百万文字の世界

魔狼ちゃん

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百万文字の世界2nd

12.

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✴︎
 でも、おかしい。
 だって牙を生やした人がいる。
 あれなに?
「ノートの周りに群がってる?」
 ちょっと待って、なんで,私ノートってわかったの?
 なんで?
 私には,到底理解できない。
 なんで,ノートってわかったのか。
「私を殺した人は,死んだ?」
 私は,疑問符を打ちながらそう言った。
「なんでそう思ったんだろう?」
 また,疑問符を打つ。
 私がいるビルは,燃えている。
 真っ赤な炎で。
 空には,鼠色の雲が広がる。
 あれ?
「私が私で私」
 私は,屋上の扉から降りようとして,降りれないことに気づく。
「扉がない?」
 なんで?どうやってここにきたの?
「あの人が何かした?」
 そこまで考えて気づいた。
「私,死んでるんだよね?なんで,生きてるの?」
 あの時確かに殺された。
 私は,世界から魂が消えたと考えていた。
 でも実際は,生きてる。
 息をしてて、動けて……?
「私の動きカクカクじゃない?」
 ……。
「私,ロボット?」
 そこまで考えて、やっと出せた答え。
 私は,その安堵に倒れる。
 しかし,倒れたのは,地面では,ない。
 ビルの端っこの方だ。
 要は,空中。
 さようなら。
 この世界。
 私は,自分の身を投げ出した。
 私は,
「あー……」
 その続きは,語られない。
 なぜなら、
 ガシャンッ!
 と音を立てた。
 私の体は,粉々に砕け散った。
 ノートの上で。
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