義姉の気持ちを正面から突きつけられる、最悪の事故だった。
私は、義母さんが苦手だ。
義母さんは優しく、ちょっとボケているけれど心はとても強い人だ。贔屓目に見ないでもそう思える。
私が苦手に思う要素がどこにあるのか? と思わないでもないが、何故か私は義母さんが苦手だつた。
「んー、なんでなんだろな?」
そんなことを考えながら商品の整理をする。
現在私はバイト中。激安の殿堂なスーパーマーケットで商品整理やらレジやら掃除やらをやっている。
仕事がひと段落ついてふと一息つくとエスカレーターから見知った顔が上がってきた。弟くんだ。
隣には、パフォーマンス研究会の会長さんもいる。
あの二人は、歩幅が自然に合っている。
なんだかお似合いだな? と思いつつひらひらと手を振ってみる。
そうすると、会長さんは露骨に嫌な顔をして、弟くんはそれに対してチョップをかましていた。
私が嫌われる理由など、あっただろうか? とふと思う。
最近、こういう視線が多い。明確に誰か? と分かったのは稀だが。
「やぁ、萩尾姉。バイトは順調かい?」
「はい、普段通りなだけですけど」
「会長、知り合いだからって声かけない。仕事中なんですから」
「あぁ、そうだったね。じゃあ頑張って」
「あ、ポテチ切れてたっけ?」
「んー、帰ったら確認してー」
「はいよー」
そんな言葉を交わして、バイトに戻ろうとする。
しかし、どうにも私の行動は先輩に見られていたようだった。さほど真面目な先輩というわけではないが、色恋沙汰に積極的に首を突っ込むタイプの先輩だ。
自分が被害者にならない限りは最高の先輩だと言えるが、ダル絡みされるのは案外面倒くさかったりするのでそういう時は逃げるが勝ちだ。
「……はい?」
だが、その先輩の様子はちょっと違っていた。
熱に浮かれたような目で弟くんを見て、仕事中だというにも関わらず先輩は弟くんに駆け寄った。
「ちょっと来いクソ男」
「何?」
そして、凄まじい勢いで弟くんを連れて行くのだった。
◇ ◆ ◇
「で、先輩とはどんな関係だったの?」
「あー……幼馴染の姉的な人」
「……10秒カップルの?」
「……10秒カップルの」
その言葉で、あの後の大体の事は理解できた。
先輩、“久瀬有沙”さんは、弟くんを引っ張って、連絡先を聞き出したのだという。
そして、現在メッセージのやり取りをしているのだとか。
積もる話もあるだろうが、割と気になるのは乙女心だろう。私は、弟くんの中学でのことはあまり知らないのだから。
「あ、通話かかってきた」
「じゃ、頑張ってねー」
「何をだよ」
という会話と共に、弟くんは通話を始めた。
その声色は、なんだか本当の姉に叱られているような嬉しさ半分反省半分みたいな声色だったのが、何故だか辛かった。
そんな思いから、私はリビングに降りる。こういう時はホットミルクティーでも飲めばよく眠れるだろうとかの思いからだった。
するとそこには、同じくホットミルクティーを準備しようとしていた義母さんがいた。
「あら、奈穂ちゃん」
「……ミルクティー、私もいいですか?」
「うん、いいわよ」
そうして、義母さんと二人でミルクティーを飲む。
会話は相変わらずないが、それでもこの距離まで近づけた事が私の成長なのだろう。
「あ、そうだ」
「何? 奈穂ちゃん」
「久瀬有沙さんって知ってます? 弟くんの幼馴染らしいんですけど」
「……ええ、知ってるわ。良いお姉ちゃんだったもの。義信と灯ちゃんの」
「あー、10秒カップルの」
「10秒カップル?」
「なんでもないです」
「けど、どうしたの? 有沙ちゃんの話なんて」
「いや、私のバイト先の先輩だったんですよ。それで、弟くんとはどんなだったのかなー? って気になって」
「……焼き餅?」
「さぁ?」
「まぁ、正直今と大して変わらないわよ。義信が無茶して、それを止められるって関係」
「え、弟くんがストッパーじゃないんですか?」
「いつだって無茶するのは義信くんじゃない」
「奈穂ちゃんの時だってそうだったでしょう?」
その言葉で、私は自分の事を思い出す。
私は、両親が離婚し、父が旧姓の萩尾に戻ってからしばらく引きこもりをしていた。らしい。
らしいというのは、その時のことをあまりよく覚えていないからだ。小学校低学年の記憶などその程度のものだ。
けど、覚えている事はある。
弟くんは笑顔だった。それに釣られて、私は部屋に閉じこもるのを辞めたのだと。
「懐かしいな」
「でしょう?」
義母の顔は、とても穏やかなものだった。
釣られて私も笑ってしまうような、そんな笑顔。
「で、そんな久瀬先輩と弟くんはどうして疎遠になったんです?」
「……それを、貴女が聞くの?」
「?」
「……なんでもないわ。まぁ、思春期の子供なんだから色々あるんでしょう」
そんな、はぐらかされたような感じで、夜のお茶会は終わった。
そうして戻っても、弟くんと久瀬先輩の通話は続いていた。
◇ ◆ ◇
「それで、結局なんの話だったの?」
「憂さ晴らしよ。イライラしてた時にのほほんとアンタが居たんだから、つい手が出たの」
「……理由は聞いた方が良い? 有沙ちゃん」
「ふざけんな女ったらし。私を口説くのには1年半くらい早い」
「やけに具体的だね」
「そのぐらいでしょ? あんたが“重り”を捨てられるようになるまでって」
「……なんのことですか?」
「あんたの奈穂ちゃんのこと」
「家族を重りと思った事はねぇよ」
「……あんたがそう思うなら良いわよ。せいぜい節度を持って付き合いなさい」
「はいよー。じゃあ、切るよ」
「待って」
「……何?」
「ねぇ、義信」
「奈穂ちゃんとは、本当に何にもないんだよね?」
「姉弟に何かが起きるとか同人誌の中だけだよ」
「けどさ……」
「奈穂ちゃん、明らかにあんたのこと意識してるわよ」
その言葉は、とても面倒事を感じさせるものだった。
◇ ◆ ◇
「あ、通話終わった?」
「ああ、流石有沙ちゃんだわ。姉パワーが違う」
「誰と比べた誰と」
「言うまでもなくないか?」
「やろうぶっころしてやるー」
「棒読みで言うことか」
そんな会話を、家の壁越しにする。
正直、姉が俺を意識しているという言葉は絶対的に勘違いだと思うのだが、有沙ちゃんの言葉なのでとりあえず信じておく。
まぁ、姉にも彼氏ができれば変わるだろう。そんなことを考えて、イヤーマフをつけて眠りに付くのだった。
深夜にふと目が覚める。
喉が渇いたので、麦茶でも飲もうとリビングに行こうとすると、隣の部屋から声が聞こえた。
艶やかな、義姉の嬌声だ。
「あぁ、好き、好き、好き、好き! 好き!!!」
一体誰を想っているのやら。そんな疑問があるといえばあるが、無視してもいいだろう。
所詮、姉弟とはそんなものなのだから。
だから、その声が聞こえた時は冗談かと思った。いくらなんでも、それはないだろうと思った義姉の自慰行為の想像の相手。
「弟、くん」
それは、今の今まで見ないようにしてきた義姉の気持ちを正面から突きつけられる、最悪の事故だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる