灯る透明の染色方法

ナナシマイ

文字の大きさ
11 / 31
第二章 魔女の髪飾り

2−5 人ならざる者の選択と幸福への道筋

しおりを挟む
「結局ほとんど一緒にいられなかったが、楽しめたか?」
 やむことのない雨はわずかな抑揚すらつけず、壮麗な城を濡らし続ける。ほの暗くも不思議に光を孕んだ景色は美しいが、ここまで単調ではそら恐ろしくもあった。しゃん、ぴしゃんと跳ねる雨粒の不規則だけが生き物の存在を許しているようで、魔女は知らず詰めていた息をほうっと吐く。
 戦火の聖人が舞踏会に必要な魔法を紡ぎ終え、また突然の婚姻に対し驚き探りを入れてくる者たちをうまく躱すころには、舞踏会は終盤に差し掛かっていた。
 ようやく解放されたルフカレドは、まっすぐリヴェレークたちのもとへ戻り「引き際を知らない者が増えていて、困ったものだな」とにこやかに告げた。ではその者たちのリストをいただきましょうと笑顔のまま主と秘密のやりとりをしていた雷雲の妖精も目は笑っておらず、その静かな怒りに、先ほどまでの物腰はどこへいったのだとさすがの魔女も慄くばかりだ。
 そうして反応に困っていると、ふっとやわい息を溢した聖人に手を取られ、雨降りの庭園へ連れてこられたのであった。

 ゆっくり歩きながらあらためて見てみると、作りものめいた雨の城は先日訪れた人形の館とどこか趣が似ている。しかしここは現実で、今ここに立っているのは静謐の魔女なのである。髪と溶け合うような青い傘を手にした、ひとりの魔女。
「はい。書の迷い路へ落ちることは叶いませんでしたが、ウェッヅリャーとはいろいろ話すことができましたし、あのように魔女の用意した料理を食べるのも初めてでした」
 自然の要素を取り込むという意味では似たようなものだが、竜の料理とはまた違った方法を辿って作られるそれは新鮮であった。そんな話をすれば聖人は「魔女としてそれはどうなんだ」と笑ったが、その瞳はどこかやわらかい。
「……あなたのダンスも、美しいものでした」
 戦という要素はかなりの調整が必要なものか、戦火の聖人が無類のダンス好きなのか、はたまた彼が人気すぎるのか。もはやそのすべてなのではとリヴェレークは思うが、とにかくルフカレドは相当な時間をダンスに費やしていたのだ。ふと舞踏会のようすを覗けば必ず目に入る戦火の聖人は、相手の女性たちが持つ魅力を的確に引き出しながら世界に戦火を刻んでいた。
 力のある聖人らしく、周囲の羨望と好意を集めながら。
 まだ城の中では音楽が鳴っている。夜へ向かうための艶やかさを増したその調べに、しかしリヴェレークは簡単にルフカレドのステップを思い出すことができた。
 ――と、ごくごく自然に、傘が奪われる。
「なら、今ここで踊ってみるか?」
 凛とした佇まいの青百合の傘はどこかへしまわれ、ふたりは漆黒の傘が作るひとつの影の中。
「遠慮します」
 近い位置でそれとなく差し出された手を避けてしまえば、ルフカレドは「つれないな」と笑いながらリヴェレークの髪に触れる。
 その動作はやはりなめらかで、今度こそなすすべなく彼の手を受け入れるしかなかった。
 魔法で結われた髪に、雨で崩れるような隙はない。ただ深い青色の艶をなぞる手つきが、どこか危うい。
「ウェッヅリャーに、髪飾りのことを教えなかったそうだな」
 ふつりと落とされた呟き。その声色は恐ろしいほど静かで、ああこの聖人はわざとそうしたのだと理解する。
 魔女の判断を、試すために。
 ふわりと広げられた羽と、滲むようでありながら鮮烈な黒を放つ光。
 リヴェレークが「忘れて」と話をとめた際に妖精が見せた礼は、最敬礼であった。彼もまたルフカレドの企みを知っていたのだろう。
 そうして、魔女の選んだ行動に、価値を認めた。
「あなたの領域にあるものに、勝手に触れることはありません」
「それは俺にも君の領域にあるものに触れるなという忠告かな」
 思わず睨んだリヴェレークの頭からルフカレドの手が退けられた。悪い悪い、という口調こそ軽薄だが、その奥にあるなにかを隠しているようでもある。
「君は……」
 そのなにかを言いかけ、しかし「いや」と口を閉じたルフカレドに、このひとはなんと面倒な性格をしているのだとリヴェレークは笑いたくなった。リヴェレークのほうが遥かに長い時を生きているのはたしかだが、これではまるで、子供のようではないか。
 やわらかで無機質な雨が、硬い竜皮の傘を叩く。
「言ってください」
 伝える言葉があり、伝える相手が目の前にいるのだ。だというのに口をつぐんでしまう聖人は、いったいなにを恐れているのだろう。
(わからないでもないけれど、もう、婚姻を結んだのだ)
 共通項を求め、魔女の選択を知り。これならと判断しておきながら。
「トーン・クァッレはもっと互いを知りなさいと言いました。今のわたしたちは他人も同然。言葉もなしに理解しあえません。そこから始めるのですから、ちゃんと、話をしましょう」
「話、を……」
 途方に暮れたようにルフカレドの瞳が揺れる。ゆら、ゆらりと影がかたちを変えるようすは、風にさらされた蝋燭にも似ていた。
 無防備で、けれど、決して消えはしない強い光。
 それもそうだなと、彼は慎重に言葉を選ぶように指先だけで傘を回した。虚空に浮かべていた視線がリヴェレークの瞳を捉える。
「――君は、夢を叶えるのが上手いんだな」
「夢……ですか?」
 思いもよらない言葉に首を傾げるリヴェレークに、ルフカレドは「そうだ」と苦笑ぎみに頷いた。
「かつての静謐はなにもない影であったと聞く。であれば、今もなお己の心に入れるものを増やし続ける君は、自身が望むものを手にする力を持っているんだろう」
 そこで「まあ、望まぬものを持たされてしまうこともあるようだが」と付け加えたルフカレドにむっとしかけたリヴェレークは、しかし話をしようと言ったのは自分であると今は大人の顔をしてやることにした。

 であればと答えるのは、遠い昔に手にしてから変わらず持ち続けている信念だ。
「わたしは、自分が幸福であることを願ってやみません」
 何度も口にするのは、それが本当の願いであるがゆえ。
 大事な友人の願いこそが、なにも持っていなかった静謐の魔女の願い。
「ああ。だから君は小さなことも見逃さない。君の心を動かすすべてを、自身のために判断し選択し続ける。書の迷い路へ落ちることや、星たる友人が見下ろす空が好きなのだと。反対に騒がしいのは嫌いで、戦はもってのほかだったな。君と話をして、俺はそれを知った。……だが」
 そこで聖人は言葉を切り、ふたたび魔女のほうへ手を伸ばした。
 いつかの婚姻を結んだ日を思い出させる動作。近づいてくる手指の、手袋越しの硬さまで見えていて、しかしリヴェレークは動かない。
(動けない)
 顔にかかっていた髪をそわりと避ける指も、試すようにこちらを覗く、熱を孕んだ瞳も。火の色に混じる青は彼自身のものだとわかっていても、リヴェレークはどきりとしてしまう。
 揺らぐ火の薫りがして。
 ふっと口づけが落とされる。
 指の側面で顎を持ち上げられ、軽く触れただけのその行為になにか意味はあるのだろうか。
 吐息すら混ざらない、一瞬の出来事。戦火と静謐の交差はあまりに刹那的であった。
「……っ、の」
 戸惑いを溢した魔女の反応を面白そうに見ている聖人にはもう、先ほどまでの、子供じみた無垢さはない。
 軽く傾げた首と、雨の中でも鮮やかな火の色を放つ髪。
 獰猛なまでに熱の色を湛えた瞳。
 淡い愉悦を乗せた口の端を持ち上げて。
 戦火の聖人が男性らしい角度で微笑めば、こんなにも目を離せなくなるのだと、魔女は知った。
「――もちろん、話はしていこう。だが俺たちは夫婦なんだからな。こうして触れ合うことでわかることもあるだろう。そう思わないか?」
「綺麗……」
 さすがにこのような場面では会話を控えるものだと知っている魔女は、しかし突然の問いかけに言葉選びが間に合わず心の声をほろりと零してしまい、聖人をぽかんとさせた。
「…………そうか、そこからか」
 リヴェレークに触れていた手で目もとを覆い、「まあ時間はたっぷりあるからな」と呟くルフカレドに、なんだかこの手の勘違いが多いぞと思わないでもない。とはいえここで気の利いた返答をしてこれ以上に進められても困るので、勘違いしたままでいてもらおうとリヴェレークは心の中で頷く。
(物語の中では、色めいた話になると途端に鈍感さを発揮する女性がよく出てくるのが不思議だったけれど、真実は、こういうことだったのかもしれない)

 青百合の傘を出してくれとせがんでみるも、ルフカレドは妻の言葉を聞かず、そのまま同じ傘に入っているようにと諭した。
 周囲は雨のヴェールに覆われ、ひとつの影に重なる静謐と戦火の薫りが濃くなる。
 どこか落ち着かないリヴェレークは手持ちの傘を出すか否かの個人会議を開き、さすがにドレスと揃いで誂えてくれたルフカレドに失礼だと結論を出したばかりだ。しばらくこちらを見て黙っていた聖人がどこか機嫌のよさそうな雰囲気で庭園を案内してくれるので、これでよいのだろう。
「このあたりの花は貴重でな、よく戦乱の種に使われる」
「もしかして、閃光薔薇でしょうか。物語ではよく嵐の夜に雷とともに――……あ」
「ま、そういうことだな」
 嵐の夜、稲妻を携えて蕾む薔薇は、それはそれは幻想的であるという。
 ルフカレドの秘書である妖精がそれをなすのであれば、本当にそうなのだろう。そこから始まる人間の醜悪な争いはともかく、リヴェレークは魔女としての心で、その景色を見てみたいと思う。
「面白いですね。今日だけで、わたしは物語の中でしか知らなかった事象の真実をたくさん目にしました。資料部屋でも、こっそり秘密を教えてくれたひとがいたのですよ」
 いつのまにか背中へ回されていたルフカレドの手にきゅっと力が入った。
「……それは、誰だったか覚えているか?」
「このような場ではあまり名乗らないほうがよいのでしょう? 不思議な灰色の色彩を持つ女性でしたが、傍にいたウェッヅリャーもなにも言いませんでした」
「そうか」
 その呟きに鋭さはないが、まるで新しい傘を開きなおしたようであった。
 雨に濡れすぎてくたびれた傘を、交換するように。
 なんでもないふうを装って「そういえば」と話題を変えてしまう戦火の聖人に、魔女は困ったものだとため息をつきたくなる。歩み寄ったと思った瞬間に、これなのだから。
「やっぱりこの髪飾りはよく似合うな。普段から着けるようにしてくれないか?」
「それは、あの島国以外にも、あなたと婚姻を結んだわたしに害をなそうとする者がいるからでしょうか」
 ゆえにもう一歩、踏み出す。
 やっと、やっとなのだ。
 願うことすら諦めてしまいそうになる幸福へ、やっと、向かっていけるかもしれない。そう確信した瞬間を逃すほど、魔女は鈍感ではないのである。
(ああ、なんて)
 なんて鮮やかなのだろう。
 戦火が、好まぬ要素であることに変わりはない。それでも傘の下で鮮烈に灯る火の色はいっとうに美しかった。
 押し黙るルフカレドに見せるようにして頭を振れば、しゃりんと鳴る星が雨音に溶けていく。
「もとよりこれは危機を脱するためのもの。わずかでも危険があるのなら、身に着けない理由はありません」
 あの透明な水のように、戦火と静謐も混ざりあうことがないのだとしても。景色は、透明にかざして見えるものだけは、変えていけるのだ。
(変えてゆけたらと、思う)
 そう見上げれば、彼自身の青い熱の色が、ふたたび深まる。
『なら、リヴェレーク』
 誰にも聞こえないように、ルフカレドは言葉を潜めた。静謐の魔女が好まぬ略称ではなく。そのためだと確信できるのは、続く言葉が空気を揺らしたから。
「俺に、毎朝君の髪を結わせてくれ」
「……それは」
 はっとして息を呑み、それから、恐る恐る影を繋げる。この場において戦火の聖人の名は知られているのだから潜める必要はなかったが、今はただ、同じようにするべきだと思った。
『ルフカレド。それならわたしは――』
 これは互いのためにできることを口にする儀式だ。魔法もなにも関係ない、ただの口約束という、軽やかな儀式。
 けれど魔女は知っている。
 そんなやりとりをする人間の物語を、いくつも読んだことがあった。
「わたしは毎晩、あなたが持ち帰るしがらみを影へ落としてしまいましょう」
 夫が妻の朝を欲するなら、妻は夫の夜を。
 互いのすべてを求めずとも、一日の始まりと終わりが同じ場所にあるならば。互いの守りを担うならば、それは。
「…………ああ、期待してる」

 かくして、静謐の魔女と戦火の聖人は、住居をともにすることを決定したのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

あなたの片想いを聞いてしまった夜

柴田はつみ
恋愛
「『好きな人がいる』——その一言で、私の世界は音を失った。」 公爵令嬢リリアーヌの初恋は、隣家の若き公爵アレクシスだった。 政務や領地行事で顔を合わせるたび、言葉少なな彼の沈黙さえ、彼女には優しさに聞こえた。——毎日会える。それだけで十分幸せだと信じていた。 しかしある日、回廊の陰で聞いてしまう。 「好きな人がいる。……片想いなんだ」 名前は出ない。だから、リリアーヌの胸は残酷に結論を作る。自分ではないのだ、と。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

処理中です...