貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました

 ――あの日、私は確かに笑われた。
「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」

 王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。
 その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。

 ――婚約破棄。
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