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第一章

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✴︎
「今日も迷宮での謎を解く日々か……」

 俺は,目の前で、グツグツと鍋を煮ていた。
 中には,さっき殺したキラーラビットの肉が入っている。
 その匂いは,このダイガラス迷宮の九十八層で広がっていた。

「さて,そろそろ食いますか」

 俺は,そう言って、どんぶりでも入れるかのような、器を持ってきて、それに並々と入れる。

「よしよし、一応うまそうにできたな」

 そう言って、俺は,器に並々と注がれた湯気が黙々と出ていてうまそうな液を
 ゴクッ
 と飲んだ。
 次の瞬間、俺は,

「オヴェッ!」

 思いっきり吐き出した。

「マッズっ!」

 俺は,まずかったことに衝撃を受けて、それ以上反応できなかった。
 でも、まずいのは,なんとなく理解できた。
 だって、うまそうな見た目してないからだ。
 残念ながら。
 俺がそれを見てがっかりしていると、

「あの~それもらっていいですか?」

 そこにケモ耳の娘が出てきたのだ。

「あーこれ夢系のやつね。九十八層ぐらいになると流石にいるよね。夢を見せるやつとか」

 ケモ耳の娘は、何故かもじもじとしている。

「あのさ、食いたらくってもいいけど、味は、保証せんで」

 俺は、そう言って、予備の器に液体を並々と注ぐ、ついでに肉もトッピングしておいた。
 ちなみにこの肉、かなり高級なものらしいのだが、俺が料理するとどうしても、成功してもクソ不味くなるため、この肉の旨味が一切、無意味なのである。
 とても残念な話である。
 と、そんなことを言ってる間に、俺は、器をケモ耳の娘に渡した。

「ほい」
「あ、ありがとうございます」

 ケモ耳の娘は、少し泣いていた。
 ちょっと待てよ。
 こいつ、キラーラビットの擬態化じゃないのか。
 俺は、少しその線を疑った。
 もし、キラーラビットの擬態化だったなら、俺このパターン死ぬんだけど。
 そう思いながら見ていた。
 ケモ耳の娘は、少し、その液を嗅いで、

「これキラーラビットですよね?どうやって手に入れたんですか?」

 ケモ耳の娘は、感心していた。
 俺は、感心されると思ってなかった。
 てことは、キラーラビットの擬態化では、ない。
 なら、なんだ。
 そう思っていると、

「私、暗黒天使のカラミラです……」
「あ、じゃ,その耳あたりについてるのって……」

 それを聞かれて、かなり恥ずかしそうにしていた。

「そ、それは、耳の毛?みぃ、た、いぃ、な……」

 とても声が震えている。
 多分、とても恥ずかしいのだろう。
 俺は、そう思った。
 そして,ついにカラミラが、
 ゴクッ
 と、液を飲んだ。
 すると、カラミラは、顔を真っ青にして、

「オヴエェェェェ……」

 思いっきり吐いた。
 そして,ゼェゼェと息を荒くしていた。

「こんなまずいものを天使に食わせやがって……」

 天使とは、思えない発言をこぼしたカラミラだった。
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