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母、聞こえないはずの音が聞こえる

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『我はこの地を治める漆黒のドラゴン』
「しっ↓こ↑く↓!」

「救世主様?どうかなさいました?」
「えっ?ク・クゥには聞こえないの??」『300年前に肉体は滅び』
「いえ…私には何も…」『今こうして現世で彷徨う魂とし』
「ちょっとまて!!今こっちで話してるでしょ!空気読め!!」
『……!』
「きゅ、救世主様?」
「いや、なんかね、頭の中に直接声が響いて聞こえるんだけど。漆黒のドラゴンとか言う奴の」
「漆黒のドラゴンはこの地を治める我らの守り神でした。既に亡くなって数百年たちますが……。もしかして、伝承に記されている、全てを知る術とは、その声のことなのでは?」
「おっけー。わかった。ちょっと話を聞いてみるね。」
『……』
「いや、続けろよしっこく。空気読め。」
『……!彷徨う魂としてそなたに語りかけるのには理由がある。この地に住まう民を、世界に散らばる我らが同胞の魂を救って欲しい。我が記憶と力をそなたにさずけよう……』


そう言い終わるや否や、ミチヨの頭の中にビジョンが流れ込んできた。

【むかしむかし、あるところに】

(あっ!これ!みたことあるやつじゃん!!)
星空に下から上へと奥スクロールする黄色の文字……
(これ、なんか、、、あの超有名なBGMが聞こえてくる……きがする!!勝手に脳内再生してる!やば!光る棒をヴォンって言いながら振り回したい!!餡子食う面に堕ちる!!フォーの導きがっ!!くそっ!!全然話が入ってこねぇ!!やべぇ!!)


そんなこんなしているうちに、暗闇で刀をかまえていたミチヨだったが、大量の情報が一気に流れ込んできて、そのまま脳の処理が追いつかず、目眩がして倒れた。




(ん……ほっぺが……つめ、、、たい、、、)
無意識に手を伸ばすと、ぺっちょりとした触感。
「鳥のフンだーー!!!」
飛び起きると、ピーちゃんとチーちゃんがムシった畳で仲良く綱引きをして遊んでいた。
「ちょっと!あー!ダメだよもー!!」
慌てて畳の被害を確認しに行くも、そんなに酷くむしられておらず、胸を撫で下ろした。
「元々ボロボロだったしな。わかんないだろ…たぶん…」
ティッシュで顔と手のフンを拭い取り、洗面台で顔を洗った。
見上げた先の時計は、午前10時を回る頃。
(なんかすごい夢を見たな……宇宙大戦争……ってかアレ、モンスターを狩る方のメインテーマが流れてたよな……無茶苦茶だな。)

そうしてミチヨはいつもの様に昼寝を済ませた事にして、いつもの様に家事と内職を手早く終わらせて、昼も食わずに新しく出たモンスターを狩るゲームでおおたちまわりをキメていた
(うわこの曲射うぜええええ!!)



つづく?
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