迷宮探偵〜迷宮での事件を解決する最強探偵ここにあらわる〜

魔狼ちゃん

文字の大きさ
1 / 42
第一章

1.

しおりを挟む
✴︎
「今日も迷宮での謎を解く日々か……」

 俺は,目の前で、グツグツと鍋を煮ていた。
 中には,さっき殺したキラーラビットの肉が入っている。
 その匂いは,このダイガラス迷宮の九十八層で広がっていた。

「さて,そろそろ食いますか」

 俺は,そう言って、どんぶりでも入れるかのような、器を持ってきて、それに並々と入れる。

「よしよし、一応うまそうにできたな」

 そう言って、俺は,器に並々と注がれた湯気が黙々と出ていてうまそうな液を
 ゴクッ
 と飲んだ。
 次の瞬間、俺は,

「オヴェッ!」

 思いっきり吐き出した。

「マッズっ!」

 俺は,まずかったことに衝撃を受けて、それ以上反応できなかった。
 でも、まずいのは,なんとなく理解できた。
 だって、うまそうな見た目してないからだ。
 残念ながら。
 俺がそれを見てがっかりしていると、

「あの~それもらっていいですか?」

 そこにケモ耳の娘が出てきたのだ。

「あーこれ夢系のやつね。九十八層ぐらいになると流石にいるよね。夢を見せるやつとか」

 ケモ耳の娘は、何故かもじもじとしている。

「あのさ、食いたらくってもいいけど、味は、保証せんで」

 俺は、そう言って、予備の器に液体を並々と注ぐ、ついでに肉もトッピングしておいた。
 ちなみにこの肉、かなり高級なものらしいのだが、俺が料理するとどうしても、成功してもクソ不味くなるため、この肉の旨味が一切、無意味なのである。
 とても残念な話である。
 と、そんなことを言ってる間に、俺は、器をケモ耳の娘に渡した。

「ほい」
「あ、ありがとうございます」

 ケモ耳の娘は、少し泣いていた。
 ちょっと待てよ。
 こいつ、キラーラビットの擬態化じゃないのか。
 俺は、少しその線を疑った。
 もし、キラーラビットの擬態化だったなら、俺このパターン死ぬんだけど。
 そう思いながら見ていた。
 ケモ耳の娘は、少し、その液を嗅いで、

「これキラーラビットですよね?どうやって手に入れたんですか?」

 ケモ耳の娘は、感心していた。
 俺は、感心されると思ってなかった。
 てことは、キラーラビットの擬態化では、ない。
 なら、なんだ。
 そう思っていると、

「私、暗黒天使のカラミラです……」
「あ、じゃ,その耳あたりについてるのって……」

 それを聞かれて、かなり恥ずかしそうにしていた。

「そ、それは、耳の毛?みぃ、た、いぃ、な……」

 とても声が震えている。
 多分、とても恥ずかしいのだろう。
 俺は、そう思った。
 そして,ついにカラミラが、
 ゴクッ
 と、液を飲んだ。
 すると、カラミラは、顔を真っ青にして、

「オヴエェェェェ……」

 思いっきり吐いた。
 そして,ゼェゼェと息を荒くしていた。

「こんなまずいものを天使に食わせやがって……」

 天使とは、思えない発言をこぼしたカラミラだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...