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「クリス、、今までごめんなさい・・
これまで使用人たちもそうだけど、みんなに酷いことしてたわ、、
そんな簡単に許してもらえるなんて思ってないけど、私変わるから!
だから・・、見てて欲しいの
これからはちゃんとする
私のせいで、あなた友達も恋人も出来なかったでしょう・・?
今は公爵家で働いているのだからそれなりにお金もあるだろうし、これからは友達も恋人もつくって好きなように過ごしてちょうだい!
あ、仕事はちゃんとしてもらうのは変わらないからそこだけちゃんとしてくれれば今までみたいに制限したりしないから

本当、これまでのことごめんなさい・・・」

「・・・・私は謝られるようなこと、されていません
私がお嬢様の命令に従うのは当たり前のことです
気に入らないことがあれば、直します」

「ち、違うのよ!
と、とりあえず前みたいに私以外の人と話すなとか、ずっと隣にいなさいとかそう言うことも言わないから安心して欲しいってこと!」

「・・・何かあったのですか」

「な、何かって、何が?!何もないわよ!
たださすがに私も18歳でしょ?
それに皇太子殿下の婚約者だし、自覚をもって心を入れ替えようと思っただけよッ」

「・・・そうですか」

「そうよ!」


「・・・私は友達や恋人がほしいと思ったことなど一度もありませんので制限があろうがなかろうが、私には関係ありません」

「いいえ!必要よ!!
将来頼れる友人の一人や二人は必要でしょ??
それに、結婚して家庭をつくってあなたには幸せになってほしいのよ!!」

そう、前回はまだ21歳で死んじゃったから結婚も出来なかったんだもの、、

「・・・必要ありません
私は貴方のものですので」

「そ、それは撤回するわ!!
クリスは私のものじゃなくて、私の従者で執事なの!!ものじゃないわ!!まず、人間だしね、、!」

「私は貴方のものです」

「だからッーー」

「お嬢様」

さすがにしつこく言うので強めに言おうとすると何故かベットに押し倒された

「ちょっとッ!!
クリス、何するのよ!」

「私はこれまでも、これからも貴方だけのものです」

そう言いながらクリスは私の手を取り、目を見つめながらキスを落とした

「ク、クリスッ?!!何しをーー」
「お嬢様、二度とそのようなことは言わないでください」

「ま、待って?!
確かに心を入れ替えるとは言ったけど、これは違うわよ?!!」

「貴方が私に言ったんです
それが覆ることはありません」

「・・・ッ、わ、分かったわ!!
クリスは私のねッ!!でもそれとは別に友達も好きな人とかとの時間も作りなさいね??
それであなたは幸せになりなさいッ
いいわね?!」

「私は今でも、十分幸せです」

「もう!そんなわけないでしょ?!!
ちゃんと信頼できる友人をつくって、素敵な女性と出会って恋に落ちて結婚して長生きするの!!」

「・・・好きな女性と結婚してもいいのですか」

「当たり前じゃない!!
私が許すわ!」

「・・・本当ですか」

「えぇ、私は嘘はつかないわ」

私がそう言うと、

「その言葉、もう取り消せませんからね」

「え、えぇ」

な、なに、、すごい年上の人とか、高位貴族の令嬢とか訳ありなの、、??

「お嬢様、なら私と結婚してください」

「・・・・はい?な、何言ってるの?!!
無理に決まってるじゃない!!
私は主人なのよ?!!それに婚約者もいるし!!」

まぁ婚約はなくなるけど

「関係ありません
お嬢様がしていいと言いましたから」

「それに私は好きな女性とって言ったの!!」

「私は貴方のことが好きです」

「ふざけないで!そんなことあるわけないでしょ?!!私はあなたを虐めてたのよ?!!好きになる要素なんてないじゃない!!」

「・・・虐められてませんけど
それに私は貴方が好きです」

「な、なんなの、、ドMなの、、?」

「貴方と結婚すれば、貴方も私のものになります」

「ま、まさか・・」

「・・・?」

「復讐ーー」
「違います」
はやっ

「ならなんで私があなたのものになるとか言うのよ」
完全に嫌がらせする気満々じゃない!

「好きだからです。愛してます」
そう言うと今度は顔を近づけてきた

身の危険を感じて急いでクリスの胸を押し返す
「ハハハ、、クリス、、??落ち着いて??な、何をしようとしてるのかな、、??」

ちょっと待って、押し返してるのにどうして諦めないのよ!!

非力な私の力が、もと暗殺者で男の力に敵うはずもなくクリスの顔がすぐそこまできていた

「恋人や夫婦は愛情を表す際、口と口をくっつけると聞きました」

そんなこと誰に聞いたのよッ

「ハハ、でも私たちはそういう関係ではないし私には婚約者もいるのだから、こういう行為は良くないわ!!」
そうして少し強めに言うと、クリスの動きが止まった
とは言ってももう唇が触れそうなほど近い

「・・・」
「ね、ね??分かったでしょ??私たちは結婚できないの。それにあなたは貴族でもないし、お父様が許さないわ」
私がそう言うとキスはどうにか免れたものの、そのかわりに何故か苦しいくらいに抱きしめられた

「ッ?!ちょ、ちょっと!!」
「好きな女性と結婚していいと言いました」

「そ、それは、、私と結婚しようなんて言うとは思わないじゃない・・」
「許すと、、嘘はつかないと・・」
そう言うと抱きしめる力がさらに強まり、頭を首元に埋めてグリグリすりつけてきた

く、苦しい、、っ、、
「それは謝るわよ、、。でも普通に考えても私とあなたが結婚できるはずないでしょ??あと、苦しいわ、、」

「あ、すみません。
・・でもーー」
「でもじゃないわよ!無理なものは無理なの!」

「・・・、はい」

「分かってくれた??うんうん、さすがクリス。物分かりがいいわ!ほんと、いい子ね」
そう言ってクリスの頭を撫でた


「・・・」
「・・・」

うん、、?
「ク、クリス??いつになったら離れるの??」

先程からまったく離れる気配がない

「・・・離れ難いです」
「ッ?!!何言ってるのよ!早く離れなさいっ」
クリスの服を引っ張るがびくともしない

「クリス、いい加減にして」
「・・・好きです、愛してます」

もう、なんなのよっ
「分かったから!」
「ほんとうですか?」

「えぇえぇ、わかったわ!あなたは私のことが好きなのね!」

「じゃあ結婚をーー」
「おい」
何を考えてるんだこの子は

「もう!それは無理だって言ったでしょ?」

「なら愛人にーー」
「あいじッーー?!あなた本当にどうしちゃったの?!」

それにさっきからなにか下に固いものが当たってるのよッ!!
もう信じられないッ

「・・・すみません、、。お嬢様のものというのは撤回すると言われて、、
突き放された気がして。つい、、抑えが効きませんでした」

なんの抑えよ・・

「別に突き放したつもりはないわ。ただあなたには苦労をかけていて、自由もあげられていなかったから悪いと思って言ったのよ」

「私は、、自由なんていりません。貴方から離れられないように、これからもずっと縛り付けておいてください」
いや、言い方ッ

「あなた、、ちょっとおかしいわよ。あんなに嫌がらせも我儘も言われてきて、よくそんなこと言えるわね」

「そんなことされてません」

「さすがにお人好しにも程があるわね」

はぁ、、もうわけがわからないわ・・。


「さっさと婚約破棄されればいいのに・・」
「なんてこと言うのよ」
されるけども、、

「早く捨てられて、私のものになってください」
「最低ね」

うーん、、でもそうね
確かに婚約解消してもらうのはいいかもしれない

「ねぇ、そろそろ本気で退いてくれないかしら?それから、その下のもどうにかしなさい」
「・・・はい」
渋々といった感じだけれど、やっとどいてくれた

「クリス、アレン様に手紙を書くわ。便箋を持ってきて。それとお父様にもお話があると伝えて?」

「かしこまりました」
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